配当投資で失敗から学んだこと ― 高利回りに釣られて塩漬けにした話

本サイトでは高配当株を淡々と採点していますが、筆者自身は最初から上手くやれていたわけではありません。むしろ、配当株でしっかり失敗した経験があり、その反省が今の銘柄の見方や、本サイトの採点軸の土台になっています。このページは、その失敗と、そこから学んだことの記録です。

※本ページは筆者個人の経験・反省の記録であり、特定の銘柄・手法・売買タイミングを推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。


1. いちばん大きな失敗 ― 利回りの高さだけで買ってしまった

数年前、筆者はある高配当銘柄を「利回りが高いから」という理由だけで買いました。当時はまだ、財務や業績の中身をきちんと見ておらず、利回りの数字の大きさに惹かれて飛びついたのです。

ところが、その会社は業績の波が大きい業種でした。買ったあとに業績が悪化し、ほどなく減配。筆者自身のケースを振り返ると、最初の減配というはっきりした黄信号が出た時点で、いったん保有を続けるか見直すべきでした。ところが「いつか戻るだろう」と期待して、そのまま持ち続けてしまいました。

結果は、さらなる業績悪化・追加の減配・株価の低迷。売るに売れない、いわゆる「塩漬け」の状態です。

2. この失敗から学んだ4つのこと

振り返ると、いくつもの判断ミスが重なっていました。

  • 利回りの高さは「割安」とは限らない。 利回りが高いのは、株価が下がっているからで、その下落は将来の業績悪化や減配を市場が織り込んだ結果のことがあります。「高利回り=お買い得」ではない、と痛感しました。
  • 業種の特性を軽視していた。 業績の振れが大きい業種は、配当の持続性も振れやすい。同じ「高配当」でも、業種によって安定度がまるで違うことを、身をもって知りました。
  • 最初の悪化サイン(減配)で動けなかった。 減配は、配当の土台が崩れ始めた明確なサインです。そこで一度冷静に見直すべきところを、「戻ってほしい」という願望で判断を先送りしてしまいました。
  • 撤退も考えるべき場面で、逆に買い増してしまった。 筆者の目には、その会社の配当の余力がかなり細ってきているように見えていました(利益で配当をまかないきれていないように感じられた、ということです)。本来であれば、自分の判断として買い増しではなく撤退も含めて見直す局面だったのに、「安くなったから」とナンピン買いをして、かえって傷を広げてしまいました。

3. この失敗が、今の銘柄の見方をつくった

この経験があったからこそ、筆者は高配当株を見るときに、利回りの数字よりも「その配当を続けられる力があるか」を先に確認するようになりました。具体的には、

  • 利回りの高さだけで判断しない(分析方法の選定基準も、利回りはあくまで入口にとどめています)
  • 営業利益率・ROEなど、配当の原資を生む本業の力を見る
  • 配当性向や手元資金など、配当原資に余裕があるかを見る
  • 業種ごとの特性(業績の振れやすさ)を踏まえる
  • 表面の配当額が維持されていても、配当を生む力が継続的に弱っていれば見直す投資方針の売る判断につながっています)

本サイトの「配当持続性スコア」を、利回りではなく配当・財務・収益のバランスで組み立てているのは、まさにこの失敗の裏返しです。同じ轍を踏まないために、全銘柄を同じ物差しで定点観測する仕組みにしました。

4. それでも失敗はゼロにならない

偉そうに書きましたが、今でも判断を完全に当てられるわけではありません。だからこそ、感情ではなく同じ基準で淡々と見続けることを大事にしています。筆者が今、自分に言い聞かせているのは、「利回りに飛びつかない」「悪化のサインから目をそらさない」「現金の余力を残しておく」――この地味な3つです。

新しい学びがあれば、このページに少しずつ書き足していく予定です。

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