【クイック(4318)】配当A(86点)・利回り5.12% — 2026年3月期

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📌本記事は旧期(過去四半期)の決算分析です。 同銘柄の最新カルテをご覧ください。→ 最新版を見る

結論: 鉄壁の財務+配当性向76%引き上げで実質増配維持、本業は低成長。

📊 スコア: A 86点
💰 配当: 96→113円相当(+17円、分割前換算、来期分割前換算114円相当)
✅ 良い点: 自己資本比率74.7%、実質無借金、現金132.8億、ROE 22.4%(当期実績)
⚠️ 注意点: 本業営業利益+1.1%低成長、来期純利益△32.5%、配当性向76%引き上げ、2021年減配履歴


※2026-08-09 訂正: 営業CF安定性の判定を配当持続性スコアの正式な算定方式(直近5期の平均からの乖離)へ揃えました。これに伴い営業CF安定性が3→4点、財務カテゴリが23→24点、合計スコアが88→89点となります(配当持続性ランクAは変わりません)。あわせて、営業CFの掲載期間が2021〜2025年3月期の5期になっていた誤りを、当期を含む2022〜2026年3月期の5期へ是正しました(§7-2 の営業CF実額もこれに合わせて訂正)。

※2026-08-18 訂正: 配当方針の記述(4箇所)を、2026年3月期決算短信(2026-04-30開示)「利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」で同日公表された新配当方針 — 年間配当38円(株式分割前換算114円)を下限とし、2029年3月期までの3年間は下限38円と配当性向70%に基づく配当額のいずれか高い方を採用 — へ改めました(旧記載は「配当性向50%目安」の旧方針のままでした)。配当方針の得点(6点)・合計スコア・配当持続性ランクに変更はありません。

※2026-08-13 訂正: 2026年3月期の中間配当を、前期(2025年3月期)の47円と取り違えて記載していました。決算短信「2.配当の状況」に基づき、中間配当を50円(分割前)へ訂正します。これに伴い年間配当(分割前換算)が110円→113円、前期96円からの増配額が+14円→+17円、当期の配当性向が49.5%→50.8%(決算短信記載値)へ変わります。配当性向は訂正後も業種中央値+10〜20pt帯にとどまります。あわせて、§6-2「過去年度 連結DPS・EPS・配当性向」を2025年12月1日付の1株→3株分割の後の1株(分割後ベース)へ統一し、これまで空欄(—)だった2020〜2024年3月期のEPS・配当性向も掲載しました。さらに、Q4カルテの営業利益率・ROEの採点根拠を当期実績から来期予想へ揃え(§7-3に来期予想の2指標を明記)、ROEが来期予想14.5%で10点→7点、収益カテゴリが22→19点、合計スコアが89点→86点へ変わります(配当持続性ランクAは変わりません)。

1. 業績ハイライト

  • 売上高: +4.4%、人材紹介(建設・不動産・IT)が堅調で本業ベースは緩成長。
  • 営業利益: +1.1%、看護師領域のTVCM投資先行で増益幅は限定的。
  • 純利益: +16.1%、ただし投資有価証券売却益11.6億円(一過性)が主因。
  • 自己資本比率: 71.0% → 74.7%(+3.7pt)、極めて健全な水準へさらに改善。
  • 株式分割: 2025/12/1付で1株→3株分割、来期予想配当は分割後38円(分割前換算114円相当)。

2. 配当判断サマリー

  • 表面DPSは中間50円(分割前)+期末21円(分割後)=分割前換算113円で +17円 増配。
  • 来期予想は38円(分割後・分割前換算114円相当)で実質維持〜微増の姿勢。
  • 配当性向は50.8%→76.0%へ引き上げ、減益局面でも配当維持を明示。
  • 配当利回り5.12%(¥742・2026-05-15終値)、高配当水準。
  • 2021年(コロナ期)に45→44円(分割前・分割後ベースでは15.00→14.67円)の軽微減配履歴あり、過去ショック耐性は限定的。

3. スコア内訳

配当持続性ランク: A(86/100点) ★★★★★ (5.0)

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 43 配当性向7、DOE 10、利回り10、配当方針6、増配耐性10
財務 25 24 自己資本比率10、ネットキャッシュ10、営業CF安定性4
収益 25 19 営業利益率12、ROE 7
合計 100 86 —

3-1. 主な加点

  • DOE 10/10: 11.4%(決算短信記載)、ガイドの「5%以上」帯で満点
  • 配当利回り 10/10: 5.12%(38円÷¥742、2026-05-15終値)、ガイドの「4.5%以上」帯で満点
  • 自己資本比率 10/10: 74.7%(前期71.0%から+3.7pt)、60%以上の盤石水準
  • ネットキャッシュ 10/10: 現金及び預金132.84億円+短期有価証券0億円−有利子負債0.80億円=+132.04億円、時価総額約419.6億円に対して31.5%
  • 増配減配耐性 10/10: 2022→2026で48→113円相当の5期連続増配、コロナ期△2.2%を除けば減配なし
  • 営業利益率 12/15: 採点根拠は来期予想11.8%(4,110百万円÷34,800百万円)、ガイドの「10〜15%」帯(当期実績は13.5%)
  • 営業CF安定性 4/5: 直近5期(2022〜2026年3月期)は 38.4億→35.5億→29.7億→41.6億→27.3億円で全期黒字。5期平均34.5億円からの乖離が最も大きい2026年3月期(27.3億円・平均比△21%)を1期除くと、残り4期は4期平均36.3億円から±19%以内に収まり「5期連続黒字+単発の外れ値1期を除けば平均±20%以内」帯
  • ROE 7/10: 採点根拠は来期予想14.5%(予想純利益2,805百万円÷当期末自己資本19,375百万円)、ガイドの「10〜15%」帯(当期実績は22.4%)
  • 配当性向 7/10: 50.8%(配当÷EPS再計算ベース)、サービス業中央値35%から+15.8ptで「+10〜+20pt」帯

3-2. 主な減点

  • 該当する明確な低得点項目なし(全項目で40%超の得点を確保)。配当方針は中庸(年間配当38円〔分割前換算114円〕を下限+2029年3月期までは下限38円と配当性向70%のいずれか高い方を採用する方針だが、累進配当宣言は未確認)

3-3. 全体所感

  • スコアの中心要素: 配当43/50+財務24/25+収益19/25=86点で配当・財務が高水準、特にDOE/利回り/増配耐性/自己資本比率/ネットキャッシュの5項目が満点
  • 主な減点要因: 収益カテゴリ19/25(来期予想ベースの営業利益率11.8%で12点・ROE 14.5%で7点)+配当方針の中位採点(配当性向目標型で6点・累進未確認)+配当性向の中位採点(50.8%・業種中央値+10〜20pt帯)が下押し
  • ランク境界の判断: 86点はA帯(85〜100点)の下限まで1点差。来期の本業回復で営業利益率・ROEが15%台へ戻れば収益カテゴリに回復余地がある一方、減益の長期化+配当性向76%の恒常化が重なればB帯(70〜84点)への下振れもありうる

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. Pros & Cons

4-1. ✅ Pros

  • 配当利回り5.12%(来期予想ベース) — 株価¥742下で高配当水準、ガイドの「4.5%以上」帯
  • DOE 11.4% — 純資産対比の還元水準が本ブログでも高位、純資産連動で減益年も還元水準を維持
  • 直近5年連続増配を継続 — 2022→2026で48→113円相当へ約2.4倍、実質的に累進的な振る舞い
  • 2025/12/1の1:3分割で流動性向上 — 単元取得コスト低下で個人投資家層へのアクセス改善

4-2. ⚠️ Cons

  • 看護師領域のTVCM投資先行 — 短期コスト増のリスク、収益化タイミング次第で利益率回復に時間
  • 配当維持は配当性向76%まで引き上げての対応 — 業績下振れ時の余力は限定的、減益継続なら配当方針の見直しリスク
  • 人材紹介市場の景気感応度 — 建設・不動産・IT領域の求人動向に依存、景気減速時の業績変動に注意
  • 累進配当の明文宣言はなし — 年間38円(分割前換算114円)の下限+2029年3月期まで配当性向70%併用の方針で配当の床は明示されたが、増配継続の宣言ではない

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年5月時点)。


5. 筆者メモ

筆者がクイックを保有しているのは、建設・不動産・IT・看護師など専門領域に特化した人材紹介の事業基盤、実質無借金・現金132.8億円・ネットキャッシュ時価総額比31.5%という鉄壁の財務、及び減益予想の来期も配当性向76%へ引き上げて配当を維持する還元姿勢を評価している為。一過性の売却益が剥落する来期は本業の営業利益回復が焦点で、看護師領域TVCM投資の収益化と配当方針の数値コミット強化を注視。


6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目 値
2025/3期実績 96.00円(分割前)
2026/3期実績 113円相当(分割前換算・中間50円(分割前)+期末21円(分割後)、+17円増配)
2027/3期予想 38.00円(分割後・分割前換算114円相当・実質維持〜微増)
配当性向(連結・当期実績) 50.8%(表面ベース・分割前換算113円÷EPS222.33円、決算短信記載値と一致)
配当性向(連結・来期予想) 76.0%(50.8%→76%へ引き上げ・配当維持の姿勢)
純資産配当率(DOE) 11.4%(決算短信記載)
配当利回り 5.12%(38円÷¥742、2026-05-15終値、J-Quants API)
配当方針 年間配当38円(分割前換算114円)を下限+2029年3月期までは下限38円と配当性向70%のいずれか高い方を採用(2026-04-30公表・累進配当宣言は未確認)
株式分割 2025/12/1付で1株→3株分割実施

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2020〜2022年の履歴を表示
年度(分割後ベース) DPS(円) EPS(円) 配当性向
2020 15.00 36.68 40.9%
2021 14.67 25.91 56.6%
2022 16.00 39.78 40.2%
年度(分割後ベース) DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023 23.33 57.69 40.4%
2024 31.33 62.47 50.2%
2025 32.00 63.85 50.1%
2026 37.67 74.11 50.8%
2027(予) 38.00 50.00(概算) 76.0%

(注)

  • データ基準: EDINET DB 引用、DPS列・EPS列とも2025年12月1日付の1株→3株分割の後の1株(分割後ベース)で統一、直近期の配当性向は決算短信記載値と一致確認済
  • 配当政策の推移: 2020→2021にコロナ期の軽微減配(15.00→14.67円・△2.2%)、2022以降5年連続増配で復元、2026は分割実施年で分割後ベース32.00→37.67円(分割前換算では96→113円)の増配
  • 来期予想配当性向76%: 投資有価証券売却益反動による純利益△32.5%下で配当維持の姿勢

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 96→113円相当(+17円、分割前換算)、直近5年連続増配を継続、来期も分割前換算114円で実質維持〜微増
  • 方針シグナル: 累進配当宣言は未確認だが、年間38円(分割前換算114円)を下限とする新方針を公表し、2029年3月期までは配当性向70%との高い方を採用と明示、DOE 11.4%は本ブログ高位
  • 耐性実績: 2021年(コロナ期)に△2.2%の軽微減配履歴あり、以降は連続増配で復元、財務余裕(自己資本比率74.7%・実質無借金)で長期持続性は中位以上

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー(2026年3月期・連結)

指標 当期 前期 前期比
売上高 339.2億円 324.9億円 +4.4%
営業利益 45.8億円 45.3億円 +1.1%
経常利益 46.9億円 46.1億円 +1.7%
親会社株主帰属純利益 41.6億円 35.8億円 +16.1%
EPS(分割後) 74.11円 63.86円 +16.1%
営業利益率 13.5% 13.9% △0.4pt
ROE 22.4% 20.9% +1.5pt

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 中 純利益+16.1%の主因は投資有価証券売却益11.6億円(前期7.2億円)で本業ではない
営業外損益 🟢 安定 経常利益+1.7% vs 営業利益+1.1%の差は限定的
売上の質 🟢 高 人材紹介(建設・不動産・IT)は堅調、本業ベースの増収維持
利益横ばいの要因 🟡 構造的 看護師領域TVCM投資先行で短期コスト増、利益率は13.9%→13.5%で微減
構造調整 🟢 高 上海クイック有限公司を解散・清算完了、ワークプロジェクト株式譲渡を慎重・誠実に開示
開示の誠実性 🟢 高 一過性益(投資有価証券売却益)を明示、来期予想で大幅減益見通しも透明開示

→ 業績の質: △(やや濁る・純利益増は本業ではなく投資有価証券売却益)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2025年3月期末 2026年3月期末
自己資本比率(%) 71.0 74.7(+3.7pt)
現金及び預金(BS・億円) 150.53 132.84
短期有価証券(BS流動・億円) 0 0
現金及び現金同等物 期末残高(CF・億円) 150.07 131.39
投資有価証券(億円) 17.63 36.36
有利子負債(億円) — 0.80(短期借入金)
営業CF(億円・通期) 41.6 27.3(△34.4%)
  • 有利子負債: 短期借入金0.80億円のみ(長期借入金・社債・リース債務の計上なし)で実質無借金
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金132.84億円 + 短期有価証券0億円 − 有利子負債0.80億円 = +132.04億円(時価総額約419.6億円〔株価¥742×期末発行済株式数56,552,028株・自己株式を含む〕の31.5%・「プラス・30%以上」帯=10点)。長期保有の投資有価証券36.36億円は分子に算入していない
  • (注)2026-08-13 訂正: ネットキャッシュの分子に前期のキャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物期末残高(150.1億円)と長期保有の投資有価証券(前期値17.6億円)を用い、有利子負債を支払利息から実質ゼロと扱っていたため、当期の連結貸借対照表の現金及び預金132.84億円・短期借入金0.80億円へ改めました。ネットキャッシュは+167.7億円から+132.04億円(時価総額比40.0%→31.5%)へ訂正しています(ネットキャッシュの得点・配当持続性ランクに変更はありません)。
  • 過去5期営業CF推移: 38.4億→35.5億→29.7億→41.6億→27.3億(EDINET DB・2022〜2026年3月期)、5期連続黒字維持。5期平均34.5億円に対し当期は△21%と最も下振れており、当期を除く4期は4期平均36.3億円から±19%以内に収まる
  • 投資有価証券売却益: 11.6億円(2026年特別利益・一過性)
  • 構造調整: 上海クイック有限公司を解散・清算完了、ワークプロジェクト株式譲渡を2026年5月公表(影響軽微と明示)
  • 重要な後発事象: ワークプロジェクト株式譲渡を開示(影響軽微・益は未織込)
  • 監査法人指摘・継続疑義: すべて該当なし

7-3. 来期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上高 約348億円 +2.6%
営業利益 約41.1億円 △10.3%
経常利益 約42.2億円 △10.0%
純利益 約28.1億円 △32.5%
年間配当(分割後) 38.00円(分割前換算114円相当) 配当維持
来期配当性向(予想) 76.0% 50.8%→76%へ引き上げ
営業利益率(来期予想) 11.8%(4,110百万円÷34,800百万円・本ブログ算出) △1.7pt(当期実績13.5%)
ROE(来期予想) 14.5%(予想純利益2,805百万円÷当期末自己資本19,375百万円・本ブログ算出) △7.9pt(当期実績22.4%)

(注)来期純利益△32.5%予想は投資有価証券売却益11.6億円の反動が主因。配当性向を50.8%→76%へ引き上げて配当維持の姿勢を明示。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
売上・営業利益・純利益・EPS・配当性向・DOE(2026年3月期実績) 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 🟢 一次情報
自己資本比率74.7%・ROE 22.4% 2026年3月期 決算短信「経営成績の概況」 🟢 一次情報
投資有価証券売却益11.6億円(2026年特別利益) 2026年3月期 決算短信「特別損益の内訳」 🟢 一次情報
株式分割(2025/12/1付・1株→3株) 2026年3月期 決算短信「株式分割について」 🟢 一次情報
来期予想・配当性向76%・配当維持 2026年3月期 決算短信「次期見通し」「配当の状況」 🟢 一次情報
営業利益率(来期予想)・ROE(来期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は当期末自己資本(来期中の資本変動は予測不能のため単独値を使う)) 🟡 補助データ
過去5年営業CF推移・配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
ネットキャッシュ用 現金及び預金132.84億・短期借入金0.80億・投資有価証券36.36億 2026年3月期 決算短信「連結貸借対照表」 🟢 一次情報
上海クイック解散・ワークプロジェクト株式譲渡 2026年3月期 決算短信「重要な後発事象」 🟢 一次情報
株価¥742(2026-05-15終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

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本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。