結論: 累進配当明文化と高収益で配当持続性は最高水準。
📊 スコア: A 90点
💰 配当: 25→29円(+4円)、来期30円予想(+1円)
✅ 良い点: 累進配当明文化、8期連続増配、高ROE
⚠️ 注意点: ネットキャッシュ薄め、リピート率微減
1. 業績ハイライト
- 配当: 2026/3期実績29円(+4円)、2027/3期予想30円(+1円・9期連続増配見込み)、新中期経営計画 財務活動方針で「累進配当」を明示宣言(2027/3期〜2029/3期)。
- 売上高: +7.8%、SAP浸透で既存顧客のBtoB取引が拡大。
- 営業利益: +9.5%、サブスク売上伸長で利益率+0.4pt。
- 経常利益: +18.1%、持分法投資利益黒字化が上乗せ。
- 当期純利益: +22.7%、税負担率低下が効き、株式売却益28百万円は1.0%。
- リピート率: 70.0%(前期比△0.1pt)、中計目標90%にはなお距離。
2. 配当判断サマリー
3. スコア内訳
配当持続性ランク: A(90/100点) ★★★★★
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 46 | 配当性向9、DOE 10、利回り7、配当方針10、増配耐性10 |
| 財務 | 25 | 19 | 自己資本比率10、ネットキャッシュ4、営業CF安定性5 |
| 収益 | 25 | 25 | 営業利益率15、ROE 10 |
| 合計 | 100 | 90 | — |
3-1. 主な加点(高得点項目)
- 営業利益率 15/15: 26.4%、ガイドの「15%以上」帯で満点
- ROE 10/10: 18.8%、ガイドの「15%以上」帯で満点
- DOE 10/10: 8.4%、ガイドの「5%以上」帯で満点
- 配当方針 10/10: 新中期経営計画 財務活動方針で「累進配当」を明示宣言、ガイド最高水準
- 増配減配耐性 10/10: 8期連続増配(2019/3期〜2026/3期)+コロナ期も増配維持+来期増配予想、「3年連続増配+ショック減配なし+来期増配予想」帯で満点
- 自己資本比率 10/10: 76.2%、ガイドの「60%以上」帯で満点
- 営業CF安定性 5/5: 直近6年 23→29→26→30→28→33億円(変動±20%以内)、ガイドの「5年連続黒字・±20%以内」帯
- 配当性向 9/10: 44.6%、サービス業中央値35%基準で乖離+9.6pt(中央値〜+10pt帯)
- 配当利回り 7/10: 3.58%(株価¥838、来期配当30円)、ガイドの「3.5〜4.5%」帯
3-2. 主な減点(低得点項目)
3-3. 全体所感
- スコアの中心要素: 収益25/25満点(営業利益率15・ROE 10)+ 配当46/50(累進宣言・高DOE・利回り中位)+ 財務19/25 と3カテゴリが揃いA上位帯
- 主な減点要因: ネットキャッシュが時価総額対比6.7%でやや薄め(投資有価証券96億円は資産価値保全目的で開示済だがネットキャッシュ計算からは除外)
- ランク境界の判断: ネットキャッシュが時価総額比10%超になれば「プラス・10〜30%」帯へ移り財務が+3点で A 帯の上位へ。下振れ側で影響が大きいのは累進配当の撤回による配当方針の低下で、営業利益率は15%を上回る限り15/15のまま点数は動かない
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。
4. Pros & Cons
4-1. ✅ Pros
- 新中期経営計画で「累進配当」を財務活動方針として明示宣言 — ガイド最高水準の配当方針
- DDS事業の営業利益率32.0%(+0.9pt) — 主力事業でサブスク型サービスの比率が上がり利益率が改善
- 建設業のICT化(i-Construction 2.0) という国策・構造的追い風が継続
- 政策保有株のMBO売却・前中計未達の直視 — 経営の透明性とガバナンス姿勢
4-2. ⚠️ Cons
- リピート率 70.0%(△0.1pt) — 中計目標90%への距離は依然大、進捗注視
- その他セグメント 売上 △3.7%・営業利益 △22.6% — 主力2事業以外は縮小
- 来期予想が控えめ(売上 +5.9%・純利益 +1.2%) — 中期経営計画の売上高160億円目標に対し初年度の伸びは緩やか
- 時価総額約350億円の小型株 — 流動性・指数組み入れリスクは大型株と異なる
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(2026年5月時点・観察対象として継続フォロー予定)。
5. 筆者メモ
中小型サービス業で「累進配当」を明文化した銘柄は希少で、前中計未達を直視した上で新中計に方針として盛り込んだ姿勢に経営の重みを感じる。
次回(2027/3期Q1・2026年8月発表予定)見るポイント:
- SAP売上の進捗: 来期SAP売上34.7億円(+24.1%)予想の達成度
- リピート率の反転: 70.0%(△0.1pt)の底入れ、中計目標90%への進捗
- ファイルフォース社の持分法投資利益: 黒字化継続と上乗せ幅
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2025/3期実績 | 中間12.5円+期末12.5円=25.0円 |
| 2026/3期実績 | 中間14.0円+期末15.0円=29.0円(+4円) |
| 2027/3期予想 | 中間15.0円+期末15.0円=30.0円(+1円) |
| 配当性向(連結・実績) | 44.6%(来期予想 45.5%) |
| DOE(純資産配当率) | 8.4%(前期8.3%、短信記載値) |
| 配当利回り | 3.58%(30円 ÷ ¥838、2026-05-18終値、J-Quants API) |
| 配当方針 | 新中期経営計画 財務活動方針で「累進配当」を明示宣言 |
| 連続増配年数 | 8期連続増配(2019年3月期〜2026年3月期) + 来期予想で 9期目 継続見込み |
6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年以前の履歴を表示
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2018 | 9.0 | 25.01 | 36.0% |
| 2019 | 11.0 | 24.63 | 44.7% |
| 2020 | 12.2 | 29.24 | 41.7% |
| 2021 | 14.0 | 34.14 | 41.0% |
| 2022 | 18.0 | 40.80 | 44.1% |
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2023 | 22.0 | 41.51 | 53.0% |
| 2024 | 22.5 | 43.86 | 51.3% |
| 2025 | 25.0 | 52.46 | 47.7% |
| 2026 | 29.0 | 65.06 | 44.6% |
| 2027(予) | 30.0 | 65.92 | 45.5% |
(注)
- データ基準: EDINET DB引用、DPS/EPS両列とも分割調整後ベース、直近期(2026)は短信記載と一致確認済
- 表の起点と連続増配年数の数え方: 期末発行済株式数は2018年3月期から2023年3月期まで43,400千株で一定(2024年3月期以降は自己株式の消却で42,400→42,000千株へ減るが、1株当たり配当金の基準は変わらない)。2018年3月期の9.00円を起点に、2019年3月期の11.00円から2026年3月期の29.00円まで8期連続で増配しており、本記事の連続増配年数はこの範囲で数えている。一方、2017年3月期以前は期末発行済株式数が11,200千株→22,400千株と動いたうえ、EDINET DB の分割調整係数も2016年3月期のみに適用されるなど基準が揃わないため、上表の対象外とした
- 特別配当・記念配当: 上表いずれの期も特別配当・記念配当の記載なし(普通配当ベースで純粋に増配継続)
- 配当性向の推移: 2023年3月期の53.0%を頂点に、利益の伸びが配当の伸びを上回った2024〜2026年3月期で51.3%→47.7%→44.6%と切り下がった。来期予想は45.5%と横ばい圏
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: 25→29円(+4円)は普通配当ベースの純増配、来期予想30円(+1円)で9期連続増配見込み、特別配/記念配での嵩上げ要素なし
- 方針シグナル: 新中期経営計画(2027/3期〜2029/3期)財務活動方針で「持続的な利益成長に応じた累進配当の継続」を明示宣言、減配なし+配当水準維持/向上を経営コミット
- 耐性実績: 8期連続増配(2019/3期〜2026/3期)+コロナ期(2020/3:12.2円→2021/3:14円)も増配維持+来期予想で9期目継続見込み
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー
| 指標 | 当期 | 前期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 127.47億円 | 118.21億円 | +7.8% |
| 営業利益 | 33.69億円 | 30.77億円 | +9.5% |
| 経常利益 | 37.34億円 | 31.62億円 | +18.1% |
| 当期純利益 | 26.86億円 | 21.90億円 | +22.7% |
| EPS | 65.06円 | 52.46円 | +24.0% |
| 営業利益率 | 26.4% | 26.0% | +0.4pt |
| ROE | 18.8% | 17.5% | +1.3pt |
セグメント別
| セグメント | 売上高 | 前年比 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| DDS事業(計測・計算) | 75.10億円 | +8.9% | 32.0% |
| SMS事業(ICTシステム) | 38.70億円 | +10.4% | 19.4% |
| その他 | 13.67億円 | △3.7% | 15.7% |
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🟢 高 | 増収の主因は既存顧客のBtoB取引化+SAP浸透によるストック収益拡大、構造的な質改善 |
| 営業外損益 | 🟡 注意 | 持分法投資利益(ファイルフォース社)の黒字化+受取配当金増加で経常利益+18.1%に上乗せ、本業以外の貢献も寄与 |
| 純利益押し上げ要因 | 🟡 注意 | 特別利益は政策保有株(トプコン)MBOによる投資有価証券売却益28百万円のみで、当期純利益2,686百万円の1.0%にとどまる。純利益+22.7%の主因は経常段階の改善(持分法投資利益180百万円の黒字化・受取配当金141→227百万円)と法人税等負担率の低下(30.7%→28.6%) |
| 開示の誠実性 | 🟢 高 | 投資有価証券保有を「レンタル資産保全目的」と丁寧に説明、前中計未達も正直に開示 |
→ 業績の質: 中〜高品質(本業のサブスク化が利益質を改善、増益は経常段階と税負担率の寄与が主で一過性要因は限定的、開示透明性は高水準)
7-2. 財務・CFサマリー
| 指標 | 2025/3期 | 2026/3期 |
|---|---|---|
| 営業CF(百万円) | 2,842 | 3,339(+17.5%) |
| 投資CF(百万円) | △2,447 | △1,771 |
| 財務CF(百万円) | △2,816 | △1,926 |
| 現金等期末残高(百万円) | 4,529 | 4,171(△7.9%) |
| 自己資本比率(%) | 75.4 | 76.2(+0.8pt) |
| BPS(円) | 311.58 | 380.62(+22.2%) |
- 有利子負債 約18.3億円(短期リース債務6.56億+長期リース債務11.76億、社債・借入金ともゼロ)
- ネットキャッシュ 約+23億円(現金41.7億 − 有利子負債18.3億、時価総額対比約6.7%)
- 継続企業の前提に関する注記: なし(クリーン)
7-3. 来期業績予想(2027年3月期)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 135.00億円 | +5.9% |
| 営業利益 | 35.30億円 | +4.8% |
| 経常利益 | 38.90億円 | +4.2% |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 27.20億円 | +1.2% |
| EPS | 65.92円 | +1.3% |
新中期経営計画(2027/3期〜2029/3期)目標: 売上高160億円(2026/3期対比+25%)、営業利益44億円(+30%)、営業利益率25%超、ROE 20%超
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 通期売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・ROE・営業利益率・セグメント業績・営業外損益(持分法投資利益・受取配当金)・特別利益(投資有価証券売却益)・法人税等 | 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-04-28開示)「連結損益計算書」 | 🟢 一次情報 |
| 配当実績・来期予想・配当性向・DOE | 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」「1.(5)利益配分に関する基本方針」 | 🟢 一次情報 |
| 配当方針(累進配当宣言)・新中期経営計画目標・経営環境(建設ICT化/国土交通省 i-Construction 2.0) | 2026年3月期 決算短信「1.(4)今後の見通し」 財務活動方針 | 🟢 一次情報 |
| 自己資本比率・純資産・現金・有利子負債・CF・リース債務内訳 | 2026年3月期 決算短信「連結貸借対照表」「連結CF計算書」 | 🟢 一次情報 |
| 過去配当履歴・EPS推移(2018〜2025年3月期)・期末発行済株式数の推移 | EDINET DB(有価証券報告書由来) | 🟢 一次情報 |
| 株価¥838(2026-05-18終値) | J-Quants API(JPX 公式) | 🟢 一次情報 |
【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。