【イー・ギャランティ(8771)】配当A(95点)・累進配当方針 — 2026年3月期

観察中(筆者は当該銘柄を未保有)📁 その他金融業

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結論: 性向100%化+累進配当で還元姿勢が急伸

📊 スコア: A 95点
💰 配当: 37→40円(+3円)、来期84円予想(+44円)
良い点: 13期連続増配、累進配当、性向100%化、無借金
⚠️ 注意点: 保証履行増、性向100%の裏返し、PBR3.9倍


1. 業績ハイライト

  • 売上高 11,029百万円(+7.9%)で連続増収
  • 営業利益 5,201百万円(+1.9%)・営業利益率47.2%
  • 経常利益 5,302百万円(+1.9%)・純利益 3,589百万円(+2.8%)
  • EPS 77.89円(+6.6%)・自社株買いによる期中平均株式数の減少が寄与
  • ROE 16.2%(+1.1pt)・保証残高 2兆6,443億円(+40.3%)

サマリー

  • 本業堅調: 企業倒産が4年連続で増加する環境下、売掛債権の信用リスク保証への需要が拡大し売上は+7.9%と伸長。保証残高も+40.3%と大きく積み上がり、事業の土台は着実に広がっている。
  • 利益率の頭打ち: 倒産増は需要増と同時に保証履行(支払)の増加も招くため、売上総利益は+3.3%どまり。営業利益率は47.2%と依然高いものの前期比△2.7pt低下し、信用サイクルへの連動が数字に表れた。
  • 株主還元の質: EPSの伸び+6.6%が純利益の伸び+2.8%を上回るのは、自社株買いによる期中平均株式数の減少の効果。無借金かつ営業CFが純利益を上回る資金創出力が、後述の還元強化を支えている。

2. 配当判断サマリー

  • 当期は37→40円(+3円)で13期連続増配を達成、減配なしの累進配当を継続
  • 来期は還元方針変更で40→84円(+44円)へ2.1倍・性向100%目安+中間配当新設
  • DOE8.3%・予想利回り4.73%と水準は高く、無借金・自己資本比率68.8%が原資の裏付け
  • 同じその他金融業の全国保証(7164)は累進配当型・イントラスト(7191)は家賃保証で事業構造が近い

3. スコア内訳

配当持続性ランク: A(95/100点) ★★★★★

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 49 性向9・DOE10・利回り10・方針10・耐性10
財務 25 21 自己資本10・ネットキャッシュ7・営業CF安定性4
収益 25 25 営業利益率15・ROE10
合計 100 95

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 営業利益率 15/15: 47.2%で15%以上の最上位帯(業種補正の下限を大きく上回る)
  • 配当方針 10/10: 「増配もしくは維持」を明示する累進配当を継続し、還元方針で性向100%目安へ引き上げ
  • DOE 10/10: 純資産配当率8.3%で、目安の5%以上を大きく上回る
  • 配当利回り 10/10: 予想DPS84円ベースで4.73%と、4.5%以上の最上位帯
  • 増配減配耐性 10/10: 13期連続増配+直近5年減配なし+来期増配予想
  • 自己資本比率 10/10: 68.8%で60%以上の帯=満点(その他金融業の業種補正を使うまでもなく本則で満点)
  • ROE 10/10: 16.2%で15%以上の最上位帯
  • 配当性向 9/10: 51.4%(その他金融業中央値50%を+1.4ptの理想範囲)
  • 営業CF安定性 4/5: 5年連続黒字で、単発の変動年を除けば±20%以内に収まる
  • ネットキャッシュ 7/10: 実質無借金で、現金は時価総額比10〜30%帯

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 該当する明確な低得点項目なし(全項目で40%超の得点を確保)

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコアの位置: 95点はAランク上位。収益が満点、配当もほぼ満点で、財務も自己資本比率が満点。無借金・高ROE・高営業利益率・累進配当が高得点を作っている。
  • Aにとどまる理由: 満点未達は財務のネットキャッシュ7点(現金は時価総額比10〜30%帯)と営業CF安定性4点(黒字は維持だが単発の変動年がある)、配当性向9点(中央値をわずかに上回る)。いずれも業種構造・還元優先の資本圧縮に由来する軽微な頭打ち。
  • 読み筋: 同じ物差しで見ると、還元方針変更で配当項目が総じて高水準に到達したことに加え、高収益性が収益カテゴリを満点に押し上げているのがAランクの主因。なお本スコアの配当性向は当期実績(51.4%)基準であり、来期予想ベースでは性向が約100%となるため、次回カルテでは配当性向項目が機械的に大きく下がる計算になる(方針どおりの還元でも採点上は減点方向)。性向100%化後の増益率鈍化と保証履行コストの推移とあわせ、スコアの振れ幅が大きくなる点は押さえておきたい。

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. Pros & Cons

4-1. ✅ Pros

  • 累進配当(増配もしくは維持)を掲げ、13期連続増配の実績が方針を裏付ける
  • 還元方針変更で配当性向の目安を50%以上→100%へ引き上げ、来期84円予想
  • 無借金・自己資本比率68.8%と財務は堅固で、還元原資に余裕
  • リスクバッファを「補填されない偶発債務の8〜12%」と定量開示し、還元余地の説明が透明

4-2. ⚠️ Cons

  • 倒産増局面では保証履行が膨らみ、売上総利益率・営業利益率を圧迫し始めている
  • 性向100%目安では当期利益からの内部留保の積み増し余地が大きく縮小し、利益成長が鈍れば増配も鈍化
  • PBR3.9倍・PER21倍(いずれも2026-07-03終値ベース)と高配当株としては割高で、成長株的な値付け
  • 信用サイクル悪化(倒産急増)局面では利益・株価とも逆風になりやすい

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)


5. 筆者メモ

当ブログ最高の95点だが、来期は性向項目が機械的に落ちる。スコアの天井付近では点数より「何が変わったか」を読む方が定点観測として意味がある。

次回(2027年3月期 第1四半期)見るポイント:

  • 保証履行コストの増加ペースと営業利益率の推移
  • 中間配当新設後の実際の配当額(42円+42円の据え置き/上振れ)
  • 保証残高の伸びと信用サイクル(企業倒産件数)の動向

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年3月期実績 37.00円(期末一括)
2026年3月期実績 40.00円(期末一括)
2027年3月期予想 84.00円(中間42+期末42)
配当性向(連結・表面) 51.4%(40円 ÷ EPS77.89円・決算短信記載値)
DOE(連結・純資産配当率) 8.3%(決算短信記載値)
配当利回り 4.73%(予想DPS84円 ÷ 株価¥1,775・2026-07-03終値・J-Quants API)
配当方針 配当性向100%を目安とし、増配もしくは維持を行う累進配当を継続(2027年3月期より適用・2026年5月15日開示)
連続増配年数 13期連続増配 + 来期予想で 14期目 継続見込み

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2019/3期 13.0 39.11 33.2%
2020/3期 14.0 54.14 25.9%
2021/3期 22.0 45.12 48.8%
2022/3期 26.0 52.92 49.1%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/3期 34.0 60.68 56.0%
2024/3期 35.0 68.60 51.0%
2025/3期 37.0 73.10 50.6%
2026/3期 40.0 77.89 51.4%
2027/3期(予想) 84.0 83.82 100.2%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用、直近期は短信記載と一致確認済
  • 配当政策の傾向: 2013年3月期以降13期連続で増配を継続。記念配当特別配当の内訳なし(全て普通配当)。2027年3月期は還元方針変更により40→84円へ2.1倍化し、配当性向は目安の100%に到達する予定

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 13期連続増配。過去は配当性向50%前後を保ちながら利益成長に連動して増配してきたが、来期からは性向100%目安への引き上げで還元の絶対額が段階的に切り上がる
  • 方針シグナル: 累進配当(減配なし)を維持したまま性向を50%以上→100%へ引き上げ、中間配当を新設。自己株式取得100億円枠(2026〜2028年3月期累計)も併走し、還元強化は方針・実行の両面で明確
  • 耐性実績: 直近5年で減配なし。コロナ期(2020・2021年)も増配を継続しており、信用リスク保証というディフェンシブ寄りの収益構造が耐性を支える

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

指標 当期 前期 前期比
売上高 11,029百万円 10,224百万円 +7.9%
営業利益 5,201百万円 5,103百万円 +1.9%
経常利益 5,302百万円 5,203百万円 +1.9%
当期純利益 3,589百万円 3,491百万円 +2.8%
EPS 77.89円 73.10円 +6.6%
ROE 16.2% 15.1% +1.1pt

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟢 営業利益≒経常利益で営業外はほぼ中立。特別要因に頼らない実力ベースの増益
営業外損益 🟡 持分法投資損益が△66百万円(前期△2百万円)に悪化。金額は小さいが継続注視
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟢 自社株買いで期中平均株式数が減少し、EPS+6.6%が純利益+2.8%を上回る
開示の誠実性 🟢 中計目標に「大幅な遅れ」と自認する率直な開示。会計方針変更・後発事象なし

業績の質: 良好(一過性の嵩上げなし・弱点も正直に開示)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 前期 当期
営業CF(百万円) 4,101 4,013
投資CF(百万円) 311 1,222
財務CF(百万円) △1,441 △7,737
現金等期末残高(百万円) 11,215 8,713
自己資本比率(%) 73.3 68.8
  • 有利子負債: 実質無借金(固定負債は1.15億円のみ)。日本基準・ファイナンスリース等の有利子負債はほぼ計上なし
  • ネットキャッシュ: 現金8,713百万円 − 有利子負債ほぼゼロ ≒ +8,713百万円。時価総額約805億円(自己株式控除後・2026-07-03終値ベース)に対し約10.8%(プラス・時価総額比10〜30%帯)。現金の減少は自社株買い・増配など株主還元の実行によるもの

7-3. 来期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上高 11,900百万円 +7.9%
営業利益 5,500百万円 +5.7%
経常利益 5,600百万円 +5.6%
親会社株主帰属当期純利益 3,800百万円 +5.9%
EPS 83.82円 +7.6%

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
通期売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・ROE・営業利益率 2026年3月期 決算短信(2026年5月15日開示) 🟢 一次情報
来期業績予想・配当方針 2026年3月期 決算短信「1.(4)今後の見通し」+「株主還元方針の変更及び中間配当の実施に関するお知らせ」(2026年5月15日開示) 🟢 一次情報
配当実績・来期予想・配当性向・DOE 2026年3月期 決算短信「配当の状況」 🟢 一次情報
自己資本比率・純資産・現金等・有利子負債・自己株式取得 2026年3月期 決算短信「連結貸借対照表」「連結CF計算書」 🟢 一次情報
保証残高・保証債務 2026年3月期 決算短信「業績の状況」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥1,775(2026-07-03終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。