結論: 過去最高益を更新し、下限44円コミット付きの高利回り
📊 スコア: B 81点
💰 配当: 42.5→44.0円(+1.5円)、来期44.0円予想(±0円)
✅ 良い点: 13期連続増配、実質無借金、下限44円コミット
⚠️ 注意点: 高い配当性向、小型株、営業CFのブレ
1. 業績ハイライト
- 売上高 6,114百万円(+7.0%)で過去最高
- 営業利益 1,269百万円(+3.5%)・営業利益率 20.8%
- 当期純利益 937百万円(+3.0%)・EPS 79.93円
- 営業CF +1,457百万円(前期は△213百万円)
- ROE 16.1%(△1.0pt)・自己資本比率 71.0%
サマリー
- 本業堅調で過去最高益: CM(発注者側に立つ建設プロジェクト支援)のフィー収入が伸び、売上・各利益とも過去最高。営業利益率20.8%は、建設プロジェクトを扱いながら自前の施工部隊や重い設備を持たない人月型の発注者支援ゆえの高収益で、還元原資の厚みにつながっている。
- 事業ポートフォリオの調整: 民間の建設投資判断の一時的な慎重化でCM事業は△5.3%だが、オフィス移転PMの大型竣工で+37.7%、公共分野の受託拡大で全体を底上げ。特定分野への依存を下げる動きが効いている。
- 収益性はわずかに低下: 営業利益率は前期比△0.7pt。人材確保に向けた処遇向上(人件費増)を吸収した結果で、フィービジネスの体質として自然な範囲にとどまる。
2. 配当判断サマリー
- 年間配当 42.5→44.0円(+1.5円)で13期連続増配(2014年3月期以降)
- 「赤字を除き2事業年度の年間配当下限44円以上」+「配当性向55%程度を目安」の額面下限コミットを明示
- 予想配当利回り 4.82%(2026-07-02終値ベース)で高配当水準
- 同じサービス業で還元姿勢が明確な船井総研HD(9757)と並べると、下限コミット型の特徴が際立つ
3. スコア内訳
配当持続性ランク: B(81/100点) ★★★★☆
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 38 | 性向4・DOE10・利回り10・方針6・耐性8 |
| 財務 | 25 | 18 | 自己資本10・ネットキャッシュ7・営業CF安定性1 |
| 収益 | 25 | 25 | 営業利益率15・ROE10 |
| 合計 | 100 | 81 | — |
3-1. 主な加点(高得点項目)
- 営業利益率 15/15: 20.8%で15%以上の帯。発注者支援のフィービジネスで、装置産業のような重い設備を持たない構造が高マージンを支える。
- ROE 10/10: 16.1%で15%以上の帯。実質無借金でもこの水準を出せる資本効率。
- DOE 10/10: 純資産配当率8.9%で5%以上の帯を大きく上回る。厚い自己資本に対して十分な配当水準。
- 配当利回り 10/10: 予想44円 ÷ ¥913で4.82%。4.5%以上の帯。
- 自己資本比率 10/10: 71.0%で60%以上の帯。実質無借金の厚い財務。
- 増配減配耐性 8/10: 過去15年で減配なし・13期連続増配。来期は44円維持予想(増配予想ではない)のため、この項目は満点に届かず。
- ネットキャッシュ 7/10: 現金等が有利子負債を大きく上回り、時価総額比で約15%のプラス。
3-2. 主な減点(低得点項目)
- 営業CF安定性 1/5: 直近5年に営業CF赤字が1回(2026年3月期の前期・△213百万円)。大型案件の運転資本の振れによる一時的なもので、当期は+1,457百万円へ回復。
- 配当性向 4/10: 55.1%は業種中央値(35%目安)を+20pt程度上回る帯。フィービジネスで設備投資が軽く原資に無理はないが、機械採点上は減点方向。
3-3. スコアの動き(定点観測)
- スコアの位置: 81点(B上位)。収益(25/25満点)と自己資本・利回り・DOEの厚さがスコアを押し上げ、Bの中でも上位に位置する。
- Bにとどまる理由: 配当性向が業種中央値を上回るため配当性向が4点、営業CFが単発の赤字を挟んだため営業CF安定性が1点と、この2項目で頭打ちになっている。
- 読み筋: 同じ物差しでは「収益性・財務は満点級、配当の質は下限コミットで底堅い一方、配当性向の高さと営業CFのブレが評価の天井」という構図の銘柄として読める。
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。
4. Pros & Cons
4-1. ✅ Pros
- 実質無借金・自己資本比率71.0%の厚い財務体質
- 「赤字を除き2事業年度の下限44円+性向55%目安」の額面下限コミットで下値の見通しが立てやすい
- 建設コスト高騰・人手不足を追い風にCM(発注者支援)需要が構造的に拡大
- 公共分野の受託拡大(国交省12年連続選定)で収益基盤が分散
4-2. ⚠️ Cons
- 時価総額約107億円の小型株で流動性が限定的
- 人材依存型ビジネスで、採用・処遇コストが利益率を圧迫しうる
- 配当性向55%は利益横ばい局面では増配余地が限られる
- 民間設備投資が本格的に冷え込むとCM事業が影響を受ける
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)。
5. 筆者メモ
13期連続増配は当ブログ収録銘柄でも上位の実績だが、時価総額107億円の小型株ゆえ知名度は低い。実績と知名度のギャップが観察対象として面白い。
次回(2027年3月期 第2四半期)見るポイント:
- CM事業の民間案件が持ち直すか、公共シフトが続くか
- 処遇向上(人件費増)が営業利益率をどこまで圧迫するか
- 業績上振れ時に性向55%目安に沿って44円から増配されるか
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2025年3月期実績 | 42.50円(期末一括) |
| 2026年3月期実績 | 44.00円(期末一括) |
| 2027年3月期予想 | 44.00円(期末一括・据え置き) |
| 配当性向(表面) | 55.1%(決算短信「配当の状況」記載値。44.00円 ÷ EPS79.93円の再計算では55.0%) |
| DOE(純資産配当率) | 8.9%(決算短信記載値) |
| 配当利回り | 4.82%(予想DPS44.00円 ÷ 株価¥913・2026-07-02終値・J-Quants API) |
| 配当方針 | 配当性向55%程度を目安。赤字を除き2事業年度(2026〜2027年度)の年間配当下限を44.00円以上とコミット |
| 連続増配年数 | 13期連続増配(2014年3月期以降・EDINET DB) + 来期予想は44.0円で 維持 見込み |
6-2. 過去年度 DPS・EPS・配当性向(非連結・EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年以前の履歴を表示
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2012/3期 | 5.00 | 4.78 | 104.6% |
| 2013/3期 | 5.00 | 9.69 | 51.6% |
| 2014/3期 | 6.00 | 19.91 | 30.1% |
| 2015/3期 | 8.50 | 31.23 | 27.2% |
| 2016/3期 | 10.00 | 33.26 | 30.1% |
| 2017/3期 | 12.50 | 37.73 | 33.1% |
| 2018/3期 | 13.00 | 37.02 | 35.1% |
| 2019/3期 | 21.00 | 47.27 | 44.4% |
| 2020/3期 | 21.50 | 52.98 | 40.6% |
| 2021/3期 | 26.00 | 52.30 | 49.7% |
| 2022/3期 | 28.00 | 52.99 | 52.8% |
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2023/3期 | 31.50 | 56.53 | 55.7% |
| 2024/3期 | 37.50 | 68.29 | 54.9% |
| 2025/3期 | 42.50 | 78.16 | 54.4% |
| 2026/3期 | 44.00 | 79.93 | 55.0% |
| 2027/3期(予想) | 44.00 | 79.36 | 55.4% |
(注)
- データ基準: EDINET DB引用、直近期は短信記載と一致確認済(非連結)。配当性向は配当÷EPSの再計算値(短信「配当の状況」記載の配当性向(合計)は2026年3月期55.1%)
- 配当政策の傾向: 2014年3月期以降、13期連続で毎期増配(過去15年で減配なし・2013年3月期は5円で据え置き)。配当性向は近年50%台半ばで安定推移し、性向55%目安に沿った運用が定着している。
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: 6.0円(2014年3月期)→44.0円(2026年3月期)へ13期連続で増配。配当性向55%目安により、利益成長がそのまま増配に反映されやすい設計。
- 方針シグナル: 「赤字を除き2事業年度の下限44円以上」の額面下限コミットに加え、性向55%目安を明示。下値の底堅さと業績連動の両面を持つ。
- 耐性実績: 過去15年で減配なし・13期連続増配(コロナ期の2021年3月期も増配)。来期は44円維持予想で、下限コミットが下支えとなる。
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー
| 指標 | 当期 | 前期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,114百万円 | 5,716百万円 | +7.0% |
| 営業利益 | 1,269百万円 | 1,226百万円 | +3.5% |
| 経常利益 | 1,270百万円 | 1,230百万円 | +3.3% |
| 当期純利益 | 937百万円 | 910百万円 | +3.0% |
| EPS | 79.93円 | 78.16円 | +2.3% |
| ROE | 16.1% | 17.1% | △1.0pt |
セグメント別(対前期比)
| 区分 | 売上 | 前期比 |
|---|---|---|
| オフィス事業 | 1,562百万円 | +37.7% |
| CM事業 | 3,077百万円 | △5.3% |
| CREM事業 | 1,022百万円 | +10.6% |
| DX支援事業 | 452百万円 | +11.3% |
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🟢 | 為替差益・資産売却益等による水増しなし。営業利益1,269 ≒ 経常利益1,270で営業外はほぼ中立。 |
| 営業外損益 | 🟢 | 持分法損益は「該当なし」。増益は本業のフィー収入拡大による。 |
| 純利益押し下げ/押し上げ要因 | 🟢 | 特別損益に大きな一過性なし。税負担も通常水準。 |
| 開示の誠実性 | 🟢 | 会計方針変更・見積り変更・修正再表示・重要な後発事象いずれも無し。 |
→ 業績の質: 良好(クリーン)。本業のフィー収入拡大が主因で、一過性の嵩上げは見当たらない。
7-2. 財務・CFサマリー
| 指標 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 営業CF(百万円) | △213 | +1,457 |
| 投資CF(百万円) | △212 | △244 |
| 財務CF(百万円) | △453 | △515 |
| 現金等期末残高(百万円) | 829 | 1,527 |
| 自己資本比率(%) | 69.5 | 71.0 |
- 有利子負債: 借入金・社債・リース債務いずれも貸借対照表に計上なし(実質無借金)。
- ネットキャッシュ: 現金及び預金1,527百万円 + 有価証券100百万円 − 有利子負債0 = +1,627百万円。時価総額(約107億円)比で約15%のプラスで、財務の余裕は厚い。
7-3. 来期業績予想(2027年3月期)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 6,419百万円 | +5.0% |
| 営業利益 | 1,297百万円 | +2.2% |
| 経常利益 | 1,300百万円 | +2.3% |
| 当期純利益 | 940百万円 | +0.2% |
| EPS | 79.36円 | △0.7% |
売上+5.0%に対し利益はほぼ横ばいの計画で、処遇向上(人件費増)を先行して織り込んだ控えめな見通し。EPS微減は自己株式の変動(J-ESOP給付)による株数増の影響。
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・ROE・営業利益率 | 2026年3月期 決算短信(2026-05-12開示) | 🟢 一次情報 |
| 来期業績予想・配当方針 | 2026年3月期 決算短信「1.(4)今後の見通し」「1.(5)利益配分に関する基本方針」 | 🟢 一次情報 |
| 配当実績・来期配当予想・配当性向・DOE | 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」 | 🟢 一次情報 |
| 自己資本比率・純資産・現金等・有利子負債・自己株式 | 2026年3月期 決算短信「貸借対照表」「キャッシュ・フロー計算書」 | 🟢 一次情報 |
| セグメント別 | 2026年3月期 決算短信「セグメント情報」 | 🟢 一次情報 |
| 過去配当履歴・EPS推移 | EDINET DB | 🟢 一次情報 |
| 株価¥913(2026-07-02終値) | J-Quants API(JPX 公式) | 🟢 一次情報 |
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本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。