【アイティフォー(4743)】配当B(84点)・累進配当方針 — 2027年3月期Q1

保有中(筆者が当該銘柄を保有)📁 情報・通信業

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結論: 会社IRが累進配当を明示、スコアは84点へ

📊 スコア: B 84点
💰 配当: 前期80円 → 当期予想80円(±0円・中間30+期末50 → 中間40+期末40)
良い点: 累進配当を明示、利回り4.64%、自己資本比率78.0%、通期営業利益率17.1%予想
⚠️ 注意点: 配当性向62.3%、増配は一旦停止、持分法投資損失98百万円、売上のQ1進捗16.5%


1. 業績ハイライト

  • 売上高 4,624百万円(+9.2%)で増収
  • 営業利益 555百万円(+28.5%)と大幅増益
  • 経常利益 509百万円(+3.5%)は伸びが鈍化
  • 親会社株主帰属 357百万円(+0.8%)でほぼ横ばい
  • 受注残 17,759百万円(+7.7%)と積み上がり

サマリー

  • 本業は二桁の増益: 売上高は+9.2%にとどまるが、売上原価の伸びを+3.7%に抑えたため営業利益は+28.5%。売上総利益率は35.6%から38.8%へ改善した。
  • 経常段階で伸びが止まる: 営業外費用が4百万円から107百万円へ増え、経常利益は+3.5%止まり。出資先の持分法投資損失98百万円が主因で、前年同期の投資利益5百万円から反転した。
  • 前年同期の落ち込みの反動: 前年同期は売上△13.9%・営業利益△43.1%と落ちており、今回の伸びはその反動を含む。通期予想28,000百万円に対する進捗率は16.5%。

2. 配当判断サマリー

  • 当期予想は年80円(中間40円+期末40円)で前期と同額(±0円)・第1四半期時点で修正なし
  • 会社IRの株主還元方針に累進配当が明示され、配当性向50%目標・総還元性向70%以上と併記。同じ情報・通信業で累進配当を掲げるネオジャパン(3921)システムリサーチ(3771)と並ぶ
  • 予想配当利回り4.64%(予想DPS80円 ÷ 株価¥1,723)でスコアの最上位帯
  • 2016年3月期以降は減配がなく、2024年3月期から2026年3月期は3期連続増配。当期は増配が一旦止まる予想

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(84/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 38 性向0・DOE10・利回り10・方針10・耐性8
財務 25 21 自己資本10・ネットキャッシュ7・営業CF安定性4
収益 25 25 営業利益率15・ROE10
合計 100 84

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 営業利益率 15/15: 通期予想17.1%(営業利益4,800百万円 ÷ 売上高28,000百万円)で「15%以上」帯。四半期単独ではなく当期通期の会社予想を採点根拠としている。
  • 配当方針 10/10: 会社IR「剰余金の配当等の決定に関する方針」で累進配当を基本方針として明示し、配当性向50%目標・総還元性向70%以上を併記。累進配当の明示は最上位帯にあたる。
  • DOE 10/10: 2026年3月期の純資産配当率10.7%(決算短信記載値)で「5%以上」帯。
  • 配当利回り 10/10: 4.64%(予想DPS80円 ÷ 株価¥1,723)で「4.5%以上」帯。
  • 自己資本比率 10/10: 第1四半期末78.0%(+4.4pt)で「60%以上」帯。
  • ROE 10/10: 通期予想16.7%(予想純利益3,400百万円 ÷ 自己資本20,354百万円〔期首20,654百万円と第1四半期末20,053百万円の平均〕)で「15%以上」帯。
  • 増配減配耐性 8/10: 2024年3月期から3期連続増配で直近5年に減配なし。当期予想が80円の据え置きのため、最上位の1段下。
  • 営業CF安定性 4/5: 直近5期はすべて黒字。2023年3月期の1,714百万円が平均2,612百万円から△34.4%と外れるが、残る4期は±20%以内。
  • ネットキャッシュ 7/10: +12,246百万円時価総額48,092百万円の25.5%、「プラス、10〜30%」帯。

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 配当性向 0/10: 当期予想62.3%(80円 ÷ 予想EPS128.48円)で、成長IT・SIerの中央値25%から+37.3pt。ガイドの「+30pt超」帯にあたる。

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前回カルテ(2026年3月期)77点 → 今回84点(+7点)。ランクはBのままで、帯の上限に位置する。
  • 変動の内訳: 配当が34→38点、収益が22→25点、財務は21点で変わらない。配当方針は会社IRの株主還元方針に累進配当が明示されているのを確認して6→10点、ROEは採点根拠が2026年3月期実績13.9%から当期通期予想16.7%へ切り替わって7→10点。
  • 満点項目の維持と追加: DOE・配当利回りは前回に続き10点満点で、今回はここに配当方針が加わって配当カテゴリの10点満点が3項目になった。自己資本比率も73.6%→78.0%で満点を継続している。
  • 現在の位置づけ: 84点はB帯(70〜84点)の上限。10項目のうち0点は配当性向だけで、2026年3月期の50→80円という大幅増配で性向が跳ねた状態が続いている。

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

4-1. ✅ 事業の強み

  • 銀行本体から系列会社への横展開: 会社は銀行での導入実績を系列のカード会社・保証会社へ広げ、グループ全体のプラットフォーム化を進めると開示している。新規開拓に頼らず1顧客あたりの導入本数を増やせる構造で、収益機会の裾野が広い。
  • クロスセル率を管理指標に置いた顧客深耕: 中期経営計画では2事業クロスセルを85.1%から95%、3事業クロスセルを56.9%から75%へ引き上げる目標を掲げる。同一顧客への提供本数で単価を上げる設計になっている。

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 地方銀行の再編・減少という顧客母集団の縮小: 会社は地方銀行の再編・減少が進む市場環境と明記している。基幹の金融領域は顧客数そのものが減る構造で、系列会社への横展開と新領域がこの目減りを上回れるかが配当原資の前提になる。
  • 議決権45.64%で連結する子会社の存在: 主要M&A先のアイセルは議決権45.64%で実質支配を根拠に連結しており、第1四半期末の非支配株主持分は469百万円。連結の売上や利益の伸びが、同じ比率では親会社株主に帰属する利益に届かない。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年8月時点)


5. 筆者メモ

保有理由は継続収入の厚さと、減配のない配当実績。前期に80円へ一気に増やして配当性向が77%まで上がったのが気になっていたが、今期予想では62%まで下がる計算で、少し肩の力が抜けた。


6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年3月期実績 50円(中間25円+期末25円)
2026年3月期実績 80円(中間30円+期末50円)
2027年3月期予想 80円(中間40円+期末40円)・前期と同額(±0円)で修正なし
配当性向(連結・当期予想・表面) 62.3%(80円 ÷ 予想EPS128.48円)。記念配当・特別配当がないため実質普通配当ベースも同値
DOE(連結・純資産配当率) 10.7%(2026年3月期 決算短信記載値)。当期予想は年80円・第1四半期末の1株当たり純資産757.82円から試算して約10.6%
配当利回り 4.64%(予想DPS80円 ÷ 株価¥1,723・2026-08-10終値・J-Quants API)
配当方針 累進配当を基本方針として明示し、配当性向50%目標総還元性向70%以上を併記(会社IR「剰余金の配当等の決定に関する方針」)。四半期決算短信には利益配分の基本方針の節がなく、数値目標は会社IRに記載
連続増配年数 3期連続増配(2024年3月期〜2026年3月期・30→40→50→80円)。当期予想は80円の据え置き

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2016/3期 17 35.57 47.8%
2017/3期 17 31.89 53.3%
2018/3期 19 39.77 47.8%
2019/3期 20 41.75 47.9%
2020/3期 23 44.98 51.1%
2021/3期 23 61.56 37.4%
2022/3期 30 76.84 39.0%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/3期 30 82.96 36.2%
2024/3期 40 101.77 39.3%
2025/3期 50 108.09 46.3%
2026/3期 80 104.27 76.7%
2027/3期(予想) 80 128.48 62.3%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用。2026年3月期と2027年3月期予想は決算短信記載と一致確認済。本表の対象期間に株式分割はない(期末発行済株式総数27,911,900株・自己株式を含む)。
  • 特別配当記念配当: 決算短信「配当の状況」の注記は取締役および従業員向け株式交付信託が保有する株式への配当金の記載のみで、特別配当・記念配当の内訳表示はない。本表の2016年3月期以降、DPSは一度も前期を下回っておらず、表面値と実質普通配当ベースは一致する。
  • 会社開示との差: 2027年3月期予想の配当性向は決算短信に63.3%と記載されているが、これは配当金総額を予想純利益で割った値。本表は全期間を1株当たり配当金÷1株当たり当期純利益で統一して再計算しているため62.3%となる。
  • 配当政策の傾向: 2018年3月期以降は業績の拡大に沿って段階的に配当を引き上げてきた。2026年3月期の50→80円は配当性向を76.7%まで押し上げる水準で、当期は同額を据え置く予想。

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 2016年3月期以降の11期で一度も減配がなく、2024年3月期から2026年3月期は3期連続増配。直近3期は40→50→80円と引き上げ幅も拡大した。
  • 方針シグナル: 会社IRの「剰余金の配当等の決定に関する方針」で累進配当・配当性向50%目標・総還元性向70%以上の3点を並べて明示。第4次中期経営計画「FLY ON 2026」でも3年総計6,160百万円の株主還元を計画に織り込んでいる。
  • 耐性実績: コロナ期の2021年3月期も23円を維持。純資産配当率は2025年3月期7.1%から2026年3月期10.7%へ上昇している。

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

指標 当期(Q1累計) 前年同期 前年同期比
売上高 4,624百万円 4,235百万円 +9.2%
営業利益 555百万円 431百万円 +28.5%
経常利益 509百万円 492百万円 +3.5%
親会社株主帰属四半期純利益 357百万円 354百万円 +0.8%
EPS 13.51円 13.42円 +0.09円
営業利益率 12.0% 10.2% +1.8pt

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上 前期比
システム開発・販売 2,167百万円 +11.0%
リカーリング 2,456百万円 +7.6%

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 アイセルグループは前年同期には持分法適用関連会社で、2025年10月に連結子会社となった。前年同期の売上高には含まれず当第1四半期には含まれるため、増収+9.2%にはこの連結範囲の差が乗っている
営業外損益 🟡 営業外費用が4百万円から107百万円へ拡大。出資先の持分法投資損失98百万円が主因で、経常利益の伸びを+3.5%に抑えた
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟡 四半期純利益は+5.1%だが、非支配株主に帰属する分15百万円が新たに発生し、親会社株主帰属は+0.8%にとどまる
開示の誠実性 🟢 連結範囲の変更(2社除外)、税金費用への見積実効税率の適用、セグメント情報をいずれも明示し、監査法人の期中レビューを受けている

業績の質: 中(本業の増益は明確だが、増収には連結範囲の差が含まれ、経常利益と純利益は持分法投資損失と非支配株主持分で目減りしている)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2026/3期末 2026/6末(Q1)
現金及び預金(百万円) 7,808 6,266(△19.8%)
有価証券(流動・百万円) 5,094 6,188(+21.5%)
自己資本(百万円) 20,654 20,053(△2.9%)
自己資本比率(%) 73.6 78.0(+4.4pt)
  • 有利子負債: 208百万円(短期借入金77,934千円+長期借入金130,658千円)。前連結会計年度末の238百万円から減少しており、社債とリース債務の計上はない
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金6,266百万円 + 流動資産の有価証券6,188百万円 − 有利子負債208百万円 = +12,246百万円。時価総額48,092百万円(株価¥1,723 × 期末発行済株式総数27,911,900株・自己株式を含む)の25.5%で「プラス、10〜30%」帯。固定資産の投資有価証券5,503百万円は算入していない
  • 総資産の減少: 前連結会計年度末比△2,371百万円の25,695百万円。受取手形・売掛金及び契約資産△3,414百万円と現金及び預金△1,542百万円の減少に対し、有価証券+1,094百万円・投資有価証券+951百万円・棚卸資産+444百万円の増加が届かなかった
  • 負債の減少: 買掛金△1,005百万円・未払法人税等△898百万円・賞与引当金△350百万円を中心に、負債合計は前連結会計年度末比△1,748百万円の5,171百万円
  • 四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていない(第1四半期のため)。営業CF安定性は通期の営業CF推移(2022年3月期から2,811→1,714→2,836→2,609→3,091百万円)で評価した

7-3. 通期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上高 28,000百万円 +21.2%
営業利益 4,800百万円 +24.4%
経常利益 4,900百万円 +20.9%
親会社株主帰属当期純利益 3,400百万円 +21.6%
EPS 128.48円 +23.2%
営業利益率(通期予想) 17.1%(4,800百万円 ÷ 28,000百万円) +0.4pt
ROE(通期予想) 16.7%(3,400百万円 ÷ 自己資本20,354百万円〔期首20,654百万円と第1四半期末20,053百万円の平均〕) +2.8pt
  • 増減トーン: 2026年5月14日公表の予想から変更なし。第1四半期の進捗率は売上16.5%・営業利益11.6%で、公共分野向けの自治体情報システム標準化対応案件の受注が計画どおり下期に寄る前提になっている。
  • 中間期予想: 売上10,800百万円(+17.1%)、営業利益1,400百万円(+21.1%)、経常利益1,450百万円(+15.6%)、中間純利益1,000百万円(+1.2%)。
  • 中期経営計画との関係: 第4次中期経営計画「FLY ON 2026」の最終年度にあたり、売上高28,000百万円・営業利益4,800百万円は計画の定量目標と同額。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
第1四半期の売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・営業利益率 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026-08-12開示) 🟢 一次情報
通期業績予想・中間期予想 2027年3月期 第1四半期決算短信「3.2027年3月期の連結業績予想」 🟢 一次情報
営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と直近開示時点自己資本の平均) 🟡 補助データ
配当実績・当期配当予想・配当性向・純資産配当率 2027年3月期 第1四半期決算短信「2.配当の状況」・2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
配当方針(累進配当・配当性向50%目標・総還元性向70%以上) 会社IR「株主還元・配当」剰余金の配当等の決定に関する方針(ir.itfor.co.jp/stock/dividend.html) 🟢 一次情報
自己資本比率・現金及び預金・有価証券・有利子負債・非支配株主持分 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」 🟢 一次情報
セグメント別・受注高・受注残 2027年3月期 第1四半期決算短信「1.(1)経営成績に関する説明」「セグメント情報等」 🟢 一次情報
企業結合(議決権比率45.64%・企業結合日2025年10月1日・のれん5年均等償却) 2026年3月期 決算短信「企業結合等関係」 🟢 一次情報
中期経営計画「FLY ON 2026」の定量目標・クロスセル率目標・株主還元計画 会社IR「中期経営計画」(ir.itfor.co.jp/management/plan.html) 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移・通期営業CF推移 EDINET DB・2026年3月期 決算短信 🟢 一次情報
株価¥1,723(2026-08-10終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。