【システムリサーチ(3771)】配当B(83点)・累進配当方針 — 2027年3月期Q1

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結論: 累進配当を導入し年80円へ増額、Q1は費用先行で減益。

📊 スコア: B 83点
💰 配当: 70→80円(+10円)、2027年3月期予想を70円から増額
良い点: 累進配当導入、DOE 9.1%、自己資本比率73.0%、ROE20%台
⚠️ 注意点: Q1営業減益、配当性向46.8%、受注高の前年割れ


1. 業績ハイライト

  • 売上高: 74.31億円(+7.0%)、通期進捗率23.0%。
  • 営業利益: 5.40億円(△10.1%)、採用・研修費の先行で減益。
  • 純利益: 3.90億円(△11.6%)、EPS 23.52円。
  • 通期予想: 据え置き、営業 +10.9% で進捗率14.0%。
  • 自己資本比率: 73.0%(+3.9pt)で財務は一段厚み。

サマリー

  • 増収減益スタート: 売上は +7.0% と伸びた一方、営業利益は △10.1%。新卒採用に伴う人件費・研修費・広告宣伝費の先行計上が利益率を押し下げた。
  • 下期偏重の季節性: 営業利益の進捗率は14.0%で四半期平均の25%を下回るが、通期予想38.50億円は据え置き。会社は下期での挽回を見込んでいる。
  • 還元方針を刷新: 同日に配当方針を変更し、目標配当性向を40%から50%へ引き上げたうえで中期3か年に累進配当を導入。当期配当予想は70円から80円へ増額した。

2. 配当判断サマリー

  • 2027年3月期の配当予想は70→80円(+10円・+14.3%)へ増額修正され、実現すれば5期連続増配となる。
  • 配当方針は「配当性向40%目標の安定配当」から「配当性向50%目標+2029年3月期までの累進配当」へ変更、配当方針スコアは6→10点(+4点)。
  • 配当性向は予想46.8%で成長IT・SIer中央値25%を +21.8pt 上回り、スコアは7→4点(△3点)。還元の厚みと引き換えに原資の余裕は前期より薄い。
  • 同じSIerではNSD(9759)がDOE 10.4%ながら累進配当の宣言には未到達、東計電算(4746)は配当性向56.5%で減点と、還元設計の差が出やすい業種。

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(83/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 41 性向4・DOE10・利回り7・方針10・耐性10
財務 25 20 自己資本10・ネットキャッシュ7・営業CF安定性3
収益 25 22 営業利益率12・ROE10
合計 100 83

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 配当方針 10/10: 2026年7月28日に目標配当性向を50%へ引き上げ、2027年3月期から2029年3月期までの中期経営計画期間について「原則として減配せず、配当の維持もしくは増配を行う」累進配当を明示
  • 増配・減配耐性 10/10: 4期連続増配+当期80円予想で5期目+過去10年で減配履歴なし
  • DOE 10/10: 9.1%(2026年3月期 決算短信「純資産配当率(連結)」記載値)、5%以上で満点
  • 自己資本比率 10/10: 73.0%(前期末69.1%から +3.9pt)、60%以上で満点
  • ROE 10/10: 通期予想ベース約20.0%(前期実績20.6%)、15%以上で満点
  • 営業利益率 12/15: 通期予想11.9%(前期実績11.9%)、ガイドの「10〜15%」帯
  • ネットキャッシュ 7/10: 約+65.32億円、時価総額308.82億円の21.2%(10〜30%帯・30%以上で満点)
  • 配当利回り 7/10: 4.33%、ガイドの「3.5〜4.5%」帯

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 配当性向 4/10: 通期予想46.8%、成長IT・SIer中央値25%との乖離は +21.8pt で「+20〜+30pt帯」

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期82点 → 今期83点(+1点)
  • 変動の内訳: 配当方針が6→10点(+4点)、増配減配耐性が8→10点(+2点)と還元側で加点。一方で配当性向は予想46.8%となり7→4点(△3点)、営業CF安定性は算定方式(直近5期の平均乖離)の確定値を今回から反映して5→3点(△2点)
  • 満点項目は維持: DOE10・自己資本比率10・ROE10は前回から満点を維持し、還元水準・財務・資本効率の3本柱は不変
  • 現在の位置づけ: Bの上位。前回まで満点に届かなかった配当方針が10点になった一方、配当性向と営業CF安定性が中位〜低位という構図

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. Pros & Cons

4-1. ✅ Pros

  • 既存顧客の保守・運用が生む反復収益: 主力のソフトウエア開発業務は既存顧客からの保守・メンテナンス業務を安定的に受注し、売上44.58億円(+12.3%)。四半期売上の6割を占める区分がリピート受注で伸びている。
  • 積み上がる受注残高: 四半期末の受注残高は75.33億円(前年同期比+9.5%)、うちソフトウエア開発業務は+14.6%。受注済みの仕事が増えており、下期に売上へ振り替わる分の見通しが立ちやすい。

4-2. ⚠️ Cons

  • 特定顧客への依存度上昇: 最大顧客のトヨタシステムズ向け売上は14.84億円で総販売の19.9%(前年同期16.8%)。1社で約2割を占め、同社のIT投資計画の増減が配当原資に直結しやすい。
  • 新規受注高の前年割れ: Q1の受注高は合計81.69億円で前年同期比△18.6%、SIサービス業務は△28.3%。一括請負案件の受注減が主因で、残高の取り崩しが続かないか次回の確認点。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年7月時点)


5. 筆者メモ

筆者がシステムリサーチを保有しているのは、ポートフォリオのIT・SIer枠という位置づけに加えて、純資産に対する配当の厚さ(DOE 9.1%)と、ROE20%台・自己資本比率73.0%という資本効率と財務の両立を気に入っているからです。

前回一番の気がかりだった「還元を守る明文の下限がない」点に、今回の累進配当導入(2029年3月期まで・原則減配せず)で会社が答えてくれました。一方で目標性向が50%へ上がった分、配当は利益の伸び次第の面も増えたので、Q1の減益を下期でどれだけ取り戻せるかを見ていきます。

次回(2027年3月期 第2四半期)見るポイント:

  • 営業利益の進捗率(Q1は14.0%)が、中間期予想14.19億円にどこまで近づくか
  • Q1の受注高の前年割れ(合計 △18.6%)が一時的なものか、受注残高75.33億円の取り崩しが続くか
  • 新卒採用に伴う人件費・研修費の先行分を、下期の売上でどこまで吸収できるか

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年3月期実績 中間0円+期末60円=60円
2026年3月期実績 中間0円+期末70円=70円(+10円・+16.7%)
2027年3月期予想 中間0円+期末80円=80円(+10円・+14.3%・2026年7月28日に70円から増額)
配当性向(連結・予想) 46.8%(80円 ÷ 予想EPS171.01円)
DOE(連結・純資産配当率) 9.1%(2026年3月期 決算短信記載値。当期予想80円・前期末自己資本134.62億円ベースの単純計算では約9.9%)
配当利回り 4.33%(予想DPS80円 ÷ 株価¥1,847・2026-07-28終値・J-Quants API)
配当方針 配当性向50%を目標とした安定配当を基本方針とし、2027年3月期〜2029年3月期の中期経営計画期間は累進配当(原則として減配せず、維持もしくは増配)。急激な業績悪化・重大な投資案件の発生等の場合は見直す可能性あり(2026年7月28日変更・変更前は配当性向40%目標)
連続増配年数 4期連続増配(2023/3〜2026/3) + 当期予想で 5期目 継続見込み

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2016/3 7.50 33.65 22.3%
2017/3 11.25 38.35 29.3%
2018/3 12.50 39.87 31.4%
2019/3 15.00 55.06 27.2%
2020/3 25.00 74.03 33.8%
2021/3 30.00 65.16 46.0%
2022/3 30.00 89.26 33.6%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/3 35.00 95.81 36.5%
2024/3 40.00 117.81 34.0%
2025/3 60.00 132.29 45.4%
2026/3(実績) 70.00 157.49 44.4%
2027/3(予想) 80.00 171.01 46.8%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用、直近期(2026/3)は決算短信記載と一致確認済(DPS70円・配当性向44.4%)
  • 株式分割の扱い: 過去にDPS・EPSがともに2分の1へ切り替わる年度が2回あり、上表は現在の株式数に合わせた分割後ベースへ統一している。2024/3期は開示済みEPSが既に分割後基準のため、二重に調整しない値(117.81円)を採用した
  • 異常値の説明: 2024/3→2025/3のDPS急増(40→60円・+50%)は配当性向40%目標の下での増配加速によるもので、EPSも132.29円へ回復し配当性向は45%前後にとどまる
  • 配当政策の傾向: 2022/3期以前は配当性向20〜45%で段階的に引き上げる保守的還元期。2023/3期以降は4期連続増配、2027年3月期からは目標配当性向50%+累進配当へ移行。記念配当特別配当の支給履歴は確認できず(普通配当のみ)

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 70→80円(+10円・+14.3%)で5期連続増配の見込み、分割後ベースでは過去10年で7.50→80円と10倍超の還元拡大
  • 方針シグナル: 目標配当性向を40%→50%へ引き上げ、2029年3月期までの累進配当を導入。数値目標と減配回避の明文が揃い配当方針スコアは6→10点(+4点)
  • 耐性実績: コロナ期(2020/3→2021/3)も25→30円と +20% 増配、過去10年で減配履歴なし。2021/3→2022/3の30円据え置きが唯一の足踏み

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

Q1累計実績(2026年4月1日〜2026年6月30日)

指標 当Q1累計 前年同期 前年同期比
売上高 74.31億円 69.40億円 +7.0%
営業利益 5.40億円 6.01億円 △10.1%
経常利益 5.40億円 6.11億円 △11.6%
親会社株主帰属四半期純利益 3.90億円 4.41億円 △11.6%
EPS(累計) 23.52円 26.66円 △11.8%
営業利益率 7.3% 8.7% △1.4pt

業務区分別(対前年同期比)

区分 売上 構成比 前年同期比
ソフトウエア開発業務 44.58億円 60.0% +12.3%
SIサービス業務 25.77億円 34.7% △1.9%
商品販売 2.29億円 3.1% +24.6%
その他(WEBサイト運営・SaaS) 0.84億円 1.1% +6.0%
ソフトウエアプロダクト業務 0.80億円 1.1% △3.1%

ソフトウエア開発業務は既存顧客からの保守・メンテナンス業務を安定的に受注し +12.3% 増収、SIサービス業務は主要顧客の一括請負案件の受注減で △1.9%。なお連結上は「ソフトウエア関連事業」の単一セグメントのため、セグメント別損益の開示はない。

通期計画 進捗率(2027年3月期・2026年5月11日公表予想から修正なし)

項目 通期予想 前期比 Q1進捗率
売上高 322.76億円 +10.9% 23.0%
営業利益 38.50億円 +10.9% 14.0%
経常利益 39.07億円 +10.0% 13.8%
親会社株主帰属当期純利益 28.36億円 +8.6% 13.8%

売上の進捗率23.0%は四半期1/4=25%におおむね沿う一方、営業利益は14.0%と遅れる出足。中間期予想も営業利益 △6.5% の減益計画で、通期の達成は下期の積み上げに依存する。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟢 確認できず 減益要因は新卒採用に伴う人件費・研修費・広告宣伝費の増加で、費用の先行計上という説明と整合
営業外損益 🟢 安定 経常5.40億 vs 営業5.40億でほぼ同水準(助成金収入0.03億・支払利息0.03億と小規模)
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟢 軽微 特別損益は実質ゼロ、純利益 △11.6% は経常 △11.6% と同率で下段の追加毀損なし
開示の誠実性 🟢 高 業務区分別の増減理由・受注高/受注残高・主要顧客別売上を毎期開示、通期予想据え置きの根拠も明記

業績の質: クリーン(減益はコスト先行によるもので、一過性の損失や下段での追加毀損は確認できない)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2026年3月期末 2027年3月期 Q1末
現金及び預金(億円) 84.30 74.51(△9.79)
有利子負債(億円) 9.57 9.19(△0.38)
ネットキャッシュ(億円) 74.73 65.32
自己資本比率(%) 69.1 73.0(+3.9pt)
営業CF(億円) 25.02(2026年3月期 通期) 四半期CF計算書は未作成
  • 有利子負債: 9.19億円(短期借入金1.05億+1年内返済予定の長期借入金5.16億+長期借入金2.98億)、前期末9.57億円から △0.38億円
  • ネットキャッシュ: +65.32億円(現金及び預金74.51億 − 有利子負債9.19億)、時価総額308.82億円(¥1,847×発行済16,720,000株)の 21.2%
  • 現金の減少要因: 期末配当11.61億円の支払いと賞与引当金の取り崩し(14.94→4.89億円)、未払法人税等の納付(6.57→1.88億円)による季節要因で、資金流出の性質は例年どおり

7-3. 通期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上高 322.76億円 +10.9%
営業利益 38.50億円 +10.9%
経常利益 39.07億円 +10.0%
親会社株主帰属当期純利益 28.36億円 +8.6%
EPS 171.01円 +8.6%
通期予想の営業利益率 11.9% ±0.0pt
  • 増減トーン: 2026年5月11日公表の予想から修正なし。売上・営業利益とも +10.9% の2桁成長見通しを維持し、通期の営業利益率は11.9%で前期並みを見込む
  • 前提条件: ソフトウエア投資計画が前年同期比 +13.5% と旺盛なIT投資需要(日銀短観2026年6月)、基幹システム刷新・生成AI活用領域の拡大
  • 配当予想: 80円(配当性向46.8%予想)で、変更後の目標配当性向50%を下回る水準

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
Q1売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・営業利益率 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026年7月28日開示) 🟢 一次情報
通期業績予想・進捗率・今後の見通し 2027年3月期 第1四半期決算短信「1.(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」 🟢 一次情報
配当予想80円・配当方針(目標配当性向50%・累進配当) 「配当方針の変更(目標配当性向の変更ならびに累進配当の導入)および2027年3月期 配当予想の修正に関するお知らせ」(2026年7月28日開示) 🟢 一次情報
配当実績70円・配当性向44.4%・DOE 9.1%・前期営業CF 2026年3月期 決算短信(2026年5月11日開示)「2.配当の状況」「連結キャッシュ・フロー計算書」 🟢 一次情報
自己資本比率73.0%・現金74.51億・有利子負債9.19億 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」 🟢 一次情報
業務区分別売上・受注高・受注残高・主要顧客別売上 2027年3月期 第1四半期決算短信「3.その他 生産、受注及び販売の状況」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥1,847(2026-07-28終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

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本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。