【光通信(9435)】配当C(61点)・15期連続増配 — 2027年3月期Q1

観察中(筆者は当該銘柄を未保有)📁 情報・通信業

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結論: 通期配当を800円へ上方修正、利回りは低位

📊 スコア: C 61点
💰 配当: 751→800円予想(+49円、5月予想780円から+20円上方修正)
良い点: 16期連続増配見込み、営業利益率16.8%、配当性向29.2%、DOE 3.1%
⚠️ 注意点: 配当利回り 2.07%ネットキャッシュ △6,741億円、通期純利益 △20.5%予想


1. 業績ハイライト

  • 売上収益: +15.2%(1,925.63億円)、7セグ中5セグが増収。
  • 営業利益: +6.1%(291.81億円)、通期予想に対し進捗22%。
  • 税引前四半期利益: +40.5%(499.52億円)、為替差益35億円が押し上げ。
  • 金融事業: 売上 +42.3%・営業利益 +69.3% で最大の伸び。
  • 配当: 通期予想を780→800円へ上方修正(+20円)。

サマリー

  • 本業は増収増益: 売上収益は顧客契約数の増加で +15.2%、営業利益は +6.1% の291.81億円。通期予想1,300億円に対する進捗は22%で、四半期の目安25%を下回る。
  • 税引前の伸びは為替由来: 税引前四半期利益は +40.5% だが、為替差損益を除いたベースでは +1%。前年同期の為替差損102億円が今期は為替差益35億円へ振れた差が効いている。
  • 配当は四半期ごと200円へ: 5月公表の780円予想を8月13日に800円へ引き上げ。実現すれば16期連続増配で、会社は24期連続減配なしの見込みと表明している。

2. 配当判断サマリー

  • 通期配当予想を780→800円へ +20円 上方修正(四半期ごと195→200円)。実現すれば16期連続増配・24期連続減配なしとなる。
  • 配当性向は29.2%(800円 ÷ 予想EPS 2,742.77円)で、情報・通信業の中央値35%を下回る水準を維持。原資の余裕は大きい。
  • 一方で株価¥38,580に対する予想利回りは2.07%にとどまる。配当方針も安定配当の定性表現のみで、配当性向目標なし・DOE目標なし・累進配当の宣言なしと、還元の下限を規定する記載はない。同じ情報・通信業でストック型収益を持つ朝日ネット(3834)とは、下限を明文化しているかどうかで設計が異なる。
  • ネットキャッシュは △6,741億円有利子負債超過。設備投資借入で構造的にマイナスとなる通信キャリア(NTT(9432)等)には最低2点の業種補正があるが、当社は対象外で0点となる。

3. スコア内訳

配当持続性ランク: C(61/100点) ★★★☆☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 32 性向10・DOE7・利回り2・方針3・耐性10
財務 25 10 自己資本7・ネットキャッシュ0・営業CF安定性3
収益 25 19 営業利益率15・ROE4
合計 100 61

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 営業利益率 15/15: 通期予想16.8%(営業利益1,300億円 ÷ 売上収益7,750億円)。ガイドの「15%以上」帯。四半期・中間期のカルテでは当期通期の会社予想を採点根拠とする
  • 配当性向 10/10: 当期予想29.2%(800円 ÷ 予想EPS 2,742.77円)。情報・通信業の中央値35%を下回り「中央値以下」帯で満点
  • 増配・減配耐性 10/10: 2012年3月期を起点に15期連続増配、直近5年に減配なし、当期も +49円 の増配予想。ガイド最高水準の「3年以上連続増配+直近5年で減配なし+来期増配予想」に該当
  • DOE 7/10: 3.1%(2026年3月期・決算短信「親会社所有者帰属持分配当率(連結)」)。ガイドの「3〜5%」帯
  • 自己資本比率 7/10: 43.5%(親会社所有者帰属持分比率・前期末41.5%から +2.0pt)。ガイドの「40〜60%」帯

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • ネットキャッシュ 0/10: △674,063百万円(現金及び預金433,609 + 短期有価証券0 − 有利子負債1,107,672)。時価総額△39.7% で「マイナス(有利子負債超過)」帯
  • 配当利回り 2/10: 2.07%(予想DPS800円 ÷ 株価¥38,580)。ガイドの「1.5〜2.5%」帯
  • 配当方針 3/10: 有価証券報告書「配当政策」は安定的な配当の継続を基本方針とするのみで、配当性向目標なし・DOE目標なし・累進配当の宣言なし。「安定配当を定性的に明記」帯
  • ROE 4/10: 通期予想9.8%(当期利益1,200億円 ÷ 親会社所有者帰属持分の期首・第1四半期末平均1兆2,190.04億円)。ガイドの「5〜10%」帯

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期64点 → 今期61点(△3点)。ランクCは据え置き
  • 変動の内訳: 動いたのはROEのみで、通期予想ベースが14.4%→9.8%へ下がり7→4点。当期利益が△20.5%の減益予想である一方、親会社所有者帰属持分が1年で3割増えた分母効果も重なっている。DOEは前期カルテの数値を決算短信が開示する親会社所有者帰属持分配当率3.1%へ訂正したため、今期も7点で不変
  • 満点項目は維持: 営業利益率15/15・配当性向10/10・増配減配耐性10/10の3項目は前期から不変で、収益力と増配実績という支柱は動いていない
  • 現在の位置づけ: C帯の中位。利回り2/10・ネットキャッシュ0/10・配当方針3/10の合計25点ロスが上位帯との差を作っており、営業利益率とDOEの高さで押し上げている構図

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

※本章はスコア(§3)に入っていない事業上の強み・構造リスクを扱います。

4-1. ✅ 事業の強み

  • 獲得コスト先行のストック収益構造: 第1四半期のストック利益445億円に対し顧客獲得コストは153億円。獲得費用を先に費用計上し契約期間中に回収する設計のため、拡大局面では当期利益が抑えられる一方で契約残高が積み上がる(会社IR 決算説明資料)。
  • 配当原資を補う純投資ポートフォリオ: 上場持分法適用会社40社を含む純投資の時価は1兆5,067億円、含み益6,176億円。第1四半期の受取配当金・受取利息は198億円(+20%)で、本業とは別系統の現金流入が還元を支える(会社IR 決算説明資料)。

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 自己資本が株式相場に連動する構造: 第1四半期の自己資本増加666億円のうち、含み益増減(税後)221億円と有価証券売却損益(税後)105億円が半分弱を占める。保有株の時価下落局面では自己資本比率も同時に押し下げられる(会社IR 決算説明資料)。
  • 調達コストの上昇: 第1四半期の支払利息は67億円と前年同期29億円の2.3倍。5月発行の社債は利率年2.823%・3.51%で前期末の社債平均利率2.2%を上回る。投資収益とのスプレッドが縮めば還元原資を圧迫する(決算短信・有価証券報告書)。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)。


5. 筆者メモ

税引前利益が4割増えたと聞くと本業が伸びたように見えるが、増えた分のほとんどは円安による金融収益で、為替の影響を除くと1%増にとどまる。数字の出どころを見ておきたい。

次回(2027年3月期 第2四半期・2026年11月発表予定)見るポイント:

  • 為替差損益を除いた税引前利益の伸び: 第1四半期は +1% と実質横ばい
  • 通期の税引前利益の進捗: 第1四半期時点で28%(会社IR 決算説明資料ベース)
  • 支払利息の増加ペース: 第1四半期は67億円で前年同期の2.3倍

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2026年3月期実績(前期) 751円(第1四半期末181+第2四半期末185+第3四半期末190+期末195)
2027年3月期予想(当期) 800円(+49円、四半期ごと200円。2026年8月13日に780円から +20円 上方修正)
配当性向(連結・表面・当期予想) 29.2%(表面DPS800円 ÷ 予想EPS 2,742.77円・本ブログ算出。当期予想に記念配当・特別配当は含まれないため実質普通配当ベースでも同値。5月時点の会社公表予想は28.5%〔780円 ÷ 2,738.32円〕)
DOE(連結・親会社所有者帰属持分配当率) 3.1%(2026年3月期実績・通期決算短信「2.配当の状況」記載値。四半期決算短信の配当表には同欄がなく、2027年3月期の会社予想値も開示されていない。当期予想800円×自己株式控除後の期末株式数43,751,453株=配当総額350.01億円を第1四半期末の親会社所有者帰属持分1兆2,523.40億円で割った参考値は約2.8%)
配当利回り 2.07%(予想DPS800円 ÷ 株価¥38,580・2026-08-14終値・J-Quants API)
配当方針 安定配当(有価証券報告書「配当政策」に、株主への利益配分を経営の最重要課題と位置づけ安定的な配当の継続を基本方針とする旨を記載。配当性向目標なし・DOE目標なし・累進配当の宣言なし・額面下限のコミットなし)
連続増配年数 15期連続増配(2012年3月期起点・会社は特別配当を除くベースで計数)+ 当期予想800円で 16期目 継続見込み

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年度以前の履歴を表示(連続増配の起点年度を含む)
年度 DPS(円) 実質普通DPS(円) EPS(円) 配当性向
2012/3 70 70 149.58 46.8%
2013/3 94 94 343.15 27.4%
2014/3 140 140 623.71 22.4%
2015/3 160 160 450.27 35.5%
2016/3 186 186 485.48 38.3%
2017/3 240 240 840.12 28.6%
2018/3 300 300 927.35 32.4%
2019/3 351 351 1,075.66 32.6%
2020/3 402 402 1,126.09 35.7%
2021/3 456 456 1,190.28 38.3%
2022/3 491 491 1,927.09 25.5%
年度 DPS(円) 実質普通DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/3 545 545 2,037.65 26.7%
2024/3 638(普通588+特別50) 588 2,753.52 21.4%
2025/3 661 661 2,671.18 24.7%
2026/3(前期) 751 751 3,440.12 21.8%
2027/3(予) 800 800 2,742.77(会社予想) 29.2%

(注)

  • データ基準: 直近5期のEPSは2026年3月期有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」と一致確認済(2022/3 1,927.09円・2023/3 2,037.65円・2024/3 2,753.52円・2025/3 2,671.18円・2026/3 3,440.12円)。2026/3期の配当性向21.8%は決算短信「2.配当の状況」の会社公表値
  • 実質普通DPS列の意味: 記念配当・単発の特別配当を除いた配当を示す列。当社で該当するのは2024年3月期のみで、他の年度は表面DPSと同額。配当性向の列は実質普通DPSを分子に取っており、2024年3月期の21.4%は588円÷2,753.52円(表面638円で計算すると23.2%)、それ以外の年度は表面ベースと同値
  • 特別配当の内訳: 2024年3月期の638円は普通配当588円+特別配当50円。実質普通配当ベースでも2023/3 545円→2024/3 588円→2025/3 661円→2026/3 751円と増配が続いており、特別配当の剥落で連続増配が途切れる構図にはなっていない。それ以外の年度に記念配当・特別配当の記載はない
  • 遡及修正の反映: 2018/3期のEPSは有価証券報告書で遡及修正された後の927.35円を掲載(当初開示値は903.66円)。2022/3期の1,927.09円も遡及修正後(IFRS第17号「保険契約」の早期適用に伴う遡及修正)の開示値で、表全体を遡及修正後の公式系列に統一している
  • 表の起点と連続増配年数の数え方: 上表は連続増配の起点である2012年3月期から並べており、記事内で年数を数え直せるようにしている。2012年3月期の70円から2026年3月期の751円まで毎期増配で15期連続、当期予想800円が実現すれば16期目。会社も2027年3月期第1四半期決算説明資料に「16期連続増配、24期連続減配なし見込み」と記載している
  • 株式分割: 2012年3月期以降、株式分割・株式併合の実施はなく、上表のDPS・EPSは調整を加えていない実額表示
  • 配当政策の傾向: 2020/3 402円→2027/3予想800円で約2.0倍、コロナ期も増配維持で減配履歴なし。配当性向は20〜30%帯の低位を保っている

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 751→800円(+49円)で16期連続増配見込み。四半期配当を195円から200円へ揃える形で、5月予想の780円から8月に +20円 上方修正した
  • 方針シグナル: 有価証券報告書の配当政策は安定的な配当の継続という定性表現にとどまり、配当性向目標なし・DOE目標なし・累進配当の宣言なし。会社が開示するのは10年間累計の総還元性向34%という実績値で、将来の下限を規定する記載ではない(会社IR 決算説明資料)
  • 耐性実績: 2012年3月期から15期連続増配、会社は24期連続減配なしの見込みと表明。コロナ期(2020年3月期402円→2021年3月期456円)も増配を維持しており、ガイド最高水準「3年以上連続増配+過去ショック減配なし+来期も増配」に該当する

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー(連結・IFRS)

指標 当期(第1四半期累計) 前期(第1四半期累計) 前期比
売上収益 1,925.63億円 1,671.72億円 +15.2%
営業利益 291.81億円 275.03億円 +6.1%
営業利益率 15.2% 16.5% △1.3pt
税引前四半期利益 499.52億円 355.48億円 +40.5%
親会社の所有者に帰属する四半期利益 366.56億円 281.68億円 +30.1%
基本的1株当たり四半期利益 837.15円 641.83円 +30.4%
四半期包括利益合計額 787.50億円 527.12億円 +49.4%

セグメント別(対前年同期比)

セグメント 売上収益 前期比 セグメント利益 前期比
電気・ガス事業 832.90億円 +29.5% 64.20億円 △17.9%
通信事業 329.21億円 +3.0% 83.38億円 +8.2%
飲料事業 217.65億円 +5.1% 27.43億円 +5.1%
保険事業 97.94億円 +20.6% 16.79億円 △16.2%
金融事業 132.66億円 +42.3% 78.10億円 +69.3%
ソリューション事業 61.56億円 △9.2% 11.84億円 △11.8%
取次販売事業 253.68億円 △2.3% 27.33億円 △2.3%

売上は電気・ガス事業の +29.5% と金融事業の +42.3% が牽引した一方、利益では電気・ガス事業が △17.9%、保険事業が △16.2% と減益。いずれも会社は顧客獲得に係る費用の計画的な支出・販売好調に伴う顧客獲得費用の増加を理由に挙げている。セグメント利益の合計309.10億円から全社損益の調整額 △17.29億円 を差し引いたものが営業利益291.81億円にあたる。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 注意 会社は一過性損益等を除く営業利益を287億円(+8%)と開示しており、事業売却益等4億円が含まれる程度で影響は限定的。ただし持分法による投資損益6,503百万円には割安購入益278百万円が含まれる
営業外損益 🔴 大 営業利益 +6.1% に対し税引前は +40.5%。増加額14,403百万円のうち営業段階は1,677百万円のみで、金融収益 +5,509百万円・金融費用の減少2,775百万円・持分法投資損益 +2,275百万円・その他営業外損益 +2,165百万円 が大半を占める。会社は為替差損益を除いた税引前利益を +1% と開示している
純利益押し上げ要因 🟡 注意 四半期包括利益787.50億円(+49.4%)のうち、その他の包括利益410.67億円は公正価値で測定する金融資産の評価益314.09億円等が主因。評価益は実現利益とは別物で、株価変動で戻る性質がある
開示の誠実性 🟢 高 7セグメントの売上・利益、営業外損益の内訳、CF内訳を短信本体で開示。任意ながら監査法人の期中レビューを受けており、連結範囲の重要な変更・会計方針の変更・会計上の見積りの変更はいずれも無、継続企業の前提に関する注記も無

業績の質: 中品質(本業のストック利益は堅調に伸びているが、税引前の伸びの大半が為替差益を含む営業外で、通期予想は為替差益の剥落を織り込んで減益となる)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 前期(2026年3月期・通期/期末) 当第1四半期(2026年6月末)
営業CF(百万円) 57,073 △18,083
投資CF(百万円) △104,100 △90,753
財務CF(百万円) +104,685 △1,679
現金及び預金(BS流動・百万円) 549,094(現金及び現金同等物539,854+預入期間が3ヶ月を超える定期預金9,240) 433,609
短期有価証券(BS流動・百万円) 37,722 0
現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) 539,854 433,609
自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率・%) 41.5 43.5
  • 有利子負債: 流動181,565百万円+非流動926,107百万円=合計1,107,672百万円。前期末1,088,472百万円から +19,200百万円 増えた。IFRS採用のため会社が財政状態計算書に「有利子負債」として表示する金額にはリース負債が含まれており、前期末の内訳は1年内返済予定リース負債2,844百万円+リース負債(非流動)7,791百万円が算入されている(2026年3月期有価証券報告書「注記17.有利子負債」)。当第1四半期には第56回無担保社債100億円(利率年2.823%)・第57回無担保社債100億円(同3.51%)を発行
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金433,609百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債1,107,672百万円 = △674,063百万円。時価総額1,697,120百万円(株価¥38,580×期末発行済株式数43,989,642株・自己株式を含む)の △39.7% にあたり「マイナス(有利子負債超過)」帯で0/10点。情報・通信業はネットキャッシュの業種補正(マイナスでも2点)の対象外のため救済はない
  • 短期有価証券の扱い: 当第1四半期末の財政状態計算書には流動資産に「その他の金融資産」84,949百万円があるが、四半期決算短信では内訳が開示されず有価証券・定期預金の額を特定できないため、当期の分子には算入していない。前期末(2026年3月末)の同区分の内訳は有価証券37,722百万円・預入期間が3ヶ月を超える定期預金9,240百万円・預け金1,249百万円ほかで、上表の前期列はこの内訳に沿って現金及び預金と短期有価証券に振り分けている。仮に当期の84,949百万円を全額加えてもネットキャッシュは △589,114百万円・時価総額比 △34.7% で、0/10点という結論は変わらない
  • 会社が開示する「純現金資産」との違い: 会社は現預金から有利子負債を差し引いたうえで上場投資有価証券・債券を加えた「純現金資産」を8,496億円と開示している(会社IR 決算説明資料)。本ブログのネットキャッシュは換金性の乏しい長期保有株式の混入を避けるため投資有価証券(非流動)を分子に含めない定義で、両者は算定対象が異なる
  • 営業CF: 第1四半期累計は △18,083百万円 と前年同期の +14,431百万円 からマイナスへ転じた。法人所得税の支払額が21,052→43,985百万円へ増え、営業債務及びその他の債務も25,866百万円減少したことが主因。営業CF安定性の採点対象は直近5期(2022年3月期〜2026年3月期)の通期実績51,028→54,804→130,200→84,836→57,073百万円で、5期とも黒字だが5期平均75,588百万円からの乖離が±20%を超える年が4期あるため3/5点(「黒字継続だがブレあり」帯)
  • 自己資本比率: 41.5%→43.5%へ +2.0pt。親会社所有者帰属持分が1,185,668→1,252,340百万円へ +66,672百万円 増える一方、負債は未払法人所得税の減少(35,150→10,211百万円)等で1,636,216→1,597,598百万円へ △38,618百万円 減った
  • 自己株式: 期末発行済株式数は43,989,642株で前期末と同数(消却はなし)、期末自己株式数は167,178→238,189株へ +71,011株 増加した。第1四半期の自己株式の取得による支出は3,880百万円

7-3. 通期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上収益 7,750億円 +5.5%
営業利益 1,300億円 +11.4%
親会社の所有者に帰属する当期利益 1,200億円 △20.5%
基本的1株当たり当期利益 2,742.77円 △20.3%
営業利益率(通期予想) 16.8%(130,000百万円÷775,000百万円・本ブログ算出) +0.9pt
ROE(通期予想) 9.8%(120,000百万円÷1,219,004百万円・本ブログ算出) △4.6pt

営業利益は +11.4% の増益予想なのに、当期利益は △20.5% の減益予想となる理由。会社は今後の見通しで、増収増益の要因を顧客契約数の増加に伴うストック利益の増加、減益の要因を為替差益の減少と説明している。前期は税引前利益1,990億円のうち為替差益が230億円を占めたが、当期の会社計画は為替差損益を除いた税引前利益1,797億円に対し税引前利益1,775億円で、為替差益をほぼ見込んでいない(会社IR 決算説明資料)。為替差損益を除いたベースでは前期1,760億円→当期1,797億円と横ばい圏で、減益予想は本業の縮小ではなく前期の為替差益の反動が主因といえる。ROEが14.4%→9.8%へ下がるのも、この利益減に加えて自己資本が1年で +30% 増えた分母効果が重なるためである。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
第1四半期の売上収益・営業利益・税引前利益・四半期利益・EPS・包括利益・セグメント別 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結・2026年8月13日開示) 🟢 一次情報
通期業績予想(売上収益7,750億円・営業利益1,300億円・当期利益1,200億円・EPS2,742.77円) 同第1四半期決算短信「3.2027年3月期の連結業績予想」 🟢 一次情報
営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と直近開示時点自己資本の平均) 🟡 補助データ
配当実績(751円)・当期配当予想(800円)・配当予想の修正 同第1四半期決算短信「2.配当の状況」/ 2026年3月期 決算短信(2026年5月13日開示)「2.配当の状況」 🟢 一次情報
DOE(親会社所有者帰属持分配当率3.1%)・2026年3月期の配当性向21.8% 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
自己資本比率・現金及び預金・有利子負債・発行済株式数・自己株式数 同第1四半期決算短信「要約四半期連結財政状態計算書」「発行済株式数」 🟢 一次情報
営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 期末残高 同第1四半期決算短信「要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書」 🟢 一次情報
配当政策の文言・有利子負債の内訳(リース負債)・その他の金融資産の内訳・主要な経営指標等の推移 2026年3月期 有価証券報告書(2026年6月26日提出) 🟢 一次情報
ストック利益・顧客獲得コスト・純投資の時価と含み益・純現金資産・為替差損益を除く税引前利益・連続増配年数 会社IR 2027年3月期 第1四半期決算説明資料 / 2026年3月期 通期決算説明資料 🟢 一次情報
過去長期配当推移・EPS時系列 EDINET DB(edinetdb.jp)長期履歴 🟢 一次情報
株価¥38,580(2026-08-14終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

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