【MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)】配当B(76点)・累進配当方針 — 2027年3月期Q1

保有中(筆者が当該銘柄を保有)📁 保険業

PR本記事には広告リンクを含みます

結論: IFRSベースでも増配継続・引受採算は改善

📊 スコア: B 76点
💰 配当: 160→170円予想(+10円)、14期目の連続増配へ
良い点: 累進配当、13期連続増配、持分比率22.1%、海外伸長
⚠️ 注意点: 通期は減益予想、ネットキャッシュ縮小、金融損益依存


1. 業績ハイライト

  • 保険収益1兆6,861億円(+14.1%)・海外が牽引
  • 税引前四半期利益4,409億円(+33.4%)
  • 親会社所有者帰属四半期利益3,286億円(+33.4%)
  • グループ修正利益3,106億円(+29.7%)
  • 主要2社コンバインド・レシオ84.8%(△0.7pt)

サマリー

  • 損保2社と海外が同時に伸長: 三井住友海上1,875億円(+62.8%)・あいおいニッセイ同和損保877億円(+68.0%)・海外保険子会社964億円(+111.6%)と主要な3本柱がそろって増益し、主要2社のコンバインド・レシオも84.8%へ改善した
  • 押し上げは金融損益が主: 税引前四半期利益の増加1,103億円のうち金融損益の増加が705億円を占める。本業に近いグループ修正利益も3,106億円(+29.7%)と伸びたが、うち596億円は政策株式の売却損益である
  • 通期は減益予想のまま据え置き: 第1四半期の進捗率は77.3%だが通期予想4,250億円(△16.8%)は修正なし。会社は国内自然災害の新規発生保険金1,500億円と、市場が2026年3月末から大きく動かない前提を置いている

2. 配当判断サマリー

  • 2027年3月期の予想DPSは170円(+10円)・第1四半期時点で修正なく据え置き、普通配当も125→140円へ積み増す
  • 配当は累進配当を目指すとの方針で、前計画の「原則として、普通配当は減配を行わず」を基本的還元方針は変更しないとして引き継ぐ。2014年3月期を起点に13期連続増配で、当期予想は14期目にあたる
  • 会計基準がIFRSへ切り替わり、同じ2026年3月期でも配当性向は日本基準30.3%からIFRS46.6%へ、株主還元の水準を示すDOEは純資産配当率5.4%から親会社所有者帰属持分配当率4.0%へと見え方が変わった
  • 同じ損害保険大手の東京海上ホールディングス(8766)も同時期にIFRSへ移行しており、両社の指標を並べる際は会計基準の違いを踏まえる必要がある

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(76/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 43 性向9・DOE7・利回り7・方針10・耐性10
財務 25 17 自己資本10・ネットキャッシュ4・営業CF安定性3
収益 25 16 営業利益率12・ROE4
合計 100 76

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 配当方針 10/10: 配当は累進配当を目指し利益成長に応じて1株当たり配当の増加を検討するとの方針。前計画の「原則として、普通配当は減配を行わず」を基本的還元方針は変更しないとして引き継ぎ、株主還元は総還元性向50%(修正利益の50%)を基本に配当と自己株式取得を組み合わせている
  • 増配減配耐性 10/10: 2014年3月期を起点に13期連続増配+直近5年で減配なし+当期も+10円の増配予想で満点
  • 自己資本比率 10/10: 親会社所有者帰属持分比率22.1%(+0.4pt)で、保険業補正(20%以上で10点)の満点帯
  • 配当性向 9/10: 57.5%(予想DPS170円÷通期予想EPS295.75円)で保険業の中央値50%を7.5pt上回る理想範囲(中央値〜+10ptの帯)。会社の還元方針はグループ修正利益ベースのため、法定EPSベースの表面値とは分母が異なる
  • 営業利益率 12/15: 税引前利益率10.9%で、保険業補正(5%以上で12点)。保険は営業利益の区分がないため税引前利益÷保険収益を代替指標としている。四半期カルテの採点根拠は本来なら当期通期の会社予想だが、通期の保険収益・税引前利益はいずれも非開示のため、2026年3月期の通期実績(税引前利益7,035億円÷保険収益6兆4,360億円)を代用して採点した
  • DOE 7/10: 4.0%(3〜5%の帯)。2026年3月期の親会社所有者帰属持分配当率で、日本基準の純資産配当率5.4%より低く出るのはIFRSでは分母の持分が厚くなるため
  • 配当利回り 7/10: 170円÷4,836円=3.52%で3.5〜4.5%帯・7点

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • ネットキャッシュ 4/10: 現金及び預金から有利子負債を差し引いた金額が時価総額+6.08%で、プラスだが10%未満の帯。銀行業・保険業は最低点救済の対象外で本則どおり評価する
  • ROE 4/10: 通期予想6.5%(予想当期利益4,250億円÷期首と第1四半期末の親会社所有者帰属持分の平均)で5〜10%帯

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期(2026年3月期・日本基準)79点 → 今期76点(△3点)。会計基準がIFRSへ切り替わっており、点数差は決算の良し悪しではなく指標の測り方の違いが大半を占める
  • 変動の内訳: 自己資本比率は日本基準16.7%から親会社所有者帰属持分比率22.1%へ上がり6→10点、DOEは日本基準の純資産配当率5.4%からIFRSの親会社所有者帰属持分配当率4.0%へ下がり10→7点、配当性向は前カルテの当期実績30.3%(日本基準)から当期通期予想57.5%(IFRS)へ上がり10→9点(同じ2026年3月期どうしで比べても日本基準30.3%に対しIFRSは46.6%)。ネットキャッシュは分子が日本基準の現金及び預貯金1兆9,204億円からIFRSの現金及び現金同等物2兆1,360億円へ変わる一方、有利子負債にレポ取引及び他の類似の担保付借入が加わり、四半期中の現金減少と合わせて時価総額比+14.4%から+6.08%へ縮み7→4点
  • 満点項目維持: 配当方針10/10・増配減配耐性10/10は基準変更をまたいでも不変で、配当カテゴリの支柱は動いていない。営業利益率12/15・ROE4/10・配当利回り7/10・営業CF安定性3/5も前期と同じ得点
  • 現在の位置づけ: B(70〜84点)の中位。減点はネットキャッシュ(4点)とROE(4点)に集中し、いずれも保険業の資産負債構造と通期予想の水準に由来する。定点観測の軸は、通期予想4,250億円に対する下期の着地、普通配当140円の据え置きの有無、そしてIFRSベースの持分と現金が積み上がるかどうか

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。保険業は保険契約負債・運用資産が事業構造の中心にあるため、財務カテゴリの指標は事業会社と同じ意味では比較できない点にご留意ください。


4. 事業の強み・構造リスク

※本章はスコア(§3)に反映していない事業上の強み・構造リスクのみを扱います。

4-1. ✅ 事業の強み

  • 国内損保2社の合併による基盤再編: 三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は2027年4月1日を効力発生日とする合併に最終合意した。国内損保事業が単一会社へ集約され、重複する機能や体制の整理余地が生まれる分、配当原資の土台となる引受利益の安定度に効く
  • 生保子会社に積み上がる将来利益のストック: 三井住友海上あいおい生命の契約上のサービス・マージン(CSM)残高は5,562億円(2026年度期首比△6.0%)。保険期間にわたって利益として認識される繰延利益で、当期の保険収益とは別に将来の利益認識額の目安が開示されている

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 貯蓄性商品の利益が市場変動で振れる構造: 三井住友海上プライマリー生命の四半期利益は616→16億円(△97.3%)。投資損益1,885億円と保険金融損益△1,895億円がほぼ相殺する建て付けで、市場前提のズレが利益を大きく動かす

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年8月時点)


5. 筆者メモ

保有の決め手は3メガ損保の一角という事業基盤の厚さです。今回は国内2社と海外がそろって伸び、引受の採算を示す指標も改善しました。配当を支える土台は今のところ崩れていないと感じています。


6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年3月期実績 145円(中間72.5+期末72.5・普通100+特別45)
2026年3月期実績 160円(中間77.5+期末82.5・普通125+特別35・+15円)
2027年3月期予想 170円(中間85+期末85・普通140+特別30・+10円+6.3%)
配当性向(連結・表面) 57.5%(予想DPS170円 ÷ 通期予想EPS295.75円・2027年3月期・本ブログ再計算)
DOE(連結・親会社所有者帰属持分配当率) 4.0%(2026年3月期実績・決算短信〔IFRS〕「配当の状況」記載値)
配当利回り 3.52%(予想DPS170円 ÷ 株価¥4,836・2026-08-14終値・J-Quants API)
配当方針 配当は累進配当を目指すとし、利益成長に応じて1株当たり配当の増加を検討する。株主還元は総還元性向50%(修正利益の50%)を基本とし、総還元性向50%と配当総額の差額は自己株式取得で対応する。資本効率の改善が必要な場合や大規模自然災害等による減益時などには追加的還元を実施する。会社は基本的還元方針を変更しないと明記しており、前計画では「原則として、普通配当は減配を行わず、政策株式の売却加速による利益の一部を特別配当として還元する」としていた(会社IR「グループの2030年度目指す姿」2026年5月公表資料/同「グループ中期経営計画 第2ステージ(2022-2025)」2024年5月公表資料)
連続増配年数 13期連続増配(2014年3月期が起点・§6-2 の分割後換算DPSで確認可) + 当期予想で 14期目 継続見込み

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円・分割後換算) 実質普通DPS(円・分割後換算) EPS(円・分割後換算) 会計基準 配当性向
2013/3 18.00 18.00 44.82 日本基準 40.2%
2014/3 18.67 18.67 50.19 日本基準 37.2%
2015/3 21.67 21.67 73.78 日本基準 29.4%
2016/3 30.00 30.00 99.57 日本基準 30.1%
2017/3 40.00 40.00 116.98 日本基準 34.2%
2018/3 43.33 43.33 86.68 日本基準 50.0%
2019/3 46.67 46.67 109.57 日本基準 42.6%
2020/3 50.00 50.00 82.79 日本基準 60.4%
2021/3 51.67 51.67 85.26 日本基準 60.6%
2022/3 60.00 60.00 158.17 日本基準 37.9%
年度 DPS(円・分割後換算) 実質普通DPS(円・分割後換算) EPS(円・分割後換算) 会計基準 配当性向
2023/3 66.67 66.67 130.54 日本基準 51.1%
2024/3 90.00 90.00 231.83 日本基準 38.8%
2025/3 145.00(普通100+特別45) 145.00 193.36 IFRS 75.0%
2026/3(実績) 160.00(普通125+特別35) 160.00 342.98 IFRS 46.6%
2027/3(予想) 170.00(普通140+特別30) 170.00 295.75 IFRS 57.5%

(注)

  • 会計基準の混在: 同社は2026年3月期の有価証券報告書からIFRSを任意適用し、比較年度である2025年3月期もIFRSで表示し直している。IFRSへの移行日は2024年4月1日で、2024年3月期以前はIFRSの開示が存在しないため日本基準の値を掲載している。EPSの水準は基準をまたいで単純比較できない(2025年3月期は日本基準445.52円 / IFRS193.36円、2026年3月期は日本基準528.87円 / IFRS342.98円)。DPSは現金支払額のため会計基準の影響を受けず、系列は連続している
  • 2023年3月期の遡及再表示: 同期のEPSは当時の開示では99.93円(分割後換算)だったが、在外連結子会社へのIFRS第17号「保険契約」適用に伴い遡及再表示され、2024年3月期の決算短信以降は130.54円として示されている。本表は再表示後の値を採用しているため配当性向は51.1%になる(当時開示ベースでは66.7%)。株式分割とは別の要因による差である
  • 株式分割の反映: 2024年4月1日付の1:3株式分割を反映した分割後換算ベースでDPS・EPSとも統一している。効力発生日が期首のため、2024年3月期の期末配当までは分割前の株式数を基準に支払われており、実額そのままの表示になるのは2025年3月期から(2024年3月期の実額DPSは270円)
  • DPS列の方針: 1列目は表面DPS(年額)、2列目は記念配当・単発の特別配当を除いた実質普通配当ベース。同社の特別配当は2025年3月期以降 継続して支給されており、本ブログのルールでは継続支給の特別配当は普通配当扱いとするため両列は同値になる。なお普通配当のみを取り出しても100→125→140円と毎期増配で減配はない
  • 配当性向の振れ: 2025年3月期75.0%・2026年3月期46.6%はいずれも会社の決算短信〔IFRS〕記載値と一致する。IFRSのEPSは日本基準より低く出るため配当性向は高めに表示される。2027年3月期の会社記載値58.0%は2026年6月時点の予想EPS292.91円に基づくもので、本表は第1四半期決算短信の予想EPS295.75円で再計算している
  • 配当政策の傾向: 分割後換算ベースで18.00→18.67→21.67→30.00→40.00→43.33→46.67→50.00→51.67→60.00→66.67→90.00→145.00→160.00円と2014年3月期から毎期増配。直近5年に減配はなくコロナ期も増配を維持している

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 分割後換算ベースで90.00→145.00→160.00円(2024→2026年3月期)と利益成長に連動した増配が続き、当期も170円(+10円+6.3%)予想。普通配当だけを取り出しても100→125→140円と積み増している
  • 方針シグナル: 累進配当を目指すという配当側の方針と、総還元性向50%を基本とする総還元側の方針の二段構え。会社は基本的還元方針を変更しないとしており、前計画の「原則として、普通配当は減配を行わず」が引き継がれている。差額を自己株式取得で埋める建て付けで、自己株式は前期末4,161万株から当第1四半期末5,119万株へ増えており、配当と自己株式取得の併用が続いている
  • 耐性実績: 2014年3月期を起点に13期連続増配・直近5年は減配なし。DOEは4.0%(2026年3月期・IFRS)で、日本基準時代の5.4%からは基準変更で見え方が下がったが3〜5%の帯を確保している

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー(第1四半期累計・IFRS)

指標 当第1四半期 前年同期 前期比
保険収益 1兆6,861億円 1兆4,783億円 +14.1%
保険サービス損益 2,092億円 1,634億円 +28.0%
金融損益 2,456億円 1,751億円 +40.3%
税引前四半期利益 4,409億円 3,306億円 +33.4%
親会社所有者帰属四半期利益 3,286億円 2,463億円 +33.4%
基本的1株当たり四半期利益 226.84円 162.99円 +39.2%
グループ修正利益 3,106億円 2,395億円 +29.7%

※四半期単独の利益率・ROEは季節性で振れるため、収益カテゴリの採点根拠には使わず §7-3 の通期ベースの値を用いている。

セグメント別 親会社所有者帰属四半期利益(対前年同期比)

区分 四半期利益 前期比
三井住友海上 1,875億円 +62.8%
あいおいニッセイ同和損保 877億円 +68.0%
三井ダイレクト損保 6億円 +610.6%
海外保険子会社 964億円 +111.6%
三井住友海上あいおい生命 143億円 +401.3%
三井住友海上プライマリー生命 16億円 △97.3%

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 税引前四半期利益の増加1,103億円のうち705億円が金融損益の増加。本業に近いグループ修正利益3,106億円のうち596億円は政策株式の売却損益
営業外損益 🟡 IFRSでは金融損益に集約。投資損益が1,375億円→4,747億円(+245.1%)へ膨らむ一方、保険金融損益は375億円→△2,290億円へ振れ、差引の金融損益は+40.3%
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟡 法人所得税費用が826億円→1,111億円(+34.5%)へ増加。三井住友海上プライマリー生命の△599億円がグループ利益を押し下げた
開示の誠実性 🟡 子会社別のコンバインド・レシオ・損害率・CSMまで開示する一方、当第1四半期は監査法人のレビューが無く、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書も作成されていない。会計方針の変更・連結範囲の重要な変更・継続企業の前提・持分の著しい変動はいずれも該当なし

業績の質: 引受採算の改善と海外の伸長が芯だが、増益幅の多くは金融損益と政策株式の売却損益(中位)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 前期末(2026/3) 当第1四半期末(2026/6)
現金及び預金(BS・百万円) 2,513,765 2,136,035
短期有価証券(BS流動・百万円) 0 0
現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) 2,513,765 N/A(CF未作成)
投資有価証券(百万円) 20,132,834 20,447,157
保険契約負債(百万円) 18,604,850 18,859,405
自己株式(百万円) △150,623 △192,855
親会社所有者帰属持分比率(%) 21.7 22.1
  • 有利子負債: 社債及び借入金1,044,295百万円+レポ取引及び他の類似の担保付借入652,720百万円=1,697,015百万円(前期末1,520,658百万円から+11.6%)。保険契約負債18,859,405百万円は保険引受に伴う債務で利息を支払う性質のものではないため有利子負債には含めない。IFRS採用銘柄はリース負債も算入するのが本ブログの扱いだが、当第1四半期の要約四半期連結財政状態計算書ではリース負債が単独表示されず「その他の負債」770,837百万円に含まれるため、当期は算入できていない
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金2,136,035百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債1,697,015百万円 = +439,020百万円。時価総額7,217,980百万円(株価¥4,836×期末発行済株式数1,492,551,732株・自己株式を含む)の+6.08%にあたり、プラスかつ10%未満の帯で4/10点。銀行業・保険業は業種補正の最低点救済の対象外で本則どおり評価する。IFRSの要約四半期連結財政状態計算書では資産の部の科目名が「現金及び現金同等物」で、日本基準時代の貸借対照表の「現金及び預貯金」に相当する。短期有価証券に相当する流動区分の有価証券は同計算書に無いため0とした
  • ネットキャッシュが縮んだ内訳: 前期末は2,513,765百万円 − 1,520,658百万円 = +993,107百万円だった。当第1四半期は現金及び預金が△377,730百万円減り、レポ取引及び他の類似の担保付借入が481,620百万円から652,720百万円へ+171,100百万円、社債及び借入金が1,039,038百万円から1,044,295百万円へ+5,257百万円それぞれ増えた結果、差引で554,087百万円縮小した
  • 営業CF安定性の評価対象: 2022年3月期〜2026年3月期の5期(いずれも決算短信〔日本基準〕の連結キャッシュ・フロー計算書ベース)。236,708 → 194,153 → 549,466 → 660,188 → 762,608百万円と推移し、5期とも黒字を維持。5期平均480,624百万円からの乖離は最大△59.6%で、最大の外れ値1期を除いても残り4期が平均±20%以内に収まらないため、安定性は3/5
  • 会計基準と営業CFの区分: 上記5期は決算短信〔日本基準〕の金額で統一している。IFRSでは利息・配当金の受取額の表示等が異なり、同じ2026年3月期でも営業CFは954,001百万円(日本基準762,608百万円)と大きく異なる。IFRSへの移行日は2024年4月1日でIFRSベースの営業CFは2025年3月期・2026年3月期の2期分しか開示がないため、5期の安定性評価は日本基準で統一した。なお当第1四半期は要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書が作成されていない
  • 自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率): 22.1%は保険業補正(20%以上で10点・10〜20%で6点)に照らし10点。日本基準の自己資本比率(2026年3月期16.7%)とは算定基礎が異なり、IFRSでは保険契約負債の測定方法等の違いから持分比率が高く出る
  • 資本健全性の補足: 保険業はESR(経済価値ベースのソルベンシー比率)が資本十分性の主指標だが四半期決算短信本体には記載がない。親会社所有者帰属持分は前期末6兆4,198億円から6兆6,713億円へ+2,514億円積み上がり、自己株式は1,506→1,928億円へ増えている

7-3. 通期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
親会社の所有者に帰属する当期利益 4,250億円 △16.8%
基本的1株当たり当期利益 295.75円 △13.8%
営業利益率(通期予想)※前期通期実績による代用 10.9%(通期の保険収益・税引前利益がいずれも非開示のため2026年3月期の通期実績を代用。税引前利益7,035億円÷保険収益6兆4,360億円・保険は営業利益の区分がないため税引前利益÷保険収益を代替指標とする・本ブログ算出) —(基準・期間が異なり単純比較不可)
ROE(通期予想) 6.5%(予想当期利益4,250億円÷親会社所有者帰属持分65,455億円=期首64,198億円と第1四半期末66,713億円の平均・本ブログ算出) —(同上)

(注)前期比は2026年3月期のIFRS実績との比較。通期予想は第1四半期時点で修正なく据え置かれている。会社は予想の前提として、新規の国内自然災害に係る発生保険金を三井住友海上830億円・あいおいニッセイ同和損保670億円と見込み、市場金利・為替レート・株式相場はいずれも2026年3月末から大きくは変動しないと置いている。前期は税引前利益が+53.4%・親会社所有者帰属当期利益が+70.1%と大きく伸びた期であり、その水準が減益予想の比較対象になっている。第1四半期の進捗率は親会社所有者帰属四半期利益ベースで77.3%。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
第1四半期の保険収益・保険サービス損益・金融損益・投資損益・保険金融損益・税引前利益・法人所得税費用・EPS 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(2026-08-14開示)「要約四半期連結損益計算書」 🟢 一次情報
グループ修正利益・政策株式売却損益・コンバインド・レシオ・損害率・事業費率・CSM残高 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕 添付「決算説明資料」 🟢 一次情報
セグメント別 親会社所有者帰属四半期利益 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕「セグメント情報」・同 添付「決算説明資料」 🟢 一次情報
現金及び現金同等物(BS)・投資有価証券・保険契約負債・社債及び借入金・レポ取引及び他の類似の担保付借入・その他の負債・自己株式・親会社所有者帰属持分比率・発行済株式数 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕「要約四半期連結財政状態計算書」「発行済株式数」 🟢 一次情報
三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保の合併(2027年4月1日 効力発生日・最終合意および合併契約の締結) 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(2026-05-20開示)「経営成績等の概況」— 国内損害保険事業体制の再編 🟢 一次情報
四半期連結キャッシュ・フロー計算書が未作成であること・監査法人のレビューが無いこと 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕 注記事項・「要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に関する注記」 🟢 一次情報
通期業績予想(親会社所有者帰属当期利益・EPS)・予想の前提(自然災害・市場前提) 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕「3.2027年3月期の連結業績予想」・2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(2026-06-29開示)「(3)今後の見通し」 🟢 一次情報
配当実績・当期配当予想・普通配当と特別配当の内訳 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕「2.配当の状況」(注記) 🟢 一次情報
親会社所有者帰属持分配当率(DOE)・配当性向・2025年3月期以降のIFRS実績(保険収益・税引前利益・当期利益・EPS・持分・営業CF) 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(2026-06-29開示) 🟢 一次情報
2026年3月期までの日本基準実績(経常収益・経常利益・純利益・EPS・自己資本比率・純資産配当率・営業CF) 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(2026-05-20開示) 🟢 一次情報
配当方針(累進配当・総還元性向50%) MS&AD「グループの2030年度目指す姿」(2026年5月公表・会社IR)「1.全体像 (5)株主還元」/ 同「グループ中期経営計画 第2ステージ(2022-2025)」(2024年5月公表・会社IR)「7.資本政策」 🟢 一次情報
株式分割(2024年4月1日 1:3)・分割後換算の基準 会社適時開示「株式分割および株式分割に伴う定款の一部変更に関するお知らせ」(2024-02-29)・2026年3月期 有価証券報告書 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移(株式分割調整後) EDINET DB 🟢 一次情報
営業利益率(前期通期実績による代用)・ROE(通期予想)・ネットキャッシュ・時価総額・配当性向の再計算 本ブログ算出(決算短信の実績値・会社予想値および株価より計算) 🟡 補助データ
株価¥4,836(2026-08-14終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。