結論: 海外保険が牽引しIFRS初年度も増配継続
📊 スコア: B 79点
💰 配当: 218→245円予想(+27円)、会社開示で15期連続の増配
✅ 良い点: 増配継続、DOE5.5%、持分比率24.3%、海外伸長
⚠️ 注意点: 本業コア微減、運用要因主導、会計基準変更で指標変動
1. 業績ハイライト
- 保険収益2兆471億円(+12.3%)・海外保険が牽引
- 税引前四半期利益3,781億円(+11.5%)と2桁増益
- 親会社帰属四半期利益2,643億円(+3.3%)
- 修正純利益2,613億円(△3.6%)と本業コアは微減
- 親会社所有者帰属持分比率24.3%(+0.2pt)へ改善
サマリー
- 海外保険が本業を牽引: 海外保険事業の修正純利益が1,505→1,643億円(+138億円)と伸び、国内保険事業の△173億円を吸収。保険収益も1兆2,258億円(+1,945億円)で最大の伸び
- 表面利益と本業コアが逆方向: 親会社帰属四半期利益は+3.3%だが、投資損益が3,005→4,217億円へ増えた運用要因の寄与が大きく、本業を示す修正純利益は△3.6%と微減した
- 会計基準の切替で指標が動く: 2026年3月期からIFRSを任意適用したため、EPS・持分比率・配当性向は日本基準時代の水準と直接は比べられない。当四半期の採点もIFRSベースに揃えた
2. 配当判断サマリー
- 2027年3月期の予想DPSは245円(+27円)・第1四半期時点で修正なく据え置き、会社開示で15期連続の増配
- IFRS移行後の配当原資はIFRS修正純利益(3年平均)で、配当性向50%を原則とする方針。法定EPSベースの表面配当性向55.5%とは分母が異なる
- 親会社所有者帰属持分配当率(DOE)5.5%は5%以上の高水準を維持(2026年3月期・IFRS)
- 同じ保険大手で累進配当を掲げるMS&AD(8725)と並び、金融大手の安定還元として位置づけられる
3. スコア内訳
配当持続性ランク: B(79/100点) ★★★★☆
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 39 | 性向9・DOE10・利回り4・方針6・耐性10 |
| 財務 | 25 | 21 | 自己資本10・ネットキャッシュ7・営業CF安定性4 |
| 収益 | 25 | 19 | 営業利益率12・ROE7 |
| 合計 | 100 | 79 | — |
3-1. 主な加点(高得点項目)
- DOE 10/10: 5.5%(5%以上)で満点。2026年3月期の親会社所有者帰属持分配当率で、保険大手でも高い水準
- 増配減配耐性 10/10: 直近5年で減配なし+3期以上の連続増配+当期も+27円の増配予想で満点。会社は当期245円を15期連続の増配と開示している
- 自己資本比率 10/10: 親会社所有者帰属持分比率24.3%で、保険業補正(20%以上で10点)の満点帯
- 配当性向 9/10: 55.5%(245円÷予想EPS441.83円)で保険業の中央値50%を5.5pt上回る理想範囲(中央値〜+10ptの帯)。会社方針はIFRS修正純利益(3年平均)を配当原資とする配当性向50%原則で、表面値とは分母が異なる点に留意
- 営業利益率 12/15: 税引前利益率9.8%で、保険業補正(5%以上で12点)。保険は営業利益の区分がないため税引前利益÷保険収益を代替指標としている。四半期カルテの採点根拠は本来なら当期通期の会社予想だが、通期の保険収益・税引前利益はいずれも非開示のため、2026年3月期の通期実績(税引前利益7,507億円÷保険収益7兆6,935億円)を代用して採点した
- 営業CF安定性 4/5: 日本基準の直近5期(2022年3月期〜2026年3月期)は全て黒字で、当期の大幅減1期を外れ値として除けば残り4期が平均±20%以内に収まる
- ネットキャッシュ 7/10: 現金及び現金同等物から有利子負債を差し引いた金額が時価総額の+13.5%で10〜30%帯。銀行業・保険業は最低点救済の対象外で本則どおり評価する
- ROE 7/10: 通期予想10.3%(予想当期利益÷期首と第1四半期末の親会社所有者帰属持分の平均)で10〜15%帯
3-2. 主な減点(低得点項目)
- 配当利回り 4/10: 245円÷7,751円=3.16%で2.5〜3.5%帯・4点
3-3. スコアの動き(定点観測)
- スコア変動: 前期(2026年3月期・日本基準)75点 → 今期79点(+4点)。ただし会計基準がIFRSへ切り替わっており、点数差の大半は決算の良し悪しではなく指標の測り方の違いによる
- 変動の内訳: 自己資本比率は日本基準17.0%から親会社所有者帰属持分比率24.3%へ上がり6→10点、営業利益率は日本基準の経常利益率15.2%からIFRSの税引前利益率9.8%(いずれも通期実績)へ下がり15→12点、ROEは実績18.7%から通期予想10.3%へ下がり10→7点、配当性向は42.3%から55.5%へ上がり10→9点。ネットキャッシュは今回から採点ガイドの本則どおり現金及び現金同等物から有利子負債を引いた金額を時価総額比で算定し0→7点
- 配当本体は満点維持: DOE10/10と増配減配耐性10/10は基準変更をまたいでも不変で、配当カテゴリの支柱は動いていない
- 現在の位置づけ: B(70〜84点)の中位。減点は配当利回り3.16%(4点)と、通期ベースで測ったROE(当期予想)・税引前利益率(前期実績の代用)に集中しており、還元方針と増配実績が支える構図は前期と変わらない
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。保険業は保険契約負債・運用資産が事業構造の中心にあるため、財務カテゴリの指標は事業会社と同じ意味では比較できない点にご留意ください。
4. 事業の強み・構造リスク
4-1. ✅ 事業の強み
- 国内生保に積み上がる将来利益のストック: 国内生命保険の契約上のサービス・マージン残高は1兆1,470億円(前期末比△26億円)。保険期間にわたって利益として認識される繰延利益であり、当期の保険収益とは別に将来の配当原資が可視化されている
- スペシャルティ中心の海外構成: 海外保険事業は超過額労働者災害補償保険やメディカルストップロス保険等のスペシャルティ分野が中心で、保険収益1兆2,258億円は連結の約6割。国内の自動車・火災保険とは異なる引受サイクルの商品群が収益源の分散を支える
4-2. ⚠️ 構造リスク
- 持分の為替感応度: 在外営業活動体の換算差額が前年同期△1,242億円から当期+881億円へ振れ、その他の包括利益の主因となった。海外比率の高さは親会社所有者帰属持分を為替で動かし、持分を分母とする還元指標の水準を年度間で揺らす
- セグメント区分変更による時系列の断絶: 当第1四半期から報告セグメントを4区分から3区分へ再編し、セグメント利益指標も親会社帰属利益から修正純利益へ変更した。前年同期は組替済だが、それ以前との連続比較はできず事業別の中期トレンドを追いにくい
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)。
5. 筆者メモ
海外保険が国内保険の落ち込みを吸収する形が続いています。この分散がどこまで効き続けるかが、増配を続けられるかの分かれ目だと見ています。
次回(2027年3月期 中間期)見るポイント:
- 国内損害保険(国内保険事業のうち損保単独)の修正純利益が第1四半期の△203億円から改善に向かうか
- グループの修正純利益が通期予想9,500億円に対する進捗ペースを保てるか
- 中間配当122.5円が予想どおり実施され、通期245円の据え置きが確認できるか
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2025年3月期実績 | 172円(中間81+期末91) |
| 2026年3月期実績 | 218円(中間105.5+期末112.5・+46円) |
| 2027年3月期予想 | 245円(中間122.5+期末122.5・+27円・+12.4%) |
| 配当性向(連結・表面) | 55.5%(予想DPS245円 ÷ 予想EPS441.83円・2027年3月期通期・決算短信〔IFRS〕記載値) |
| DOE(連結・親会社所有者帰属持分配当率) | 5.5%(2026年3月期実績・決算短信〔IFRS〕「配当の状況」記載値) |
| 配当利回り | 3.16%(予想DPS245円 ÷ 株価¥7,751・2026-08-12終値・J-Quants API) |
| 配当方針 | IFRS移行後の配当は、IFRS修正純利益(3年平均)を配当原資とし、配当性向50%を原則とする(会社IR「東京海上グループの経営戦略」2026年度・資本政策)。2025年度までの配当原資は日本基準の修正純利益(5年平均)ベースで、IFRS移行に伴い基準が切り替わった。配当は株主還元の基本と位置づけ利益成長に応じて持続的に高める方針で、資本水準の調整はESR(経済価値ベースのソルベンシー比率)やM&Aパイプライン、ROEターゲット等を総合的に勘案して機動的に実施 |
| 連続増配年数 | 15期連続増配(会社IR開示ベース・一時的な配当を除いた普通配当ベースで、2027年3月期予想の245円を15期目として計上) |
6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年以前の履歴を表示
| 年度 | DPS(円・分割後換算) | 実質普通DPS(円・分割後換算) | EPS(円・分割後換算) | 会計基準 | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2018/3 | 53.33 | 53.33 | 127.61 | 日本基準 | 41.8% |
| 2019/3 | 83.33(普通60+一時的23.33) | 60 | 127.67 | 日本基準 | 47.0% |
| 2020/3 | 75(普通63.33+一時的11.67) | 63.33 | 123.25 | 日本基準 | 51.4% |
| 2021/3 | 78.33(普通66.67+一時的11.67) | 66.67 | 77.38 | 日本基準 | 86.2% |
| 2022/3 | 85 | 85 | 204.49 | 日本基準 | 41.6% |
| 年度 | DPS(円・分割後換算) | 実質普通DPS(円・分割後換算) | EPS(円・分割後換算) | 会計基準 | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023/3 | 100 | 100 | 186.42 | 日本基準 | 53.6% |
| 2024/3 | 123 | 123 | 351.59 | 日本基準 | 35.0% |
| 2025/3 | 172 | 172 | 231.41 | IFRS | 74.3% |
| 2026/3(実績) | 218 | 218 | 279.35 | IFRS | 78.0% |
| 2027/3(予想) | 245 | 245 | 441.83 | IFRS | 55.5% |
(注)
- 会計基準の混在: 同社は2026年3月期の有価証券報告書からIFRSを任意適用し、比較年度である2025年3月期もIFRSで表示し直している。2024年3月期以前はIFRSの開示が存在しないため日本基準の値を掲載しており、EPSの水準は基準をまたいで単純比較できない(2025年3月期は日本基準542.16円 / IFRS231.41円)
- 株式分割の反映: 2022年10月1日付の1:3株式分割を反映した分割後換算ベースで、DPS・EPSとも統一している
- DPS列の方針: 1列目は表面DPS(資本水準調整のための一時的な配当を含む年額)、2列目はその一時的な配当を除いた実質普通配当ベース。一時的な配当のない年は両列が同値。配当性向は実質普通DPS÷EPSで再計算している
- 一時的な配当の内訳: 2019年3月期は普通配当180円+一時的な配当70円=250円、2020年3月期は普通配当190円+一時的な配当35円=225円(いずれも分割前・2020年3月期 第3四半期決算短信「2.配当の状況」注記)。2021年3月期も一時的な配当35円(分割前)を含む(会社IR「配当方針・還元」の配当金の推移表が普通配当ベースで年間67円・一時的な配当12円〔いずれも分割後〕と開示)。会社はこれを「機動的な資本政策の遂行を目的として実施する」ものと説明しており、2020年3月期中間期には500億円の株主還元のうち245億円を一時的な配当、255億円(上限)を自己株式の取得として実施している。2022年3月期以降は一時的な配当の開示がなく、表面DPSと実質普通配当が一致する
- 連続増配年数の根拠と表面値のねじれ: 会社は2027年3月期予想の245円を「15期連続の増配」と開示している(会社IR「東京海上グループの経営戦略」2026年度)。表面DPSは2019年3月期83.33円→2020年3月期75.00円と下がって見えるが、これは一時的な配当が70円→35円(分割前)へ縮んだためで、普通配当ベースでは60→63.33円と増配している。会社の連続増配はこの普通配当ベースの数え方によるもの。逆算すると起点は2013年3月期で本表の掲載範囲より前にあたるため、表内で確認できるのは2019年3月期以降の増配のみ
- 配当性向の振れ: 2021年3月期の86.2%はコロナ禍でEPSが77.38円まで落ち込んだ局面でも普通配当を積み増した結果。2025年3月期74.3%・2026年3月期78.0%はIFRSのEPSが日本基準より低く出るためで、DPSが急増したわけではない
- 配当政策の傾向: 実質普通配当ベースで53.33→60→63.33→66.67→85→100→123→172→218円と増配基調。直近5年は減配なくコロナ期も普通配当を維持
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: 分割後換算ベースで123→172→218円(2024→2026年3月期)と利益成長に連動した増配が続き、当期も245円(+27円・+12.4%)予想。会社はこれを15期連続の増配と開示している
- 方針シグナル: IFRS移行後の配当原資はIFRS修正純利益(3年平均)で、配当性向50%を原則とする数値ルールを明示。2025年度までの日本基準の修正純利益(5年平均)から配当原資の基準が切り替わり、2026年度は端境期として従来との継続性も考慮した245円としている。修正EPS514円ベースの配当性向は47.7%で、法定EPSベースの55.5%より低く出る
- 耐性実績: 直近5年(2022年3月期〜2026年3月期)は減配なし。この5期は資本水準調整のための一時的な配当の上乗せがなく、表面DPSがそのまま普通配当ベースの増配を示している。DOE5.5%の水準も確保
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー(第1四半期累計・IFRS)
| 指標 | 当第1四半期 | 前年同期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 保険収益 | 2兆471億円 | 1兆8,227億円 | +12.3% |
| 保険サービス損益 | 3,516億円 | 3,152億円 | +11.5% |
| 金融損益 | 1,540億円 | 1,221億円 | +26.1% |
| 税引前四半期利益 | 3,781億円 | 3,391億円 | +11.5% |
| 親会社帰属四半期利益 | 2,643億円 | 2,559億円 | +3.3% |
| 基本的1株当たり四半期利益 | 138.25円 | 133.49円 | +3.6% |
| 修正純利益 | 2,613億円 | 2,710億円 | △3.6% |
※四半期単独の利益率・ROEは季節性で振れるため、収益カテゴリの採点根拠には使わず §7-3 の通期ベースの値を用いている。
セグメント別 修正純利益(対前年同期比) ※当第1四半期から4区分→3区分へ再編(前年同期も組替済)
| 区分 | 修正純利益 | 前期比 |
|---|---|---|
| 国内保険事業 | 988億円 | △14.9% |
| 海外保険事業 | 1,643億円 | +9.2% |
| ソリューション事業 | 14億円 | △49.6% |
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🔴 | 表面の増益は投資損益3,005→4,217億円(+40.3%)の寄与が大きく、キャピタル損益等を除いた修正純利益は△3.6%と逆方向 |
| 営業外損益 | 🟡 | IFRSでは金融損益に集約。投資損益の増加を保険金融損益△1,783→△2,676億円が一部相殺し、差引の金融損益は+26.1% |
| 純利益押し下げ/押し上げ要因 | 🟡 | 法人所得税費用が725→912億円へ増加、非支配持分帰属利益も107→225億円へ増えたため、税引前+11.5%に対し親会社帰属は+3.3%にとどまる |
| 開示の誠実性 | 🟢 | セグメント再編と利益指標の変更を前年同期も組み替えて開示し、修正純利益の算式を注記に明示。会計方針・見積りの変更、継続企業の前提、持分の著しい変動はいずれも該当なし |
→ 業績の質: 表面は増益だが押し上げは運用損益が主・本業コアは微減(中位)
7-2. 財務・CFサマリー
| 指標 | 前期末(2026/3) | 当第1四半期末(2026/6) |
|---|---|---|
| 現金及び現金同等物(百万円) | 2,332,406 | 2,790,959 |
| 投資有価証券(百万円) | 21,062,726 | 21,217,232 |
| 保険契約負債(百万円) | 20,219,118 | 20,543,844 |
| 自己株式(百万円) | △304,160 | △232,715 |
| 親会社所有者帰属持分比率(%) | 24.1 | 24.3 |
- 有利子負債: 社債及び借入金575,676百万円+リース負債130,282百万円+レポ取引及び他の類似の担保付借入66,608百万円=772,566百万円(前期末788,594百万円から△2.0%)。IFRS採用のためオペレーティングリースを含むリース負債を算入している。保険契約負債は保険引受に伴う債務のため有利子負債には含めない
- ネットキャッシュ: 現金及び現金同等物2,790,959百万円 − 有利子負債772,566百万円 = +2,018,393百万円。時価総額約149,904億円(株価¥7,751×期末発行済株式数1,934,000,000株・自己株式を含む)の+13.5%にあたり、プラスかつ10〜30%帯で7/10点。銀行業・保険業は業種補正の最低点救済の対象外で本則どおり評価する
- 営業CF安定性の評価対象: 2022年3月期〜2026年3月期の5期(いずれも決算短信〔日本基準〕の連結キャッシュ・フロー計算書ベース)。1,102,240 → 1,007,710 → 1,072,124 → 1,345,080 → 584,259百万円と推移し、5期とも黒字を維持。直近期は5期平均1,022,283百万円からの乖離が△42.8%に達するが、この1期を外れ値として除くと残り4期(平均1,131,789百万円)は全て平均±20%以内に収まるため、安定性は4/5
- 会計基準と営業CFの区分: 上記5期は決算短信〔日本基準〕の金額で統一している。IFRSでは有価証券の取得・売却・償還等を営業活動に区分する(日本基準では投資活動)ため、同じ年度でも営業CFの金額が大きく異なる(2026年3月期: 日本基準584,259百万円 / IFRS 1,390,562百万円)。IFRS移行日は2024年4月1日でIFRSベースの営業CFは2025年3月期・2026年3月期の2期分しか開示がないため、5期の安定性評価は日本基準で統一した。なお当第1四半期は要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書が作成されていない
- 自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率): 24.3%は保険業補正(20%以上で10点・10〜20%で6点)に照らし10点。日本基準の自己資本比率(2026年3月期17.0%)とは算定基礎が異なり、IFRSでは保険契約負債の測定方法等の違いから持分比率が高く出る
- 資本健全性の補足: 保険業はESR(経済価値ベースのソルベンシー比率)が資本十分性の主指標だが四半期決算短信本体には記載がない。親会社所有者帰属持分は前期末7兆9,556億円から8兆1,973億円へ+2,417億円積み上がり、自己株式も3,042→2,327億円へ減少している
7-3. 通期業績予想(2027年3月期)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 8,300億円 | +56.2% |
| 基本的1株当たり当期利益 | 441.83円 | +58.2% |
| 修正純利益 | 9,500億円 | +7.8% |
| 修正EPS | 514円 | — |
| 営業利益率(通期予想)※前期通期実績による代用 | 9.8%(通期の保険収益・税引前利益がいずれも非開示のため2026年3月期の通期実績を代用。税引前利益7,507億円÷保険収益7兆6,935億円・保険は営業利益の区分がないため税引前利益÷保険収益を代替指標とする・本ブログ算出) | —(会計基準が異なり単純比較不可) |
| ROE(通期予想) | 約10.3%(予想当期利益8,300億円÷親会社所有者帰属持分80,764億円=期首79,556億円と第1四半期末81,973億円の平均・本ブログ算出) | —(同上) |
(注)前期比は2026年3月期のIFRS実績との比較。通期予想は第1四半期時点で修正なく据え置かれている。表面の+56.2%には前期にIFRSベースの利益を押し下げた要因の反動が含まれるため、実勢に近いのは修正純利益の+7.8%。
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 第1四半期の保険収益・保険サービス損益・金融損益・税引前利益・EPS・修正純利益 | 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(2026-08-12開示) | 🟢 一次情報 |
| 通期業績予想(親会社帰属当期利益・EPS・修正純利益・修正EPS) | 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕「3.2027年3月期の連結業績予想」 | 🟢 一次情報 |
| 営業利益率(前期通期実績による代用)・ROE(通期予想) | 本ブログ算出(会社予想値および決算短信の実績値より計算・ROE分母は期首持分と第1四半期末持分の平均) | 🟡 補助データ |
| 配当実績・当期配当予想 | 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕「2.配当の状況」 | 🟢 一次情報 |
| 配当性向・親会社所有者帰属持分配当率(DOE)・2025年3月期以降のIFRS実績 | 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(2026-06-26開示) | 🟢 一次情報 |
| 配当方針(IFRS修正純利益3年平均・配当性向50%原則)・連続増配15期 | 東京海上ホールディングス「東京海上グループの経営戦略」(2026年度)p.24「Ⅳ. 資本政策 配当(DPS Growth)」 | 🟢 一次情報 |
| 現金及び現金同等物・有利子負債・保険契約負債・持分比率・発行済株式数 | 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕「要約四半期連結財政状態計算書」「発行済株式数」 | 🟢 一次情報 |
| 日本基準の営業CF5期系列(2022年3月期〜2026年3月期) | 各期 決算短信〔日本基準〕・有価証券報告書 連結キャッシュ・フロー計算書 | 🟢 一次情報 |
| セグメント別 修正純利益 | 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕「セグメント情報」 | 🟢 一次情報 |
| 過去配当履歴・EPS推移(株式分割調整後) | EDINET DB | 🟢 一次情報 |
| 一時的な配当の内訳(2019年3月期 普通180円+一時的70円 / 2020年3月期 普通190円+一時的35円) | 2020年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(2020-02-14開示)「2.配当の状況」注記 | 🟢 一次情報 |
| 普通配当ベースの配当金推移(2021年3月期の一時的な配当の有無を含む) | 東京海上ホールディングス IR「配当方針・還元」配当金の推移 | 🟢 一次情報 |
| 株価¥7,751(2026-08-12終値) | J-Quants API(JPX 公式) | 🟢 一次情報 |
【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。