【マルゼン(5982)】配当B(77点)・5期連続増配 — 2027年2月期 Q1

観察中(筆者は当該銘柄を未保有)📁 金属製品

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結論: 増収増益と実質無借金・配当は125円を維持

📊 スコア: B 77点
💰 配当: 125→125円(±0円、中間55→60/期末70→65円へ配分変更)
良い点: 実質無借金、5期連続増配、営業利益率改善
⚠️ 注意点: 利回り3.1%、今期は増配なし、外食の節約志向


1. 業績ハイライト

  • 売上高185.83億円(+11.7%)・業務用厨房と大型ベーカリーが牽引
  • 営業利益20.03億円(+18.5%)・増収効果で採算改善
  • 経常利益22.32億円(+17.4%)・営業増益が主因
  • 純利益15.50億円(+11.6%)・EPS97.52円(+11.2%)
  • 自己資本比率71.8%(+1.7pt)・借入のない実質無借金

サマリー

  • 増収増益の主因: 主力の業務用厨房部門が外食チェーン・食品スーパー向けで堅調(売上+5.3%)に推移し、大型ベーカリー部門で大型案件が計上され売上+205.3%と急伸。全体で売上+11.7%・営業利益+18.5%の増収増益となった
  • 利益の質: 前年同期は投資有価証券売却益1.05億円(特別利益)があったが当期はほぼゼロ。その反動を吸収して純利益+11.6%を確保しており、営業増益主導の実勢は良好
  • 財務・還元姿勢: 借入金・社債の計上がない実質無借金で自己資本比率71.8%。配当は連結配当性向4割を目安とする安定継続配当方針のもと、年間125円を維持(中間60+期末65へ配分変更)

2. 配当判断サマリー

  • 今期(2027年2月期)配当は年間125円を維持(±0円)・中間55→60/期末70→65円へ配分変更
  • 2022→2026年2月期で50→125円へ5期連続増配・直近5年減配なし
  • 連結配当性向4割(約37.5%)を目安とする安定継続配当方針で、実績も38%前後で整合
  • 同じ金属製品で配当性向を重視する立川ブラインド工業(7989)も観察対象

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(77/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 34 性向9・DOE7・利回り4・方針6・耐性8
財務 25 24 自己資本10・ネットキャッシュ10・営業CF安定性4
収益 25 19 営業利益率12・ROE7
合計 100 77

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 自己資本比率 10/10: 71.8%(60%以上)で満点。借入金・社債のない実質無借金の堅い財務
  • ネットキャッシュ 10/10: +374.4億円(時価総額約801億円の46.7%)で30%以上帯・満点
  • 配当性向 9/10: 約37.5%(メーカー中央値35%対比+2.5pt)で理想範囲・原資に余裕
  • 営業利益率 12/15: 通期予想10.0%・当第1四半期10.8%(10〜15%帯)で12点
  • 増配減配耐性 8/10: 5期連続増配+直近5年(2022〜2026年2月期)減配なしで8点。今期は維持予想のため満点には一歩届かず
  • 営業CF安定性 4/5: 直近5年(2022〜2026年2月期)の営業CFは全て黒字。単発の高水準期(2022年2月期)を除けば残り4期は変動±20%以内で4点
  • DOE 7/10: 3.9%(3〜5%帯)で7点。純資産配当率は中位水準
  • ROE 7/10: 10.4%(10〜15%帯)で7点

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 配当利回り 4/10: 予想DPS125円÷株価4,050円=3.09%で2.5〜3.5%帯・4点。株価水準に対し利回りは控えめ

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコアの位置: 77点はB(70〜84点)の中位。財務(24/25)と収益(19/25)が支え、配当(34/50)は利回りと方針で満点未達
  • Bにとどまる理由: 自己資本比率・ネットキャッシュの満点と5期連続増配が点を作る一方、配当利回り4点(3.1%)・配当方針6点(性向4割目安で累進やDOE目標まで踏み込まず)が頭打ち要因
  • 読み筋: 同じ物差しでは、実質無借金・高自己資本の財務健全性と配当性向4割方針が下支え。株価上昇で低下した利回りと、性向目安を超えて踏み込んだ還元方針が出るかが今後の注視点

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. Pros & Cons

※本章はスコア(§3)に入っていない事業上の強み・構造リスクのみを扱います。

4-1. ✅ Pros

  • 製品の品揃え×保守体制という顧客基盤の粘着性: 多業種の販売先に向けたオリジナル製品の幅広い品揃えと保守・メンテナンス体制の強化を進めており(Q1短信)、特定の外食業態や単一製品に依存しない顧客接点が、需要変動期の配当原資の下支えになりやすい
  • コスト上昇を吸収する採算管理: 原材料価格の高止まり・物流費・人的投資に伴う人件費増を「吸収して増益を確保」と短信が明記(主力の業務用厨房部門は営業増益+7.4%)。インフレ局面でも採算を守る価格・原価管理は、配当原資の稼得力が痩せにくい体質を示す

4-2. ⚠️ Cons

  • 顧客業界(外食)の景況依存: 主要顧客の外食産業では物価高による節約志向での客数の伸び悩みと深刻な人手不足が続く(短信)。厨房設備への投資意欲は顧客業界の景況に連動する構造で、需要後退期には利益変動要因になる
  • 大型ベーカリー部門の案件変動性: 同部門は大型案件の計上時期で四半期売上が大きく振れる構造(当Q1も大型案件の計上が押し上げ)。単四半期の急伸を配当余力の恒常的な改善とは読み替えられない

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)


5. 筆者メモ

実質無借金で配当性向4割目安の安定配当は安心材料ですが、今期は増配なく予想利回りも3.1%へ低下しており、主力の外食向け需要を節約志向下で保てるかをまず見極めたいです。

次回(2027年2月期 第2四半期)見るポイント:

  • 主力の業務用厨房部門の売上・採算(外食の節約志向下での数量動向)
  • 大型ベーカリー部門の大型案件計上の反動と通期進捗
  • 通期業績予想(売上670億円・営業利益67億円)に対する進捗と修正の有無

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2026年2月期実績 125円(中間55+期末70)
2027年2月期予想 125円(中間60+期末65・±0円)
配当性向(連結・表面) 37.5%(125円 ÷ 予想EPS333.29円・決算短信記載値)
DOE(連結・純資産配当率) 3.9%(2026年2月期・決算短信記載値)
配当利回り 3.09%(予想DPS125円 ÷ 株価¥4,050・2026-07-10終値・J-Quants API)
配当方針 決算短信「利益配分に関する基本方針」で、配当を安定的かつ継続的に行うことを基本方針とし、連結配当性向は40%を目安(短信表記「4割」)と明示。累進配当・DOE目標の明示はなし
連続増配年数 5期連続増配(2022〜2026年2月期) + 2027年2月期は125円で維持(±0円)

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年2月期以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2017/2 22.00 155.52 14.1%
2018/2 26.00 186.37 14.0%
2019/2 28.00 209.21 13.4%
2020/2 30.00 222.23 13.5%
2021/2 30.00 154.78 19.4%
2022/2 50.00 177.46 28.2%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/2 70.00 173.77 40.3%
2024/2 90.00 230.48 39.0%
2025/2 115.00 294.43 39.1%
2026/2(実績) 125.00 329.20 38.0%
2027/2(予想) 125.00 333.29 37.5%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用、直近期(2026/2)は決算短信記載と一致確認済
  • 配当政策の傾向: 2022年2月期以降、EPS成長(177.46→329.20円)に沿って50→125円へ5期連続増配。2021年2月期(EPS154.78円の減益期)は前期30円を維持したが、直近5年(2022〜2026年2月期)は減配なし。連結配当性向4割を目安に安定継続配当を継続

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 2022年2月期以降、EPS成長(177.46→329.20円)に沿って50→125円へ規則的に増配。連結配当性向4割目安が増配の枠組みとして機能
  • 方針シグナル: 「安定的かつ継続的な配当+連結配当性向4割目安」を決算短信で明示。DOE・累進配当の明示までは踏み込んでいないが、性向目安が定まっている点が下支え
  • 耐性実績: 直近5年(2022〜2026年2月期)減配なし・実質無借金・自己資本比率71.8%が下支え。今期は125円維持予想で増配は止まる

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

指標 当第1四半期 前年同期 前期比
売上高 185.83億円 166.41億円 +11.7%
営業利益 20.03億円 16.90億円 +18.5%
経常利益 22.32億円 19.02億円 +17.4%
四半期純利益 15.50億円 13.89億円 +11.6%
EPS 97.52円 87.72円 +11.2%
営業利益率 10.8% 10.2% +0.6pt

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上 前期比
業務用厨房部門 168.32億円 +5.3%
大型ベーカリー部門 16.31億円 +205.3%
ビル賃貸部門 1.23億円 +0.2%

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 大型ベーカリー部門の大型案件計上が売上+205.3%を牽引。案件計上時期による振れがあり四半期業績は変動しやすい
営業外損益 🟢 経常利益+17.4%は営業利益+18.5%の増益が主因。営業外は受取利息・配当金の増でほぼ中立
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟢 前年同期にあった投資有価証券売却益1.05億円(特別利益)が当期はほぼゼロ。その反動を吸収して純利益+11.6%を確保
開示の誠実性 🟢 3部門別に売上・営業利益を開示し採算構造を明示

業績の質: 営業増益主導の増収増益・前年の特別利益剥落を吸収した純利益増は良好(大型案件の計上時期による振れは留意)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2026/2期末 2027/2 Q1末
現金及び預金(百万円) 37,657 37,441
自己資本比率(%) 70.1 71.8
  • 有利子負債: 連結貸借対照表に借入金・社債の計上はなく実質無借金(リース負債も僅少)
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金37,441百万円 − 有利子負債≒0 = +37,441百万円(時価総額約801億円〔期末発行済株式数19,780,000株・自己株式含む × ¥4,050〕の46.7%)。プラスかつ時価総額30%以上帯で10/10点
  • (注)四半期連結キャッシュ・フロー計算書は非作成。通期(2026年2月期)営業CFは4,807百万円(前期5,431百万円)

7-3. 通期業績予想(2027年2月期)

項目 予想 前期比
売上高 670.00億円 +0.3%
営業利益 67.00億円 +1.0%
経常利益 74.00億円 +0.8%
親会社株主帰属当期純利益 53.00億円 +1.6%
EPS 333.29円 +1.2%

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
四半期売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・営業利益率 2027年2月期第1四半期決算短信(2026-07-10開示) 🟢 一次情報
通期業績予想 2027年2月期第1四半期決算短信「3.2027年2月期の連結業績予想」 🟢 一次情報
配当実績・当期配当予想・配当性向・DOE・配当方針 2026年2月期決算短信(2026-04-10開示)「2.配当の状況」「(3)利益配分に関する基本方針」 🟢 一次情報
自己資本比率・現金及び預金・有利子負債 2027年2月期第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」 🟢 一次情報
営業CF(通期) 2026年2月期決算短信「連結キャッシュ・フローの状況」 🟢 一次情報
セグメント別 2027年2月期第1四半期決算短信「経営成績に関する説明」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥4,050(2026-07-10終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。