【竹内製作所(6432)】配当B(81点)・14期連続増配 — 2027年2月期Q1

保有中(筆者が当該銘柄を保有)📁 機械

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結論: 関税・運賃で営業減益も増配維持、財務は盤石

📊 スコア: B 81点
💰 配当: 210→220円(+10円)、中間配当を新設(中間110+期末110)
良い点: 実質無借金、14期連続増配、受注残ほぼ倍増、営業利益率17.6%
⚠️ 注意点: 米国関税で営業△9.3%、利回り3.1%、為替依存大


1. 業績ハイライト

  • 売上高568.09億円(+12.2%)・北米/欧州とも増加
  • 営業利益99.75億円(△9.3%)・米国関税18.73億円を自社吸収
  • 経常利益105.06億円(+0.9%)・為替差益3.62億円が下支え
  • 純利益74.29億円(+0.2%)・EPS160.84円
  • 受注残高770.64億円(+334.96億円)でほぼ倍増

サマリー

  • 増収営業減益の構図: 増収(+12.2%)でも営業△9.3%は米国関税の自社吸収18.73億円と販売運賃増が主因。関税コスト増35.37億円のうち価格転嫁は16.63億円にとどまり、残りを自社負担した外部要因の減益
  • 経常以上は為替が下支え: 経常+0.9%・純利益+0.2%のプラスは為替差益3.62億円の寄与で、本業(営業段階)は逆風。北米・欧州向け輸出主体で為替感応度が高く、円安局面が減益を緩和した構図
  • 受注は力強い: 受注高+59.2%・受注残高は前期末比ほぼ倍増の770.64億円で、下期以降の売上を下支え。米国大手レンタル会社の受注と欧州需要の緩やかな回復が背景

2. 配当判断サマリー

  • 当期予想DPS220円(+10円)で連続増配を継続・中間配当110円を新設(前期は期末一括210円)
  • 連結配当性向40%目標(2025年4月に30%から引き上げ)を掲げ、EDINET確認範囲(2017→2026年2月期)で毎期増配・減配なし
  • 純利益減益予想(△8.4%)でも増配を維持し予想配当性向は約39.2%へ上昇、原資余裕(自己資本比率85.7%・実質無借金)は依然厚い
  • 同じく北米向け輸出比率が高く為替感応度の大きい機械メーカーのやまびこ(6250)とは、為替追い風下での増配継続という点で性格が近い

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(81/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 39 性向9・DOE10・利回り4・方針6・耐性10
財務 25 17 自己資本10・ネットキャッシュ4・営業CF安定性3
収益 25 25 営業利益率15・ROE10
合計 100 81

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 営業利益率 15/15: Q1累計17.6%・通期予想15.3%と15%以上で満点。ミニショベル特化の高採算構造
  • 増配減配耐性 10/10: EDINET確認範囲(2017→2026年2月期)で毎期増配・減配なし+当期も210→220円の増配予想で満点
  • 自己資本比率 10/10: 85.7%(60%以上)で満点。有利子負債ゼロの要塞的財務
  • DOE 10/10: 約5.4%(本ブログ算出・§6-1参照)で5%以上・満点
  • ROE 10/10: 直近通期実績16.0%(2026年2月期)で15%以上・満点
  • 配当性向 9/10: 予想39.2%(機械の中央値35%対比+4.2pt)で理想範囲・9点

3-2. 主な減点(低得点項目)

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコアの位置: 81点はB上位。有利子負債ゼロの財務・ミニショベル特化の高採算・連続増配という配当持続性の骨格が強く、収益(25/25)と自己資本の満点が下支え
  • Bにとどまる理由: 配当利回り(3.09%)とネットキャッシュ(Q1末の季節的な現金減で時価総額比8.1%)が各4点、営業CF安定性が3点。輸出型機械の運転資本変動と株価上昇による利回り低下が満点の積み上げを抑える
  • 読み筋: 米国関税・運賃という外部コストで営業段階は逆風だが、受注残の急拡大と要塞的財務は不変。同じ物差しで見れば、利回りと現金水準が戻ればスコアの押し上げ余地がある

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. Pros & Cons

4-1. ✅ Pros

  • ミニショベルに特化し北米・欧州で高シェア、Q1受注高+59.2%・受注残高770.64億円(ほぼ倍増)と需要は底堅い
  • 有利子負債ゼロの実質無借金・自己資本比率85.7%で、単年度の関税逆風で減配に追い込まれる財務ではない
  • 米国関税コスト増35.37億円のうち16.63億円を価格転嫁し、価格支配力の一端を確認
  • 電動ミニショベルや新製品(TB3150/TL11R3)投入・米国新工場稼働など中期成長投資が継続

4-2. ⚠️ Cons

  • 米国関税の自社吸収18.73億円で営業△9.3%、価格転嫁は半分弱にとどまる
  • 経常・純利益のプラスは為替差益3.62億円という一過性で、本業(営業段階)は減益
  • 通期も減益予想(純利益△8.4%)で、為替が円高に振れれば予想未達リスク
  • 受注高・受注残高の開示を2027年2月期限りで終了予定で、先行指標の可視性が低下

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年7月時点)


5. 筆者メモ

ミニショベルという一点特化で北米・欧州に強く、有利子負債ゼロの要塞的な財務と長年の連続増配に安心感があって保有しています。関税や為替で足元の利益はぶれますが、受注残の厚みと還元姿勢を見るかぎり、腰を据えて付き合える銘柄だと感じています。

次回(2027年2月期 第2四半期)見るポイント:

  • 米国関税の価格転嫁がどこまで進み営業利益率が戻るか
  • 受注残高770.64億円の下期売上への反映(開示終了前の最終確認)
  • 円安一服時の為替差益剥落と、減益予想の通期計画に対する進捗

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2026年2月期実績 210円(期末一括・中間0)
2027年2月期予想 220円(中間110+期末110・中間配当を新設・+10円)
配当性向(連結・表面・予想) 約39.2%(220円 ÷ 予想EPS560.69円・決算短信記載値)
DOE(連結・純資産配当率) 約5.4%(本ブログ算出:年間配当総額約101.6億円 ÷ 自己資本1,863.63億円。四半期短信は純資産配当率を非開示)
配当利回り 3.09%(予想DPS220円 ÷ 株価¥7,130・2026-07-10終値・J-Quants API)
配当方針 連結配当性向40%を目指し段階的に引き上げる方針(2025年4月に従来の30%から40%へ引き上げ・会社IR「株主還元」)。累進配当・DOE目標の明示はなし
連続増配年数 14期連続増配(2012年2月期に配当開始・2013年2月期から毎期増配=会社IRで確認。EDINET確認範囲2017→2026年2月期でも毎期増配と整合)+ 当期予想で 15期目 継続見込み

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2017 26.00 162.07 16.0%
2018 36.00 200.20 18.0%
2019 45.00 238.83 18.8%
2020 50.00 190.64 26.2%
2021 53.00 204.78 25.9%
2022 68.00 279.91 24.3%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023 98.00 335.19 29.2%
2024 158.00 548.58 28.8%
2025 200.00 552.45 36.2%
2026(実績) 210.00 611.92 34.3%
2027(予想) 220.00 560.69 39.2%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用(表面DPS)、直近予想(2027年2月期)は決算短信記載と一致確認済
  • 配当政策の傾向: 2017年以降毎期増配で、DPSは26→210円へ拡大。減配履歴はEDINET DB確認範囲(2017〜2026年2月期)で見当たらず、コロナ期(2020〜2021)も50→53円と増配を継続。特別配当記念配当株式分割は確認範囲で該当なし

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 2013年2月期から14期連続増配(会社IRで確認)。EPS成長(2017年162円→2026年611円)を背景に、当期は減益予想下でも210→220円へ増配し、中間配当も新設した
  • 方針シグナル: 2025年4月に連結配当性向目標を30%→40%へ引き上げ。累進・DOE目標までは踏み込まないが、性向目標を明確化している
  • 耐性実績: EDINET確認範囲(2017〜2026年2月期)で減配なし・コロナ期も増配継続。有利子負債ゼロで原資余裕は大きい

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー(第1四半期累計)

指標 当期(Q1累計) 前期(Q1累計) 前期比
売上高 568.09億円 506.20億円 +12.2%
営業利益 99.75億円 109.98億円 △9.3%
経常利益 105.06億円 104.13億円 +0.9%
当期純利益 74.29億円 74.18億円 +0.2%
EPS 160.84円 160.54円 +0.2%
ROE —(四半期非開示)

(注)ROEは四半期短信では非開示。直近通期実績(2026年2月期)は16.0%。

セグメント別(外部顧客売上高・対前年同期比)

区分 売上 前期比 セグメント利益(前期比)
米国 311.80億円 +16.1% 15.22億円(△31.9%)
日本(欧州・豪州向け輸出主体) 172.99億円 +0.9% 92.17億円(+17.0%)
英国 56.40億円 +34.0% 3.32億円(+12.5%)
フランス 26.88億円 +12.0% 0.79億円(△49.4%)
中国 0.01億円 +15.4% 1.53億円(+114.4%)

(注)中国は日本セグメント向けの部品製造が事業の大半で、外部顧客売上高は僅少。米国は関税吸収と大手レンタル会社向けボリュームディスカウントで減益、日本(欧州・豪州向け)は円安効果で増益。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟢 関税負担額・価格転嫁額・為替差益を金額まで分解開示し、増収営業減益の理由が本文で完結
営業外損益 🟡 経常+0.9%・純利益+0.2%のプラスは為替差益3.62億円(一過性)の寄与で、本業の営業段階は△9.3%
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟡 純利益はほぼ横ばいだが、為替差益で嵩上げ。米国関税18.73億円の自社吸収が営業を圧迫
開示の誠実性 🟢 関税コスト・価格転嫁・為替差益を金額ベースで開示。会計方針変更・修正再表示いずれも無

業績の質: 営業段階は関税・運賃で逆風・経常以上は為替が下支え(見かけより本業は減速)

7-2. 財務サマリー

指標 2026年2月期末 2027年2月期Q1末
現金及び預金(百万円) 57,170 28,441
自己資本比率(%) 83.0 85.7
  • 有利子負債: 借入金・社債・リース債務いずれも計上なしの実質無借金(2027年2月期Q1末の四半期連結貸借対照表)
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金28,441百万円 − 有利子負債0円 = +28,441百万円(時価総額約3,494億円の8.1%)。プラスだが時価総額10%未満で4/10点。Q1末は配当97.19億円支払い・棚卸資産積み増しで現金が季節的に減少(前期末は57,170百万円で16.4%相当)
  • 営業CF安定性: 四半期短信では四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成していないため、通期実績(EDINET確認範囲)で評価。直近5期(2022〜2026年2月期)は営業CF黒字を維持するも、137.8→85.4→246.4→82.8→228.9億円と運転資本変動で±20%超のブレがあり3/5点

7-3. 通期業績予想(2027年2月期)

項目 予想 前期比
売上高 2,440.00億円 +8.3%
営業利益 373.00億円 △1.0%
経常利益 365.00億円 △6.9%
親会社株主帰属当期純利益 259.00億円 △8.4%
EPS 560.69円 △8.4%

前回(2026年4月10日開示)予想から据え置き。増収でも各利益が減益予想なのは、米国関税の自社吸収と運賃増を通期でも織り込んだ設定のため。為替前提は1米ドル=147円・1英ポンド=200円・1ユーロ=174円・1人民元=21.2円で、北米・欧州向け輸出主体のため為替感応度が高く、下期の為替が最大の変動要因。受注残高770.64億円の積み上がりが下期売上を下支えする。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
Q1累計 売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・受注高・受注残高 2027年2月期 第1四半期決算短信(2026-07-10開示) 🟢 一次情報
通期業績予想・配当方針 2027年2月期 第1四半期決算短信「3.連結業績予想」/ 会社IR「株主還元」 🟢 一次情報
配当実績・当期配当予想・配当性向 2027年2月期 第1四半期決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
DOE(純資産配当率) 本ブログ算出(年間配当総額 ÷ 自己資本・短信は非開示) 🟡 参考値(算出)
自己資本比率・現金及び預金・有利子負債 2027年2月期 第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」 🟢 一次情報
セグメント別売上・利益 2027年2月期 第1四半期決算短信「セグメント情報」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移・営業CF推移 EDINET DB 🟢 一次情報
連続増配年数(14期・2013年2月期起点) 会社IR(配当推移・筆者確認 2026年7月)。EDINET DB確認範囲(2017年〜)とも整合 🟢 一次情報
株価¥7,130(2026-07-10終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。