【TAKARA & COMPANY(7921)】配当B(84点)・DOE7.5%目標明示 — 2026年5月期

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結論: 増収・本業増益、新DOE目標で来期は大幅増配へ

📊 スコア: B 84点
💰 配当: 120→120円(前期特別配当30円剥落・普通配当ベース+30円)、来期180円予想(+60円)
良い点: 実質無借金、DOE7.5%目標新設、営業利益率14.2%、受注残増
⚠️ 注意点: 純利益△17%は一過性、来期配当性向66%、営業CFにブレ


1. 業績ハイライト

  • 売上高311.5億円(+5.0%)・2セグメント揃って増収
  • 営業利益44.2億円(+9.2%)・利益率14.2%へ改善
  • 経常利益45.8億円(+8.1%)と本業堅調
  • 純利益33.8億円(△17.0%)・前期固定資産売却益の反動
  • 受注残高79.7億円(+15.0億円)で翌期基盤が厚い

サマリー

  • 本業堅調: ディスクロージャー関連(セグメント利益+12.6%)と通訳・翻訳(+20.6%)の2本柱がそろって増益し、営業利益率は13.6%→14.2%へ改善。ジェイ・トラスト連結化と統合報告書の伸長が寄与した
  • 業績の質に留意: 当期純利益△17.0%は前期に計上した固定資産売却益(約18億円・一過性)の反動が主因で、本業悪化ではない。営業+9.2%・経常+8.1%が実勢を示す
  • 財務は鉄壁: 自己資本比率76.2%・実質無借金で、手元現金176億円をオフィスビル取得などの成長投資と増配・自己株取得へ能動的に配分している

2. 配当判断サマリー

  • 当期DPS120円を維持(普通配当ベースでは90→120円で+30円・前期は特別配当30円を含む)・来期は180円へ+60円の大幅増配予想
  • 2027年5月期より従来の安定配当から「フレキシブルな株主還元」へ移行し、配当性向50〜100%・DOE7.5%以上を目安とする数値目標を新設
  • 普通配当ベースでは連続増配が続き、確認範囲(2016〜2026年5月期)で減配なし・コロナ期も維持で耐性は良好
  • ディスクロージャー・情報サービス寄りで高い財務基盤と連続増配を続けるミロク情報サービス(9928)とは、還元強化の方向性が重なる

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(84/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 42 性向7・DOE7・利回り10・方針8・耐性10
財務 25 23 自己資本10・ネットキャッシュ10・営業CF安定性3
収益 25 19 営業利益率12・ROE7
合計 100 84

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • ネットキャッシュ 10/10: +176.1億円(時価総額約516.3億円の34.1%)で30%以上・満点。実質無借金
  • 自己資本比率 10/10: 76.2%(60%以上)で満点。その他製品業種でも突出した水準
  • 配当利回り 10/10: 来期予想DPS180円÷株価3,925円=4.59%で4.5%以上・満点
  • 増配減配耐性 10/10: 普通配当ベースで連続増配+確認範囲で減配なし+来期+60円増配予想で満点。コロナ期も維持
  • 営業利益率 12/15: 14.2%(10〜15%帯)で12点。前期13.6%からさらに改善
  • 配当方針 8/10: DOE7.5%以上を目安とする数値目標を明示(DOE目標)で8点
  • 配当性向 7/10: 45.8%(その他製品中央値35%対比+10.8pt)で7点
  • DOE 7/10: 4.9%(3〜5%帯)で7点。来期は7.6%見込みで5%超へ
  • ROE 7/10: 10.8%(10〜15%帯)で7点。前期14.1%からは一過性要因剥落で低下

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 該当する明確な低得点項目なし(全項目で40%超の得点を確保)

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコアの位置: 84点はB上位でAまであと1点。配当・財務・収益の3カテゴリがバランスよく高く、満点(10/10)項目を4つ持つ
  • Bにとどまる理由: 営業CF安定性が3/5(直近5期の営業CFが平均から±20%超ぶれる)にとどまり、配当性向・DOE・ROEも70%どまりで、中位項目の積み上がりがAに一歩届かせない
  • 読み筋: 実質無借金・DOE7.5%目標の新設・普通配当ベースの連続増配という高還元の骨格は強い。営業CFのブレが落ち着き利益成長が続けば、同じ物差しでもA圏に近づく余地がある

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. Pros & Cons

4-1. ✅ Pros

  • ディスクロージャー支援は招集通知・統合報告書などの制作需要が景気に左右されにくいストック型・寡占事業
  • ジェイ・トラスト連結化で金融商品取引法関連製品が+9.8%・受注残高79.7億円(+15.0億円)と翌期の売上基盤が厚い
  • CF対有利子負債比率0.0年・インタレストカバレッジ1,468.8倍と実質無借金の財務余力
  • 通訳・翻訳事業もAI通訳・AI翻訳(SIMULwiz)寄与でセグメント利益+20.6%

4-2. ⚠️ Cons

  • 営業CFが直近5期で平均から±20%超ぶれ、安定性スコアは3/5にとどまる
  • 来期配当性向66.4%・DOE7.6%見込みと還元水準が高く、利益成長が伴わないと余力が縮小
  • 単体(個別)当期純利益は△39.0%(前期の子会社関連益等の反動)で連結との差が大きい
  • のれん18.7億円・顧客関連資産7.2億円などM&A由来の無形資産を抱える

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年7月時点)


5. 筆者メモ

ディスクロージャー支援という景気に左右されにくいストック型・寡占ビジネスの安定感に惹かれて保有しています。営業利益率14%台・自己資本比率76%と高採算で財務も厚く、今回DOE7.5%目標を新設した還元強化の姿勢も心強い材料です。純利益の見かけの減益は前期一過性要因の反動で、本業はむしろ増益という点も安心して見ています。

次回(2027年5月期 第1四半期)見るポイント:

  • 来期配当性向66.4%・DOE7.6%見込みに対する上期の利益進捗
  • ジェイ・トラスト連結フル寄与と金融商品取引法関連製品の伸長持続
  • 営業CFのブレ(直近5期で±20%超)が落ち着くか

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年5月期実績 120円(中間45+期末75〈普通45+特別30〉・普通配当ベース90円)
2026年5月期実績 120円(中間60+期末60・全額普通配当・普通ベース+30円)
2027年5月期予想 180円(中間90+期末90・+60円)
配当性向(連結・表面) 45.8%(120円 ÷ EPS261.92円・決算短信記載値)
DOE(連結・純資産配当率) 4.9%(決算短信記載値・来期予想は7.6%)
配当利回り 4.59%(予想DPS180円 ÷ 株価¥3,925・2026-07-08終値・J-Quants API)
配当方針 2027年5月期より従来の安定配当から「フレキシブルな株主還元」へ移行し、配当性向50〜100%・DOE7.5%以上を目安に運営する方針を明示(中期経営計画2029・決算短信「利益配分に関する基本方針」)。今年度よりDOE(株主資本配当率)をKPIに設定
連続増配年数 普通配当ベースで4期連続増配(2023→2026年5月期)+来期予想で 5期目 継続見込み

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年5月期以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2016/5 50.00 96.99 51.6%
2017/5 50.00 96.81 51.6%
2018/5 50.00 99.39 50.3%
2019/5 50.00 110.63 45.2%
2020/5 54.00 139.01 38.8%
2021/5 54.00 130.01 41.5%
2022/5 58.00 171.29 33.9%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/5 70.00 197.66 35.4%
2024/5 80.00 231.76 34.5%
2025/5 120.00 314.00 38.2%
2026/5(実績) 120.00 261.92 45.8%
2027/5(予想) 180.00 271.16 66.4%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用(表面DPS)、直近期(2026/5)は決算短信記載と一致確認済
  • 2025年5月期の特別配当: 表面120円は普通配当90円+特別配当30円(決算短信「2.配当の状況」注記で確認)。この特別配当は単発で翌2026年5月期には継続せず(普通配当のみ120円)、普通配当ベースでは90→120円の増配。増配減配耐性は実質普通配当ベース(90円)で評価している(9986・7595 と同じ単発特別配当の除外運用)
  • 配当政策の傾向: 2016〜2019年は50円で安定、2020年以降は段階的に増配。減配履歴はEDINET DB確認範囲(2016〜2026年5月期)で見当たらず、コロナ期(2020〜2021)も54円を維持

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 普通配当ベースで2023→2026年5月期まで毎期増配(70→80→90→120円)、来期は180円へ+60円EPS成長と潤沢なキャッシュが増配原資を裏付ける
  • 方針シグナル: 2027年5月期より配当性向50〜100%・DOE7.5%以上を目安とするフレキシブル還元へ移行し、DOEをKPI化。従来の安定配当から一歩踏み込んだ数値基準を明示した
  • 耐性実績: 確認範囲(2016〜2026年5月期・EDINET DB)で普通配当ベースの減配なし、コロナ期も配当を維持

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

指標 当期 前期 前期比
売上高 311.54億円 296.78億円 +5.0%
営業利益 44.20億円 40.48億円 +9.2%
経常利益 45.84億円 42.39億円 +8.1%
当期純利益 33.82億円 40.75億円 △17.0%
EPS 261.92円 314.00円 △16.6%
ROE 10.8% 14.1% △3.3pt

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上 前期比 セグメント利益(前期比)
ディスクロージャー関連事業 228.51億円 +5.0% 37.86億円(+12.6%)
通訳・翻訳事業 83.03億円 +4.9% 4.68億円(+20.6%)

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 純利益△17.0%は前期の固定資産売却益(約18億円・一過性)剥落が主因。当期特別利益は投資有価証券売却益6.0億円のみで規模縮小
営業外損益 🟢 営業+9.2%・経常+8.1%と本業段階は二桁近い増益で堅調
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟡 前期の特別利益(固定資産売却益約18億円)剥落で純利益は減少も、これは業績悪化ではない
開示の誠実性 🟢 企業結合の暫定的な会計処理を確定し前期を遡及修正した旨を注記で明示・製品区分別に詳細開示

業績の質: 営業・経常段階は増益で良好・純利益の減益は前期一過性の反動(見かけの減益)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2025/5 2026/5
営業CF(百万円) 4,366 3,763
投資CF(百万円) 1,271 △3,060
財務CF(百万円) △1,127 △2,156
現金等期末残高(百万円) 19,041 17,590
自己資本比率(%) 75.5 76.2
  • 有利子負債: 短期借入金50百万円・1年内返済予定の長期借入金16百万円・長期借入金18百万円(合計84百万円)
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金17,694百万円−有利子負債84百万円=+17,610百万円(時価総額約516.3億円の34.1%)。プラスかつ時価総額30%以上で10/10点

7-3. 来期業績予想(2027年5月期)

項目 予想 前期比
売上高 342.00億円 +9.8%
営業利益 49.00億円 +10.9%
親会社株主帰属当期純利益 35.00億円 +3.5%
EPS 271.16円 +3.5%

来期純利益+3.5%と伸びが小さいのは、当期の投資有価証券売却益等の一過性利益が来期は見込まれないためで、営業利益+10.9%が本来の成長力を示す。中期経営計画2029の初年度として増収増益を計画している。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
通期売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・ROE・営業利益率 2026年5月期 決算短信(2026-07-08開示) 🟢 一次情報
来期業績予想・配当方針 2026年5月期 決算短信「1.(4)今後の見通し」「1.(5)利益配分に関する基本方針」 🟢 一次情報
配当実績・来期予想・配当性向・DOE 2026年5月期 決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
自己資本比率・純資産・現金等・有利子負債・自己株式取得 2026年5月期 決算短信「連結貸借対照表」「連結CF計算書」 🟢 一次情報
セグメント別・受注残高 2026年5月期 決算短信「セグメントごとの経営成績」「受注実績」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥3,925(2026-07-08終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。