結論: 本業増収増益で大幅増配・財務は無借金級の堅実体質
📊 スコア: B 75点
💰 配当: 27→35円(+8円)、来期36円予想(+1円)
✅ 良い点: 大幅増配、自己資本比率86%、ネットキャッシュ厚い、性向30%目標
⚠️ 注意点: 経常の質、ROE8.4%、来期減益予想、DOE2.4%
1. 業績ハイライト
- 売上高103.43億円(+5.1%)・国内外で提案営業強化
- 営業利益13.20億円(+23.5%)・利益率10.9→12.8%へ改善
- 経常利益22.96億円(+58.4%)・持分法/組合益が押し上げ
- 純利益14.78億円(+58.5%)・EPS116.24円(+58.4%)
- 配当35円(+8円)・自己株式の消却も実施
サマリー
- 本業堅調: 省エネ・CO2削減に寄与するワイズジャケットや医薬品工場向けマグネットミキサーが伸び、国内売上は堅調、アジア向け売上は+20.5%と好調
- 業績の質に留意: 経常+58.4%・純利益+58.5%は営業+23.5%を大きく超え、持分法投資利益4.24億円・組合投資利益5.37億円(前期0.05億円)など営業外要因が大半を占める
- 収益性改善: 生産効率化とコスト削減で営業利益率10.9→12.8%へ改善、本業の稼ぐ力は着実に向上
2. 配当判断サマリー
- 当期DPS35円(+8円)・来期DPS36円予想(+1円)で前期据え置きから一転して大幅増配
- 配当性向30.1%は機械(メーカー)中央値35%を下回り原資に余裕・「配当性向30%以上を目安」の方針とも整合
- 直近5年(2022〜2026年・EDINET DB 確認範囲)減配なし・来期も増配予想で耐性実績は良好
- 同じ流体制御機器メーカーのタクミナ(6322)も高自己資本比率と配当性向方針型で、本銘柄と財務体質が近い
3. スコア内訳
配当持続性ランク: B(75/100点) ★★★★☆
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 35 | 性向10・DOE4・利回り7・方針6・耐性8 |
| 財務 | 25 | 24 | 自己資本10・ネットキャッシュ10・営業CF安定性4 |
| 収益 | 25 | 16 | 営業利益率12・ROE4 |
| 合計 | 100 | 75 | — |
3-1. 主な加点(高得点項目)
- 配当性向 10/10: 30.1%(機械メーカー中央値35%以下)で配当原資に余裕があり満点
- 自己資本比率 10/10: 86.0%(60%以上)で満点。実質無借金に近い財務体質
- ネットキャッシュ 10/10: +45.96億円(時価総額117.8億円の39.0%)で30%以上・満点
- 営業利益率 12/15: 12.8%(10〜15%帯)で12点。生産効率化とコスト削減で前期10.9%から改善
- 増配減配耐性 8/10: 直近5年(2022〜2026)減配なし+来期増配予想で8点。コロナ期の減配は対象期間外
- 営業CF安定性 4/5: 過去5年(2022〜2026)連続黒字・単発外れ値1件を除けば残り4年は±20%以内
- 配当利回り 7/10: 35円÷926円=3.78%で3.5〜4.5%帯・7点
3-2. 主な減点(低得点項目)
- DOE 4/10: 純資産配当率2.4%で1〜3%帯・4点。手厚い自己資本に対し配当の絶対水準は控えめ
- ROE 4/10: 8.4%(5〜10%帯)で4点。自己資本が厚い分、資本効率は中位
3-3. 全体所感
- スコアの中心要素: 自己資本比率86%・ネットキャッシュ厚め・低配当性向の財務余力が75点の中核
- 主な減点要因: DOE2.4%・ROE8.4%で資本効率と還元の絶対水準は中位
- ランク境界の判断: B(70〜84点)下位。還元強化でDOEが3%超に乗れば配当+3点(7点)でB中位へ。ROE改善余地も残る
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。
4. Pros & Cons
4-1. ✅ Pros
- 前期据え置き27円から35円へ+8円の大幅増配・配当性向30%以上目安とも整合
- 自己株式244,975千円を消却し、発行済株式数を13,934,946→13,326,389株へ削減
- 長期借入金を完済(351,738千円→0)・短期借入金も大幅圧縮で実質無借金級
- 省エネ・CO2削減ニーズを捉えたワイズジャケット等の製品群で国内需要を開拓
4-2. ⚠️ Cons
- 経常+58.4%は持分法投資利益・組合投資利益など営業外の特殊要因に依存
- 来期は経常△16.0%・純利益△6.0%と営業外要因の反動減を見込む
- ROE8.4%は厚い自己資本が分母を押し上げ、資本効率は同業比で見劣り
- 中国向け販売は前期割れ・海外は地域により濃淡あり
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年5月時点)。
5. 筆者メモ
経常+58%は持分法・組合投資利益など営業外要因が大半で来期は反動減見込み。配当の持続性は、営業益+23.5%で示された本業の稼ぐ力が今後も伸びるかにかかっていると見ている。
次回(2027年3月期 第1四半期)見るポイント:
- 持分法投資利益・組合投資利益の反動減が来期予想通りに進むか
- 本業(営業利益)が来期も増益基調を維持できるか
- 大幅増配後の配当方針(性向目標の引き上げや還元強化)の有無
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2025年3月期実績 | 27円(中間0+期末27) |
| 2026年3月期実績 | 35円(中間0+期末35・+8円) |
| 2027年3月期予想 | 36円(中間0+期末36・+1円) |
| 配当性向(連結・表面) | 30.1%(35円 ÷ EPS116.24円・決算短信記載値) |
| DOE(連結・純資産配当率) | 2.4%(決算短信記載値) |
| 配当利回り | 3.78%(直近実績DPS35円 ÷ 株価¥926・2026-05-28終値・J-Quants API) |
| 配当方針 | 連結業績に応じた配当性向30%以上を目安として、安定的かつ継続的な増配を目指すことを基本方針として明示 |
| 連続増配年数 | 2025年は据え置き・2026年に+8円増配 + 来期予想で +1円増配 継続見込み |
6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年以前の履歴を表示
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2020/3 | 17.0 | 56.54 | 30.1% |
| 2021/3 | 15.0 | 23.08 | 65.0% |
| 2022/3 | 25.0 | 75.78 | 33.0% |
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2023/3 | 26.0 | 83.42 | 31.2% |
| 2024/3 | 27.0 | 89.03 | 30.3% |
| 2025/3 | 27.0 | 73.36 | 36.8% |
| 2026/3(実績) | 35.0 | 116.24 | 30.1% |
| 2027/3(予想) | 36.0 | 109.30 | 32.9% |
(注)
- データ基準: EDINET DB引用、直近期(2026/3)は決算短信記載と一致確認済
- 株式分割の影響: 2021年に1:2の株式分割を実施。2020/3・2021/3のDPS・EPSは分割後相当ベース(EDINET DB の調整後DPS・EPS=生値÷2)に換算済み。表面値での減配誤認を避けるため分割後ベースで評価
- 配当政策の傾向: 分割後ベースでは2020/3 17円→2021/3 15円とコロナ期に一度のみ減配し、2022/3に25円へ増配して回復。以降26→27→27→35円と増配基調で、直近5年(2022〜2026)は減配なし
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: 2026年に27→35円(+8円)の大幅増配を実施。EPS+58.4%(73.36→116.24円)が増配原資を裏付ける
- 方針シグナル: 「配当性向30%以上を目安」と数値目標を明示・累進配当やDOE目標までは踏み込まず
- 耐性実績: 直近5年(2022〜2026・EDINET DB 確認範囲)減配なし・来期も増配予想
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー
| 指標 | 当期 | 前期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 103.43億円 | 98.43億円 | +5.1% |
| 営業利益 | 13.20億円 | 10.68億円 | +23.5% |
| 経常利益 | 22.96億円 | 14.49億円 | +58.4% |
| 当期純利益 | 14.78億円 | 9.32億円 | +58.5% |
| EPS | 116.24円 | 73.36円 | +58.4% |
| ROE | 8.4% | 5.7% | +2.7pt |
セグメント別(対前年同期比・外部顧客への売上高)
| 区分 | 売上 | 前期比 |
|---|---|---|
| 日本 | 75.92億円 | +0.4% |
| アジア | 27.51億円 | +20.5% |
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🟡 | 組合投資利益5.37億円(前期0.05億円)が経常を押し上げ・継続性は不透明 |
| 営業外損益 | 🔴 | 経常+58.4%は持分法投資利益4.24億円+組合投資利益+為替差損減など営業外に大きく依存 |
| 純利益押し下げ/押し上げ要因 | 🟡 | 特別利益はなく、純利益+58.5%は経常段階の押し上げを反映。来期は反動減見込み |
| 開示の誠実性 | 🟢 | 来期に経常△16.0%・純利益△6.0%と反動減を織り込む誠実な予想 |
→ 業績の質: 本業(営業+23.5%)は堅調だが、経常・純利益の伸びは営業外特殊要因に依存(中位やや慎重)
7-2. 財務・CFサマリー
| 指標 | 2025/3 | 2026/3 |
|---|---|---|
| 営業CF(百万円) | 1,419 | 1,296 |
| 投資CF(百万円) | △396 | 403 |
| 財務CF(百万円) | △677 | △1,363 |
| 現金等期末残高(百万円) | 3,469 | 4,006 |
| 自己資本比率(%) | 83.0 | 86.0 |
- 有利子負債: 短期借入金19,789千円・1年内返済予定の長期借入金1,748千円・リース債務(流動62,211千円+固定199,281千円)。長期借入金は当期完済(合計283百万円)
- ネットキャッシュ: 現金及び預金4,160百万円+有価証券718百万円−有利子負債283百万円=+4,596百万円(時価総額約117.8億円の39.0%)。プラスかつ時価総額30%以上で10/10点
7-3. 来期業績予想(2027年3月期)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 110.80億円 | +7.1% |
| 営業利益 | 15.20億円 | +15.1% |
| 経常利益 | 19.30億円 | △16.0% |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 13.90億円 | △6.0% |
| EPS | 109.30円 | △6.0% |
来期は本業(営業利益+15.1%)の増益を見込む一方、当期の経常を押し上げた持分法投資利益・組合投資利益などの営業外特殊要因の反動で経常△16.0%・純利益△6.0%を予想。
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 通期売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・ROE・営業利益率 | 2026年3月期 決算短信(2026-05-15開示) | 🟢 一次情報 |
| 来期業績予想・配当方針 | 2026年3月期 決算短信「1.(4)今後の見通し」「1.(5)利益配分に関する基本方針」 | 🟢 一次情報 |
| 配当実績・来期予想・配当性向・DOE | 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」 | 🟢 一次情報 |
| 自己資本比率・純資産・現金等・有利子負債・自己株式消却 | 2026年3月期 決算短信「連結貸借対照表」「連結CF計算書」「連結株主資本等変動計算書」 | 🟢 一次情報 |
| セグメント別(日本・アジア) | 2026年3月期 決算短信「セグメント情報等の注記」 | 🟢 一次情報 |
| 過去配当履歴・EPS推移 | EDINET DB | 🟢 一次情報 |
| 株価¥926(2026-05-28終値) | J-Quants API(JPX 公式) | 🟢 一次情報 |
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