【エーアイテイー(9381)】配当B(73点) — 2027年2月期Q1

観察中(筆者は当該銘柄を未保有)📁 倉庫・運輸関連業

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結論: 為替反動で経常減益も本業は堅調、高DOE継続。

📊 スコア: B 73点
💰 配当: 100→110円(+10円、2027年2月期 会社予想・修正なし)
良い点: DOE 12.8%、ROE 16%台、実質無借金
⚠️ 注意点: 配当性向76.2%、経常減益、取扱数量減


1. 業績ハイライト

  • 営業収益 +1.3%の14,933百万円・運賃上昇と円安で増収
  • 営業利益 +4.3%の1,106百万円・売上総利益率改善で増益
  • 経常利益 △10.0%の1,173百万円・前年の為替差益反動
  • 純利益 △9.3%の789百万円・EPS33.61円(前年37.07円)

サマリー

  • 本業は増収増益: 営業収益14,933百万円(+1.3%)・営業利益1,106百万円(+4.3%)。海上運賃上昇・円安・売上総利益率の改善が寄与し、春節時期のずれによる本年3月の一時的な取扱数量減を吸収した。
  • 経常減益は為替反動が主因: 経常利益は△10.0%。前年同期に175百万円の為替差益を計上した反動で当期は12百万円の為替差損に転じたことが響いたもので、本業の実力低下によるものではない。
  • 通期計画は据え置き: 会社は通期予想(営業収益62,500百万円・純利益3,390百万円)を維持。第1四半期は概ね計画線で推移し、上期は経常減益計画だが下期での巻き返しを想定している。

2. 配当判断サマリー

  • 進行期(2027/2)は中間55円+期末55円=110円予想で、前期100円から+10円増配見込み(修正なし)。
  • DOE約12.8%は倉庫・運輸関連業でトップクラスの株主還元水準。
  • 予想配当性向76.2%は業種中央値50%から+26pt乖離、内部留保の薄さは継続論点。
  • 同業で実質無借金の上組(9364)と同じく財務は強固だが、当社は高DOE・高性向型で還元水準がより厚い。

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(73/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 35 性向4・DOE10・利回り10・方針3・耐性8
財務 25 20 自己資本10・ネットキャッシュ7・営業CF安定性3
収益 25 18 営業利益率8・ROE10
合計 100 73

3-1. 主な加点(配点比70%以上)

  • DOE 10/10: 約12.8%、5%以上で満点、倉庫・運輸関連業でトップクラス(業種補正対象だが本則で満点)
  • 配当利回り 10/10: 4.74%、4.5%以上で満点(予想DPS110円 ÷ ¥2,319)
  • 自己資本比率 10/10: 71.8%、業種補正後40%以上(本則60%以上)で満点、実質無借金
  • ROE 10/10: 通期予想約16.2%(前期16.1%)、15%以上で満点
  • 増配減配耐性 8/10: 過去10年で減配なし+直近2期連続増配+来期増配予想、「5年減配なし+来期維持以上」帯
  • ネットキャッシュ 7/10: 約+140億円(実質無借金)、時価総額554億円対比25.2%、10〜30%帯

3-2. 主な減点(配点比40%以下)

  • 配当方針 3/10: 「安定的かつ継続的な配当」の定性方針のみ、累進・DOE目標・配当性向目標の数値コミットは未公表
  • 配当性向 4/10: 予想76.2%、倉庫・運輸関連業中央値50%から+26pt乖離、+20〜+30pt帯

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期70点 → 今期73点(+3点)
  • 変動の内訳: 配当利回りの算定基準を進行期(2027/2期)の会社予想配当110円ベースに統一したことで4.74%が4.5%以上帯に入り7→10点。実態の変化ではなく算定基準の変更による上昇で、他9項目は横ばい
  • 満点項目は維持: DOE10・自己資本比率10・ROE10の3つの満点項目は不変で、実質無借金の財務基盤が支柱
  • 現在の位置づけ: 高DOE・高ROE・実質無借金がBランク上位を支え、予想配当性向76.2%と方針の定性どまりが上値を抑える構図

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. Pros & Cons

4-1. ✅ Pros

  • 価格転嫁で粗利を守る仕組み: 燃油サーチャージ等でコスト上昇分を運賃へ転嫁でき、当期も価格転嫁と円安で売上総利益は2,561→2,693百万円へ改善。数量が伸びない局面でも粗利を確保でき、配当原資の変動を和らげる。
  • 地域分散が利益を下支え: 中国はコスト抑制でセグメント利益+31.2%、台湾の三国間輸送も堅調(ミャンマー・ベトナムは低調)。複数拠点の分散が特定国依存を緩め、配当原資の振れを抑える方向に働く。

4-2. ⚠️ Cons

  • 運賃市況・為替への感応度が高い収益構造: 海上運賃も為替も自社で制御できず、当期の増収も運賃上昇と円安が主因(取扱本数△2.8%・通関受注△2.5%と数量は前年割れ)。両者が反転すると増収の前提が崩れやすく、予想性向76.2%と高いだけに配当原資の余裕が細りやすい。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)


5. 筆者メモ

今期の増収は海上運賃の上昇と円安が主因で、取扱コンテナ本数や通関受注件数は前年割れ。数量が伸びない中での単価・為替頼みの構図が続くかを次の四半期で見極めたい。

次回(2027年2月期Q2・2026年10月発表予定)見るポイント:

  • 海上コンテナ取扱数量: 輸出入計△2.8%・通関受注△2.5%の数量減が下げ止まるか
  • 上期経常減益計画の実現度: 為替差益剥落を織り込んだ第2四半期累計 経常△6.1%予想の着地
  • 配当性向の推移: 予想76.2%が業績の伸びで持続可能な水準か、配当方針の数値化の有無

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2026/2期(前期)実績 中間45円+期末55円=100円
2027/2期(進行期)予想 中間55円+期末55円=110円(+10円、修正なし)
配当性向(連結・予想) 76.2%(110円 ÷ EPS144.29円・決算短信予想)
DOE(連結・予想) 約12.8%(予想配当110円 ÷ BPS約858円・純資産配当率、四半期短信では非開示のため試算)
配当利回り 4.74%(予想DPS110円 ÷ 株価¥2,319・2026-07-15終値・J-Quants API)
配当方針 「安定的かつ継続的な配当の実施」を基本方針として明示(中間・期末の年2回配当)。配当性向・DOE等の数値目標や累進配当宣言は未公表(四半期短信では方針の再掲なし・2026年2月期 決算短信「(5)利益配分に関する基本方針」に基づく)
連続増配年数 過去10年で減配なし、2025/2:80円→2026/2:100円→2027/2予:110円と直近2期連続増配

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2016 30.00 54.55 55.0%
2017 30.00 51.35 58.4%
2018 35.00 57.56 60.8%
2019 36.00 61.09 58.9%
2020 36.00 55.49 64.9%
2021 38.00 73.40 51.8%
2022 58.00 100.75 57.6%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023 80.00 156.85 51.0%
2024 80.00 127.23 62.9%
2025 80.00 129.72 61.7%
2026 100.00 135.18 74.0%
2027(予) 110.00 144.29(予) 76.2%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用、直近期は決算短信記載と一致確認済
  • 配当政策の傾向: 2023〜2025は80円で3期横ばい、2026に100円へ増配し2027予想110円と増配基調へ転換。減配履歴はなく、純資産配当率(DOE)約12.8%の高水準が高還元を支える

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 2025/2の80円横ばいから2026/2に100円(+20円)、2027/2予想110円(+10円)と直近2期連続増配
  • 方針シグナル: 「安定的かつ継続的な配当」を基本方針として明示、配当性向・DOE等の数値目標や累進配当宣言はなし(方針スコア3点)
  • 耐性実績: 過去10年で減配履歴ゼロ、コロナ期(2020/2→2021/2)も36→38円で増配維持

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー(第1四半期・対前年同期比)

指標 当期Q1 前期Q1 前期比
営業収益 14,933百万円 14,738百万円 +1.3%
営業利益 1,106百万円 1,060百万円 +4.3%
経常利益 1,173百万円 1,303百万円 △10.0%
親会社株主帰属四半期純利益 789百万円 870百万円 △9.3%
EPS 33.61円 37.07円 △9.3%
営業利益率 7.4% 7.2% +0.2pt

セグメント別(対前年同期比・外部顧客営業収益)

区分 売上 前期比
日本 12,797百万円 +3.0%
中国 1,740百万円 △6.7%
その他(台湾・ベトナム・ミャンマー) 395百万円 △12.3%

主力の日本はセグメント利益871百万円(+4.0%)、中国は取扱減も費用抑制で利益196百万円(+31.2%)、その他は利益38百万円(△47.5%)。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟢 高 増収は運賃上昇・円安・売上総利益率改善が主因、春節ずれによる3月の一時的な取扱数量減を吸収
営業外損益 🟢 高 経常減益は前年同期の為替差益175百万円剥落が主因(当期は為替差損12百万円)、当期の経常は本業由来の比重が高い
純利益押し下げ要因 🟢 高 特別損失はほぼゼロ、純利益の減少は経常段階の為替反動が波及したもので構造的悪化ではない
開示の誠実性 🟢 高 通期予想据置の根拠・セグメント別の増減要因を明示(四半期CF計算書は非作成)

業績の質: 中〜高(営業段階は増収増益を確保、経常・純利益の減益は前年の為替差益剥落という一過性要因)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2026/2期末 2027/2期Q1末
現金及び預金(百万円) 14,169 14,193(+24)
自己資本比率(%) 74.3 71.8(△2.5pt)
  • 四半期連結キャッシュ・フロー計算書は非作成(第1四半期のため)。参考として当四半期の減価償却費138百万円・のれん償却額27百万円
  • 有利子負債: 社債・借入金の計上はなく、実質無借金経営(リース等ごく僅少)
  • ネットキャッシュ: 約+140億円(現金142億円 − 有利子負債ほぼ0)、時価総額554億円対比約25.2%(10〜30%帯)。自己資本比率71.8%は剰余金配当1,292百万円の支払で前期末74.3%から低下したが、依然として高水準を維持

7-3. 通期業績予想(2027年2月期)

項目 予想 前期比
営業収益 62,500百万円 +7.0%
営業利益 4,530百万円 +7.9%
経常利益 4,960百万円 +6.0%
親会社株主帰属当期純利益 3,390百万円 +6.7%
EPS 144.29円 +6.7%

上期(第2四半期累計)予想は営業収益30,150百万円(+6.7%)・営業利益2,070百万円(+2.3%)だが、経常利益は前年同期の為替差益剥落で2,250百万円(△6.1%)・純利益1,550百万円(△4.8%)の減益計画。通期では下期の巻き返しで増収増益を見込む。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
第1四半期の営業収益・営業利益・経常利益・純利益・EPS・営業利益率・セグメント別 2027年2月期第1四半期 決算短信(2026-07-15開示) 🟢 一次情報
通期業績予想・上期予想 2027年2月期第1四半期 決算短信「1.(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」 🟢 一次情報
配当実績・進行期配当予想 2027年2月期第1四半期 決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
配当方針(安定的かつ継続的な配当・年2回) 2026年2月期 決算短信「(5)利益配分に関する基本方針」 🟢 一次情報
現金及び預金・自己資本比率・有利子負債・実質無借金 2027年2月期第1四半期 決算短信「四半期連結貸借対照表」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥2,319(2026-07-15終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。