【中本パックス(7811)】配当C(61点) — 2027年2月期 Q1

観察中(筆者は当該銘柄を未保有)📁 その他製品

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結論: 本業増益で過去最高・配当は+3円増配へ

📊 スコア: C 61点
💰 配当: 71→74円(+3円)、中間34→37/期末37→37円
良い点: 食品包材の安定需要、連続増配、実質増益
⚠️ 注意点: 有利子負債超過、原価上昇圧力、利回り3.8%


1. 業績ハイライト

  • 売上高127.67億円(+3.6%)・食品包材とIT工業材が牽引
  • 営業利益7.99億円(+6.6%)・原価上昇下でも増益
  • 経常利益8.20億円(+17.8%)・為替差益転換で押し上げ
  • 純利益5.42億円(△2.2%)・前年の固定資産売却益剥落が主因
  • 営業利益率6.3%(+0.2pt)・第1四半期として過去最高益

サマリー

  • 増収増益の主因: 主力の食品関連(乳製品・農産・水産加工向け包材)が売上+4.7%と堅調で、スマホ・半導体向けのIT・工業材関連も売上+4.4%・売上総利益+23.3%と採算改善。売上高・営業利益・経常利益はいずれも第1四半期として過去最高を更新した
  • 利益の質: 純利益は△2.2%だが、これは前年同期にあった固定資産売却益・投資有価証券売却益(特別利益計1.49億円)の反動によるもの。本業の営業・経常は増益で、実勢は良好
  • 財務・還元姿勢: 自己資本比率52.0%で財務は安定だが、生産能力増強の設備投資を借入で賄い有利子負債が現預金を上回る。配当は安定配当を基本方針に71→74円へ増配計画

2. 配当判断サマリー

  • 2027年2月期配当は年74円へ+3円増配予想(中間34→37/期末37円で据え置き)
  • 直近は2025・2026年2月期と2期連続増配、過去5年(2022〜2026年2月期)は減配なし
  • 配当性向は予想30.0%と保守的で、EPS成長に沿った無理のない増配余地を確保
  • 同じ2027年2月期第1四半期決算で安定配当方針マルゼン(5982)も観察対象

3. スコア内訳

配当持続性ランク: C(61/100点) ★★★☆☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 35 性向10・DOE7・利回り7・方針3・耐性8
財務 25 11 自己資本7・ネットキャッシュ0・営業CF安定性4
収益 25 15 営業利益率8・ROE7
合計 100 61

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 配当性向 10/10: 予想30.0%(その他製品の中央値35%以下)で満点。EPS246.49円に対し74円配当と原資に余裕
  • 増配減配耐性 8/10: 過去5年(2022〜2026年2月期)減配なし+来期も74円へ増配予想で8点。3年以上連続増配には一歩届かず満点未満
  • 営業CF安定性 4/5: 直近5年(2022〜2026年2月期)の営業CFは全て黒字。単発の低水準期(2023年2月期)を除けば残り4期は変動±20%以内で4点
  • DOE 7/10: 3.1%(3〜5%帯)で7点。純資産配当率は中位水準
  • 配当利回り 7/10: 予想DPS74円÷株価1,941円=3.81%で3.5〜4.5%帯・7点
  • 自己資本比率 7/10: 52.0%(40〜60%帯)で7点。借入はあるが純資産で総資産の過半を賄う
  • ROE 7/10: 通期予想ベース10.4%(10〜15%帯)で7点

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • ネットキャッシュ 0/10: 現金及び預金71.02億円 − 有利子負債84.06億円 = △13.04億円で有利子負債超過・0点。生産設備投資を借入で賄う構造
  • 配当方針 3/10: 「安定配当をベースとした適正な利益還元」を掲げる定性方針で3点。配当性向目標・DOE目標・累進配当の明示はなし

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコアの位置: 61点はC(55〜69点)の中位。配当(35/50)と収益(15/25)が水準を作り、財務(11/25)がネットキャッシュ0点で伸び切らない構図
  • Cにとどまる理由: 配当性向10点・増配減配耐性8点・営業CF安定性4点と配当の安定性は評価できる一方、有利子負債超過でネットキャッシュ0点・営業利益率6.3%で8点(15点満点)・定性配当方針3点が頭打ち要因
  • 読み筋: 同じ物差しでは、食品包材中心の安定した稼ぎと保守的な配当性向が下支え。一方で設備投資の借入依存(ネットキャッシュ0点)と一桁台の営業利益率が上限を作っており、原価転嫁の進捗と財務改善が今後の分岐点

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. Pros & Cons

※本章はスコア(§3)に入っていない事業上の強み・構造リスクのみを扱います。

4-1. ✅ Pros

  • 環境対応包材への製品シフトという差別化投資: 非可食スターチ由来のガスバリア材「RESC™」やラベルレスサーマルトップシールなど環境対応製品の開発・拡販を経営課題に掲げる(短信「今後の見通し」)。脱プラ・環境規制で需要拡大が見込まれる領域での差別化は、汎用包材の価格競争から距離を置き中期の採算・配当原資を下支えする方向に働く

4-2. ⚠️ Cons

  • 輸入商材が多い生活資材のコスト構造: 生活資材関連は輸入商品が多く為替変動が業績に影響すると会社が明示し、通期予想は円の対元レート20円10銭を前提に置く(短信)。円安は仕入コストの上昇として採算に直接効く構造で、為替前提が崩れる局面では配当原資の稼得力に振幅が生じうる

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)


5. 筆者メモ

食品包材の安定需要と保守的な配当性向は安心材料ですが、現預金を超える有利子負債が財務スコアの重石で、原価上昇をどこまで価格転嫁して増益と増配を保てるかをまず見極めたいです。

次回(2027年2月期 第2四半期)見るポイント:

  • 主力の食品関連・IT工業材関連の売上と採算(原価上昇の価格転嫁の進捗)
  • 有利子負債と現預金のバランス(設備投資一巡後のネットキャッシュ改善の有無)
  • 中間・通期業績予想(通期売上520億円・営業利益32.65億円)に対する進捗と修正の有無

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2026年2月期実績 71円(中間34+期末37)
2027年2月期予想 74円(中間37+期末37・+3円)
配当性向(連結・表面) 30.0%(74円 ÷ 予想EPS246.49円・決算短信記載値)
DOE(連結・純資産配当率) 3.1%(2026年2月期・決算短信記載値)
配当利回り 3.81%(予想DPS74円 ÷ 株価¥1,941・2026-07-10終値・J-Quants API)
配当方針 2026年2月期 有価証券報告書「配当政策」で「将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していく」ことを基本方針と明示。配当性向目標・DOE目標・累進配当の明示はなし
連続増配年数 実績で2期連続増配(2025〜2026年2月期) + 2027年2月期予想74円で3期目の増配見込み。過去5年(2022〜2026年2月期)減配なし

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年2月期以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2017/2 50.00 100.93 49.5%
2018/2 55.00 120.13 45.8%
2019/2 56.00 141.52 39.6%
2020/2 56.00 132.84 42.2%
2021/2 57.00 160.99 35.4%
2022/2 62.00 179.94 34.5%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/2 62.00 157.27 39.4%
2024/2 62.00 128.48 48.3%
2025/2 66.00 225.39 29.3%
2026/2(実績) 71.00 245.07 29.0%
2027/2(予想) 74.00 246.49 30.0%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用、直近期(2026/2)は決算短信記載と一致確認済
  • 株式分割の反映: 2019年2月期に1株→2株の株式分割を実施(発行済株式数が4,086,660株→8,173,320株)。2018年2月期以前のDPS・EPSは分割後ベースに調整済み
  • 配当政策の傾向: 分割後ベースで50→62円へ緩やかに増配し、2019年2月期以降は減配がない。2022年2月期以降もEPS成長に沿って62→71円へ増配し、配当性向は30%前後で推移。安定配当をベースに業績連動で還元を積み増す運用が続く

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: EPS成長(2022→2026年2月期で179.94→245.07円)に沿って62→71円へ増配。配当性向を30%前後に保ちつつ、利益の伸びを原資に無理なく積み増す運用
  • 方針シグナル: 「安定した配当を継続して実施していく」ことを有価証券報告書(2026年2月期)で基本方針と明示。DOE・配当性向目標や累進配当の数値コミットまでは踏み込んでいない点がスコア上の弱み
  • 耐性実績: 過去5年(2022〜2026年2月期)減配なし・分割後ベースでも2019年2月期以降減配なし。自己資本比率52.0%が下支えする一方、有利子負債が現預金を上回る点は留意

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

指標 当第1四半期 前年同期 前期比
売上高 127.67億円 123.28億円 +3.6%
営業利益 7.99億円 7.50億円 +6.6%
経常利益 8.20億円 6.96億円 +17.8%
四半期純利益 5.42億円 5.54億円 △2.2%
EPS 61.27円 62.16円 △1.4%
営業利益率 6.3% 6.1% +0.2pt

製品用途別売上高(対前年同期比)(印刷関連事業の単一セグメント・用途別開示)

区分 売上 前期比
食品関連 83.37億円 +4.7%
IT・工業材関連 23.55億円 +4.4%
生活資材関連 9.73億円 △6.0%
建材関連 5.76億円 +35.8%
医療・医薬関連 3.47億円 △20.1%
その他 1.77億円 △18.4%

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟢 純利益△2.2%は前年同期の固定資産売却益・投資有価証券売却益(特別利益計1.49億円)の反動が主因。本業の営業・経常は増益で実勢は良好
営業外損益 🟡 経常利益+17.8%が営業利益+6.6%を上回るのは、前年同期の為替差損が当期は為替差益11百万円に転じ、持分法投資損失も縮小したため。為替要因の寄与が大きい
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟢 前年の特別利益剥落で純利益は小幅減だが、営業・経常は第1四半期として過去最高。原価上昇下でも本業で増益を確保
開示の誠実性 🟢 単一セグメントながら製品用途別に売上高・売上総利益を開示し、採算構造を明示

業績の質: 営業・経常が第1四半期として過去最高・純利益の小幅減は前年の特別利益剥落によるもので実勢は良好(経常押し上げは為替差益への転換が寄与)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2026/2期末 2027/2 Q1末
現金及び預金(百万円) 7,657 7,102
自己資本比率(%) 51.9 52.0
  • 有利子負債: 短期借入金4,109百万円 + 1年内返済予定長期借入金1,003百万円 + 長期借入金3,293百万円 = 8,406百万円(日本基準・リース債務は僅少)。生産能力増強の設備投資を借入で賄う
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金7,102百万円 − 有利子負債8,406百万円 = △1,304百万円(有利子負債超過)。時価総額約173億円(発行済株式数8,920,791株 × ¥1,941)の約△7.5%でマイナス・0/10点
  • (注)四半期連結キャッシュ・フロー計算書は非作成。通期(2026年2月期)営業CFは2,552百万円(前期2,353百万円)

7-3. 通期業績予想(2027年2月期)

項目 予想 前期比
売上高 520.00億円 +4.8%
営業利益 32.65億円 +10.3%
経常利益 34.50億円 +12.9%
親会社株主帰属当期純利益 21.83億円 +0.3%
EPS 246.49円 +0.6%

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
四半期売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・営業利益率 2027年2月期第1四半期決算短信(2026-07-10開示) 🟢 一次情報
通期業績予想 2027年2月期第1四半期決算短信「3.2027年2月期の連結業績予想」 🟢 一次情報
配当実績・当期配当予想・配当性向・DOE 2027年2月期第1四半期決算短信「2.配当の状況」・2026年2月期決算短信 🟢 一次情報
配当方針 2026年2月期 有価証券報告書「配当政策」(EDINET・2026-05-25提出) 🟢 一次情報
自己資本比率・現金及び預金・有利子負債・製品用途別売上 2027年2月期第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」「経営成績に関する説明」 🟢 一次情報
営業CF(通期) 2026年2月期決算短信「連結キャッシュ・フローの状況」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移・株式分割 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥1,941(2026-07-10終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。