【新日本建設(1879)】配当B(77点)・10年減配なし・実質無借金 — 2026年3月期

観察中(筆者は当該銘柄を未保有)📁 建設業

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結論: 実質無借金の高財務で低性向×増配余地が大きい

📊 スコア: B 77点
💰 配当: 56→67円(+11円、うち前期56円は記念配3円含む・普通配ベース53→67円=+14円)、来期予想77円(+10円)
良い点: 実質無借金、増配基調、高収益
⚠️ 注意点: 利回り3.8%、方針の数値目標なし、市況感応


1. 業績ハイライト

  • 売上高1,384億円(+5.1%)・受注高1,634億円(+6.0%)
  • 営業利益204億円(+11.4%)・営業利益率14.7%(+0.8pt)
  • 経常利益207億円(+13.1%)・純利益152億円(+18.8%)
  • EPS260.30円(+18.8%)・ROE11.9%(+1.0pt)
  • 年間配当56→67円(+11円)・来期77円予想(+10円)

サマリー

  • 本業ドライバーの増収増益: 建設事業の完成工事高が+14.1%と伸び、採算改善も重なって営業利益率は14.7%へ改善。為替差益・資産売却益等の一過性要因はなく、増益は本業由来。
  • 受注高の伸びが来期の背景: 連結受注高は1,634億円(+6.0%)、個別建設事業では住宅+12.0%・非住宅+19.8%と受注が加速しており、来期売上+12.7%・営業利益+25.0%予想の背景となる。
  • キャッシュリッチな財務体質: 自己資本比率72.6%・実質無借金で現金及び預金958億円を抱え、金利上昇局面への耐性が高い建設・不動産グループ。

2. 配当判断サマリー

  • 年間配当56→67円(+11円)・来期77円予想(+10円)、普通配当ベースでは53→67→77円と2年で急増配
  • 配当性向25.7%を維持したEPS成長連動型で、利益成長が続く限り増配余地が大きい(逆に性向引き上げのコミットはまだない)
  • 前期期末配当に記念配当3円を含み、普通配当ベースでは2024→2025が53円据え置き。ただし直近5年で減配はなし
  • 同じマンション建設・分譲を主力とする長谷工コーポレーション(1808)との比較では、実質無借金・自己資本比率72.6%という財務の厚みが目立つ

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(77/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 35 性向10・DOE7・利回り7・方針3・耐性8
財務 25 23 自己資本10・ネットキャッシュ10・営業CF安定性3
収益 25 19 営業利益率12・ROE7
合計 100 77

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 配当性向 10/10: 25.7%(メーカー・小売枠の中央値35%以下)で配当原資に余裕があり満点
  • 自己資本比率 10/10: 72.6%(60%以上)で満点。建設・不動産グループとしては異例の高水準
  • ネットキャッシュ 10/10: 実質無借金で現金及び預金958億円、時価総額約1,248億円に対し約76.8%(30%以上帯)で満点
  • 営業利益率 12/15: 14.7%(10〜15%帯)で12点。建設事業の採算改善とマンション販売の好調が寄与
  • 増配・減配耐性 8/10: 普通配当ベースで直近5年減配なし+来期+10円増配予想で8点。2025年が普通配ベースで据え置きのため10点(3年連続増配)には一歩届かず
  • DOE 7/10: 3.1%(3〜5%帯)で7点
  • 配当利回り 7/10: 予想DPS77円÷株価¥2,034=3.79%で3.5〜4.5%帯・7点
  • ROE 7/10: 11.9%(10〜15%帯)で7点

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 配当方針 3/10: 業績に応じた安定的な配当を基本方針とする定性方針にとどまり、配当性向・DOE・累進の数値目標は非開示で3点

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコアの位置: 実質無借金・自己資本比率72.6%・ネットキャッシュ満点の財務基盤に、営業利益率14.7%・ROE11.9%の収益力と、配当性向・耐性が満点圏の還元が加わりB上位の77点
  • Bにとどまる理由: 配当方針が数値目標・累進を伴わない定性的な安定配当(3点)にとどまり、DOE3.1%・営業CFのブレ・利回り3.8%が加点を抑える
  • 読み筋: 同じ物差しでは「低性向・高財務で増配余地の大きい建設デベロッパー」。加点を伸ばす鍵は配当方針の数値化(性向目標・DOE目標・累進)の有無で、現状は方針の明文化が最大の伸びしろ

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. Pros & Cons

4-1. ✅ Pros

  • 製販一貫の自社開発体制: 用地取得から企画・設計・施工・分譲・管理までを自社グループで担う製販一貫体制で自社マンションブランドを開発し、外注マージンの流出を抑えて開発利益を内部化する。市況が堅調な局面では利益率を押し上げ、配当原資を厚くする方向に働く。
  • 非住宅・多角化への受注シフト: 会社は工場・倉庫・商業・宿泊等の非住宅案件と再開発・シニアマンションへの取り組み強化を掲げ、住宅分譲一本足からの多角化を進める。マンション市況単独への依存を薄め、配当原資の振れを抑える方向に働く。

4-2. ⚠️ Cons

  • マンション市況・金利への感応度: 開発事業等は首都圏マンション市況と金利水準に感応し、会社も金利上昇と物価高による購入意欲低下を懸念として明記する。当期は開発事業等売上が△6.1%と既に減速しており、配当原資の変動要因となる。
  • 労務・資材コストの上昇圧力: 建設事業では慢性的な労務不足に加え、原油価格の動向による資材・工事コストの一段の上昇を会社が懸念として挙げる。採算が圧迫されれば増益基調と配当原資の伸びを鈍らせる確認点となる。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)


5. 筆者メモ

配当性向25%台を維持したまま普通配当を53→67→77円と増額。実質無借金・自己資本比率72.6%と原資に余裕があり、利益成長が続く限り増配余地は大きいと感じる。

次回(2027年3月期 第1四半期)見るポイント:

  • 営業利益+25.0%予想に対する第1四半期の進捗率と業績予想修正の有無
  • 開発事業等(マンション分譲)売上の回復基調・首都圏市況と金利動向
  • 普通配当ベースの増配継続と配当性向25%台の維持

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年3月期(前期)実績 56円(中間26+期末30 ※期末に記念配当3円含む・普通配当ベース年53円)
2026年3月期(当期)実績 67円(中間30+期末37・+11円)
2027年3月期予想 77円(中間38+期末39・+10円)
配当性向(連結・表面) 25.7%(67円 ÷ EPS260.30円・決算短信記載値)
DOE(連結・純資産配当率) 3.1%(決算短信記載値)
配当利回り 3.79%(予想DPS77円 ÷ 株価¥2,034・2026-07-17終値・J-Quants API)
配当方針 会社は株主への利益還元を経営の重要方針と位置づけ、財務体質の強化・内部留保の充実を図りつつ、業績に応じた安定的な配当を行うことを基本方針とする(配当性向・DOE・累進などの数値目標は非開示)
連続増配年数 表面DPSでは5期連続増配だが、記念配当を除く普通配当ベースでは2025年が据え置き・2026年に再増配

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2017 16.00 217.21 7.4%
2018 18.00 152.76 11.8%
2019 19.00 172.20 11.0%
2020 19.00 180.29 10.5%
2021 19.00 164.73 11.5%
2022 21.00 184.68 11.4%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023 27.00 205.49 13.1%
2024 53.00 210.06 25.2%
2025 56.00 219.13 25.6%
2026(実績) 67.00 260.30 25.7%
2027(予想) 77.00 299.20 25.7%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用、直近期(2026/3)は決算短信記載と一致確認済
  • 記念配当の内訳: 2025年3月期の期末配当30円は普通配当27円+記念配当3円(年間普通配当ベース53円)。表面では2024→2025が53→56円だが、普通配当ベースでは53→53円で据え置き。過去6年の表面・実質の対応は下表のとおり
年度 表面DPS(円) 実質普通DPS(円) 備考
2021 19.00 19.00
2022 21.00 21.00
2023 27.00 27.00
2024 53.00 53.00
2025 56.00 53.00 記念配当3円含む(内訳は短信「配当の状況」注記に基づく)
2026 67.00 67.00
  • 配当政策の傾向: 業績連動で配当性向25%台を維持。普通配当ベースで53→67→77円(2025→2026→2027予想)と急増配基調で、減配履歴は EDINET DB 確認範囲(過去10年)で確認できず

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 普通配当ベースで53→67→77円(2025→2027予想)と2年で+45%の増配。配当性向25%台を維持したままEPS成長(219→299円予想)が増配原資を裏付ける
  • 方針シグナル: 短信本体に配当方針の専用セクションはなく、会社は「業績に応じた安定的な配当」を定性的に掲げるにとどまる。配当性向目標・DOE目標・累進などの数値コミットは非開示で、方針面は伸びしろ
  • 耐性実績: 記念配当を除く普通配当ベースで直近5年減配なし。2024→2025は据え置いたが2026年に再増配し、来期も+10円増配予想

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

指標 当期 前期 前期比
売上高 1,384.28億円 1,316.62億円 +5.1%
営業利益 204.05億円 183.10億円 +11.4%
経常利益 207.71億円 183.69億円 +13.1%
当期純利益 152.24億円 128.16億円 +18.8%
EPS 260.30円 219.13円 +18.8%
ROE 11.9% 10.9% +1.0pt

セグメント別(対前年比)

区分 売上 前期比
建設事業(完成工事高) 836.20億円 +14.1%
開発事業等(不動産分譲等) 548.07億円 △6.1%

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟢 特別損益の計上はなく(税前利益≒経常利益)、増益は建設採算改善とマンション販売による本業由来
営業外損益 🟢 経常+13.1%が営業+11.4%を上回る。受取利息が0.26→3.10億円へ増加(定期預金の運用)
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟢 純利益+18.8%は増収効果と法人税負担の安定による。特殊要因なし
開示の誠実性 🟢 会計方針変更・見積り変更なし・記念配当の内訳を注記で明示・機関投資家向け説明会あり

業績の質: 良好(一過性の嵩上げなし・本業の増収増益)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2025/3 2026/3
営業CF(百万円) 2,654 17,244
投資CF(百万円) △34,434 △7,555
財務CF(百万円) △3,740 △3,517
現金及び現金同等物 期末残高(百万円) 48,653 54,824
自己資本比率(%) 70.7 72.6
  • 有利子負債: 連結貸借対照表に短期・長期借入金の計上はなく実質無借金(参考のCF指標でもキャッシュ・フロー対有利子負債比率・インタレストカバレッジは「—」表記)
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金95,824百万円(BS流動・3ヶ月超の定期預金を含むため、上表のCF計算書「現金及び現金同等物」54,824百万円とは集計範囲が異なる)−有利子負債(実質ゼロ)=+95,824百万円。時価総額約1,248億円(株価¥2,034×発行済61,360,720株)に対し約76.8%(時価総額比30%以上帯)で10/10点

7-3. 来期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上高 1,560.00億円 +12.7%
営業利益 255.00億円 +25.0%
経常利益 260.00億円 +25.2%
親会社株主帰属当期純利益 175.00億円 +14.9%
EPS 299.20円 +14.9%

来期は連結受注高1,634億円(+6.0%)の伸びを背景に増収増益を見込むが、会社は金利上昇と物価高によるマンション購入意欲の低下、労務不足・資材高騰を利益のリスク要因として挙げている。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
通期売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・ROE・営業利益率 2026年3月期 決算短信(2026-05-12開示) 🟢 一次情報
来期業績予想 2026年3月期 決算短信「1.(4)今後の見通し」 🟢 一次情報
配当実績・来期予想・配当性向・DOE・記念配当の内訳 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
配当方針(定性) 会社IR・有価証券報告書「配当政策」 🟡 補助データ
自己資本比率・純資産・現金及び預金・有利子負債 2026年3月期 決算短信「連結貸借対照表」「連結CF計算書」 🟢 一次情報
セグメント別(建設事業・開発事業等) 2026年3月期 決算短信「連結損益計算書」「経営成績の概況」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥2,034(2026-07-17終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。