【東テク(9960)】配当B(81点)・累進配当方針 — 2027年3月期Q1

観察中(筆者は当該銘柄を未保有)📁 卸売業

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結論: 計装工事の期ずれでQ1減益、通期と128円は据え置き

📊 スコア: B 81点
💰 配当: 128→128円予想(±0円・中間35→42円へ配分シフト・第1四半期時点で修正なし)
良い点: DOE6%+累進配当、DOE実績7.8%、自己資本比率66.1%
⚠️ 注意点: 営業益△12.4%進捗率14.5%、予想利回り3.33%


1. 業績ハイライト

  • 売上高36,691百万円(+1.5%)・第1四半期は微増収で発進
  • 営業利益2,601百万円(△12.4%)・四半期の利益率は7.1%へ低下
  • 経常利益2,977百万円(△9.5%)・純利益1,978百万円(△10.4%)
  • 通期予想は据え置き・営業利益の進捗率14.5%で標準ペース25%に届かず
  • 自己資本比率66.1%(+2.1pt)・保有株式の時価上昇が押し上げ

サマリー

  • 減益の中身は販管費: 売上総利益は10,074→10,430百万円(+3.5%)と356百万円増えたが、販売費及び一般管理費が7,106→7,829百万円(+10.2%)へ723百万円増え、差し引き367百万円の営業減益になった。粗利段階では増益である
  • 工事の売上計上が翌四半期へ: 会社は利益の主力である計装工事について、案件の大型化・長期化で第1四半期の進捗が翌四半期以降へシフトしたと説明している。受注高・受注残高は堅調として通期予想を据え置いた(第1四半期決算短信)
  • 進捗は前年同期より低い: 営業利益の通期進捗は14.5%。前期第1四半期の営業利益2,968百万円は前期通期実績17,125百万円の17.3%に当たり、今期はこれを2.8pt下回る位置から入っている

2. 配当判断サマリー

  • 当期予想は中間42円+期末86円の年128円で、前期実績128円と同額(±0円)。第1四半期決算短信でも配当予想の「修正の有無:無」が確認された。中間が35→42円へ+7円、期末が93→86円へ△7円と、年間同額のまま中間へ配分が前倒しされている
  • 配当方針は第二次中期経営計画(2026年度〜)から「DOE(純資産配当率)6%+累進配当」。前期実績のDOE 7.8%は下限の6%を1.8pt上回っており、据え置きでも下限に対する余裕が残っている
  • 分割後ベースで2014年3月期を起点に13期連続増配、過去14年(2013年3月期〜2026年3月期)で減配なし。記念配当を除いた実質普通配当ベースでも同じ13期で、当期予想は128円の据え置きのため増配は13期で止まる予想となっている
  • 同じ計装工事を主力とする日本電技(1723)(B73点)も累進配当方針を掲げ、設備工事のダイダン(1980)(B81点)はDOE4.8%を下限に置く。本銘柄はDOEの下限と累進を併記する型に当たる

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(81/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 42 性向10・DOE10・利回り4・方針10・耐性8
財務 25 17 自己資本10・ネットキャッシュ4・営業CF安定性3
収益 25 22 営業利益率12・ROE10
合計 100 81

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 配当性向 10/10: 38.3%(当期予想128円 ÷ 予想EPS334.03円・配当÷EPSで再計算)。卸売業は中央値50%以下で満点となる帯にあり、前期実績の40.1%からさらに下がった
  • DOE 10/10: 7.8%(2026年3月期決算短信の純資産配当率・連結)。5%以上で満点の帯で、会社が下限に置く6%も上回る。第1四半期決算短信の配当表には純資産配当率の欄がないため直近の通期開示値を用いた
  • 配当方針 10/10: 第二次中期経営計画(2026年度〜)で「DOE(純資産配当率)6%+累進配当」を明示し、従来の配当性向基準から転換した(2026年3月期決算短信)。累進の宣言があるため方針項目は最上位帯
  • 自己資本比率 10/10: 66.1%(前期末64.0%から+2.1pt)。卸売業は在庫・運転資金の借入で構造的に低く出るため40%以上で満点となる補正が入るが、本則の60%以上でも満点に届く水準
  • ROE 10/10: 18.5%(通期予想の純利益13,700百万円 ÷ 平均自己資本74,167百万円=前期末73,669百万円と当第1四半期末74,666百万円の平均・本ブログ算出)。15%以上で満点の帯
  • 営業利益率 12/15: 10.0%(通期予想の営業利益18,000百万円 ÷ 売上高180,000百万円・本ブログ算出)。卸売業は仕入販売の薄利で構造的に低く出るため5〜10%帯が12点へ底上げされる補正が入るが、本則の10〜15%帯でも同じ12点に届く水準。四半期単独の実績7.1%ではなく当期通期の会社予想を採点根拠としている
  • 増配減配耐性 8/10: 過去14年(2013年3月期〜2026年3月期)で減配なし・13期連続増配だが、当期予想は128円の据え置きで増配が止まる。減配なしと当期維持の条件は満たすが、増配継続の最上位帯には届かない

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 配当利回り 4/10: 3.33%(予想DPS128円 ÷ 株価¥3,845・2026-08-31終値)。2.5〜3.5%帯。前期カルテ時点の3.18%から株価が△4.5%下がった分だけ利回りは上がったが、帯は同じ
  • ネットキャッシュ 4/10: +3,871百万円時価総額比2.4%。「プラス・時価総額の10%未満」帯。算定根拠は §7-2 参照

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期カルテ81点 → 今期81点(±0点)。カテゴリ別でも配当42点・財務17点・収益22点と内訳まで前期カルテと同じ構成になっている
  • 変動の内訳: 帯をまたいだ項目はゼロ。配当性向は40.1%→38.3%、配当利回りは3.18%→3.33%(株価¥4,025→¥3,845)、自己資本比率は64.0%→66.1%、ネットキャッシュ+4,630+3,871百万円と動いたが、いずれも同じ得点帯の中の移動にとどまった。なお収益2項目は採点根拠の期間が変わっており、前期カルテが2026年3月期実績(営業利益率10.1%・ROE19.5%)を用いていたのに対し、本カルテは四半期・中間期の採点根拠を当期通期の会社予想に置く基準に沿って10.0%・18.5%を用いている。どちらの基準でも同じ帯で12点・10点である
  • 満点5項目は維持: 配当性向10・DOE10・配当方針10・自己資本比率10・ROE10の5項目が前期カルテから満点を継続している
  • 現在の位置づけ: 失点19点の内訳は配当利回り6点・ネットキャッシュ6点・営業利益率3点・増配減配耐性2点・営業CF安定性2点。還元方針そのものではなく、株価水準と仕入販売業の運転資金構造で決まる項目に失点が集まっており、B(70〜84点)の上位に位置している

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

4-1. ✅ 事業の強み

  • 需要源が複線化した設備投資エクスポージャー: 都市部の再開発案件に加え、データセンターや再生可能エネルギー関連でも投資意欲が底堅く推移していると会社が開示している(第1四半期決算短信)。単一分野の失速が配当原資を直撃しにくい
  • バランスシート最適化の数値コミット: 現預金水準を月商1.5カ月、政策保有株式を2030年度末に連結純資産の15%以下とする方針を掲げる(2026年3月期決算短信)。第1四半期末の投資有価証券25,351百万円の縮減が進めば還元原資の裏付けになる

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 工期管理に採算が左右される事業環境: 建設資材価格の高止まりと建設業特有の人手不足により、工期管理と施工体制の確保が継続的な課題と会社が明記(第1四半期決算短信)。工事の長期化が進むほど配当原資の見通しが立てにくくなる
  • 買収で積み上がった無形資産: 三王機工の取得原価配分が前期末に確定し、当第1四半期末にのれん843百万円と顧客関連資産1,125百万円が残る(第1四半期決算短信)。取得先の収益が計画に届かなければ償却と減損が純利益を削り、配当原資に直接効く

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)


5. 筆者メモ

Q1の営業益は12%減ったが、粗利は増えている。減益は工事の売上計上が後ろにずれたことと人件費増によるもので、下期に戻るかどうかがこの一年の焦点になる。

次回(2027年3月期 中間期・2026年11月発表予定)見るポイント:

  • 期ずれした計装工事の売上計上 — 第1四半期で14.5%にとどまった営業利益の通期進捗が中間期でどこまで戻るか
  • 中間配当42円の実施 — 新方針の初年度に中間へ+7円前倒しした配分がそのまま実行されるか
  • 販売費及び一般管理費の伸び — 新卒採用拡大とベースアップによる+10.2%の増加に売上の伸びが追いつくか

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年3月期実績 中間24円+期末92円=年116円(期末に創業70周年記念配当7円を含む・実質普通配当は109円)
2026年3月期実績 中間35円+期末93円=年128円(表面+12円・記念配当7円が剥落した後の実質普通配当ベースでは+19円・全額が普通配当)
2027年3月期予想 中間42円+期末86円=年128円(±0円・第1四半期決算短信で修正なし)
配当性向(連結・表面) 38.3%(当期予想128円 ÷ 予想EPS334.03円・2026年3月期決算短信「2.配当の状況」の予想欄と一致)
DOE(連結・純資産配当率) 7.8%(2026年3月期決算短信記載値・前期8.3%)
配当利回り 3.33%(予想DPS128円 ÷ 株価¥3,845・2026-08-31終値・J-Quants API)
配当方針 第二次中期経営計画(2026年度〜)で「DOE(純資産配当率)6%+累進配当」を明示(2026年3月期決算短信「1.(4)今後の見通し」)。従来の配当性向基準から転換し、単年度の純利益の変動に左右されない安定的な還元を掲げる。あわせて株主資本コスト9〜10%に対し ROE12〜15% を目標に置く
連続増配年数 13期連続増配(2014年3月期→2026年3月期・分割後ベース。記念配当を除いた実質普通配当ベースでも同じ13期)。会社側に「N期連続増配」の表明はなく、本ブログが §6-2 の系列から集計した値。当期予想は128円据え置きのため、14期目の増配は当期予想には織り込まれていない

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算・分割後ベース統一)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円・分割後換算) 実質普通DPS(円・分割後換算) EPS(円・分割後換算) 配当性向
2013/3期 6.00 6.00 27.14 22.1%
2014/3期 6.33 6.33 32.64 19.4%
2015/3期 7.33 7.33 40.46 18.1%
2016/3期 11.33 11.33 56.66 20.0%
2017/3期 14.00 14.00 68.67 20.4%
2018/3期 17.33(記念1.67含む) 15.67 76.24 20.6%
2019/3期 22.33 22.33 98.57 22.7%
2020/3期 26.67 26.67 116.48 22.9%
2021/3期 28.00 28.00 117.10 23.9%
2022/3期 46.33 46.33 115.27 40.2%
年度 DPS(円・分割後換算) 実質普通DPS(円・分割後換算) EPS(円・分割後換算) 配当性向
2023/3期 54 54 127.43 42.4%
2024/3期 68.33 68.33 170.36 40.1%
2025/3期 116(記念7含む) 109 272.06 40.1%
2026/3期 128 128 319.18 40.1%
2027/3期(予想) 128 128 334.03 38.3%

(注)

  • データ基準: 2013年3月期〜2025年3月期のDPS・EPSはEDINET DB(有価証券報告書由来)引用、2026年3月期実績と2027年3月期予想は決算短信の記載値。全期を現在の株式数(期末発行済株式総数41,964,000株)に揃えた分割後ベースで統一している。配当性向は各年度とも実質普通DPS÷EPSで再計算
  • 分割の扱い: 2024年4月1日付で普通株式1株につき3株の株式分割を実施した(2024年1月31日の取締役会決議・基準日2024年3月31日)。発行済株式総数は13,988,000株から41,964,000株へ増え、資本金・資本準備金の増減はない純粋な分割である(出典: 2024年3月期 第3四半期報告書「重要な後発事象」、2025年3月期 有価証券報告書「発行済株式総数、資本金等の推移」)。上表のDPSは2024年3月期以前が開示額÷3の換算値(2025年3月期以降は開示額が既に分割後)、EPSは2023年3月期以前が開示額÷3の換算値で、2024年3月期以降は開示値をそのまま採用している
  • 2024年3月期の1年ずれ: 分割の効力発生日(2024年4月1日)が2024年3月期の期末(2024年3月31日)の翌日に当たるため、同期は配当と利益で分割の反映時点が1年ずれる。期末配当の基準日が効力発生日より前のため年間配当205円は分割前の名目額で開示される一方、1株当たり当期純利益は分割を第65期の期首に遡って適用した170.36円で開示されている(出典: 2024年3月期 有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」注記)。開示値どうしを単純に並べると配当性向が120%を超えて見えるが、分割後ベースへ揃えたDPS68.33円で計算した40.1%が実勢で、会社が同有報「配当政策」で示す連結配当性向40.1%とも一致する
  • DPS列の方針: 1列目は表面DPS(記念配当を含む年額)、2列目は実質普通配当ベース(記念配当を除外)。該当のない年は両列が同値。配当性向は実質普通配当ベースで再計算しており、表面ベースでは2018年3月期22.7%・2025年3月期42.6%となる
  • 記念配当の扱い: 2018年3月期の年間配当52円(分割後換算17.33円)には東京証券取引所市場第一部指定記念配当5円(同1.67円)、2025年3月期の年間配当116円には創業70周年記念配当7円が含まれる(出典: 2018年3月期 有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」注記および「配当政策」、2025年3月期 有価証券報告書「配当政策」)。いずれも実質普通配当ベースで前年を上回っており(2017年3月期14.00円→2018年3月期15.67円、2024年3月期68.33円→2025年3月期109円)、記念配当の剥落による見かけの減配は発生していない
  • 連続増配の数え方: 2013年3月期6.00円を起点に2014年3月期6.33円から2026年3月期128円まで13期連続で増配しており、表面ベースでも実質普通配当ベースでも同じ13期になる(上表を並べれば読者側でも確認できる)。会社側に「N期連続増配」の表明はなく、本ブログが上表の系列から集計した値である
  • 配当政策の傾向: 分割後ベースで2021年3月期28円から2026年3月期128円まで5期で4.6倍。配当性向は20%台前半から40%前後へ切り上がり、2026年度からは配当性向基準を外してDOE6%+累進配当へ移行した

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 分割後ベースで2014年3月期6.33円から2026年3月期128円まで13期連続増配。ただし直近の増配幅は実質普通配当ベースで2024年3月期+14.33円→2025年3月期+40.67円→2026年3月期+19円と揃っておらず、当期予想では±0円で止まる
  • 方針シグナル: 2026年度からの第二次中期経営計画で配当性向基準を撤廃し「DOE6%+累進配当」へ転換。累進配当は前期を下回らないという宣言のため、当期の128円据え置きはこの枠内に収まる。DOEの下限6%に対し前期実績は7.8%で、純資産が増えても下限に触れるまでの距離がある
  • 耐性実績: 過去14年(2013年3月期〜2026年3月期)で減配なし。コロナ期の2021年3月期も分割後ベースで26.67→28円と増配を維持しており、業績が振れた局面でも配当を下げていない

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー(第1四半期累計)

指標 当第1四半期 前年同期 前年同期比
売上高 36,691百万円 36,161百万円 +1.5%
売上総利益 10,430百万円 10,074百万円 +3.5%
販売費及び一般管理費 7,829百万円 7,106百万円 +10.2%
営業利益 2,601百万円 2,968百万円 △12.4%
営業利益率(四半期実績) 7.1% 8.2% △1.1pt
経常利益 2,977百万円 3,290百万円 △9.5%
親会社株主帰属四半期純利益 1,978百万円 2,207百万円 △10.4%
EPS 48.24円 53.63円 △10.1%

前年同期の数値は、三王機工の企業結合に係る暫定的な会計処理が前連結会計年度末に確定したことを受けて見直しが反映された後の金額である(第1四半期決算短信)。通期予想に対する進捗率は売上高20.4%・営業利益14.5%・経常利益16.1%・親会社株主帰属当期純利益14.4%(いずれも百万円実額から算出)で、標準ペース25%を下回る。前期第1四半期を前期通期実績で割った進捗は売上高21.3%・営業利益17.3%であり、今期はいずれもこれを下回る位置にある。純利益の減少率△10.4%に対しEPSの減少率が△10.1%と小さいのは、期中平均株式数が41,158,811株から41,008,886株へ減ったためである。

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上 前期比 セグメント利益 前期比
商品販売事業 21,626百万円 +2.6% 4,871百万円 +7.8%
工事事業 16,171百万円 +2.9% 5,570百万円 +0.4%

売上はセグメント間の内部売上高を含む区分計。セグメント利益は決算短信の注記どおり連結損益計算書の売上総利益と調整を行った値で、報告セグメント計10,441百万円に「その他」(太陽光発電事業)5百万円を加えた合計10,446百万円から調整額△15百万円を差し引くと10,431百万円となり、四半期連結損益計算書の売上総利益10,430百万円に対応する。短信の各欄は百万円未満切り捨て表示のため、掲載値をそのまま加減すると1百万円の差が残る(売上高の区分計21,626+16,171と報告セグメント計37,798にも同じ差がある)。商品販売事業は都市部再開発案件の受注環境を背景に増収増益、工事事業は保守領域の提案型受注が奏功して増収だが、利益の伸びは+0.4%にとどまった。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 中程度 減益の主因は計装工事の売上計上時期の期ずれで、会社は受注そのものは堅調としている(第1四半期決算短信)。ただし期ずれした金額は開示されておらず、下期に戻る規模を数値で確認することはできない
営業外損益 🟢 軽微 営業外収益437→493百万円・営業外費用115→117百万円。経常△9.5%が営業△12.4%より小さいのは受取配当金が210→300百万円へ増えたためで、規模も小さい
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟢 軽微 特別利益・特別損失の計上はなく、税金等調整前四半期純利益2,977百万円は経常利益と同額。法人税等合計は1,084→998百万円で、税負担率は33.0%→33.5%とほぼ横ばい
開示の誠実性 🟡 中程度 減益要因を期ずれと販管費増に分けて文章で説明し、通期予想を据え置いた根拠も示している。一方で第1四半期はキャッシュ・フロー計算書を作成しておらず、受注高・受注残高の実額は短信本体には記載がない

業績の質: 粗利段階では増益で、減益は販管費増と工事の期ずれによる(期ずれした金額は短信本体では開示されていない)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2026年3月期(通期・前期末) 2027年3月期第1四半期(当第1四半期末)
営業CF(百万円) 9,594 N/A(CF未作成)
投資CF(百万円) △8,506 N/A(CF未作成)
財務CF(百万円) △4,973 N/A(CF未作成)
現金及び預金(BS・百万円) 11,303 12,079(+6.9%)
短期有価証券(BS流動・百万円) 0 0
現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) 9,211 N/A(CF未作成)
自己資本比率(%) 64.0 66.1(+2.1pt)

CFの3行は通期実績(左列は2026年3月期)。第1四半期は四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成していないため右列は該当値なしとした。現金及び預金・短期有価証券・自己資本比率は各期末時点(左列は前期末=2026年3月末、右列は当第1四半期末=2026年6月末)。四半期連結貸借対照表の流動資産に有価証券の掲記はないため、短期有価証券は0とした。

  • 有利子負債: 短期借入金6,499百万円+長期借入金303百万円+リース債務1,406百万円=8,208百万円(2026年6月末)。前期末は同じ内訳で6,673百万円。四半期連結貸借対照表に社債・1年内返済予定の長期借入金・流動のリース債務の独立掲記はない。なお会社は「(2)財政状態に関する説明」で有利子負債の増加を1,509百万円としており、これは短期借入金と長期借入金の増減の合計に相当する(リース債務の増加26百万円を含まない)
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金12,079百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債8,208百万円 = +3,871百万円(2026年6月末BS基準)。時価総額161,352百万円(株価¥3,845×期末発行済株式数41,964,000株・自己株式を含む)の2.4%で「プラス・時価総額の10%未満」帯(4/10点)。前期末は同じ算式で+4,630百万円だった
  • 営業CF安定性: 採点は直近5期(2022年3月期〜2026年3月期)の通期実績11,010 → 4,758 → 9,939 → 13,883 → 9,594百万円を対象とする。5期連続黒字だが5期平均9,837百万円に対する振れが±20%を超える期があるため3/5点
  • 自己資本比率が上がった中身: 自己資本は73,669→74,666百万円へ997百万円増えた。配当金の支払いで利益剰余金が1,848百万円純減した一方、保有株式の時価上昇でその他有価証券評価差額金が2,775百万円増えたことが主因である。総資産も営業債権・棚卸資産の6,953百万円減少などで115,120→113,018百万円へ縮み、分母と分子の両方が比率を押し上げた

7-3. 通期業績予想(2027年3月期・2026年5月14日公表から修正なし)

項目 予想 前期比
売上高 180,000百万円 +5.9%
営業利益 18,000百万円 +5.1%
経常利益 18,500百万円 +2.9%
親会社株主帰属当期純利益 13,700百万円 +4.3%
EPS 334.03円 +4.7%
営業利益率(通期予想) 10.0%(18,000百万円÷180,000百万円・本ブログ算出) △0.1pt
ROE(通期予想) 18.5%(予想純利益13,700百万円÷平均自己資本74,167百万円〔期首73,669百万円と当第1四半期末74,666百万円の平均〕・本ブログ算出) △1.0pt

(注)前期比欄の営業利益率・ROEは2026年3月期実績(10.1%・19.5%)との比較。EPS予想は2026年3月期決算短信では334.10円だったが、第1四半期決算短信では334.03円に更新されている(期中平均株式数の見直しによるもので、業績予想の金額に修正はない)。会社は増収率+5.9%に対し営業増益率を+5.1%、経常増益率を+2.9%と置いており、採用拡大とベースアップによる人件費増を織り込んだ設定になっている。連結範囲は当第1四半期にQuantum Automation(Shanghai)Co.,Ltd.の1社を除外した。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
第1四半期の売上高・売上総利益・販売費及び一般管理費・営業利益・経常利益・純利益・EPS・期中平均株式数 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026-08-07開示) 🟢 一次情報
通期業績予想(2026-05-14公表から修正なし)・連結範囲の変更 2027年3月期 第1四半期決算短信「3.2027年3月期の連結業績予想」「1.(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」「※注記事項」 🟢 一次情報
営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と直近開示時点自己資本の平均) 🟡 補助データ
配当実績・当期配当予想・配当性向38.3%・純資産配当率(DOE)7.8% 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」(配当性向・純資産配当率の欄を含む)。当期予想128円が据え置かれた事実は 2027年3月期 第1四半期決算短信「2.配当の状況」で確認 🟢 一次情報
配当方針(DOE6%+累進配当)・ROE12〜15%目標・政策保有株式の削減方針 2026年3月期 決算短信「1.(4)今後の見通し」 🟢 一次情報
自己資本比率・自己資本・現金及び預金・短期有価証券・有利子負債・のれん・顧客関連資産・投資有価証券・期末発行済株式総数 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」「※注記事項(4)発行済株式数」 🟢 一次情報
営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 期末残高(2026年3月期) 2026年3月期 決算短信「1.(3)連結キャッシュ・フローの状況」 🟢 一次情報
セグメント別売上・セグメント利益・企業結合の暫定的な会計処理の確定 2027年3月期 第1四半期決算短信「1.(1)経営成績に関する説明」「セグメント情報等の注記」「企業結合等関係」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移・営業CF5期時系列 EDINET DB 🟢 一次情報
2024年4月1日付 1株→3株の株式分割(決議日・基準日・株数・資本金等の推移)と遡及適用の範囲 2024年3月期 第3四半期報告書「重要な後発事象」、2024年3月期 有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」注記・「配当政策」、2025年3月期 有価証券報告書「発行済株式総数、資本金等の推移」 🟢 一次情報
2018年3月期の東京証券取引所市場第一部指定記念配当5円・2025年3月期の創業70周年記念配当7円 2018年3月期 有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」注記・「配当政策」、2025年3月期 有価証券報告書「配当政策」 🟢 一次情報
2013年3月期の1株当たり配当額18円(連続増配の起点判定に使用) 2017年3月期 有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」(第58期欄) 🟢 一次情報
株価¥3,845(2026-08-31終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

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本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。