【あいホールディングス(3076)】配当A(86点)・性向50%目標 — 2026年6月期

保有中(筆者が当該銘柄を保有)📁 卸売業

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結論: DOE6%基準の初年度に年125円へ増配

📊 スコア: A 86点
💰 配当: 100→125円(+25円)、来期140円予想(+15円)
良い点: DOE6%目標明示、5期連続増配、自己資本80.8%、利回り4.86%
⚠️ 注意点: 純利益△43.7%(前期特益の反動)、来期予想性向82.9%、来期ROE7.6%


1. 業績ハイライト

  • 売上高 850.24億円(+28.4%)・情報通信の通年寄与が牽引
  • 営業利益 107.62億円(+21.1%)・前期の減益から増益へ転換
  • 経常利益 125.35億円(+39.2%)・為替差益と持分法益が押し上げ
  • 純利益 119.37億円(△43.7%)・前期の負ののれん178.78億円が剥落
  • 自己資本比率 80.8%(+3.1pt)・実質無借金の財務を維持

サマリー

  • 情報通信が第2の柱に: 売上高+28.4%の主因は情報通信セグメントの外部売上271.02億円(+129.2%)で、ナカヨの通年寄与と岩崎通信機の連結効果が全社の増収幅をほぼ説明する
  • 業績の質に留意: 純利益△43.7%は前期に計上した負ののれん発生益178.78億円が剥落した反動で、営業+21.1%・経常+39.2%が示す本業の実勢は増益基調にある
  • 来期は減益計画: 会社予想は営業110億円(+2.2%)に対し経常117億円(△6.7%)・純利益90億円(△24.6%)で、当期の固定資産売却益38.36億円の反動を織り込んでいる

2. 配当判断サマリー

  • 当期DPS125円(+25円)が確定し、来期は140円(+15円)予想で2期続けての大幅増配
  • 「DOE6%と配当性向50%のいずれか大きい金額」を基準とする方針の初年度で、純資産配当率5.8%を実現。DOEを併用する方針のマックス(6454)と並ぶDOE目標型
  • 当期の配当性向は55.8%だが来期予想は82.9%まで上昇し、EPSが下がる局面での増配継続が性向を押し上げる構図
  • 予想利回り4.86%(140円÷株価¥2,881)は、同じ卸売業でDOE目標を掲げるリックス(7525)と並ぶ高水準

3. スコア内訳

配当持続性ランク: A(86/100点) ★★★★★

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 47 性向9・DOE10・利回り10・方針8・耐性10
財務 25 23 自己資本10・ネットキャッシュ10・営業CF安定性3
収益 25 16 営業利益率12・ROE4
合計 100 86

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • DOE 10/10: 純資産配当率5.8%(決算短信記載値)で5%以上の満点帯。会社方針のDOE6%基準ともほぼ整合する水準
  • 配当利回り 10/10: 4.86%(来期予想DPS140円÷株価¥2,881)で4.5%以上の満点帯
  • 増配減配耐性 10/10: 直近5期(2022/6〜2026/6)が連続増配で減配なし、来期も+15円の増配予想のため判定順1(最上位)に該当
  • 自己資本比率 10/10: 80.8%(+3.1pt)。卸売業の業種補正(40%以上で10点)を待たず本則の60%以上で満点
  • ネットキャッシュ 10/10: +540.32億円(現金及び預金548.25億円+短期有価証券0−有利子負債7.93億円)で時価総額1,630.37億円の33.1%。30%以上の満点帯に前カルテの29.8%から到達
  • 配当性向 9/10: 55.8%(125円÷EPS224.08円)。卸売業の中央値50%から+5.8ptで「中央値〜+10pt」帯
  • 営業利益率 12/15: 来期会社予想ベースで12.8%(営業利益110億円÷売上高860億円)。10〜15%帯に該当し、卸売業の業種補正(5%以上で12点)と同点
  • 配当方針 8/10: 「DOE6%と配当性向50%のいずれか大きい金額を基準」と決算短信で明示。DOE目標と配当性向目標の併記型のためDOE目標相当の8点

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • ROE 4/10: 来期会社予想ベースで7.6%(純利益90億円÷当期末自己資本1,176.51億円)。5〜10%帯にとどまり、当期実績10.5%からも低下する計画

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前カルテ(2026年6月期Q3)82点 → 今期86点(+4点)
  • 変動の内訳: 配当が42→47(配当性向7→9・配当利回り7→10)、財務が21→23(ネットキャッシュ7→10営業CF安定性4→3)、収益が19→16(ROE7→4)。ROEは採点根拠がQ3の年率換算実績から来期会社予想へ切り替わったことによる
  • 配当本体は満点維持: DOE10・増配減配耐性10はQ3カルテから変わらず、配当利回りも来期予想DPS140円ベースで満点帯に入った
  • 現在の位置づけ: 86点はA帯(85〜100)の下限に近い位置。点数の中心は配当4項目(DOE・利回り・耐性・性向)と自己資本比率・ネットキャッシュの満点にあり、収益カテゴリのROE4/10と営業CF安定性3/5が最大の減点要因

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

4-1. ✅ 事業の強み

  • 6事業を並列で持つ収益構造: セキュリティ機器・情報機器・計測機器・情報通信・設計事業など6報告セグメント+その他を並立させ、最大セグメントでも全社売上の31.9%にとどまる。特定事業の不振が配当原資を一度に細らせにくい構成になっている
  • 設備負担の軽い設計事業の伸長: 構造設計の安定受注に大口の耐震診断が加わり、セグメント利益14.82億円(+213.5%)と売上の伸び(+33.6%)を大きく上回った。追加投資を伴わない利益の上積みが還元原資を厚くする

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • M&A統合が途上: ナカヨの取得原価配分は2026年6月期末に確定したばかりで、会社は岩崎通信機とナカヨの融合加速を来期の重点課題に挙げている。統合が遅れれば情報通信の採算が計画を下回る余地が残る
  • 事務機器2区分が製品切替期: カード機器及びその他事務用機器は鉄骨CADの主力製品切替でセグメント利益3.10億円(△62.7%)、情報機器も個人向けは低価格の新製品への移行途上にある。切替の長期化は利益の情報通信偏重を強める

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年8月時点)。


5. 筆者メモ

新方針の初年度が終わり、年125円という結果まで見届けられた。DOE6%という数字の物差しが示されたことで、利益が振れる年でも配当の目安が読みやすくなった。持ち続けているのはこの読みやすさが理由だ。


6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年6月期実績 100円(中間45+期末55)
2026年6月期実績 125円(中間55+期末70・+25円)
2027年6月期予想 140円(中間70+期末70・+15円)
配当性向(連結・表面) 55.8%(125円 ÷ EPS224.08円・決算短信記載値)
DOE(連結・純資産配当率) 5.8%(決算短信記載値)
配当利回り 4.86%(予想DPS140円 ÷ 株価¥2,881・2026-08-19終値・J-Quants API)
配当方針 「DOE6%と配当性向50%のいずれか大きい金額を基準とし、財政状態、利益水準などを総合的に勘案したうえで利益配当を行う」(2026年6月期 決算短信「1.(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」)。DOE6%と配当性向50%を併記し、いずれか大きい方を基準とする形で還元の目安を定量化している(基準であり保証された下限ではなく、財政状態等を総合的に勘案するとしている)
連続増配年数 5期連続増配 + 来期予想で 6期目 継続見込み

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2016/6 30 121.70 24.7%
2017/6 36 126.60 28.4%
2018/6 38 129.35 29.4%
2019/6 40 113.74 35.2%
2020/6 45 97.57 46.1%
2021/6 45 123.81 36.3%
2022/6 60 163.40 36.7%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/6 80 174.06 46.0%
2024/6 90 331.11 27.2%
2025/6 100 405.63 24.7%
2026/6(実績) 125 224.08 55.8%
2027/6(予想) 140 168.94 82.9%

(注)

  • データ基準: 2024/6期以前はEDINET DB引用、2025/6期・2026/6期・2027/6期予想は2026年6月期 決算短信の記載値
  • 異常値の説明: 2024/6期・2025/6期のEPS急増(331.11円・405.63円)は企業結合に伴う一過性の利益によるもので、2025/6期には負ののれん発生益178.78億円が計上されている。なお2025/6期のEPSは、ナカヨとの企業結合に係る暫定的な会計処理が2026年6月期末に確定したことで405.63円へ遡及修正されている(修正前407.13円)
  • 配当政策の傾向: 2016/6期30円から2026/6期125円まで10年で約4.2倍、減配履歴はなくコロナ期(2020/6期・2021/6期)も45円を維持した。2026/6期からDOE6%と配当性向50%のいずれか大きい金額を基準とする方針が適用され、還元水準の目安が定量化された

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 2022/6期の60円以降5期連続で増配し、直近2期は+25円+15円(予想)と増配幅が拡大した。一方で当期はEPSが224.08円へ低下しており、増配の原資は利益成長より還元方針の引き上げに依存する割合が高まっている
  • 方針シグナル: 「DOE6%と配当性向50%のいずれか大きい金額を基準」と決算短信「1.(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」で明示。自己資本1,176.51億円に対するDOE6%は約70.6億円で、来期予想の配当総額(140円×自己株控除後53,272,931株=約74.6億円)はこれを上回る水準にある
  • 耐性実績: 2016/6期〜2026/6期(決算短信およびEDINET DBで確認できる範囲)で減配なし、コロナ期の2020/6期・2021/6期も45円を維持した。直近5期は連続増配で来期も増配予想のため、耐性は最上位の判定

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

指標 当期 前期 前期比
売上高 850.24億円 661.97億円 +28.4%
営業利益 107.62億円 88.89億円 +21.1%
経常利益 125.35億円 90.08億円 +39.2%
当期純利益 119.37億円 212.02億円 △43.7%
EPS 224.08円 405.63円 △44.8%
ROE 10.5% 22.4% △11.9pt

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上 前期比
セキュリティ機器 158.90億円 +4.5%
カード機器及びその他事務用機器 24.54億円 △21.0%
情報機器 126.71億円 △6.1%
計測機器 54.42億円 +8.8%
情報通信 271.02億円 +129.2%
設計事業 74.36億円 +33.6%
その他 140.26億円 +16.9%

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 前期の特別利益192.12億円には負ののれん発生益178.78億円が含まれ、特別損失70.81億円にも段階取得に係る差損51.64億円がある。当期は特別利益39.19億円(うち固定資産売却益38.36億円)・特別損失3.03億円と規模が大きく縮小した
営業外損益 🟢 持分法による投資利益8.23億円(前期4.15億円)と為替差益5.74億円(前期は為替差損4.82億円)が加わり、経常利益は+39.2%と営業利益の伸びを上回った
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟡 前期は法人税等合計が△0.66億円(税効果による戻し)で純利益を押し上げていたのに対し、当期は41.90億円の税負担。税前利益161.50億円(前期211.39億円)の減少と併せて純利益△43.7%となった
開示の誠実性 🟢 6報告セグメント+その他の売上・利益を開示し、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定と前期数値への遡及反映を表紙注記で明示している

業績の質: 本業は営業・経常とも増益で堅調、純利益の減少は前期一過性利益の剥落と税負担の正常化による(中位)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2025年6月期 2026年6月期
営業CF(百万円) 7,647 10,807
投資CF(百万円) 7,084 5,915
財務CF(百万円) △5,384 △7,976
現金及び預金(BS・百万円) 45,055 54,825
短期有価証券(BS流動・百万円) 0 0
現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) 44,790 54,577
自己資本比率(%) 77.7 80.8
  • 有利子負債: リース債務のみ(流動305百万円+固定488百万円=793百万円)。短期借入金・長期借入金・社債の計上はなく実質無借金
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金54,825百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債793百万円 = +54,032百万円(540.32億円)。時価総額1,630.37億円(株価¥2,881×期末発行済株式数56,590,410株(自己株式を含む))の 33.1% で30%以上帯 = 10/10点。投資有価証券59.97億円・関係会社株式75.27億円は固定資産の長期保有分のため分子に含めない
  • 営業CFの5期推移: 2022年6月期 80.95億円 → 2023年6月期 45.41億円 → 2024年6月期 84.32億円 → 2025年6月期 76.47億円 → 2026年6月期 108.07億円。直近期は2026年6月期 決算短信の連結キャッシュ・フロー計算書、それ以前はEDINET DBによる
  • 投資CFがプラス: 有形固定資産の売却による収入63.48億円・投資事業組合からの分配による収入8.88億円が、有形固定資産の取得15.16億円などの支出を上回ったため。土地は前期末比22.21億円減少している

7-3. 来期業績予想(2027年6月期)

項目 予想 前期比
売上高 860億円 +1.1%
営業利益 110億円 +2.2%
経常利益 117億円 △6.7%
親会社株主帰属当期純利益 90億円 △24.6%
EPS 168.94円 △24.6%
営業利益率(来期予想) 12.8%(110億円÷860億円・本ブログ算出) +0.1pt
ROE(来期予想) 7.6%(90億円÷1,176.51億円・本ブログ算出) △2.9pt

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
通期売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・ROE・営業利益率 2026年6月期 決算短信(2026-08-19開示) 🟢 一次情報
来期業績予想・配当方針 2026年6月期 決算短信「1.(4)今後の見通し」「1.(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」 🟢 一次情報
営業利益率(来期予想)・ROE(来期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は当期末自己資本(来期中の資本変動は予測不能のため単独値を使う)) 🟡 補助データ
配当実績・来期予想・配当性向・DOE 2026年6月期 決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
自己資本比率・純資産・現金及び預金・短期有価証券・有利子負債・自己株式 2026年6月期 決算短信「連結貸借対照表」 🟢 一次情報
営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 期末残高 2026年6月期 決算短信「連結キャッシュ・フロー計算書」 🟢 一次情報
セグメント別 2026年6月期 決算短信「経営成績に関する分析」「セグメント情報等の注記」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥2,881(2026-08-19終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。