結論: 増収増益も経常増益の大半は営業外、配当予想は据え置き。
📊 スコア: C 63点
💰 配当: 43→43.5円(+0.5円)、通期予想据え置き
✅ 良い点: 配当性向40%目安、DOE2.0%下限、5期連続増配、自己資本比率58.6%
⚠️ 注意点: 予想利回り3.06%、ネットキャッシュ△133.83億円、保管数量の減少
1. 業績ハイライト
- 売上高: 320.86億円(+3.5%)、新拠点稼働と料金適正化が牽引。
- 営業利益: 21.57億円(+2.5%)、通期進捗は25.1%。
- 経常利益: 29.19億円(+16.7%)、受取配当金と為替差益が寄与。
- 四半期純利益: 18.43億円(+12.9%)、EPS29.82円(+14.2%)。
- 通期予想: 業績・配当とも据え置き、修正なし。
サマリー
- 増収は拠点増と単価: 売上高320.86億円(+3.5%)は本年5月竣工の北海道石狩市の共配センター稼働、前期稼働の関東地区自動車部品取扱専用センターの安定稼働、海上・航空輸送の取扱増と料金の適正化による。
- 経常増益の中身は営業外: 経常利益は+4.19億円伸びたが営業増益は+0.52億円にとどまり、残りは受取配当金4.08億円・為替差益1.40億円などの営業外要因。本業の伸びは営業段階の+2.5%が実勢。
- 通期予想は据え置き: 経常利益のQ1進捗は30.4%と前年同期の26.4%を上回ったが、会社は2026年5月14日公表の第2四半期累計・通期予想をいずれも変更していない。
2. 配当判断サマリー
- 当期配当予想は中間21.5円+期末22円=43.5円(+0.5円)で、実現すれば2022年3月期から数えて6期目の増配、2026年5月14日公表から修正なし。予想配当性向40.6%は倉庫・運輸関連業の中央値50%以下。
- 配当方針は配当性向40%もしくはDOE2.0%のいずれか高い金額を目安とする二本立てで、利益が落ちてもDOE2.0%が水準を下支えする形。配当方針の強度はDOE目標明示の8/10点。
- 株価が¥1,118→¥1,422(+27.2%)へ上昇した一方で予想DPSは43.5円のため、予想利回りは3.85%→3.06%へ低下し、配当利回りの得点が7→4点。今期のスコア低下はこの帯移動がすべて。
- 同じ倉庫・運輸関連業でDOEを目安に置く住友倉庫(9303)が配当据え置きと自己株式取得の組み合わせなのに対し、当社は小幅増配に30億円の自己株式取得枠を重ねる形。
3. スコア内訳
配当持続性ランク: C(63/100点) ★★★☆☆
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 36 | 性向10・DOE4・利回り4・方針8・耐性10 |
| 財務 | 25 | 15 | 自己資本比率10・ネットキャッシュ2・営業CF安定性3 |
| 収益 | 25 | 12 | 営業利益率8・ROE4 |
| 合計 | 100 | 63 | — |
3-1. 主な加点(高得点項目)
- 配当性向 10/10: 通期予想40.6%(予想DPS43.5円 ÷ 予想EPS107.19円)、倉庫・運輸関連業の中央値50%以下
- 増配減配耐性 10/10: 2022年3月期から5期連続増配、直近5期(2022年3月期〜2026年3月期)に減配なし、当期も+0.5円の増配予想で「3年以上連続増配+直近5年で減配なし+来期増配予想」の帯
- 自己資本比率 10/10: 58.6%(前期末57.9%から+0.7pt)、倉庫・運輸関連業の業種補正(40%以上で10点)適用。本則「40〜60%」帯でも7点は確保する水準
- 配当方針 8/10: 配当性向40%もしくはDOE2.0%のいずれか高い金額を目安に実施する方針で、DOE目標明示の帯。自己株式の取得も2027年3月期から2029年3月期に30億円を目標と明示
3-2. 主な減点(低得点項目)
- ネットキャッシュ 2/10: 現金及び預金218.57億円 + 短期有価証券0億円 − 有利子負債352.40億円 = △133.83億円(時価総額比△14.17%)で本則は0点、倉庫・運輸関連業の構造的マイナス救済で2点
- 配当利回り 4/10: 3.06%(予想DPS43.5円 ÷ 株価¥1,422)、ガイドの「2.5〜3.5%」帯。前期カルテの3.85%(株価¥1,118)から株価上昇で帯が1段下がった
- DOE 4/10: 2.8%(2026年3月期の純資産配当率・決算短信記載値)、ガイドの「1〜3%」帯。四半期決算短信の配当表に同欄がないため直近通期の実績値を採点根拠としている(基準の違いは §6-1 注記)
- ROE 4/10: 通期予想6.55%(予想純利益67億円 ÷ 期首自己資本と第1四半期末自己資本の平均1,023.31億円)、ガイドの「5〜10%」帯
3-3. スコアの動き(定点観測)
- スコア変動: 前期カルテ66点 → 今期63点(△3点)。カテゴリ別では配当が39→36点へ動き、財務15点・収益12点は前期カルテと同じ内訳
- 変動の内訳: △3点はすべて配当利回りの帯移動による。株価が¥1,118(2026-06-18終値)→¥1,422(2026-08-28終値・+27.2%)へ上昇した一方で予想DPSは43.5円のため、予想利回りが3.85%→3.06%へ下がり「3.5〜4.5%」帯から「2.5〜3.5%」帯へ移って7→4点。前期カルテの3.85%は分子に実績DPS43円を採ったもので、当期と同じ予想DPS43.5円へ揃えても株価¥1,118なら3.89%と同じ帯に収まるため、帯が動いた要因は株価上昇に限られ、配当そのものの条件は動いていない
- 満点項目の維持: 配当性向10/10(予想40.6%)・増配減配耐性10/10・自己資本比率10/10は前期カルテから満点を継続。自己資本比率は57.9%→58.6%(+0.7pt)と帯の中で改善し、配当方針8/10も据え置き。営業利益率は通期予想6.62%で8/15のまま
- 現在の位置づけ: 失点37点の内訳はネットキャッシュ8点・営業利益率7点・DOE6点・配当利回り6点・ROE6点・営業CF安定性2点・配当方針2点。物流施設を借入で保有する事業モデルがネットキャッシュとROEを構造的に抑えており、C(55〜69点)の中位に位置している
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。
4. 事業の強み・構造リスク
4-1. ✅ 事業の強み
- 次の拠点が稼働前の準備段階にある: 会社は三重県木曽岬の危険品物流センターについて稼働に向けた準備を進めており、Q1の有形及び無形固定資産の取得は30.86億円(前年同期15.69億円)。稼働前のため収益貢献は今期に織り込まれておらず、配当原資となる収益基盤の積み増し余地として残る。
- 受取配当が本業とは別系統の配当原資になっている: 政策保有株を含む投資有価証券356.38億円を保有し、Q1の受取配当金4.08億円は同期間の配当金の支払15.15億円の約27%に相当する。物流数量に連動しない原資が配当の一部を支えている点は、営業段階で採点する営業利益率8/15には表れない。
4-2. ⚠️ 構造リスク
- 国際部門は外部要因で振れやすい: 増収に転じた国際複合輸送業66.46億円のうち、航空輸送の取扱量は436トンと絶対量が小さく伸び率が振れやすい。会社は海外経済の減速と中東情勢などの地政学的リスクを環境認識に挙げており、増収の一角は自助努力の外側にある。
- 料金の適正化が一巡した後の利益率: 会社は増収要因に料金の適正化を挙げ、売上原価270.44→279.07億円に対し売上総利益率は12.8→13.0%へ改善した。原価の高止まりが続くため、値上げ効果が一巡すると原価上昇が利益率に直接効く。配当性向40%目安のため利益の水準は配当額に連動する。
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)。
5. 筆者メモ
今期3点下がったのは株価が2ヶ月半で27%上がって利回りが下がったためで、配当の条件そのものは前期から何も変わっていない。
次回(2027年3月期Q2・2026年11月発表予定)見るポイント:
- 保管数量の下げ止まり: 倉庫業の期中平均保管残高△6.6%・貨物取扱数量△12.0%が中間期でも続くか、料金の適正化で売上を維持できるか
- 営業外依存の度合い: 受取配当金4.08億円と為替差益1.40億円に支えられた経常増益が、第2四半期累計予想の経常△0.3%という慎重計画に対してどう振れるか
- 自己株式取得枠の消化: 2027年3月期から2029年3月期に30億円を目標とする枠の進捗と、政策保有株への対応が具体化するか
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2025年3月期実績 | 中間16.5円+期末22.5円=39円 |
| 2026年3月期実績 | 中間18.5円+期末24.5円=43円(前期比+4円) |
| 2027年3月期予想 | 中間21.5円+期末22円=43.5円(+0.5円・2026年5月14日公表から修正なし) |
| 配当性向(連結・予想) | 40.6%(予想DPS43.5円 ÷ 予想EPS107.19円・決算短信記載値。当期は記念配当・特別配当がなく表面と実質普通配当ベースが一致) |
| DOE(連結・純資産配当率) | 2.8%(2026年3月期実績・決算短信記載値) |
| 配当利回り | 3.06%(予想DPS43.5円 ÷ 株価¥1,422・2026-08-28終値・J-Quants API) |
| 配当方針 | 配当性向40%もしくはDOE2.0%のいずれか高い金額を目安に実施する方針(DOE2.0%を実質的な下限とする)。自己株式の取得は2027年3月期から2029年3月期の間に30億円を目標に業績・財務状況に応じ実施(2026年3月期決算短信) |
| 連続増配年数 | 5期連続増配(2022年3月期〜2026年3月期)+当期予想で6期目継続見込み |
(注)DOE欄の2.8%は2026年3月期決算短信「2.配当の状況」の純資産配当率(連結)欄の実績値で、分母は自己資本(その他の包括利益累計額を含む)。第1四半期決算短信の配当表には同欄がなく、2027年3月期(予想)行にも純資産配当率の記載がないため、直近通期の実績値を採点根拠としている。参考までに、予想DPS43.5円と自己株式控除後の期末株式数61,747,432株から配当金総額を26.86億円と置き、期首自己資本1,011.92億円と第1四半期末自己資本1,034.69億円の平均1,023.31億円で割ると約2.6%となり、いずれも採点上は「1〜3%」帯に収まる(本ブログ算出)。また当期は中間21.5円・期末22円で、年間配当に占める中間の比率が43.0%→49.4%へ上がり、支払いが期中で前倒しになる。
6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年以前の履歴を表示
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2017/3 | 10 | 62.85 | 15.9% |
| 2018/3 | 10 | 32.55 | 30.7% |
| 2019/3 | 10 | 41.45 | 24.1% |
| 2020/3 | 10 | 47.32 | 21.1% |
| 2021/3 | 10 | 72.29 | 13.8% |
| 2022/3 | 10.5 | 87.14 | 12.0% |
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2023/3 | 11.5 | 95.76 | 12.0% |
| 2024/3 | 13 | 72.53 | 17.9% |
| 2025/3 | 39 | 95.75 | 40.7% |
| 2026/3(実績) | 43 | 105.52 | 40.8% |
| 2027/3(予想) | 43.5 | 107.19 | 40.6% |
(注)
- データ基準: EDINET DB 引用。2026年3月期実績と2027年3月期予想は決算短信「2.配当の状況」の記載と一致を確認済み
- 株式イベント: 上表の期間に株式分割・株式併合はいずれも実施されていない。期末発行済株式総数(自己株式を含む)は2017年3月期〜2025年3月期が67,142,417株、2026年3月期以降が66,405,517株で、2026年3月期に736,900株が減少しているのは自己株式の消却によるもの。DPS・EPSは全期間が同一基準
- 2025年3月期の配当急増について: 2024→2025のDPS13→39円(約3倍)は株式分割ではなく、配当方針を「配当性向40%もしくはDOE2.0%のいずれか高い金額を目安」へ引き上げたことによる実質的な大幅増配(配当性向17.9→40.7%へ上昇)
- 配当政策の傾向: 2017年3月期〜2021年3月期は10円で横ばい、2022年3月期の10.5円から増配基調に転じ、2025年3月期の方針転換で大幅増配。以降は40%前後の配当性向を保ちつつ毎期増配。EDINET DB 確認範囲の10期(2017年3月期〜2026年3月期)で減配はなく、コロナ期(2020年3月期・2021年3月期)も10円を維持。記念配当・特別配当の計上も同期間で確認できず、表面DPSと実質普通配当ベースは一致
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: 2025年3月期の方針転換で13→39円へ切り上がった後、2026年3月期43円・2027年3月期予想43.5円と40%前後の配当性向を保ちながら増配。当期の増配幅+0.5円は予想EPS107.19円(+1.6%)の伸びの範囲に収まっており、利益の裏付けを伴う
- 方針シグナル: 配当性向40%とDOE2.0%のいずれか高い金額という二本立てのため、利益が落ちた期でもDOE2.0%が水準を下支えする設計。加えて2027年3月期から2029年3月期に30億円を目標とする自己株式取得を方針化し、資本効率の改善にも踏み込んでいる
- 耐性実績: 採点対象の直近5期(2022年3月期〜2026年3月期)は10.5→11.5→13→39→43円で毎期増配、当期も43.5円の増配予想のため「3年以上連続増配+直近5年で減配なし+来期増配予想」の10/10点。EDINET DB 確認範囲の10期まで広げても減配はない
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー(2027年3月期 第1四半期累計)
| 指標 | 当期Q1 | 前期Q1 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 320.86億円 | 310.02億円 | +3.5% |
| 営業利益 | 21.57億円 | 21.05億円 | +2.5% |
| 経常利益 | 29.19億円 | 25.00億円 | +16.7% |
| 親会社株主帰属四半期純利益 | 18.43億円 | 16.32億円 | +12.9% |
| EPS(Q1単独) | 29.82円 | 26.12円 | +14.2% |
| 営業利益率(Q1単独) | 6.7% | 6.8% | △0.1pt |
| ROE | 四半期開示なし | 四半期開示なし | — |
セグメント別(売上高・対前年同期比)
| 区分 | 売上高 | 前期比 |
|---|---|---|
| 総合物流事業 | 315.60億円 | +3.5% |
| その他の事業 | 5.26億円 | +4.7% |
- 総合物流事業の内訳: 倉庫業140.01億円(+4.4%)・港湾運送業53.98億円(+1.1%)・陸上運送業50.91億円(+3.3%)・国際複合輸送業66.46億円(+3.7%)・その他4.21億円(+2.5%)。前期通期で△10.5%だった国際複合輸送業が海上輸送+5.2%・航空輸送+38.8%の取扱増でプラスへ転じた。
- 売上と数量の乖離: 倉庫業は増収の一方で期中平均保管残高△6.6%(49万6千トン)・貨物取扱数量△12.0%(192万5千トン)・保管貨物回転率65.1%と低下。陸上運送業もトラック輸送△3.4%・バルクコンテナ輸送△12.0%で、鉄道輸送+17.2%が一部を補う。会社は増収要因に料金の適正化と新拠点稼働を挙げている。
- セグメント利益: 総合物流事業19.98億円(前年同期19.59億円・+2.0%)、その他の事業1.65億円(同1.55億円・+6.5%)。決算短信の報告セグメント計は2,164百万円で、注記に示されたセグメント間取引消去△7百万円を差し引くと営業利益2,157百万円になる。各セグメントの値は百万円未満切捨てのため、表示値の単純合算(1,998+165=2,163百万円)は短信の計と1百万円ずれる。本節の内訳も同じ理由で、億円表示の単純合算は合計と一致しない。
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🟢 高 | 特別利益0.10億円(固定資産処分益)・特別損失0.06億円で特別損益はほぼ中立。前年同期も同水準で、純利益の伸びに特別損益の寄与はない |
| 営業外損益 | 🟡 中 | 経常利益+4.19億円のうち営業増益は+0.52億円で、残る約+3.67億円が営業外。主な内訳は受取配当金3.12→4.08億円、為替差益1.40億円(前年同期は為替差損0.05億円)、持分法投資利益0.95→1.22億円、受取利息0.13→0.35億円 |
| 純利益押し上げ要因 | 🟢 高 | 税金等調整前四半期純利益は24.98→29.23億円(+17.0%)。法人税等の負担率は31.4%→32.2%へ上昇しており、税負担の軽減による嵩上げではない |
| 開示の誠実性 | 🟢 高 | セグメントごとに保管残高・貨物取扱数量・回転率まで数値で開示しており、増収と数量減の乖離が読者側で検証できる |
→ 業績の質: 営業増益+2.5%に対し経常+16.7%の大半は受取配当金と為替差益による営業外要因(特別損益はほぼ中立)
7-2. 財務・CFサマリー
| 指標 | 前年同期・前期末(2026年3月末) | 当第1四半期・当期末(2026年6月末) |
|---|---|---|
| 営業CF(4〜6月累計・百万円) | 1,583 | 1,237(△21.9%) |
| 投資CF(4〜6月累計・百万円) | △1,601 | △2,260 |
| 財務CF(4〜6月累計・百万円) | △1,709 | △1,924 |
| 現金及び預金(BS・百万円) | 25,390 | 21,857(△13.9%) |
| 短期有価証券(BS流動・百万円) | 0 | 0 |
| 現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) | 24,186 | 21,389(△11.6%) |
| 自己資本比率(%) | 57.9 | 58.6(+0.7pt) |
CFの3行は4〜6月の3ヶ月累計(左列は前年同期)、現金及び預金・短期有価証券・現金及び現金同等物 期末残高・自己資本比率は各期末時点(左列は前期末=2026年3月末、右列は当第1四半期末=2026年6月末)。
- 有利子負債 352.40億円(短期借入金1.22億円+1年内返済予定の長期借入金88.96億円+社債80億円+長期借入金182.22億円)。前期末353.53億円から△1.13億円とほぼ横ばい。四半期連結貸借対照表はリース債務を流動・固定とも独立掲記していない(それぞれ「その他」に含まれる)ため、開示されている借入金と社債で算定している
- ネットキャッシュ: 現金及び預金21,857百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債35,240百万円 = △13,383百万円(△133.83億円)。時価総額944.29億円(株価¥1,422×期末発行済株式総数66,405,517株・自己株式を含む)の△14.17%で本則は「マイナス(有利子負債超過)」帯の0点だが、物流施設・賃貸用不動産の取得借入で構造的にマイナスとなるため倉庫・運輸関連業の業種補正により「ほぼゼロ」相当の2/10点。四半期連結貸借対照表の流動資産に有価証券の科目がないため短期有価証券は0で算定し、投資その他の資産の投資有価証券356.38億円は長期のため分子に含めていない
- 現金が減った中身: 営業CF12.37億円(前年同期比△3.45億円・短信「当四半期の財政状態の概況」記載値。CF計算書の1,583→1,237百万円は各行が百万円未満切捨てのため単純差は346百万円となる)に対し、投資CFは有形及び無形固定資産の取得30.86億円(前年同期15.69億円)を主因に△22.60億円、財務CFは配当金の支払15.15億円・長期借入金の返済1.35億円・その他2.96億円に短期借入金の純増0.22億円を加えて△19.24億円。換算差額+1.50億円を含めて現金及び現金同等物は27.97億円減少し、期首241.86億円から四半期末213.89億円となった。BSの現金及び預金218.57億円との差4.68億円は預入期間3ヶ月超の預金等
- 自己株式と発行済株式数: 期末自己株式数は4,541,377→4,658,085株(+116,708株)、BSの自己株式は△30.88→△32.19億円で1.31億円増加した(四半期決算短信に取得内訳の記載はない)。期末発行済株式総数は66,405,517株で前期末と同数のため、当第1四半期に消却は行われていない。会社は2027年3月期から2029年3月期の間に30億円を目標とする自己株式取得を方針化している(2026年3月期決算短信)
- 資産の増加要因: 総資産は1,747.22→1,766.04億円(+18.82億円)。流動資産は現金及び預金の減少で△27.83億円、固定資産は投資有価証券323.50→356.38億円を主因に+46.65億円。純資産は1,059.78→1,082.81億円(+23.02億円)で、その他有価証券評価差額金126.44→148.26億円(+21.82億円)が押し上げており、自己資本比率+0.7ptの主因も株式評価差額金。本項の増減額4件はいずれも短信「当四半期の財政状態の概況」の記載値で、貸借対照表の各行が百万円未満切捨てのため表示値どうしの単純差とは最大1百万円ずれる
- 営業CF安定性: 採点は直近5期(2022年3月期〜2026年3月期)の通期実績7,261 → 11,595 → 7,282 → 15,136 → 9,294百万円を対象とする。5期連続黒字だが、5期平均10,113百万円に対し2022年3月期△28.2%・2024年3月期△28.0%・2025年3月期+49.7%と±20%を外れる期が3期あり、単発の外れ値1件除外では収まらないため「ブレあり」の3/5点
7-3. 通期業績予想(2027年3月期・2026年5月14日公表から修正なし)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,300億円 | +3.6% |
| 営業利益 | 86億円 | +0.6% |
| 経常利益 | 96億円 | +1.2% |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 67億円 | +1.6% |
| EPS | 107.19円 | +1.6% |
| 営業利益率(通期予想) | 6.62%(86億円÷1,300億円・本ブログ算出) | △0.2pt |
| ROE(通期予想) | 6.55%(67億円÷平均自己資本1,023.31億円〔期首1,011.92億円と第1四半期末1,034.69億円の平均〕・本ブログ算出) | △0.3pt |
- Q1進捗率: 売上高24.7%・営業利益25.1%・経常利益30.4%・純利益27.5%。前年同期の対通期実績比(24.7%・24.6%・26.4%・24.7%)を営業利益以下でいずれも上回っており、会社は第2四半期累計・通期とも予想を据え置いた。
- 第2四半期累計予想: 売上高635億円(+2.2%)・営業利益42億円(△2.0%)・経常利益47億円(△0.3%)・純利益32億円(△0.4%)・EPS51.19円。Q1の純利益18.43億円は同予想の57.6%に相当し、会社計画は第2四半期(7〜9月)の減速を織り込む形になっている。
- 通期が保守的な理由: 増収+3.6%に対し営業利益は+0.6%とほぼ横ばいの計画。会社は原価の高止まりと生産関連貨物の荷動き低調を挙げており、北海道石狩の共配センター・三重県木曽岬の危険品物流センターといった新拠点の先行費用も重なる。
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 第1四半期の売上高・営業利益・経常利益・純利益・EPS・営業利益率 | 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-08-07開示) | 🟢 一次情報 |
| 通期・第2四半期累計の業績予想・進捗率 | 2027年3月期 第1四半期決算短信「3.2027年3月期の連結業績予想」「1.(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」 | 🟢 一次情報 |
| 営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) | 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と第1四半期末自己資本の平均) | 🟡 補助データ |
| 当期配当予想・配当性向 | 2027年3月期 第1四半期決算短信「2.配当の状況」/ 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」 | 🟢 一次情報 |
| 配当方針・自己株式取得枠・DOE(純資産配当率)・2026年3月期の配当実績 | 2026年3月期 決算短信「1.(5)利益配分に関する基本方針および当期・次期の配当」「2.配当の状況」(2026-05-14開示) | 🟢 一次情報 |
| 自己資本比率・現金及び預金・短期有価証券・有利子負債・投資有価証券・自己株式・発行済株式数 | 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」「(4)発行済株式数(普通株式)」 | 🟢 一次情報 |
| 営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 期末残高 | 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期連結キャッシュ・フロー計算書」「1.(2)当四半期の財政状態の概況」 | 🟢 一次情報 |
| セグメント別売上高・セグメント利益・保管残高・貨物取扱数量 | 2027年3月期 第1四半期決算短信「1.(1)当四半期の経営成績の概況」「セグメント情報等の注記」 | 🟢 一次情報 |
| 過去5期の営業CF・過去配当履歴・EPS推移 | EDINET DB | 🟢 一次情報 |
| 株価¥1,422(2026-08-28終値) | J-Quants API(JPX 公式) | 🟢 一次情報 |
【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。