【日本電技(1723)】配当B(73点)・累進配当方針 — 2027年3月期Q1

観察中(筆者は当該銘柄を未保有)📁 建設業

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結論: Q1営業益+39.4%、当期は+16円増配の56円予想。

📊 スコア: B 73点
💰 配当: 40.00→56.00円(+16円株式分割考慮後ベース)、4期連続増配から5期目へ
良い点: 4期連続増配、営業利益率20.2%、実質無借金
⚠️ 注意点: 利回り2.23%、2022年に減配履歴、Q1末は手元資金が薄い


1. 業績ハイライト

  • 受注高 15,971百万円(+30.8%)・工場/データセンター向けが牽引
  • 売上 8,696百万円(+3.2%)・営業益 1,756百万円(+39.4%)
  • 営業利益率 20.2%(+5.2pt)・売上総利益率の改善が寄与
  • 自己資本比率 84.4%(+7.7pt)・繰越工事高は空調計装 +37.1%
  • 通期予想は据え置き(売上 +11.1%・営業益 +5.7%)

サマリー

  • 採算面から出た増益: 売上 +3.2% に対し営業益 +39.4%・経常 +41.2%。売上原価が △5.4% と減り売上総利益率が42.2%→47.0%へ改善したことが主因で、数量ではなく採算の改善が利益を押し上げた。
  • 受注が積み上がる局面: 受注高 +30.8%、繰越工事高は空調計装 +37.1%・産業システム +41.0%。売上は第4四半期の完成引渡しに集中する構造のため、受注の伸びは下期以降の増収余地として蓄積されている。
  • 通期計画は据え置き: 2026年5月7日公表の通期予想(売上 +11.1%・営業益 +5.7%)を変更していない。Q1進捗は売上16.9%・営業益14.0%だが、第4四半期偏重の季節性を踏まえた水準。

2. 配当判断サマリー

  • 当期予想56.00円(中間20.00+期末36.00)で前期40.00円から +16.00円(+40.0%)増配、4期連続増配から5期目へ。
  • 決算短信注記の株式分割考慮後ベースでは 2025年3月期30.50円 → 2026年3月期40.00円 → 当期予想56.00円 と一貫して増加(分割前の実額では期をまたぐ単純比較ができない)。
  • 通期予想の配当性向41.0%・DOE7.58%見込みで、方針が掲げる「配当性向40%以上またはDOE7%以上」の水準を当期予想時点で満たす。
  • 同じ設備工事業のダイダン(1980)(配当持続性ランクB)とは、稼働中建物の空調設備更新需要を収益源とする点で還元余力を比較できる。

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(73/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 31 性向9・DOE10・利回り2・方針8・耐性2
財務 25 17 自己資本10・ネットキャッシュ4・営業CF安定性3
収益 25 25 営業利益率15・ROE10
合計 100 73

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 営業利益率 15/15: Q1累計20.2%(前年同期14.9%・+5.2pt)、通期予想ベースでも24.3%と15%以上の満点帯
  • DOE 10/10: 7.58%見込み(予想配当総額約35.69億円 ÷ 自己資本470.88億円)、「5%以上」帯
  • 自己資本比率 10/10: 84.4%(前期末76.7%・+7.7pt)、60%以上で満点・建設業として異例の高水準
  • ROE 10/10: 通期予想ベース18.5%見込み(予想純利益87.00億円 ÷ 自己資本470.88億円)、「15%以上」帯
  • 配当性向 9/10: 通期予想41.0%(56.00円 ÷ 予想EPS136.51円)、本ブログ採点基準の中央値35%との乖離+6.0ptで「中央値〜+10pt帯=9点」
  • 配当方針 8/10: 2027年3月期から「累進的配当・配当性向40%以上またはDOE7%以上」を明示、DOE目標を伴う還元コミットとして8点

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 増配減配耐性 2/10: 2022年3月期に減配(15.62→14.25円・△8.8%)があり、判定対象の直近5年(2022年3月期〜2026年3月期)に減配履歴を含むため。以降は分割考慮後ベースで4期連続増配・当期も +16.00円 の増配予想
  • 配当利回り 2/10: 2.23%(予想DPS56.00円 ÷ 株価¥2,510)、「1.5〜2.5%」帯
  • ネットキャッシュ 4/10: +160.04億円(現金預金77.17億+流動資産の有価証券82.87億・有利子負債の計上なし)だが時価総額約1,646億円の9.7%で「10%未満」帯

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期(2026年3月期 通期)77点 → 今期73点(△4点)
  • 変動の内訳: 動いたのは配当32→31・財務20→17の2カテゴリ。配当性向は当期予想41.0%で採点基準の中央値35%を上回り10→9、ネットキャッシュは現金預金と流動資産の有価証券に限った160.04億円が時価総額比9.7%となって「10〜30%」帯から「10%未満」帯へ移り7→4。増配減配耐性は2点で不変(2022年3月期の減配が判定対象期間に残るため)
  • 配当本体は満点維持: DOE10点(7.58%見込み)と自己資本比率10点(84.4%)、営業利益率15点・ROE10点の収益25点満点は前期から不変で、点数の柱は動いていない
  • 現在の位置づけ: B帯の中位。配当カテゴリ31/50が上値を抑えており、内訳は配当利回り2点と2022年3月期の減配履歴による増配減配耐性2点。財務・収益は42/50と高位で、点差は還元指標の側についている

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. Pros & Cons

4-1. ✅ Pros

  • 更新需要が主体の受注構成: 空調計装の受注は既設10,797百万円が新設3,978百万円の2.7倍。稼働中建物の更新工事が主体で、新設着工の変動に対する緩衝として働く。

4-2. ⚠️ Cons

  • 設備投資サイクルへの連動: 受注の牽引役は工場・データセンター向け物件で、新設・既設とも企業の設備投資に連動する。投資が一巡する局面では受注の伸びが鈍り、配当原資の成長に影響しうる。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)


5. 筆者メモ

営業利益率20%超・自己資本84%と内実は厚いが、利回り2.23%では配当スコアが伸びない。高配当の物差しでは評価しにくい銘柄で、この差をどう捉えるかが観察の軸になる。

次回(2027年3月期 中間決算・2026年11月予定)見るポイント:

  • 累進配当方針の初年度として中間配当20.00円が予定どおり実施されるか
  • 繰越工事高(空調計装 +37.1%)が下期の売上・利益にどこまで転化するか
  • 第1四半期末に薄くなった手元資金(現金預金+流動資産の有価証券160.04億円)がどこまで戻るか

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2026年3月期実績 40.00円(中間15.25+期末24.75・株式分割考慮後ベース。分割前の実額は中間61円+期末99円=160円)
2027年3月期Q1実績 (第1四半期末配当の設定は行っていません)
2027年3月期予想 56.00円(中間20.00+期末36.00・+16.00円増配)
配当性向(連結・通期予想ベース) 41.0%(56.00円 ÷ 予想EPS136.51円・決算短信記載値)
DOE(連結・株主資本配当率) 7.58%見込み(予想配当総額約35.69億円 ÷ 自己資本470.88億円で自己計算・第1四半期短信では記載を省略。前期実績は5.9%〔決算短信「純資産配当率」・期首期末平均ベース〕)
配当利回り 2.23%(予想DPS56.00円 ÷ 株価¥2,510・2026-07-24終値・J-Quants API)
配当方針 2027年3月期から「累進的配当・配当性向40%以上またはDOE7%以上」を明示(2026年5月7日の2026年3月期決算発表時に公表・第1四半期決算短信では配当予想を据え置き)
連続増配年数 4期連続増配(2023年3月期→2026年3月期・株式分割考慮後ベース)+ 当期予想で 5期目 継続見込み

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、全て1:8分割相当の分割後ベースに統一)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2016/3期 8.25 27.67 29.8%
2017/3期 9.37 31.25 30.0%
2018/3期 9.62 32.00 30.1%
2019/3期 11.75 34.87 33.7%
2020/3期 14.87 49.72 29.9%
2021/3期 15.62 51.91 30.1%
2022/3期 14.25 47.30 30.1%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/3期 19.00 49.43 38.4%
2024/3期 23.00 73.22 31.4%
2025/3期 30.50 100.71 30.3%
2026/3期 40.00 132.49 30.2%
2027/3期(予想) 56.00 136.51 41.0%

(注)

  • 株式分割2回: 2025年1月1日付1:2 + 2026年4月1日付1:4(累積1:8相当)。本表は全期を最新の分割後(1:8)基準に統一
  • 2025/3期のDPS: 決算短信注記の「株式分割を考慮した1株当たり配当金は第2四半期末10円25銭、期末20円25銭、合計30円50銭」を採用。中間配当は2025年1月1日付分割の前に支払われ、期末配当は分割後という基準の違いがあるため、分割前の実額163円を単純に4で割った値(40.75円)は分割後ベースの正値ではない
  • 2026/3期のDPS: 決算短信注記の「株式分割を考慮した1株当たり配当金は第2四半期末15円25銭、期末24円75銭、合計40円00銭」を採用。配当金総額は19.49→25.74億円(+32.1%)
  • 2022/3期の減配: 15.62→14.25円(△8.8%)の業績連動減配。特別配当記念配当を除外しても減配で、本記事作成時点の判定対象期間(直近5年=2022/3期〜2026/3期)に含まれる
  • 配当政策の傾向: 2023/3期以降は分割後ベースで4期連続増配、当期予想56.00円で5期目

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 分割後ベースで19.00→23.00→30.50→40.00円と4期連続増配、当期予想56.00円(+16.00円+40.0%)で5期目へ。配当金総額も前期 +32.1% と株数増を上回るペースで増額。
  • 方針シグナル: 2027年3月期から「累進的配当・配当性向40%以上またはDOE7%以上」を明示。当期予想は性向41.0%・DOE7.58%見込みで、いずれも方針が示す水準を予想時点で満たす。
  • 耐性実績: 2022/3期に減配(15.62→14.25円・△8.8%)があり判定対象の直近5年に含まれるため耐性は2点。ただし2023/3期以降は4期連続増配で、当期予想も +16.00円 と回復基調が続く。

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー(2027年3月期 第1四半期累計)

指標 当期Q1 前期Q1 前期比
受注高 15,971百万円 —(短信は前期比のみ開示) +30.8%
売上高 8,696百万円 8,424百万円 +3.2%
営業利益 1,756百万円 1,259百万円 +39.4%
経常利益 1,911百万円 1,353百万円 +41.2%
親会社株主帰属四半期純利益 1,298百万円 931百万円 +39.3%
EPS(Q1累計) 20.37円 14.62円 +39.3%
売上総利益率 47.0% 42.2% +4.8pt
営業利益率(Q1累計) 20.2% 14.9% +5.2pt
自己資本比率 84.4% 76.7%(前期末) +7.7pt

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上 前期比 セグメント利益 前期比
空調計装関連事業 76.67億円 +1.6% 28.29億円 +13.9%
産業システム関連事業 10.28億円 +17.1% 2.09億円 +96.4%

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟢 売上 +3.2% に対し売上原価 △5.4%・販管費 +1.7% で、増益は売上総利益率の改善(42.2%→47.0%)から出ている
営業外損益 🟢 経常19.11億 vs 営業17.56億の差1.55億円は受取利息0.36億+受取配当金0.87億等の保有資産収益で、経常 +41.2% は営業 +39.4% と同水準
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟢 税金等調整前19.11億→純利益12.98億、法人税等6.13億(実効税率32.1%)で説明可能・特別損益の計上なし
開示の誠実性 🟢 売上が第4四半期に集中する季節変動を短信本文で明記、株式分割の遡及調整も1株当たり指標・株式数の各注記で開示

業績の質: 鮮明(採算改善に基づく増益・一過性要因の混入なし)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 前期末(2026年3月末) 当Q1末(2026年6月末)
現金預金(百万円) 10,588 7,717
有価証券(流動・百万円) 9,331 8,287
投資有価証券(百万円) 17,685 20,449
負債合計(百万円) 14,241 8,701(△38.9%)
自己資本比率(%) 76.7 84.4(+7.7pt)
  • 有利子負債: 四半期連結貸借対照表に借入金・社債の計上はなく、実質無借金
  • ネットキャッシュ: 現金預金77.17億 + 流動資産の有価証券82.87億 = +160.04億円(時価総額約1,646億円の9.7%・「10%未満」帯=4点)。投資有価証券204.49億円は換金性を厳格にみる本ブログの基準では算入対象外
  • 第1四半期末の資金水準: 未払法人税等が26.33億→0.31億へ減るなど、税金・配当の支払いで前期末比 △38.9% の負債圧縮が進んだ結果、手元資金は季節的に薄い局面にある
  • 四半期連結キャッシュ・フロー計算書: 第1四半期は作成されていないため、営業CF安定性は直近通期(2026年3月期)までの実績推移で評価(黒字維持だがブレあり=3点)

7-3. 通期業績予想(2027年3月期・据え置き)

項目 予想 前期比
売上高 51,500百万円 +11.1%
営業利益 12,500百万円 +5.7%
経常利益 12,700百万円 +4.7%
親会社株主帰属当期純利益 8,700百万円 +3.0%
EPS 136.51円 +3.0%
1株当たり配当金 56.00円 +16.00円(分割後ベース)
  • 据え置きの背景: 2026年5月7日に公表した数値から変更はないと短信「(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」で明記。
  • 進捗評価: Q1で売上進捗16.9%・営業益進捗14.0%・純利益進捗14.9%。工事の完成引渡しが第4四半期に集中する季節性があり、四半期均等(25%)との単純比較では判断できない構造。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
Q1受注高・売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・自己資本比率 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-07-24開示) 🟢 一次情報
通期業績予想・据え置きの説明 2027年3月期 第1四半期決算短信「1.経営成績等の概況」「(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」 🟢 一次情報
配当実績(2026/3期40円)・当期予想(56円)・配当性向 2027年3月期 第1四半期決算短信「2.配当の状況」・2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」注記 🟢 一次情報
株式分割2回(2025/1/1付1:2・2026/4/1付1:4)と分割考慮後の配当額 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」注記1〜4 🟢 一次情報
現金預金・有価証券・投資有価証券・負債合計・純資産 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」 🟢 一次情報
セグメント別 売上・セグメント利益・受注高・繰越工事高 2027年3月期 第1四半期決算短信「経営成績等の概況」「セグメント情報等の注記」 🟢 一次情報
株主還元方針(累進的配当・配当性向40%以上またはDOE7%以上) 2026年3月期 決算発表時(2026年5月7日)に公表された資本政策・株主還元方針 🟡 会社IR(短信本文外)
過去配当履歴・EPS推移(2016/3期〜2024/3期) EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥2,510(2026-07-24終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。