【ヤクルト本社(2267)】配当B(73点)・累進配当方針・利回り2.5% — 2026年3月期

保有中(筆者が当該銘柄を保有)📁 食料品

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📌本記事は旧期(過去四半期)の決算分析です。 同銘柄の最新カルテをご覧ください。→ 最新版を見る

結論: 還元姿勢は強いが、本業減速でB下限。

📊 スコア: B 73点
💰 配当: 64円→70円、来期72円予想
良い点: 累進配当総還元性向70%目安、自社株消却
⚠️ 注意点: 営業利益 △18.4%、国内飲料食品 △26.1%営業CF △38.5%


※2026-08-09 訂正: 営業CF安定性の判定を配当持続性スコアの正式な算定方式(直近5期の平均からの乖離)へ揃えました。これに伴い営業CF安定性が3→4点、財務カテゴリが17→18点、合計スコアが69→70点となり、配当持続性ランクが C→B へ変わります。

※2026-08-14 訂正: ネットキャッシュの分子にキャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物 期末残高(1,650.42億円)を用いていたため、2026年3月期の連結貸借対照表の現金及び預金231,464百万円へ改めます(短期有価証券は該当なしで0百万円・有利子負債103,400百万円は変更なし)。これに伴いネットキャッシュが約+616億円+1,280.64億円時価総額比が約7.1%→約14.8%となり、ネットキャッシュが4点→7点、財務カテゴリが18→21点、合計スコアが70点→73点へ変わります(配当持続性ランクBは変わりません)。あわせて、Q4カルテの営業利益率ROEの採点根拠を当期実績から来期(2027年3月期)の会社予想へ揃え(§7-3 に来期予想の2指標を明記)ましたが、営業利益率8点(来期予想8.3%)・ROE 4点(来期予想7.7%)はいずれも変わりません。

※2026-08-10 訂正: §6-2「過去年度 連結DPS・EPS配当性向」の2018〜2023年で、DPS列だけを2023年10月1日付の株式分割(1株→2株)に合わせて換算し、EPS列は開示実額のまま並べていたため、配当性向が実際の半分で表示されていました。EPS列も分割後ベース(開示実額の1/2)へ揃え、配当性向を再計算しています(2018年 8.2%→16.4%、2019年 10.1%→20.2%、2020年 9.3%→18.5%、2021年 10.6%→21.2%、2022年 12.8%→25.7%、2023年 13.9%→27.8%)。あわせて、この誤った系列を前提にしていた注記(「2023年以前は性向10%前後の保守的還元期」「2023→2024のEPS急減」)を事実に合わせて書き直しました。採点に用いるのは当期の配当性向とDPS系列のため、スコア(B70点)・配当持続性ランクに変更はありません。

1. 業績ハイライト

  • 営業利益: △18.4%、国内飲料食品の減益が主因。
  • 国内飲料食品: 営業利益 △26.1%、Y1000の伸び鈍化、競合、コスト増が重い。
  • 営業CF: △38.5%、配当継続力を見るうえで次回も確認。
  • 株主還元: 発行済約9.9%の自社株消却。追加550億円の取得/消却も決議。

2. 配当判断サマリー

  • 記念配当を除いても、普通配当ベースでは増配継続。
  • 配当性向は40%台で、現時点では過度な無理は見えにくい。
  • 累進配当と総還元性向70%目安を明示しており、還元姿勢は強い。

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(73/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 40 配当性向9、DOE 7、利回り4、配当方針10増配耐性10
財務 25 21 自己資本比率10、ネットキャッシュ7、営業CF安定性4
収益 25 12 営業利益率8、ROE 4
合計 100 73

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 配当方針 10/10: 「累進配当」「総還元性向70%目安」「機動的自社株取得」を短信で明示宣言、ガイド最高水準
  • 増配減配耐性 10/10: 9期連続増配+コロナ期も増配維持+来期増配予想、ガイド最高水準
  • 自己資本比率 10/10: 66.4%(維持)、食料品として良好
  • 配当性向 9/10: 43.8%(創業90周年記念配当4円を除く実質普通配当ベース・表面46.4%)、食料品中央値35%から+10pt以内の帯
  • 営業CF安定性 4/5: 評価対象5期(2022年3月期〜2026年3月期・単位百万円)は 73,390 → 86,513 → 70,702 → 84,687 → 52,121 で5期とも黒字。5期平均73,483百万円に対して2026年3月期が約△29.1%と帯を外れるが、この1期を単発の外れ値として除くと残り4期は平均78,823百万円に対していずれも±20%以内に収まる
  • ネットキャッシュ 7/10: 現金及び預金231,464百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債103,400百万円 = +128,064百万円、時価総額約8,631.99億円比 約14.8%で「プラス・10〜30%」帯
  • DOE 7/10: 3.5%(前期3.4%・短信記載値)、3〜5%帯

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 配当利回り 4/10: 2.50%(株価2,800円、記念配当含む)、ガイドの「2.5〜3.5%」帯
  • ROE 4/10: 来期(2027年3月期)会社予想 7.7%(純利益46,500百万円÷2026年3月期末自己資本606,201百万円)、ガイドの「5〜10%」帯。当期実績7.5%と同じ帯

3-3. 全体所感

  • スコアの中心要素: 配当方針10+増配耐性10+自己資本比率10+配当性向9 — 還元姿勢と財務健全性は最高水準
  • 主な減点要因: 配当利回りと ROE が中央値帯にとどまり、収益カテゴリでも本業利益率の伸び悩みが響く。営業CF安定性も4/5(2026年3月期の落ち込みが単発の外れ値として1期分残る)で財務カテゴリの上限は取り切れず
  • ランク境界の判断: 73点は B(70〜84点)の下位。来期予想ベースの営業利益率10%超回復 or 配当利回り3.5%超(株価2,000円相当)なら B 帯中位への余地、逆に減点項目の下振れで C 帯へ戻る位置

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. Pros & Cons

4-1. ✅ Pros

  • 短信で「累進配当」「総還元性向70%目安」「機動的自社株取得」を明示宣言 — 配当方針10満点
  • 9期連続増配(2018→2026、分割後ベース)、コロナ期も増配維持、来期予想で10期目継続見込み
  • 当期に33,805,600株(発行済約9.9%)を消却+追加550億円、2,650万株の取得/消却を新規決議(2026/5/12)
  • 自己資本比率 66.4%(維持)+ネットキャッシュ約+1,280.64億円、食料品として良好な健全性

4-2. ⚠️ Cons

  • 本業の構造的減速: 国内飲料食品 営業利益 △26.1%、修正予想からも未達
  • 特別利益10,349Mが純利益を下支え — 営業 △18.4% と純利益 △2.9% の乖離は一過性要因
  • 来期営業利益も △2.6% 予想 — 本業V字回復は短期では見通しにくい
  • 営業CF △38.5% + 配当利回り 2.50%(スコア4/10点)

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年5月時点)。


5. 筆者メモ

筆者がヤクルト本社を保有しているのは、減配しない累進配当を掲げる還元方針の信頼性、ヤクルトレディという独自の営業ネットワーク、及び健康志向に根ざした乳酸菌飲料という景気に左右されにくい事業基盤を評価している為。


6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025/3期実績 中間32円+期末32円=64円
2026/3期実績 中間33円+期末37円=70円(+6円、期末37円=普通33円+90周年記念4円、実質普通配当ベース66円)
2027/3期予想 中間36円+期末36円=72円(普通配当のみ、普通配当ベースで66→72円+6円)
配当性向(普通配当ベース) 43.8%(創業90周年記念配当4円を除く・表面46.4%、来期予想 41.3%)
DOE 3.5%(前期3.4%、短信記載値)
配当利回り 2.50%(70円 ÷ ¥2,800、2026-05-13終値、J-Quants API)
配当方針 「累進配当」「総還元性向70%目安」「機動的な自社株取得」を短信(5)で明示宣言
連続増配年数 9期連続増配(2018→2026、分割後ベース)、来期予想で10期目見込み

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2018〜2022年の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2018 17.0 103.51 16.4%
2019 22.0 108.95 20.2%
2020 23.0 124.02 18.5%
2021 26.0 122.43 21.2%
2022 36.0 140.18 25.7%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023 45.0 162.09 27.8%
2024 55.5 164.52 33.7%
2025 64.0 150.48 42.5%
2026 70.0 150.72 46.4%(記念配当4円含む、実質43.8%)
2027(予) 72.0 174.21 41.3%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用、DPS/EPS両列とも現在の株式数(分割後)ベースへ揃えた値、直近期(2024〜)は短信記載と一致確認済
  • 分割の反映: 2023年10月1日付で普通株式1株→2株(基準日2023年9月30日)。2023年以前はDPS・EPSとも開示実額の1/2へ換算。2024年3月期は期中分割のため開示EPS164.52円が既に分割後基準で、DPSは中間55円(分割前)+期末28円(分割後)=分割後換算55.5円
  • 配当性向の推移: 2018〜2023年は16〜28%の低位帯から段階的に上昇し、2024年以降は累進配当方針のもとで33.7%→42.5%→46.4%(2026年は記念配当4円を含む・実質43.8%)へ一段切上がり

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 表面64→70円(+6円)の内訳は普通配当+記念配当4円、普通配当ベースは66円(+2円)で来期予想72円も普通配当ベースで+6円増配継続
  • 方針シグナル: 「累進配当」「総還元性向70%目安」「機動的自社株取得」を短信で明示宣言+当期33.8M株消却+追加26.5M株/550億円の新規決議でガイド最高水準の還元姿勢
  • 耐性実績: 9期連続増配+コロナ期(2020/3:23円→2021/3:26円)も増配維持+来期予想で10期目継続見込み

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

指標 当期 前期 前期比
売上高 4,864.25億円 4,996.83億円 △2.7%
営業利益 451.85億円 553.91億円 △18.4%
経常利益 610.84億円 758.60億円 △19.5%
当期純利益 442.28億円 455.33億円 △2.9%
EPS 150.72円 150.48円 +0.2%
ROE 7.5% 8.1% △0.6pt

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 注意 国内飲料食品 営業利益 △26.1% はY1000伸び鈍化+競合台頭+物価圧迫の構造的減益、修正予想からも未達
営業外損益 🟡 注意 為替差益が前期5,300M→1,750Mに縮小、海外事業の為替影響△14億円も寄与
純利益押し上げ要因 🟡 注意 特別利益10,349M(投資有価証券・関係会社株式売却益)が純利益を下支え
開示の誠実性 🟢 高 記念配当4円の内訳明示、大規模自社株消却決議の同日開示、株主提案受領も透明開示

業績の質: 中品質(本業の構造的減速+特別利益で純利益下支え、開示と還元姿勢は高水準)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2025/3期 2026/3期
営業CF(百万円) 84,687 52,121(△38.5%)
投資CF(百万円) △61,020 △39,008
財務CF(百万円) △31,466 △44,696
現金及び預金(BS・百万円) 269,057 231,464(△14.0%)
短期有価証券(BS流動・百万円) 0 0
現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) 193,117 165,042(△14.5%)
自己資本比率(%) 66.4 66.4(維持)
CF対有利子負債比率(年) 1.2 2.2(悪化)
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) 94.0 39.2(悪化)
  • 有利子負債 約1,034億円(短期522.96億+長期511.04億、前期末922.18億から+112.16億円)
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金231,464百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債103,400百万円 = +128,064百万円(時価総額約8,631.99億円〔株価¥2,800×期末発行済株式数308,285,236株・自己株式を含む〕の約14.8%・「プラス・10〜30%」帯=7点)
  • (注)2026-08-14 訂正: 分子にキャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物 期末残高(165,042百万円)を用いていたため、連結貸借対照表の現金及び預金231,464百万円へ改めました。あわせて時価総額の算定根拠(株価×期末発行済株式総数・自己株式を含む)を明記しています(ネットキャッシュの得点は4/10→7/10へ変わります)。
  • 後発事象(2026/5/12 決議): 新規自社株取得・消却 上限26,500,000株(消却前発行済の9.10%)、取得価額上限550億円、取得期間2026/6/19〜2027/3/16、消却予定日2027/3/26

7-3. 来期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上高 5,270.00億円 +8.3%
営業利益 440.00億円 △2.6%
経常利益 575.00億円 △5.9%
親会社株主帰属当期純利益 465.00億円 +5.1%
EPS 174.21円 +15.6%
営業利益率(来期予想) 8.3%(440.00億円÷5,270.00億円・本ブログ算出) △0.9pt
ROE(来期予想) 7.7%(465.00億円÷2026年3月期末自己資本6,062.01億円・本ブログ算出) +0.2pt

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
通期売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・ROE・営業利益率 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-05-12開示) 🟢 一次情報
来期業績予想・配当方針(累進配当・総還元性向70%目安) 2026年3月期 決算短信「1.(4)今後の見通し」「1.(5)利益配分に関する基本方針および当期・次期の配当」 🟢 一次情報
配当実績・来期予想・配当性向・DOE・記念配当内訳 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
自己資本比率・純資産・現金・有利子負債・CF・自己株式取得/消却 2026年3月期 決算短信「連結貸借対照表」「連結CF計算書」/ 自己株式の取得に係る事項の決定および自己株式の消却に関するお知らせ(2026-05-12) 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥2,800(2026-05-13終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。