結論: 増収増益スタート、スコアは50点へ2点下げ
📊 スコア: D 50点
💰 配当: 160→160円(±0円)、中間80+期末80・第1四半期時点で修正なし
✅ 良い点: DPS160円が8期目、DOE5.2%、営業利益+19.2%、レケンビ53の国・地域で承認
⚠️ 注意点: 予想配当性向86.5%、予想利回り3.29%、営業CF△26億円、自己資本比率△3.8pt
1. 業績ハイライト
- 売上収益2,343億円(+15.6%)で大幅増収
- 営業利益247億円(+19.2%)・通期進捗35.3%
- 親会社帰属四半期利益182億円(+26.0%)
- コア営業利益247億円(+13.9%)で表面利益と一致
- 営業CF△26億円・自己資本比率58.2%(△3.8pt)
サマリー
- 主力3品目がそろって二桁増: レンビマ973億円(+15.9%)、レケンビ293億円(+26.7%)、デエビゴ189億円(+37.9%)が伸び、円安も加わって医薬品事業の売上収益は2,309億円(+16.4%)となった。
- 利益進捗は通期予想を先行: 営業利益247億円は通期予想700億円に対し35.3%、親会社帰属利益182億円は523億円に対し34.9%の進捗。通期計画は下期の研究開発費とレケンビ投資の積み増しを織り込んでいる。
- キャッシュは運転資本に吸われた: 営業CFは△26億円(前年同期+11億円)。売掛金とレケンビ等の棚卸資産の増加で運転資本が297億円増えたことが主因で、収益の悪化によるものではない。
2. 配当判断サマリー
- 2027年3月期の年間配当予想は160円(中間80+期末80)で、第1四半期時点でも修正はない。2020年3月期に150→160円へ増額して以降7期同額が続いており、当期は8期目にあたる。
- 予想配当性向は86.5%(予想DPS160円÷予想EPS185.00円)。前期実績117.0%からは下がるものの、医薬品の標準ライン45%からは+41.5pt離れており、利益の大半を配当に回す構図は変わらない。
- 2026年3月期の親会社所有者帰属持分配当率(DOE)は5.2%。純資産対比では厚い還元だが、配当方針は「持続的・安定的な配当」という定性表現にとどまり、DOE目標や累進配当の宣言はない。
- 同じ医薬品でIFRSを採用するアステラス製薬(4503)も買収のれんを抱えたバランスシートで配当を続けており、財務項目の読み方をそろえて比較できる。
3. スコア内訳
配当持続性ランク: D(50/100点) ★★☆☆☆
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 25 | 性向0・DOE10・利回り4・方針3・耐性8 |
| 財務 | 25 | 13 | 自己資本10・ネットキャッシュ2・営業CF安定性1 |
| 収益 | 25 | 12 | 営業利益率8・ROE4 |
| 合計 | 100 | 50 | — |
営業利益率とROEは、第1四半期単独ではなく当期通期の会社予想を採点根拠とした。営業利益率は通期予想7.92%(営業利益70,000百万円÷売上収益883,500百万円)、ROEは通期予想5.79%(予想純利益52,300百万円÷自己資本902,778百万円=期首898,992百万円と第1四半期末906,564百万円の平均)である。配当性向・配当利回りも当期通期予想の年160円を基準に判定している。
3-1. 主な加点(高得点項目)
- DOE 10/10: 5.2%(2026年3月期の親会社所有者帰属持分配当率・決算短信記載値)。5%以上で満点の帯にあり、利益が振れても純資産対比の還元水準は厚い
- 自己資本比率 10/10: 58.2%(前期末62.0%から△3.8pt)。医薬品は大型M&A・買収のれんで自己資本比率が構造的に低くなるため業種補正の対象で、40%以上=10点の帯を満たす
- 増配減配耐性 8/10: 直近5期(2022〜2026年3月期)に減配はなく、当期予想160円も前期と同額。「直近5年で減配なし+来期維持以上」帯
3-2. 主な減点(低得点項目)
- 配当性向 0/10: 当期通期予想86.5%(予想DPS160円÷予想EPS185.00円)。医薬品の標準ライン45%対比+41.5ptで「+30pt超」帯。前期実績117.0%(+72.0pt)からは下がるが帯は動かない
- ネットキャッシュ 2/10: △2,673百万円で時価総額比△0.19%。リース負債を含めた有利子負債が手元資金をわずかに上回り、「ほぼゼロ(マイナス側5%以内)」帯に入る
- 営業CF安定性 1/5: 直近5期(2022〜2026年3月期)のうち2023年3月期が△1,772百万円の赤字で、「5年内に営業CF赤字1回」帯
- 配当方針 3/10: 「連結業績、配当性向、およびフリー・キャッシュ・フローを総合的に勘案し、持続的・安定的な配当を実施」という定性表現にとどまり、DOE目標・配当性向目標・累進配当の宣言はいずれもない。「安定配当を定性的に明記」帯
- 配当利回り 4/10: 3.29%(予想DPS160円÷株価¥4,861・2026-08-25終値)。2.5〜3.5%帯で、前カルテの3.96%(株価¥4,043)から△0.67pt下がり7→4点へ移った
- ROE 4/10: 通期予想5.79%(予想純利益52,300百万円÷期首・第1四半期末平均自己資本902,778百万円)。5〜10%帯
3-3. スコアの動き(定点観測)
- スコア変動: 前期52点 → 今期50点(△2点)
- 変動の内訳: 配当が28→25、財務が15→13、収益が9→12へ動いた。配当は利回りが株価¥4,043での3.96%から¥4,861での3.29%へ下がって7→4点。財務はネットキャッシュが4→2点で、これはIFRS採用銘柄はリース負債を有利子負債に算入するという採点基準を今回から適用したこと(前カルテは不算入)と、2026年6月の社債500億円発行などで有利子負債そのものが増えたことの両方による。収益はROEが1→4点で、これは四半期カルテでは営業利益率とROEを通期予想ベースで採点する基準に沿って通期予想5.79%を用いたためで、実績4.4%を採点根拠にしていた前カルテとは基礎が異なる
- 満点項目の維持: DOE 10/10(配当)と自己資本比率 10/10(財務)は前カルテから不変。自己資本比率は62.0%→58.2%へ下がったが、医薬品の業種補正(40%以上=10点)の帯の内側にとどまっている
- 現在の位置づけ: D帯(40〜54点)の上位。配当50点のうち25点を失っており、うち10点が配当性向、7点が配当方針。前カルテで挙げた確認点のうち、通期営業利益予想+58.6%に対する第1四半期進捗率は35.3%、営業CFは△2,588百万円で運転資本の増加が続いている
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。
4. 事業の強み・構造リスク
4-1. ✅ 事業の強み
- レケンビの承認地域が同時並行で広がる構造: 早期アルツハイマー病で53の国と地域の承認を取得し、2026年6月にベルギー・オーストラリア・ブラジル・インドで新発売、7月に米国で皮下注初期療法が承認された。単一市場の薬価改定に配当原資が左右されにくくなる。
- 英国工場への供給体制投資: 2026年6月、英国政府の製造基金の支援を前提に、ハットフィールド工場でレカネマブ等の低温管理を要する製品の供給・包装体制を構築する投資を決定した。コールドチェーンの内製化は数量拡大時の供給制約を緩める。
4-2. ⚠️ 構造リスク
- レンビマの折半利益という連動支払い: 米メルク社へ支払う折半利益は当第1四半期44,252百万円(前年同期36,022百万円・+22.8%)で販管費に計上される。レンビマが伸びるほど支払いも増える設計で、増収が利益として残る比率を構造的に抑える。
- のれん2,632億円の残高: 第1四半期末ののれん263,151百万円は資産合計1,558,091百万円の16.9%を占める。買収で取得した事業の収益が計画を下回れば減損として利益を直撃し、配当原資の余裕を削る要因になる。
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)。
5. 筆者メモ
第1四半期の営業CFは26億円のマイナス。レケンビの在庫を積んでいる分で、売れれば戻る性質のものだが、配当は年451億円出ていく。通期で戻るかを見ておきたい。
次回(2027年3月期 中間期・2026年11月発表予定)見るポイント:
- 通期営業利益700億円(+58.6%)に対する中間期の進捗と、下期に積み増す計画の研究開発費・レケンビ投資の実行状況
- 営業CFが通期でプラスに戻るか(棚卸資産282,008百万円と営業債権253,125百万円の水準)
- 中間期の親会社所有者帰属持分配当率(DOE)と自己資本比率が、社債500億円発行後にどこへ落ち着くか
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2026年3月期実績 | 160円(中間80+期末80) |
| 2027年3月期予想 | 160円(中間80+期末80・±0円・第1四半期時点で修正なし) |
| 配当性向(連結・当期通期予想・表面) | 86.5%(予想DPS160円 ÷ 予想EPS185.00円)。決算短信「2.配当の状況」の予想配当性向86.5%と一致。記念配当・特別配当を含まないため実質普通配当ベースでも同値。前期実績は117.0% |
| DOE(連結・親会社所有者帰属持分配当率) | 5.2%(2026年3月期実績・決算短信記載値。第1四半期決算短信に同欄の記載はない) |
| 配当利回り | 3.29%(予想DPS160円 ÷ 株価¥4,861・2026-08-25終値・J-Quants API) |
| 配当方針 | 「連結業績、配当性向、およびフリー・キャッシュ・フローを総合的に勘案し、持続的・安定的な配当を実施」(2026年3月期決算短信「2.経営方針 7)資本政策の基本的な方針 (3)株主還元」)。DOE目標・配当性向目標の数値コミットおよび累進配当の宣言はない |
| 連続増配年数 | 0期(2020年3月期に150→160円へ増額後、DPS160円を7期維持。2027年3月期予想160円は8期目にあたる) |
6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年以前の履歴を表示
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2017 | 150 | 137.63 | 109.0% |
| 2018 | 150 | 181.18 | 82.8% |
| 2019 | 150 | 221.34 | 67.8% |
| 2020 | 160 | 425.01 | 37.6% |
| 2021 | 160 | 146.34 | 109.3% |
| 2022 | 160 | 167.27 | 95.7% |
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2023 | 160 | 193.31 | 82.8% |
| 2024 | 160 | 147.86 | 108.2% |
| 2025 | 160 | 163.76 | 97.7% |
| 2026 | 160 | 136.78 | 117.0% |
| 2027(予想) | 160 | 185.00 | 86.5% |
(注)
- データ基準: 2017〜2025年3月期のDPS・EPSは EDINET DB(有価証券報告書由来)引用。2026年3月期の実績と2027年3月期(予想)は2026年3月期決算短信(2026年5月15日開示)および2027年3月期第1四半期決算短信(2026年8月3日開示)の記載値。EPSはいずれも会社開示の基本的1株当たり当期利益(親会社の所有者に帰属する当期利益ベース)で、配当性向から逆算していない
- 株式分割・併合: 対象期間に株式分割・株式併合はなく、DPS・EPSは全期間が同一の株数基準
- 記念配当・特別配当: 対象期間の決算短信「配当の状況」に記念配当・特別配当の注記はなく、表面DPSがそのまま実質普通配当ベースにあたる
- 配当政策の傾向: 2017〜2019年3月期は150円、2020年3月期に160円へ増額し、そこから2026年3月期まで7期同額。EPSは136.78〜425.01円と3倍を超える幅で振れているため配当性向は37.6〜117.0%と大きく動くが、DPSの水準そのものは動いていない
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: 2020年3月期に150→160円へ+10円増額したあと、2027年3月期予想まで8期にわたり160円が続く見込み。増配はないが減配もなく、EPSが3倍超の幅で振れた期間を通じて配当額だけが動いていない
- 方針シグナル: 「持続的・安定的な配当」という定性表現にとどまり、DOE目標・配当性向目標・累進配当の宣言はいずれもない。配当額の予見性は実績で担保されている一方、方針としての下限コミットは示されていないため採点は方針3/10になる
- 耐性実績: 本記事が確認した2017年3月期以降、DPSは150→160円の一方向で減配歴はない。コロナ期(2020〜2021年3月期)にEPSが425.01→146.34円へ急落した局面でも160円を維持した
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー(第1四半期累計)
| 指標 | 当期(Q1累計) | 前期(Q1累計) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 234,330百万円 | 202,651百万円 | +15.6% |
| 営業利益 | 24,728百万円 | 20,744百万円 | +19.2% |
| 税引前四半期利益 | 25,283百万円 | 22,404百万円 | +12.8% |
| 親会社の所有者に帰属する四半期利益 | 18,242百万円 | 14,474百万円 | +26.0% |
| EPS | 64.71円 | 51.35円 | +26.0% |
| 営業利益率(四半期単独) | 10.55% | 10.24% | +0.32pt |
| ROE | —(四半期非開示・通期予想は§7-3) | — | — |
| (参考)コア営業利益 | 247億円 | 217億円 | +13.9% |
セグメント別(対前年同期比)
| 区分 | 売上 | 前期比 |
|---|---|---|
| 日本医薬品事業 | 57,940百万円 | +3.4% |
| アメリカス医薬品事業 | 86,576百万円 | +22.3% |
| 中国医薬品事業 | 42,527百万円 | +16.6% |
| EMEA医薬品事業 | 23,646百万円 | +24.4% |
| イーストアジア・グローバルサウス医薬品事業 | 20,212百万円 | +25.3% |
| その他事業 | 3,429百万円 | △18.4% |
(注)売上は外部顧客に対するもの。セグメント利益は日本21,032百万円(+8.1%)・アメリカス51,936百万円(+25.0%)・中国21,178百万円(+18.2%)・EMEA12,451百万円(+51.8%)・イーストアジア・グローバルサウス9,481百万円(+15.0%)・その他事業1,251百万円(△44.0%)。中国のレケンビは前年同期に代理店が在庫を積み増した反動で48億円(△37.3%)となった。
通期予想に対する進捗率
| 項目 | 当期Q1 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 234,330百万円 | 883,500百万円 | 26.5% |
| 営業利益 | 24,728百万円 | 70,000百万円 | 35.3% |
| 税引前利益 | 25,283百万円 | 74,000百万円 | 34.2% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 18,242百万円 | 52,300百万円 | 34.9% |
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🟢 | 前年同期にあった減損損失1,309百万円が当期はない。会社が一過性の収益・費用を除いて算出するコア営業利益247億円は営業利益24,728百万円とほぼ一致しており、表面利益と本業実勢の差が小さい。なお前年同期の子会社取得による支出12,584百万円は投資CFの項目で、営業利益を押し下げる費用ではない |
| 営業外損益 | 🟢 | 金融収益2,512百万円(前年同期2,577百万円)・金融費用1,956百万円(同916百万円)。税引前四半期利益+12.8%が営業利益+19.2%を下回ったのは社債・借入増に伴う金融費用の増加が主因で、規模は営業段階の実勢を覆すものではない |
| 純利益押し下げ/押し上げ要因 | 🟡 | 法人所得税は7,068→6,132百万円へ減り、税負担率は31.5%→24.3%へ低下した。親会社帰属四半期利益+26.0%が営業利益+19.2%を上回った主因はこの税負担率の低下で、営業段階の伸びをそのまま映した数字ではない |
| 開示の誠実性 | 🟢 | コア営業利益を自主開示し調整内容を補足資料で示している。米メルク社へ支払う折半利益44,252百万円を注記で明示し、中国のレケンビが前年同期の在庫積み増しの反動で△37.3%となった点や、腎細胞がん3剤併用の第Ⅲ相試験が主要評価項目を達成しなかった事実も記載している |
→ 業績の質: コア営業利益と営業利益がほぼ一致するクリーンな増益(税負担率の低下が純利益の伸びを押し上げた点のみ留意)
7-2. 財務・CFサマリー
| 指標 | 前年同期・前期末(2026年3月末) | 当第1四半期・当期末(2026年6月末) |
|---|---|---|
| 営業CF(4〜6月累計・百万円) | 1,094 | △2,588 |
| 投資CF(4〜6月累計・百万円) | △9,369 | 6,457 |
| 財務CF(4〜6月累計・百万円) | 26,095 | 57,925 |
| 現金及び預金(BS流動・百万円)※IFRSの科目名は「現金及び現金同等物」 | 245,423 | 311,739(+27.0%) |
| 短期有価証券(BS流動・百万円) | 0 | 0 |
| 現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) | 245,423 | 311,739 |
| 自己資本比率(%) | 62.0 | 58.2(△3.8pt) |
CFの3行は4〜6月の3ヶ月累計(左列は前年同期)、現金及び預金・短期有価証券・現金及び現金同等物 期末残高・自己資本比率は各期末時点(左列は前期末=2026年3月末、右列は当第1四半期末=2026年6月末)。IFRSでは連結財政状態計算書の「現金及び現金同等物」とキャッシュ・フロー計算書の期末残高が同一の金額になる。自己資本比率は親会社所有者帰属持分比率で、△3.8ptは表中の2期の差分。
- 有利子負債: 314,412百万円。内訳は社債及び借入金271,342百万円(流動86,738+非流動184,604)とリース負債43,070百万円。社債及び借入金は、2026年6月に成長投資向けの資金調達として総額500億円の無担保社債を発行したことなどで前期末の186,081百万円から85,261百万円増えた。IFRS採用銘柄はオペレーティングリースを含むリース負債も有利子負債に算入するが、第1四半期決算短信ではリース負債が「その他の金融負債」(流動22,106+非流動33,595百万円)に集約され内訳が開示されていないため、2026年3月期有価証券報告書(2026年6月12日提出)の開示値43,070百万円を代理値として控除した
- ネットキャッシュ: 現金及び預金311,739百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債314,412百万円 = △2,673百万円。時価総額約14,177億円(株価¥4,861×期末発行済株式数291,649,149株・自己株式を含む)の△0.19%で、「ほぼゼロ(マイナス側5%以内)」帯の2/10点。連結財政状態計算書に有価証券の独立掲記はなく短期有価証券は0とし、流動資産の「その他の金融資産」1,576百万円は内訳が開示されていないため分子に算入していない。IFRS採用銘柄はオンバランス化されたリース負債が有利子負債に加わるぶん、日本基準の銘柄より構造的にやや辛めの数値になる点に留意されたい
- 営業CF安定性の評価対象5期(2022年3月期〜2026年3月期・単位百万円): 117,590 → △1,772 → 55,993 → 30,117 → 61,323。2023年3月期に赤字が1回あるため「5年内に営業CF赤字1回」帯の1/5点。当第1四半期の営業CF△2,588百万円は四半期の数値のため採点には使っていない
- 四半期中の資産・負債の動き: 資産合計は前期末比108,978百万円増の1,558,091百万円。棚卸資産が257,547→282,008百万円、営業債権及びその他の債権が227,002→253,125百万円と増え、レケンビ等の生産と売上拡大を映している。負債合計は100,932百万円増の624,922百万円で、社債の発行と短期借入金の増加が主因。資本合計の増加が8,045百万円にとどまるなかで資産・負債が膨らんだことが、自己資本比率△3.8ptの中身にあたる
- 自己株式の動き: 期末自己株式数は9,535,293株→9,190,146株へ345,147株減少した。期末発行済株式総数(自己株式を含む)は291,649,149株で前期末と同数のため、当第1四半期に消却は行われていない。同期間に信託として保有する当社株式は223,240株→568,840株へ増えており、要約四半期連結持分変動計算書に計上された自己株式の異動は取得△2百万円のみである
7-3. 通期業績予想(2027年3月期)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 883,500百万円 | +7.0% |
| 営業利益 | 70,000百万円 | +58.6% |
| 税引前当期利益 | 74,000百万円 | +45.1% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 52,300百万円 | +35.6% |
| EPS | 185.00円 | +35.3% |
| 年間配当 | 160円 | ±0円 |
| (参考)コア営業利益 | 700億円 | +39.8% |
| 営業利益率(通期予想) | 7.92%(70,000百万円÷883,500百万円・本ブログ算出) | +2.6pt |
| ROE(通期予想) | 5.79%(52,300百万円÷902,778百万円・本ブログ算出) | +1.4pt |
(注)ROEの分母902,778百万円は、期首自己資本898,992百万円(2026年3月期末)と第1四半期末自己資本906,564百万円の平均。前期比は2026年3月期の会社開示値(親会社所有者帰属持分当期利益率4.4%・売上収益営業利益率5.3%)との差。会社は2026年5月15日公表の通期予想を据え置いており、第1四半期時点で修正はない。前提為替レートは1米ドル153.0円・1ユーロ180.0円・1英ポンド205.0円・1人民元22.5円。
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 第1四半期の売上収益・営業利益・税引前四半期利益・親会社帰属四半期利益・EPS・コア営業利益 | 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(2026-08-03開示) | 🟢 一次情報 |
| 通期業績予想・進捗率の分母 | 2027年3月期 第1四半期決算短信「1.(4)業績予想などの将来予測情報に関する説明」(2026年5月15日公表値から修正なし) | 🟢 一次情報 |
| 営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) | 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と第1四半期末自己資本の平均) | 🟡 補助データ |
| 配当実績・当期配当予想・予想配当性向 | 2027年3月期 第1四半期決算短信「2.配当の状況」 | 🟢 一次情報 |
| DOE(親会社所有者帰属持分配当率)5.2%・配当方針 | 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」「2.経営方針 7)資本政策の基本的な方針 (3)株主還元」(2026-05-15開示) | 🟢 一次情報 |
| 自己資本比率・現金及び現金同等物・社債及び借入金・のれん・棚卸資産・発行済株式数・自己株式数 | 2027年3月期 第1四半期決算短信「要約四半期連結財政状態計算書」「要約四半期連結持分変動計算書」 | 🟢 一次情報 |
| 営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 期末残高 | 2027年3月期 第1四半期決算短信「要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書」 | 🟢 一次情報 |
| セグメント別売上収益・セグメント利益・品目別売上収益・折半利益・トピックス(レケンビ承認国数・新発売・皮下注承認・英国工場投資) | 2027年3月期 第1四半期決算短信「(セグメント情報)」「1.(1)経営成績に関する説明」 | 🟢 一次情報 |
| リース負債43,070百万円(2026年3月31日時点・有利子負債算入の代理値) | 2026年3月期 有価証券報告書(2026-06-12提出)注記「その他の金融負債」「リース」 | 🟢 一次情報 |
| 過去配当履歴・EPS推移・過去5期の営業CF | EDINET DB | 🟢 一次情報 |
| 株価¥4,861(2026-08-25終値) | J-Quants API(JPX 公式) | 🟢 一次情報 |
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