結論: 価格転嫁と高機能材料で大幅増益、通期を上方修正
📊 スコア: B 77点
💰 配当: 76→79円(+3円)、上方修正後も予想は据え置き
✅ 良い点: 16期連続増配、通期予想営業利益率10.6%、自己資本比率67.1%
⚠️ 注意点: 下期の営業利益は上期の半分以下の予想、原料高の継続、ネットキャッシュは薄い
1. 業績ハイライト
- 売上高2,248.72億円(+8.9%)で増収
- 営業利益319.21億円(+65.0%)・利益率14.2%
- 経常利益335.62億円(+75.4%)・保険金も寄与
- 親会社株主帰属の中間純利益262.74億円(+17.8%)
- 通期予想を上方修正・営業利益455億円へ
サマリー
- 増益は両部門の価格と数量: 高機能材料は電池材料・COP・大型テレビ向け光学フィルムが伸びてセグメント利益191.54億円(+63.3%)、エラストマー素材は原料高を販売価格に転嫁し円安も加わって107.89億円(+65.9%)となった。
- 純利益の伸びは営業段階より小さい: 特別利益の投資有価証券売却益が前年同期の168.54億円から56.55億円に減ったため、純利益は+17.8%にとどまった。営業外では受取保険金13.21億円が加わっている。
- 通期予想を上方修正: 10月29日に営業利益を380億→455億円、純利益を360億→430億円へ引き上げた。ただし上期に319億円を稼いでおり、下期は原価差や設備投資の検収時期のずれなどで136億円と上期の半分以下を見込む。
2. 配当判断サマリー
- 2027年3月期は年79円予想(中間39円・期末40円)で前期比+3円。10月29日の業績予想の修正でも配当予想は変えておらず、17期目の連続増配の見込みが続く
- 配当のKPIはDOE(自己資本配当率)4%以上。中間期の決算説明資料(2026年10月29日)は、配当金を「DOE4%以上の方針に基づき、年度末に見直しを行う予定」としている
- 自己株式取得は2024〜2026年度の3年間で総額400億円の計画。2024年度200億円・2025年度100億円は完了し、2026年度分100億円は時期を精査のうえ実施予定のままで、当中間期の取得額はほぼゼロ
- 同じ化学でDOE4%以上を掲げる日東電工(6988)は総還元性向60%以上の目標を併記しているのに対し、日本ゼオンはDOEを配当のKPIに据え、自己株式取得は金額の計画で別に示す設計になっている
3. スコア内訳
配当持続性ランク: B(77/100点) ★★★★☆
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 41 | 性向9・DOE7・利回り7・方針8・耐性10 |
| 財務 | 25 | 17 | 自己資本10・ネットキャッシュ4・営業CF安定性3 |
| 収益 | 25 | 19 | 営業利益率12・ROE7 |
| 合計 | 100 | 77 | — |
営業利益率は修正後の通期予想10.6%(営業利益455億円÷売上高4,300億円)を採点根拠とし、10〜15%帯で12/15とした。中間期の実績は14.2%だが、会社は下期の営業利益を上期より大きく少なく見込んでいるため、年度ベースの水準を採用している。
3-1. 主な加点(高得点項目)
- 増配減配耐性 10/10: 16期連続増配+直近5年(2022〜2026年3月期)減配なし+当期も+3円増配予想で満点。コロナ期(2021・2022年3月期)も増配を続けている
- 自己資本比率 10/10: 中間期末67.1%(60%以上)で満点。総資産6,054.85億円に対し自己資本4,060.16億円
- 配当性向 9/10: 当期予想35.2%(79円÷修正後の予想EPS224.56円・本ブログ算出)。化学はメーカー中央値35%を準用し、乖離+0.2ptで「中央値〜+10pt」帯・9点
- 営業利益率 12/15: 通期予想10.6%(営業利益45,500百万円÷売上高430,000百万円・本ブログ算出)で10〜15%帯
- 配当方針 8/10: 配当のKPIとしてDOE4%以上を明示(2024年10月28日の配当方針変更)。累進配当の宣言はないためDOE目標相当の8点
- DOE 7/10: 4.0%(2026年3月期実績・通期決算短信「配当の状況」純資産配当率)で3〜5%帯・7点。当期のDOEの見込みは数値で示されていない
- 配当利回り 7/10: 当期予想DPS79円ベースで3.5〜4.5%帯・7点
- ROE 7/10: 通期予想ベース11.0%(予想純利益43,000百万円÷期首377,476百万円と中間期末406,016百万円の平均391,746百万円・本ブログ算出)で10〜15%帯・7点
3-2. 主な減点(低得点項目)
3-3. スコアの動き(定点観測)
- スコア変動: 前期カルテC67点 → 今期B77点(+10点)で、ランクはCからBへ上がった。カテゴリ別では配当38→41点、収益12→19点で、財務は17点のまま
- 変動の内訳: 動いたのは3項目。営業利益率は8→12点で、10月29日の修正で通期予想の営業利益が380億→455億円、売上高が4,050億→4,300億円となり、通期予想の利益率が9.4%→10.6%と「10〜15%」帯に入った。ROEは4→7点で、予想純利益が360億→430億円に上がり、期首と直近開示時点の自己資本の平均で割った値が9.3%→11.0%となった。配当利回りは4→7点で、分子の予想DPS79円は変わらず、前回カルテ時点からの株価の下落で「2.5〜3.5%」帯から「3.5〜4.5%」帯へ移った
- 満点項目は維持: 増配減配耐性10(配当)と自己資本比率10(財務)は前回から満点を続けている。配当性向は予想EPSの上方修正で42.6%→35.2%に下がったが、中央値35%をわずかに上回るため9点のまま
- 現在の位置づけ: B(70〜84点)の帯で、Bの下限から7点上。今回の上げ10点のうち7点は通期予想の上方修正による収益2項目、3点は株価の変化による配当利回り。財務の失点8点のうち6点はネットキャッシュで、設備投資に伴うコマーシャル・ペーパーの増加で手元資金の余裕は薄い。なお前回までのカルテは有利子負債にリース債務を含めていなかった(前回カルテには含めた場合の注記を追加)が、含めても当時のネットキャッシュはプラスで点数は変わらない
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。
4. 事業の強み・構造リスク
4-1. ✅ 事業の強み
- 稼働時期が確定した能力増強の積み上がり: COPフィルム新ラインは2027年度夏、COP新プラントは2028年度下期に稼働予定。建設仮勘定は前期末から231億円増えて934.62億円となり、当面は投資が先行するが、稼働後は高機能材料の利益が配当原資の厚みにつながる
- 電池材料の出荷が年度で大きく伸びる見通し: 高機能バインダー材料はEV・ESS向けの正極材の出荷増で、第2四半期(7〜9月)単独の営業利益が22億円(+92%)。会社は電池材料について年度で前年比約8割の出荷増を見込んでおり、汎用ゴム以外の利益源が太くなっている
4-2. ⚠️ 構造リスク
- 主原料の調達を中東情勢に握られる構造: 第1四半期はホルムズ海峡の封鎖で主原料の調達量に合わせた生産となり、汎用ゴムの輸出スポット販売を抑えた。下期の前提も国産ナフサ102,000円/KL(期初63,000円)と原料高の継続で、固定費の転嫁が遅れれば利益と配当原資を直接圧迫する
- 自己資本を意図的に薄くする資本構成方針: 会社は2028年度末の目安にD/Eレシオ0.3〜0.4・自己資本比率57%程度を掲げ、負債の活用へ舵を切っている。DOEは自己資本を分母とするため、自己株式取得などで自己資本の額が減れば、同じDOE4%でも配当総額は目減りする計算になる
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)。
5. 筆者メモ
上方修正で収益の2項目が帯を上がったが、下期の営業利益は上期の半分以下という予想が前提にある。年度末に見直すとしている配当が79円から動くかを見たい。
次回(2027年3月期 第3四半期・2027年1月29日発表予定)見るポイント:
- 下期の前提(国産ナフサ102,000円/KL・US$157円)に対する第3四半期累計の営業利益の進み具合
- 年度末に予定する配当の見直しで、年79円の予想が変わるか
- 2026年度分100億円の自己株式取得の実施時期
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2026年3月期実績 | 中間36円+期末40円=76円 |
| 2027年3月期 中間期実績 | 39円(支払開始予定日2026年12月4日) |
| 2027年3月期予想 | 中間39円+期末40円=79円(+3円・10月29日の業績予想の修正後も配当予想の修正なし) |
| 配当性向(連結・表面) | 35.2%(79円 ÷ 修正後の予想EPS224.56円・本ブログ算出) |
| DOE(連結・純資産配当率) | 4.0%(2026年3月期実績・決算短信記載値) |
| 配当利回り | 採点帯 3.5〜4.5%(7/10)・予想DPS79円 |
| 配当方針 | 安定的・継続的な株主還元を基本とし、配当のKPIとして自己資本配当率(DOE)を採用したうえで DOE4%以上とする(2024年10月28日「配当方針の変更」で決定し、2024年9月30日を基準日とする中間配当より適用)。中期経営計画「STAGE30」第3フェーズ進捗説明資料(2026年6月10日)では、4%以上の方針を維持しつつ段階的にDOE5%への引き上げを目指すと表明。2026年10月29日の決算説明資料では、配当金は年度末に見直す予定としている |
| 連続増配年数 | 16期連続増配(2011年3月期〜2026年3月期) + 2027年3月期予想で 17期目 継続見込み |
6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年以前の履歴を表示
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2012/3 | 11 | 82.75 | 13.3% |
| 2013/3 | 12 | 63.81 | 18.8% |
| 2014/3 | 13 | 85.15 | 15.3% |
| 2015/3 | 14 | 84.13 | 16.6% |
| 2016/3 | 15 | 79.86 | 18.8% |
| 2017/3 | 16 | 104.31 | 15.3% |
| 2018/3 | 17 | 58.81 | 28.9% |
| 2019/3 | 19 | 84.06 | 22.6% |
| 2020/3 | 21 | 92.44 | 22.7% |
| 2021/3 | 22 | 126.74 | 17.4% |
| 2022/3 | 28 | 153.22 | 18.3% |
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2023/3 | 36 | 49.94 | 72.1% |
| 2024/3 | 45 | 147.19 | 30.6% |
| 2025/3 | 70 | 127.43 | 54.9% |
| 2026/3(実績) | 76 | 186.67 | 40.7% |
| 2027/3(予想) | 79 | 224.56 | 35.2% |
(注)
- データ基準: 2012/3〜2025/3期はEDINET DB引用。2026/3期実績は決算短信・有価証券報告書の記載値、2027/3期予想のEPS224.56円は2026年10月29日修正後の会社予想(中間期決算短信の記載値)で、EPSはいずれも会社開示値をそのまま用いている(配当性向から逆算していない)。配当性向は配当÷EPS×100で再計算
- 異常値の説明: 2018/3期(EPS58.81円・配当性向28.9%)と2023/3期(EPS49.94円・配当性向72.1%)は、EPSが前後の期より大きく落ち込んだ期。DPSはそれぞれ+1円・+8円の増配を維持しており、利益の谷を配当性向の上昇で吸収している
- 配当政策の傾向: 2016/3期15円から2026/3期76円まで5.1倍に拡大。2024年10月に配当性向30%以上からDOE4%以上へKPIを切り替えたことで、利益の変動よりも自己資本の水準に配当が連動する設計に変わった
- 連続増配の起点と数え方: 上表と折りたたみは2012/3期以降のみだが、連続増配の起点は2011年3月期。会社の2026年度中間期決算説明資料(2026年10月29日)は「2010年度から17期連続増配予想」と記載しており、2010年度が2011年3月期にあたる。上表で確認できる2012/3期11円〜2026/3期76円は各期とも前期を上回っており(2014/3期以降の年間配当は会社IRサイト「株価・配当金の推移」の中間・期末の額とも一致)、2011年3月期〜2026年3月期で16期連続増配、2027年3月期予想79円で17期目となる
- 記念配当・特別配当・株式分割: 2026年3月期決算短信および2027年3月期中間期決算短信の「配当の状況」に記念配当・特別配当の注記はなく、表面DPSと実質普通配当ベースは一致する。株式分割・株式併合の実施もない
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: DPSは2023/3期36円→2026/3期76円と3期で2.1倍。2027年3月期は+3円の79円予想で、17期目の連続増配となる見込み。予想EPSが224.56円(前期比+20.3%)へ上方修正されたため、配当を据え置いたまま予想配当性向は42.6%から35.2%に下がった
- 方針シグナル: 配当のKPIをDOE4%以上と明示し、中間期の決算説明資料でも同じ方針と「年度末に見直し」の予定を示した。2024〜2026年度で総額400億円の自己株式取得を計画しており、配当と自己株式取得を組み合わせる還元の骨格は変わっていない
- 耐性実績: 直近5年(2022〜2026年3月期)に減配はなく、EPSが49.94円まで落ちた2023/3期でも+8円増配。利益の谷でも配当を優先する運用が実績として残っている
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー(中間期累計)
| 指標 | 当中間期 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 224,872百万円 | 206,471百万円 | +8.9% |
| 営業利益 | 31,921百万円 | 19,352百万円 | +65.0% |
| 営業利益率(中間期実績) | 14.2% | 9.4% | +4.8pt |
| 経常利益 | 33,562百万円 | 19,133百万円 | +75.4% |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | 26,274百万円 | 22,305百万円 | +17.8% |
| EPS | 137.25円 | 113.76円 | +20.6% |
前年同期比は決算短信記載の増減率(営業利益は百万円表示の値から計算すると+64.9%)。修正後の通期予想に対する進捗率は売上高52.3%・営業利益70.2%・経常利益72.2%・純利益61.1%(いずれも百万円実額から算出)。営業利益の進捗が標準ペースの50%を大きく上回るのは、会社が下期の営業利益を上期より大きく少ない13,579百万円(通期予想−中間実績)と見込んでいるため。
セグメント別(対前年同期比)
| 区分 | 売上(前年同期比) | セグメント利益(前年同期比) |
|---|---|---|
| エラストマー素材 | 120,426百万円(+7.0%) | 10,789百万円(+65.9%) |
| 高機能材料 | 70,114百万円(+12.5%) | 19,154百万円(+63.3%) |
| その他 | 36,687百万円(+11.4%) | 2,768百万円(+41.6%) |
売上はセグメント間の内部売上を含む「計」ベース、セグメント利益は営業利益ベース。3区分とも売上の伸びは1割前後にとどまり、利益は4〜6割台伸びた。高機能材料のセグメント営業利益率は約27%で、全社の営業利益の約6割を稼ぐ。
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🟡 注意 | 会社は、エラストマー素材の増益に前期末在庫の影響、高機能材料の増益に光学フィルムの棚卸資産関連費用の減少を挙げており、在庫評価に絡む上振れを含む。下期は上期のコスト高騰による在庫の影響を受ける想定としている |
| 営業外損益 | 🟡 注意 | 営業外損益は△219百万円→+1,641百万円。受取保険金1,321百万円(前年同期14百万円)と投資事業組合運用益675百万円が中心で、経常利益の伸びが営業利益を上回った |
| 純利益押し下げ要因 | 🟡 注意 | 特別損益の黒字は+13,326百万円→+4,431百万円に縮小。投資有価証券売却益が16,854百万円から5,655百万円に減ったことが主因で、税金等調整前の伸びは+17.0%にとどまった |
| 開示の誠実性 | 🟢 高 | 決算説明資料で、通期予想の前提(為替・国産ナフサ・ブタジエン)の見直しと、上期から下期への営業利益の差異の要因(原価差・設備投資の検収時期のずれ・年度末費用・前倒し出荷の反動)を金額で示している |
→ 業績の質: 営業段階の+65.0%は価格転嫁と高機能材料の出荷増が中心だが、在庫評価に絡む上振れも含む(純利益は有価証券売却益の減少で+17.8%)
7-2. 財務・CFサマリー
| 指標 | 前年同期・前期末(2026年3月末) | 当中間期・当中間期末(2026年9月末) |
|---|---|---|
| 営業CF(4〜9月累計・百万円) | 48,159 | 29,461 |
| 投資CF(4〜9月累計・百万円) | △776 | △25,271 |
| 財務CF(4〜9月累計・百万円) | △30,233 | 1,022 |
| 現金及び預金(BS・百万円) | 28,678 | 35,066 |
| 短期有価証券(BS流動・百万円) | 0 | 0 |
| 現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) | 43,957 | 34,757 |
| 自己資本比率(%) | 68.9 | 67.1 |
CFの3行は4〜9月の6ヶ月累計(左列は前年同期)。現金及び預金・短期有価証券・自己資本比率は各期末時点で、左列は前期末(2026年3月末)・右列は当中間期末(2026年9月末)。現金及び現金同等物 期末残高(CF)のみ左列が前年同期末(2025年9月末)。
- 営業CF: 29,461百万円で前年同期比△38.8%。税金等調整前中間純利益は増えたが、売上債権(△3,780百万円)と棚卸資産(△7,815百万円)の増加、法人税等の支払9,686百万円(前年同期2,670百万円)が重なった。投資CFは有形固定資産の取得31,003百万円が中心で、不足分をコマーシャル・ペーパーの増加11,000百万円で賄っている
- 有利子負債: 短期借入金8,960百万円+コマーシャル・ペーパー18,000百万円+リース債務2,392百万円=29,352百万円。社債・長期借入金の計上はなく、日本基準の中間連結貸借対照表ではリース債務が独立掲記されていないため、2026年3月期 有価証券報告書の借入金等明細表のリース債務(1年以内817百万円+1年超1,575百万円)を代理値として用いた。会社開示のD/Eレシオ0.07は、上記29,352百万円÷自己資本406,016百万円=0.072と整合する
- ネットキャッシュ: 現金及び預金35,066百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債29,352百万円 = +5,714百万円。時価総額比(期末発行済株式数209,251,256株・自己株式を含む)で、プラスだが時価総額10%未満の帯。リース債務を除いて計算しても+8,106百万円で帯は同じ。投資その他の資産の投資有価証券84,805百万円は長期資産のため分子に算入していない
- 前期末との比較: 前期末は現金及び預金28,678百万円 − 有利子負債18,352百万円(短期借入金8,960+コマーシャル・ペーパー7,000+リース債務2,392)=+10,326百万円で、同一基準で見ると当中間期末は△4,612百万円縮んだ。現金及び預金は増えたが、それ以上にコマーシャル・ペーパーが7,000→18,000百万円へ増えた
- 営業CF安定性: 採点は直近5期(2022年3月期〜2026年3月期)の通期実績33,140 → 14,358 → 47,413 → 20,781 → 76,436百万円を対象とする。赤字(マイナス)の期はないが、5期平均38,426百万円に対する振れが△62.6%〜+98.9%と大きく、最も離れた2026年3月期を除いた4期でも、その4期平均から±20%を外れる期が残るため3/5点
- 自己株式: 期末発行済株式総数は209,251,256株で前期末と同数、消却はない。期末自己株式数は17,905,749株から17,710,345株へ△195,404株減った(株式給付信託〔BBT-RS〕が保有する株式を含む)。財務CFの自己株式の取得による支出は1百万円未満(表示は△0)
7-3. 通期業績予想(2027年3月期・2026年10月29日修正)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 430,000百万円(修正前405,000) | +4.4% |
| 営業利益 | 45,500百万円(修正前38,000) | +25.1% |
| 経常利益 | 46,500百万円(修正前37,000) | +16.1% |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 43,000百万円(修正前36,000) | +18.7% |
| EPS | 224.56円(修正前185.51円) | +20.3% |
| 営業利益率(通期予想) | 10.6%(45,500百万円÷430,000百万円・本ブログ算出) | +1.8pt |
| ROE(通期予想) | 11.0%(予想純利益43,000百万円÷自己資本391,746百万円=期首377,476百万円と中間期末406,016百万円の平均・本ブログ算出) | +1.1pt |
修正の理由として会社は、エラストマー素材での原料価格上昇を反映した販売価格改定の進捗と円安、高機能材料での大型テレビ向け光学フィルムや電池材料の堅調な需要を挙げている。下期の前提はUS$=157円・€=178円・国産ナフサ102,000円/KL・アジアブタジエンUS$1,400/MT(期初はUS$=150円・€=175円・63,000円/KL・US$950/MT)。営業利益への為替影響は1円/US$あたり約4億円、1円/€あたり約1億円で、円安方向に振れると増加する。セグメント別の通期営業利益予想は高機能材料280億→315億円、エラストマー素材85億→115億円。塗料子会社トウペの全株式は2026年11月2日にナトコへ譲渡する予定で、会社は売却価額21.9億円・連結の売却損失約19億円を見込んでいる(2026年5月13日の決算短信の後発事象の注記・価格調整条項により変動しうる)。前期比欄の営業利益率・ROEは2026年3月期実績(8.8%・9.9%)との比較。
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 中間期の売上高・営業利益・経常利益・純利益・EPS・営業外損益・特別損益 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-10-29開示)「中間連結損益計算書」 | 🟢 一次情報 |
| セグメント別売上・セグメント利益・各部門の増減要因 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「1.(1)当中間期の経営成績の概況」「セグメント情報等の注記」 | 🟢 一次情報 |
| 自己資本比率・現金及び預金・短期借入金・コマーシャル・ペーパー・建設仮勘定・発行済株式数・自己株式数 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「中間連結貸借対照表」「注記事項(4)発行済株式数」 | 🟢 一次情報 |
| 営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 中間期末残高 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「中間連結キャッシュ・フロー計算書」 | 🟢 一次情報 |
| 修正後の通期業績予想・修正理由 | 2026年10月29日「業績予想の修正に関するお知らせ」 | 🟢 一次情報 |
| 配当実績・当期配当予想・DOE(純資産配当率) | 2026年3月期 決算短信(2026-05-13開示)「2.配当の状況」・2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「2.配当の状況」 | 🟢 一次情報 |
| 営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想)・配当性向 | 本ブログ算出(会社の通期予想値より計算・ROE分母は期首自己資本と中間期末自己資本の平均) | 🟡 補助データ |
| 下期の予想前提(為替・ナフサ・ブタジエン)・営業利益差異の要因・セグメント別予想・電池材料の出荷見通し・D/Eレシオ・株主還元予想・連続増配期数 | 2026年度 第2四半期決算報告(2026-10-29) | 🟢 一次情報 |
| リース債務(2026年3月末)・配当政策 | 2026年3月期 有価証券報告書「借入金等明細表」「配当政策」 | 🟢 一次情報 |
| 配当方針(DOE4%以上)・適用基準日 | 業績予想の修正、配当方針の変更、剰余金の配当(中間配当)の決定および期末配当予想の修正に関するお知らせ(2024-10-28) | 🟢 一次情報 |
| DOE5%への引き上げ方針・自己株式取得400億円計画・COPの能力増強の稼働時期・資本構成の目安 | 中期経営計画第3フェーズ(2025-2028年度)進捗 説明資料(2026-06-10) | 🟢 一次情報 |
| 過去配当履歴・EPS推移・営業CF推移 | EDINET DB(2014年3月期以降の中間・期末配当は会社IRサイト「株価・配当金の推移」と照合) | 🟢 一次情報 |
| 株価・配当利回り | 記事作成時点の終値を採点にのみ使用(数値は非掲載) | 🟡 補助データ |
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