【日本特殊陶業(5334)】配当B(73点) — 2027年3月期 中間期

観察中(筆者は当該銘柄を未保有)📁 ガラス・土石製品

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結論: 還元方針をDOE6%目標に変え、上方修正と増配

📊 スコア: B 73点
💰 配当: 102.50→119円(+16.50円・分割後換算。10月30日に分割後換算の年間105円予想から増額修正)
✅ 良い点: DOE6%程度を目標に方針変更、通期予想営業利益率19.8%、自己資本比率65.5%
⚠️ 注意点: 直近5年に減配1回、税引前の4割強が評価益、ネットキャッシュはマイナス


1. 業績ハイライト

  • 売上収益4,062億円(+15.7%)で増収
  • 営業利益818億円(+15.6%)・利益率20.1%
  • 税引前利益1,381億円(+84.5%)・評価益590億円を含む
  • 親会社帰属の中間利益1,100億円(+108.1%)
  • 通期予想を上方修正・営業利益1,600億円へ

サマリー

  • 本業は二桁の増収増益: 売上収益+15.7%・営業利益+15.6%で、営業利益率は前年同期と同じ20.1%を保った。営業利益には一部子会社の事業譲渡損失98.08億円(その他費用)を含んでおり、それを吸収しての増益。
  • 純利益の倍増は評価益が上乗せ: 投資有価証券の評価益590.27億円が金融収益に入り、税引前利益の42.7%を占める。第1四半期累計の995.27億円からは縮んでおり、会社は今後の四半期でも変動しうると説明している。
  • 通期予想を上方修正: 円安と堅調な需要を受けて、営業利益を1,500億→1,600億円、当期利益を1,050億→1,250億円へ引き上げた。修正後の予想に中間期までの評価益は含めていないと会社は明記している。

2. 配当判断サマリー

  • 中間配当を105→119円(分割前の株式数が基準)に増額して決議し、期末予想も52.50→59.50円(分割後の株式数が基準)に修正した。分割後換算の年間は119円で前期実績102.50円から+16.50円、分割前換算では205→238円(期初予想210円から+28円)
  • 配当方針を、DOE4%程度を下限とする安定配当部分と配当性向10%程度を目標とする業績連動部分の組み合わせから、「2030年3月期までの中期経営計画期間はDOE6%程度を目標」へ変更した(2027年3月期から適用)。増額は方針変更に沿ったもので、記念配当・特別配当の記載はない
  • 新方針には、2023年7月公表のLP出資に係る評価損益で利益剰余金に計上された額を、現金化されるまで配当額の計算から除くという但し書きが付いた。評価損益の振れが配当額に直結しない設計になっている
  • 同じガラス・土石製品では品川リフラ(5351)もDOE4%以上を基準とする累進配当へ移行しており、DOEを配当の物差しに据える点は共通する。日本特殊陶業は累進の宣言はなく、中計期間の目標水準をDOE6%程度に置いた

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(73/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 33 性向9・DOE10・利回り4・方針8・耐性2
財務 25 15 自己資本10・ネットキャッシュ2・営業CF安定性3
収益 25 25 営業利益率15・ROE10
合計 100 73 —

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 営業利益率 15/15: 19.8%(修正後の通期予想の営業利益160,000百万円 ÷ 売上収益810,000百万円・本ブログ算出)。15%以上の帯で満点。中間期の実績20.1%ではなく当期通期の会社予想を採点根拠としている
  • ROE 10/10: 15.5%(修正後の通期予想の当期利益125,000百万円 ÷ 平均親会社所有者帰属持分805,175百万円=前期末767,419百万円と当中間期末842,930百万円の平均・本ブログ算出)。15%以上の帯で満点。会社開示の通期ROE予想は15.6%
  • 自己資本比率 10/10: 65.5%(親会社所有者帰属持分比率・前期末62.8%から+2.7pt)。60%以上の最上位帯
  • DOE 10/10: 5.6%(2026年3月期決算短信の親会社所有者帰属持分配当率・連結)。5%以上で満点。中間期決算短信の配当表にはDOE欄がなく、当期の見込みのDOEも数値では示されていないため、直近の通期開示値を用いた
  • 配当性向 9/10: 37.1%(当期予想119円 ÷ 予想EPS320.50円・いずれも分割後換算・決算短信記載値と一致)。メーカー・小売の中央値35%からの乖離+2.1ptで「中央値〜+10pt」帯
  • 配当方針 8/10: 2030年3月期までの中期経営計画期間はDOE(親会社所有者帰属持分配当率)6%程度を目標とする方針を2026年10月30日に公表。DOEの数値水準を示す型で8点

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 増配減配耐性 2/10: 2024年3月期に83→82円(分割後換算)の減配(△1.2%)があり、直近5年(2022年3月期〜2026年3月期)に単年減配が1回入る。以後は89→102.50円と2期連続増配で、当期予想も+16.50円だが、判定は2点にとどまる
  • ネットキャッシュ 2/10: △15,987百万円。「ほぼゼロ(マイナス0〜−5%)」帯。算定根拠は §7-2 参照
  • 配当利回り 4/10: 予想DPS119円ベース。DPS・株価とも分割後の基準。2.5〜3.5%帯で4点

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期カルテC68点 → 今期B73点(+5点)で、ランクはCからBへ上がった。カテゴリ別では配当31→33点、収益22→25点で、財務は15点のまま
  • 変動の内訳: 動いたのは2項目。配当利回りは2→4点で、分子の当期予想DPSが10月30日の増額修正で分割後換算105→119円(分割前換算210→238円)に増え、前回カルテ時点からの株価の下落(分割の影響をならした比較)も重なって「1.5〜2.5%」帯から「2.5〜3.5%」帯へ上がった。ROEは7→10点で、通期予想の当期利益が105,000→125,000百万円に上方修正され、期首と直近開示時点の自己資本の平均で割った値が13.0%→15.5%となり「15%以上」帯に届いた(15%との差は0.5pt)
  • 満点項目は維持: 営業利益率15(収益)・自己資本比率10(財務)・DOE10(配当)の3項目は前回カルテから満点を続け、ROEが加わって満点は4項目になった。配当性向は予想39.3%→37.1%で9点のまま、配当方針は「DOE下限+業績連動」から「DOE目標」に変わったが、どちらもDOEの数値水準を示す型で8点のまま
  • 現在の位置づけ: B(70〜84点)の下側で、Bの下限まで3点。配当50点の失点17点のうち14点が増配減配耐性(2024年3月期の減配が直近5年に残る)と配当利回りに集中し、財務の失点10点のうち8点はネットキャッシュ(ほぼゼロの帯)による。収益は満点。前回カルテは株式分割前の基準、今回は分割後の基準で金額を表記しているが、比率と点数は基準の違いでは変わらない

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

4-1. ✅ 事業の強み

  • 半導体製造装置向けが第2の利益源に: コンポーネント・ソリューションは生成AI向けデータセンター投資に伴う需要で収益合計760億円(+23.7%)、営業損益は△5億円から59億円の黒字に転じた。通期もセグメント利益155億円を見込み、自動車以外の配当原資が育ちつつある
  • 補修用が新車の減産を埋める構造: プラグは中国の新車組付け用が減産の影響を受けたが、北米の新車組付け用と補修用の伸びで売上2,230億円(+17.8%)。稼働中の車両台数に紐づく補修用の需要が、新車生産の振れによる配当原資の目減りを和らげる

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 中計に織り込んだ事業譲受の中止: 2026年10月2日、デンソーのスパークプラグ・排気センサ事業の譲受を同社の申し入れで中止した。会社は本件を織り込んでいた中計の目標数値に大きな変更はない見込みとしつつ、資本配分を精査し直すとしており、DOE6%目標の前提となる計画の見直しが残る
  • 売上の約8割を占める自動車関連の需要基盤: プラグ・センサの自動車関連が売上収益の79.4%を占める一方、会社は当中間期も電気自動車の生産増と内燃機関搭載車の生産減を並べて説明している。中核の需要が長期で縮む方向にあり、配当原資の中期的な前提が入れ替わる可能性がある

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)。


5. 筆者メモ

増額は記念配当ではなく、DOE6%程度を目標とする方針への切り替えによるもの。中計期間の配当の物差しが「下限」から「目標」に変わった点が、今回いちばん大きな変化だと思う。

次回(2027年3月期 第3四半期・2027年1月発表予定)見るポイント:

  • 上方修正後の通期予想(営業利益1,600億円・当期利益1,250億円)に対する第3四半期累計の進み具合
  • 投資有価証券の評価益が第3四半期にどう動くか(修正後の通期予想には含まれていない)
  • デンソー事業の譲受中止を受けた中期経営計画の資本配分の見直しの公表内容

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目 値
2025年3月期実績 89円(中間44+期末45・分割後換算。支払実額は178円)
2026年3月期実績 102.50円(中間46.50+期末56・分割後換算。支払実額は205円)
2027年3月期 中間期実績 59.50円(分割後換算。実際の支払は分割前の株式数を基準に119円・支払開始予定日2026年11月30日)
2027年3月期予想 119円(中間59.50+期末59.50・分割後換算・+16.50円)。分割前換算では238円で、2026年10月30日に210円から増額修正
配当性向(連結・表面) 37.1%(当期予想119円 ÷ 予想EPS320.50円・いずれも分割後換算・決算短信記載値。分割前換算では238円 ÷ 641.00円)
DOE(連結・親会社所有者帰属持分配当率) 5.6%(2026年3月期決算短信記載値)
配当利回り 4/10・予想DPS119円(利回りは採点にのみ使用)
配当方針 2030年3月期までの中期経営計画期間における配当政策は、親会社所有者帰属持分配当率(DOE)6%程度を目標とする安定的な配当を目指す方針(2026年10月30日「株主還元方針の変更及び剰余金の配当(中間配当)並びに期末配当予想の修正に関するお知らせ」・2027年3月期から適用)。適正資本水準を超える部分は自己株式の取得を含む株主還元の対象とし、2023年7月公表のLP出資に係る評価損益による利益剰余金の計上額は、現金化されるまで配当額の計算から除外する
連続増配年数 2期連続増配(2025年3月期・2026年3月期) + 当期予想119円(分割後換算)で 3期目 継続見込み
株式分割 2026年10月1日効力発生で 1株→2株(基準日2026年9月30日・2026年7月31日決議)。本記事の株価・配当・EPS・株式数はすべて分割後の基準にそろえている

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(分割後換算・配当÷EPS再計算)

2022年3月期以前の履歴を表示
年度 DPS(円・分割後換算) EPS(円・分割後換算) 配当性向
2017/3 21 59.72 35.2%
2018/3 30 104.69 28.7%
2019/3 35 97.28 36.0%
2020/3 35 81.53 42.9%
2021/3 30 94.30 31.8%
2022/3 51 148.02 34.5%
年度 DPS(円・分割後換算) EPS(円・分割後換算) 配当性向
2023/3 83 163.04 50.9%
2024/3 82 204.74 40.1%
2025/3 89 233.17 38.2%
2026/3(実績) 102.50 285.21 35.9%
2027/3(予想) 119 320.50 37.1%

(注)

  • データ基準: 2026年3月期以前のDPS・EPSは、有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」およびEDINET DBの開示値(分割前)を2で割って分割後に換算した値で、EPSは「親会社の所有者に帰属する当期利益」ベース。2026年3月期のEPS285.21円は2026年10月30日「業績予想の修正に関するお知らせ」の分割後換算値(分割前570.43円)、2027年3月期予想のEPS320.50円は中間期決算短信の記載値(分割前641.00円)。配当性向は各年度とも配当÷EPSで再計算
  • 会計基準: 2020年3月期より国際会計基準を適用。2019年3月期以降のEPSは「親会社の所有者に帰属する当期利益」ベースで、2017年3月期・2018年3月期は日本基準の開示値
  • 株式分割の基準: 2026年10月1日効力発生の1株→2株分割に合わせ、全年度を分割後の基準に統一した。各年度の支払実額(名目額)は表のDPSの2倍にあたる。2027年3月期は中間配当が分割前の株式数、期末予想が分割後の株式数を基準とするため、会社は決算短信で年間合計を「-」と表示している。過去10年にほかの株式分割・株式併合はなく、発行済株式総数の減少はすべて自己株式の消却による
  • 配当政策の傾向: 過去10年で減配は2回。2020年3月期→2021年3月期の35→30円(△14.3%・コロナ期)と、2023年3月期→2024年3月期の83→82円(△1.2%)で、直近5年(2022年3月期〜2026年3月期)に入るのは後者の1回。2024年3月期を底に89→102.50円と2期連続増配、当期予想119円で3期目の見込み
  • 特別配当・記念配当: 決算短信・有価証券報告書・EDINET DBの配当履歴のいずれにも特別配当・記念配当の記載はなく、全額が普通配当。2027年3月期の増額分も、会社は株主還元方針の変更に沿ったものと説明している

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 2024年3月期の82円を底に89→102.50円と2期連続で増配し、当期予想は119円(+16.1%)。期初の予想EPSは前期比で減益の前提だったが、修正後の予想EPS320.50円は+12.4%の増益前提に変わり、増配幅も期初の+2.50円から+16.50円(いずれも分割後換算)へ広がった
  • 方針シグナル: DOEの位置づけが「4%程度の下限」から「6%程度の目標」へ上がった。2026年3月期の実績DOE5.6%を上回る水準を中計期間の目標に置いた形だが、期間は2030年3月期までに区切られており、減配しないと約束する累進配当の宣言までは含まない
  • 耐性実績: 直近5年に2024年3月期の減配(83→82円・△1.2%)が1回入るため耐性は2/10点。減配幅は小さく翌期に89円へ回復しているが、判定は減配の有無で行うため点数には反映されない

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー(中間期累計)

指標 当中間期 前年同期 前年同期比
売上収益 406,226百万円 351,171百万円 +15.7%
売上総利益 154,118百万円 136,617百万円 +12.8%
営業利益 81,773百万円 70,733百万円 +15.6%
営業利益率(中間期実績) 20.1% 20.1% 0.0pt
税引前中間利益 138,108百万円 74,859百万円 +84.5%
親会社の所有者に帰属する中間利益 110,040百万円 52,887百万円 +108.1%
EPS(基本的1株当たり中間利益・分割後換算) 282.16円 133.15円 +111.9%

前年同期の数値は、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を反映した修正後の値。修正後の通期予想に対する進捗率は売上収益50.2%・営業利益51.1%・税引前利益86.3%・親会社の所有者に帰属する当期利益88.0%(いずれも百万円実額から算出)。売上・営業利益は中間期の標準ペース50%並みで、税引前以下の進捗が突出しているのは、通期予想に含めていない評価益59,027百万円を中間期までに計上しているため。

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上(前年同期比) セグメント利益(前年同期比)
自動車関連 322,713百万円(+13.2%) 76,894百万円(+8.8%)
コンポーネント・ソリューション 75,991百万円(+23.7%) 5,883百万円(前年同期は△537百万円)
その他 7,927百万円(+59.6%) △1,004百万円(前年同期は616百万円)

売上はセグメント間内部収益を含む収益合計、セグメント利益(損失)は営業利益ベース。コンポーネント・ソリューションは売上の伸びとともに損失から黒字に転じた。その他は売上が59.6%伸びた一方でセグメント損失1,004百万円(前年同期は616百万円の利益)となった。自動車関連の内訳はプラグ222,992百万円(+17.8%)・センサ99,720百万円(+4.0%)。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🔴 金融収益61,787百万円のうち59,027百万円は投資有価証券を公正価値で測定した評価益で、税引前中間利益の42.7%を占める。第1四半期累計の99,527百万円から縮んでおり、会社は基になる市場価格の変動が続いているとして、今後の四半期でも変動しうると説明している
営業外損益(金融収益・費用) 🟡 金融収益は6,840百万円から61,787百万円へ膨らみ、金融費用も2,714百万円から5,452百万円へ増えた。営業段階より下の振れが利益の伸びの大半を作っている
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟡 営業利益には、一部子会社の事業譲渡損失9,808百万円(その他費用)が入っている。その他収益は1,200百万円から7,492百万円に増えたが、内訳は開示されていない。法人所得税費用の税引前利益に対する割合は25.2%から20.2%に下がった
開示の誠実性 🟢 評価益と事業譲渡損失の金額・計上区分、修正後の通期予想に評価益を含めない理由を本文と業績予想の修正のお知らせに明記。営業CFの計算でも評価益59,024百万円を差し引いており、本業と一過性を分けて読める

→ 業績の質: 営業利益+15.6%は事業譲渡損失98億円を吸収した本業起点の増益だが、純利益の倍増は評価益590億円が主因

7-2. 財務・CFサマリー

指標 前年同期・前期末(2026年3月末) 当中間期・当中間期末(2026年9月末)
営業CF(4〜9月累計・百万円) 57,712 69,537
投資CF(4〜9月累計・百万円) △143,911 23,982
財務CF(4〜9月累計・百万円) 126,473 △40,003
現金及び預金(BS・百万円) 187,747 239,150
短期有価証券(BS流動・百万円) 0 0
現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) 252,030 239,150
自己資本比率(%) 62.8 65.5

CFの3行は4〜9月の6ヶ月累計(左列は前年同期)。現金及び預金・短期有価証券・自己資本比率は各期末時点で、左列は前期末(2026年3月末)・右列は当中間期末(2026年9月末)。現金及び現金同等物 期末残高(CF)のみ左列が前年同期末(2025年9月末)。

  • 有利子負債: 社債及び借入金242,243百万円(流動71,451+非流動170,792)+リース負債12,894百万円=255,137百万円。国際会計基準の採用銘柄はオペレーティングリースを含むリース負債も有利子負債に算入するのが本ブログの扱いだが、中間期の要約中間連結財政状態計算書はリース負債を単独表示せず「その他の金融負債」(流動4,247+非流動8,370百万円)に含めているため、2026年3月期末の有価証券報告書の注記で開示されたリース負債12,894百万円を代理値として用いた(前回カルテと同じ扱い)
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金239,150百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債255,137百万円 = △15,987百万円。時価総額比(期末発行済株式数398,495,440株・自己株式を含む・分割後の株数)、「ほぼゼロ(マイナスだが時価総額の5%以内)」帯で2/10点。国際会計基準の要約中間連結財政状態計算書では流動資産の科目名が「現金及び現金同等物」で、日本基準の貸借対照表の「現金及び預金」に相当する。流動区分に「有価証券」の独立掲記はないため短期有価証券は0とした
  • 分子に入れていない流動資産: 流動の「その他の金融資産」16,556百万円(2026年3月期末の注記では公社債等・預入期間3か月超の定期預金などで構成)は、中間期では内訳が開示されないため算入していない(採点ガイドは預入期間3か月超の定期預金も現金に含めるとしているが、中間期の額を特定できない)。仮に全額を加えるとネットキャッシュは+569百万円となり、「プラス・時価総額の10%未満」帯の4/10点に変わる位置にある
  • 前期末との比較: 前期末は現金及び預金187,747百万円 − 有利子負債255,355百万円(社債及び借入金242,461+リース負債12,894)=△67,608百万円で、同一基準で見ると当中間期末は+51,621百万円改善した。営業CF69,537百万円に加え、有価証券の減少(30,762百万円)と投資有価証券の売却・償還(17,801百万円)で投資CFが23,982百万円の収入になったことが効いている
  • 営業CF安定性: 採点は直近5期(2022年3月期〜2026年3月期)の通期実績71,910 → 69,305 → 118,179 → 132,921 → 109,384百万円を対象とする。赤字(マイナス)の期はないが、5期平均100,340百万円に対する振れが△30.9%〜+32.5%と大きく、±20%を外れる期が3つある。最も離れた2025年3月期(+32.5%)を除いた4期でも、その4期平均92,195百万円から±20%を外れる期が残るため3/5点
  • 自己株式は取得のみで消却なし: 期末発行済株式総数は398,495,440株(分割後換算)で前期末と同数、当中間期の消却はない。期末自己株式数は5,973,580株から9,179,704株へ+3,206,124株増え(いずれも分割後換算)、財務CFの自己株式の取得による支出は15,000百万円

7-3. 通期業績予想(2027年3月期・2026年10月30日修正)

項目 予想 前期比
売上収益 810,000百万円(修正前790,000) +10.8%
営業利益 160,000百万円(修正前150,000) +15.8%
税引前利益 160,000百万円(修正前150,000) △3.3%
親会社の所有者に帰属する当期利益 125,000百万円(修正前105,000) +10.7%
EPS 320.50円(分割後換算・分割前換算では641.00円) +12.4%
営業利益率(通期予想) 19.8%(160,000百万円÷810,000百万円・本ブログ算出) +0.9pt
ROE(通期予想) 15.5%(予想当期利益125,000百万円÷平均親会社所有者帰属持分805,175百万円〔前期末767,419百万円と当中間期末842,930百万円の平均〕・本ブログ算出) △0.2pt

(注)下期の想定為替レートは1US$=150円・1EURO=180円。会社は、Wells社の自動車部品事業からの撤退に伴う損失等を考慮しても期初予想を上回る見込みとし、投資有価証券の評価益については確からしい前提を置くことが難しいとして、中間期までに計上した評価益を含めない形で修正した。税引前利益の前期比が減益なのは、前期の通期に一過性の利益が含まれていた反動による。前期比欄の営業利益率・ROEは2026年3月期実績(18.9%・15.7%)との比較。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
中間期の売上収益・売上総利益・営業利益・税引前中間利益・親会社の所有者に帰属する中間利益・EPS・金融収益・その他収益/費用・法人所得税費用 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信(2026-10-30開示)「要約中間連結損益計算書」 🟢 一次情報
評価益59,027百万円・事業譲渡損失9,808百万円・修正後の通期予想と修正理由・下期の想定為替レート 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「1.(1)当中間期の経営成績の概況」「1.(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」・2026年10月30日「業績予想の修正に関するお知らせ」 🟢 一次情報
営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と直近開示時点自己資本の平均) 🟡 補助データ
中間配当119円の決議・期末配当予想59.50円・配当方針の変更(DOE6%程度を目標)・LP出資の評価損益の除外 2026年10月30日「株主還元方針の変更及び剰余金の配当(中間配当)並びに期末配当予想の修正に関するお知らせ」 🟢 一次情報
配当の状況・配当性向37.1%・予想EPS・会社開示の通期ROE予想・プラグ/センサ別の売上 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「2.配当の状況」「3.2027年3月期の連結業績予想」・同日の決算概要 🟢 一次情報
配当実績(2025年3月期・2026年3月期)・DOE5.6% 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
株式分割の内容(1株→2株・基準日2026年9月30日・効力発生日2026年10月1日) 2026年7月31日「株式分割及び株式分割に伴う定款の一部変更並びに期末配当予想の修正に関するお知らせ」 🟢 一次情報
自己資本比率・現金及び現金同等物・その他の金融資産・社債及び借入金・その他の金融負債・期末発行済株式総数・期末自己株式数 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「要約中間連結財政状態計算書」「(3)発行済株式数」 🟢 一次情報
営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 中間期末残高・自己株式の取得による支出 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「要約中間連結キャッシュ・フロー計算書」 🟢 一次情報
セグメント別収益・セグメント利益 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「セグメント情報」「要約中間連結財政状態計算書に関する注記」 🟢 一次情報
デンソーのスパークプラグ事業・排気センサ事業の譲受の中止 2026年10月2日「(開示事項の中止)株式会社デンソーのスパークプラグ事業および排気センサ事業の譲受の中止に関するお知らせ」 🟢 一次情報
リース負債12,894百万円・その他の金融資産の内訳・過去のEPS推移・通期営業CF5期 第126期 有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」「15.その他の金融資産」「21.金融商品」 🟢 一次情報
過去配当履歴 EDINET DB 🟢 一次情報
株価・配当利回り 記事作成時点の終値を採点にのみ使用(数値は非掲載) 🟡 補助データ

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本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。