結論: 円安で増益、配当予想を72円へ増額し自己株式取得も追加
📊 スコア: B 80点
💰 配当: 60→72円予想(+12円)、中間36円を決定・10月に年64円予想から+8円増額
✅ 良い点: 年間72円へ増額、5期連続増配で当期も増配予想、自己株式取得500億円を追加、持分比率78.9%
⚠️ 注意点: 増益の多くは円安、情報機能材料△13.2%、上期の売上・営業利益は7月予想に届かず
1. 業績ハイライト
- 売上収益5,583.63億円(+8.7%)で増収
- 営業利益1,058.41億円(+12.0%)・利益率19.0%
- 親会社帰属中間利益765.02億円(+11.0%)
- 年間配当予想を64円→72円へ増額
- 円安効果+196億円が営業増益+113.37億円を上回る
サマリー
- 本業と為替の切り分け: 会社推計の利益増減分析では、営業増益+113億円に為替+196億円と特殊要因+45億円が含まれる。固定費△140億円が重く、両者を除いた実勢は減益方向
- 需要の二極化: インダストリアルテープの営業利益は+51.3%、回路材料の売上は+39.1%と伸びた。一方でノートパソコン向けの生産調整を受けた情報機能材料は△13.2%と減った
- 全社の利益予想は据え置き: 全社の通期予想は営業利益2,000億円のまま。セグメント別の売上収益予想では、情報機能材料を220億円引き下げ、インダストリアルテープを110億円・回路材料を80億円など引き上げた
2. 配当判断サマリー
- 中間配当は36円に決まり(7月時点の予想32円から+4円・前年同期30円)、期末予想も32円→36円へ引き上げた。年間72円は前期60円から+12円で、5期連続増配から6期目に入る見込み
- 自己株式は4〜8月に500億円を取得済みで、11月〜2027年3月に上限500億円(1,700万株・自己株式を除く発行済株式の2.58%)を追加する。会社は当期の総還元性向が100%を超える見通しとし、10月20日には自己株式1,547万株を消却した
- 予想配当性向33.3%(72円÷予想EPS216.29円)は化学のメーカー中央値35%以下に収まる。決算短信で掲げるDOE(株主資本配当率)4%以上・総還元性向60%以上の目標に対し、増配と自己株式取得の両方を厚くした形
- 同じ化学でDOE4%以上を配当のKPIに置く日本ゼオン(4205)と骨格は近いが、日東電工は自己株式取得の比重が大きく、総還元の数字が配当以上に動きやすい
3. スコア内訳
配当持続性ランク: B(80/100点) ★★★★☆
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 37 | 性向10・DOE7・利回り2・方針8・耐性10 |
| 財務 | 25 | 21 | 自己資本10・ネットキャッシュ7・営業CF安定性4 |
| 収益 | 25 | 22 | 営業利益率15・ROE7 |
| 合計 | 100 | 80 | — |
3-1. 主な加点(高得点項目)
- 営業利益率 15/15: 通期予想18.02%(営業利益2,000億円÷売上収益1兆1,100億円)で「15%以上」帯の満点。中間期累計の実績は19.0%だが、採点は通期予想ベース
- 配当性向 10/10: 通期予想ベース33.3%(72円÷予想EPS216.29円)で、化学(メーカー)の中央値35%以下のため満点
- 増配減配耐性 10/10: 2022〜2026年3月期の5期連続増配で直近5年に減配はなく、当期予想も72円(+12円)の増配で満点。コロナ期の2021年3月期も40円を据え置いた
- 自己資本比率 10/10: 親会社所有者帰属持分比率78.9%(前期末79.6%から△0.7pt)で「60%以上」帯の満点。自己株式取得で持分が圧縮されても8割近い
- 配当方針 8/10: DOE(株主資本配当率)4%以上と総還元性向60%以上を数値目標として明示。累進配当の宣言はないためDOE目標明示の8点
- 営業CF安定性 4/5: 2022〜2026年3月期の通期営業CFは赤字の期がなく、5期平均から最も離れた2025年3月期(+22.2%)を除いた4期がその平均から±20%以内に収まるため4点
- ネットキャッシュ 7/10: 現金及び預金332,359百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債 約38,000百万円 = +約294,359百万円。時価総額比で「プラス・10〜30%」帯
- DOE 7/10: 3.7%(2026年3月期 決算短信に記載された2026年3月期実績の親会社所有者帰属持分配当率)で「3〜5%」帯の7点。当期の会社見込みDOEは数値の開示がないため直近通期の開示実績を採用し、方針の「4%以上」は目標のため値には使わない
- ROE 7/10: 通期予想12.36%(予想親会社帰属利益1,420億円÷平均持分1兆1,493.20億円=前期末1兆1,480.27億円と中間期末1兆1,506.13億円の平均)で「10〜15%」帯の7点
3-2. 主な減点(低得点項目)
- 配当利回り 2/10: 予想DPS72円ベースで「1.5〜2.5%」帯。年72円への増額後も、配当の量を測るこの項目が10項目で最も低い
3-3. スコアの動き(定点観測)
- スコア変動: 前回(2027年3月期 第1四半期)80点 → 今回(2027年3月期 中間期)80点(±0点)
- 変動の内訳: 配当性向は30.1%→33.3%、ROEは12.2%(2026年3月期実績)→12.36%(通期予想)、自己資本比率は79.5%→78.9%と動いたが、いずれも同じ得点帯にとどまった。配当利回りは分子の予想DPSが64円→72円に増えたが、前回と同じ「1.5〜2.5%」帯の2点。ネットキャッシュの時価総額比も前回と同じ「プラス・10〜30%」帯の7点
- 満点項目は維持: 営業利益率15/15・配当性向10/10・増配減配耐性10/10・自己資本比率10/10の4項目が満点のまま。年72円への増額と1,000億円規模の自己株式取得を同じ年度に組んでも、持分比率は8割近くを保つ
- 現在の位置づけ: B帯(70〜84点)の上位で、A帯(85点以上)まで5点。収益22/25・財務21/25がほぼ満点圏にある一方、配当は50点中37点で、配当利回り2/10とDOE7/10が届いていない。配当を続ける力を測る項目と、受け取れる配当の量を測る項目の差がそのまま点数に出ている
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。
4. 事業の強み・構造リスク
※本章はスコア(§3)に入っていない事業上の強み・構造リスクを扱います。
4-1. ✅ 事業の強み
- AI投資サイクルに複数経路で接続: 上期は半導体メモリなどの工程用材料、データセンター向けHDDのCIS、スマートフォン向け高精度基板が同時に伸びた。CISには2028年度までに約280億円の増産投資を決めており、需要の入口が複数あることが配当原資の安定につながる
- 核酸受託製造が利益を生む段階へ: 大型案件の商用生産が前年第2四半期から寄与し、ヒューマンライフの営業損益は△15.98億円→+10.20億円へ黒字転換した。通期も17億円の黒字見込みで、規模は小さいが配当原資の分散に寄与する段階に入った
4-2. ⚠️ 構造リスク
- 利益の3分の2を占めるオプトロニクスの川下依存: 上期の報告セグメント営業利益の66.7%を同事業が稼ぎ、その主力は顧客の生産計画に左右される光学フィルム。自社で制御しにくい川下の在庫や生産調整が、配当原資の中心をそのまま揺らす構造にある
- 海外86.0%・中国38.4%の地域集中: 上期の顧客所在地別の海外売上収益比率は86.0%、うち中国だけで連結売上収益の38.4%。現地の設備投資の波や通商環境、為替の変化が、円換算の利益と配当原資に直結する
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)。
5. 筆者メモ
上期の営業増益113億円に対し、為替の追い風は196億円あった。円安を除くと実勢は減益方向で、増配の原資の一部が為替に支えられている点は割り引いて受け止めたい。
次回(2027年3月期 第3四半期・2027年1月頃発表予定)見るポイント:
- 情報機能材料がノートパソコン・タブレット向けの生産調整から戻るか
- 為替を除いた実勢で増益に戻るか(下期の前提は1ドル156円)
- 11月からの上限500億円の自己株式取得の進み方と、総還元性向100%超の見通しの変化
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2026年3月期実績 | 60円(中間30+期末30) |
| 2027年3月期 中間期実績 | 中間配当36円(前年同期30円から+6円・支払開始予定日2026年11月27日) |
| 2027年3月期予想 | 72円(中間36+期末36・+12円。2026年10月27日に64円予想〔中間32+期末32〕から修正) |
| 配当性向(連結・表面・通期予想ベース) | 33.3%(72円 ÷ 通期予想EPS216.29円・本ブログ算出) |
| DOE(連結・親会社所有者帰属持分配当率) | 3.7%(決算短信記載値=2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」の2026年3月期実績。当期の会社見込みDOEは数値の開示なし) |
| 配当利回り | 採点帯 1.5〜2.5%(2/10)・予想DPS72円 |
| 配当方針 | 安定的な利益還元を基本方針とし、DOE(株主資本配当率)4%以上および総還元性向60%以上の達成を目指すと明示(2026年3月期決算短信「1.(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」)。機動的な資本政策の一環として自己株式の取得も継続 |
| 連続増配年数 | 5期連続増配(2022年3月期〜2026年3月期) + 2027年3月期予想で 6期目 継続見込み |
| 自己株式取得(当期) | 4〜8月に500億円を取得済み。2026年11月4日〜2027年3月24日に上限1,700万株・500億円を追加(10月27日決議・市場買付) |
6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年3月期以前の履歴を表示
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2017/3 | 30 | 78.19 | 38.4% |
| 2018/3 | 32 | 107.80 | 29.7% |
| 2019/3 | 36 | 84.70 | 42.5% |
| 2020/3 | 40 | 60.26 | 66.4% |
| 2021/3 | 40 | 94.54 | 42.3% |
| 2022/3 | 44 | 131.26 | 33.5% |
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2023/3 | 48 | 147.75 | 32.5% |
| 2024/3 | 52 | 143.91 | 36.1% |
| 2025/3 | 56 | 195.74 | 28.6% |
| 2026/3(実績) | 60 | 197.20 | 30.4% |
| 2027/3(予想) | 72 | 216.29 | 33.3% |
(注)
- データ基準: EDINET DB引用。EPSは親会社の所有者に帰属する基本的1株当たり当期利益で、各年度の配当性向は2027年3月期 第2四半期決算説明資料の配当性向の推移(2016〜2025年度)と一致することを確認した。2027/3は会社予想で、EPSは自己株式取得の影響を考慮した10月27日時点の値
- 株式分割の反映: 2024年9月30日を基準日、2024年10月1日を効力発生日として普通株式1株→5株の株式分割を実施。本表のDPS・EPSは全期間を分割調整後ベースに統一している(2025年3月期の中間配当は分割前の実額140円で、分割考慮後は28円・年間合計56円)
- 配当政策の傾向: 2021年3月期の40円据え置きを挟み、2022年3月期の44円以降は毎期+4円の増配が5期続いた。2027年3月期は増配幅を+12円へ広げる予想。表の範囲(2017〜2026年3月期)で前期比の減配はなく、記念配当・特別配当の記載もないため、表面DPSと実質普通配当は一致する
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: 2022〜2026年3月期は毎期+4円の規則的な増配。2027年3月期は期中に64円→72円へ予想を引き上げ、増配幅が+12円へ広がった。予想EPS216.29円に対する配当性向は33.3%
- 方針シグナル: DOE4%以上・総還元性向60%以上という2本の数値目標を掲げ、当期は会社自ら総還元性向100%超の見通しを示す。DOEの開示値は親会社所有者帰属持分配当率で3.7%(2026年3月期)だが、会社目標は分母がより狭い株主資本配当率で、同じ物差しでの達成状況は決算短信からは読み取れない
- 耐性実績: 表の範囲で減配ゼロ。コロナ期の2021年3月期も40円を据え置いて維持し、記念配当・特別配当による見かけ上の増減もない
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー(2027年3月期 中間期累計)
| 指標 | 当中間期 | 前年同中間期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 5,583.63億円 | 5,135.69億円 | +8.7% |
| 営業利益 | 1,058.41億円 | 945.04億円 | +12.0% |
| 税引前中間利益 | 1,064.30億円 | 951.67億円 | +11.8% |
| 親会社帰属中間利益 | 765.02億円 | 689.26億円 | +11.0% |
| EPS(中間期) | 115.32円 | 101.32円 | +13.8% |
| 営業利益率(中間期実績) | 19.0% | 18.4% | +0.6pt |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 78.9% | 79.6%(前期末) | △0.7pt |
(注)営業利益率は中間期累計の実績で、スコアの営業利益率(18.02%)・ROE(12.36%)は通期予想ベースで採点している。EPSの伸びが利益の伸びを上回るのは、自己株式取得で期中平均株式数が減ったため。
会社の上期予想との比較
| 指標 | 上期予想(2026年7月28日) | 実績 | 予想比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 5,640.00億円 | 5,583.63億円 | 99.0% |
| 営業利益 | 1,080.00億円 | 1,058.41億円 | 98.0% |
| 税引前中間利益 | 1,080.00億円 | 1,064.30億円 | 98.5% |
| 親会社帰属中間利益 | 760.00億円 | 765.02億円 | 100.7% |
セグメント別(対前年同期比)
| 区分 | 売上収益(前年同期比) | 営業利益(前年同期比) |
|---|---|---|
| インダストリアルテープ | 2,081.12億円(+16.1%) | 358.32億円(+51.3%) |
| オプトロニクス | 2,707.15億円(+0.3%) | 739.50億円(△4.1%) |
| ヒューマンライフ | 842.71億円(+21.0%) | 10.20億円(前年同期 △15.98億円) |
- オプトロニクスの内訳は情報機能材料1,736.81億円(△13.2%)・回路材料970.34億円(+39.1%)。車載ディスプレイ向けの光学フィルムは堅調だった一方、メモリ半導体の価格高騰を受けたノートパソコン・タブレット向けが大きく減った
- インダストリアルテープは、スマートフォンのバッテリー固定用電気剥離テープの採用拡大と、AIデータセンター需要を背景にした工程用材料の伸びに、原材料高に応じた販売価格の見直しが加わった
- 第2四半期単独は売上収益2,866.91億円(前年同期比+7.2%)、営業利益566.31億円(同+9.2%)、営業利益率19.8%で、第1四半期の営業利益492.10億円から+15.1%増えた
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🟡 | 会社推計の利益増減分析では営業増益+113億円に対し為替+196億円、特殊要因+45億円(前年の製造拠点統廃合費用などの反動+35億円、当期の固定資産・土地の売却益など+10億円)。中東情勢の影響△30億円も含む |
| 営業外損益 | 🟢 | 金融収益21.07億円・金融費用15.18億円と小さく、税引前+11.8%は営業段階(+12.0%)とほぼ連動 |
| 純利益押し下げ/押し上げ要因 | 🟢 | 法人所得税費用は262.12億円→298.97億円、税負担率は27.5%→28.1%とほぼ同水準。親会社帰属利益+11.0%は営業段階の増益による。中間包括利益は在外営業活動体の換算差額で△13.0% |
| 開示の誠実性 | 🟢 | 7月に示した上期予想に届かなかった数字、為替と中東情勢の影響額、セグメント別通期予想の組み替えをいずれも開示している |
→ 業績の質: 増収増益だが、為替と特殊要因を除いた実勢は減益方向で、円安への依存が大きい(中位)
7-2. 財務・CFサマリー
| 指標 | 前期末(2026/3)・前年同中間期 | 当中間期末(2026/9) |
|---|---|---|
| 営業CF(百万円) | 75,003 | 108,847 |
| 投資CF(百万円) | △56,348 | △62,589 |
| 財務CF(百万円) | △83,031 | △74,255 |
| 現金及び預金(BS・百万円)※IFRSの科目名は「現金及び現金同等物」 | 359,805 | 332,359 |
| 短期有価証券(BS流動・百万円) | 0 | 0 |
| 現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) | 359,805 | 332,359 |
| 自己資本比率(%) | 79.6 | 78.9(△0.7pt) |
(注)CFの3行は4〜9月の6ヶ月累計(左列は前年同期)、現金及び預金・短期有価証券・現金及び現金同等物 期末残高・自己資本比率は各期末時点(左列は前期末=2026年3月末、右列は中間期末=2026年9月末)。IFRSでは要約中間連結財政状態計算書の「現金及び現金同等物」とキャッシュ・フロー計算書の期末残高が同じ金額になる。自己資本比率は親会社所有者帰属持分比率。
- 有利子負債: 要約中間連結財政状態計算書に借入金の独立した科目はなく、当中間期のキャッシュ・フロー計算書にも借入れ・返済の動きはない(短期借入金の純増減もなし)。利子を伴う負債はリース負債が中心で、要約中間連結財政状態計算書では「その他の金融負債」(流動30,168+非流動22,506=52,674百万円)に含まれ内訳は開示されていない。2026年3月期 決算短信の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」0.2年(会社定義は利子を支払っている全負債÷営業CF)と同期の営業CF192,183百万円から逆算した約38,000百万円を用いた(前回カルテと同じ推計方法)
- ネットキャッシュ: 現金及び預金332,359百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債 約38,000百万円 = +約294,359百万円(時価総額比〔期末発行済株式数678,659,700株・自己株式を含む〕・「プラス・10〜30%」帯=7/10点)。有利子負債をゼロとみなした場合(+332,359百万円)も、「その他の金融負債」全額(52,674百万円)を有利子負債とみなした場合(+279,685百万円)も、時価総額比は同じ「プラス・10〜30%」帯に収まる。流動資産の「その他の金融資産」26,022百万円は内訳が開示されていないため分子に算入していない
- 現金の動き: 現金及び現金同等物は前期末から274.46億円減った。営業CF1,088.47億円に対し、有形固定資産及び無形資産の取得565.02億円、定期預金の預け入れ68.09億円、自己株式の取得501.83億円、配当金の支払202.09億円が出た
- 自己株式: 期末自己株式数は4,999,950株→20,472,050株(4〜8月の取得15,502千株・50,183百万円)。このうち15,472,050株を2026年10月20日に消却しており、消却後の発行済株式総数は663,187,650株。時価総額は規定どおり中間期末の発行済株式総数(消却前)で計算している
- 営業CF安定性: 2022〜2026年3月期の通期営業CFは144,489→181,702→155,521→217,908→192,183百万円で赤字の期はない。5期平均178,360.6百万円から最も離れた2025年3月期(+22.2%)を除いた4期の平均168,473.75百万円に対し、4期とも±20%以内(最大で△14.2%)のため4/5点
7-3. 通期業績予想(2027年3月期・売上収益と各利益は2026年7月28日公表値から据え置き)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆1,100億円 | +8.0% |
| 営業利益 | 2,000億円 | +8.9% |
| 税引前当期利益 | 2,000億円 | +8.1% |
| 親会社帰属当期利益 | 1,420億円 | +6.4% |
| EPS | 216.29円 | +9.7% |
| 営業利益率(通期予想) | 18.02%(200,000百万円÷1,110,000百万円・本ブログ算出) | +0.2pt(前期実績17.86%) |
| ROE(通期予想) | 12.36%(142,000百万円÷平均自己資本1,149,320百万円・本ブログ算出) | +0.2pt(前期実績12.2%) |
| 1株当たり年間配当 | 72円 | +12円(予想配当性向33.3%) |
- 据え置きと組み替え: 全社の売上収益と各利益の予想は7月28日公表値のまま。EPSは自己株式取得の影響を織り込んで212.75円→216.29円に変わった。セグメント別では情報機能材料の売上収益を3,680億円→3,460億円へ下げ、インダストリアルテープ(4,060億円→4,170億円)と回路材料(1,785億円→1,865億円)を引き上げた。中東情勢の影響は通期△100億円→△45億円に縮む見通し
- 進捗: 通期予想に対する上期の進捗は売上収益50.3%、営業利益52.9%、親会社帰属利益53.9%。前期の上期比率(売上収益49.9%、営業利益51.5%、親会社帰属利益51.6%)をやや上回る
- 下期に必要な額(会社の10月時点の下期予想): 売上収益5,516.36億円(前年下期比+7.2%)、営業利益941.58億円(同+5.7%)。下期の営業利益率は17.1%(上期19.0%・前年下期17.3%)で、為替は1ドル156円(上期実績160.5円)を前提とする
- 前期比の見方: 営業利益率の前期実績17.86%は2026年3月期の売上収益1兆281.71億円・営業利益1,836.15億円から本ブログが計算した値、ROEの前期実績12.2%は2026年3月期 決算短信の親会社所有者帰属持分当期利益率
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 中間期の売上収益・営業利益・税引前中間利益・親会社帰属中間利益・EPS・親会社所有者帰属持分比率・セグメント別・金融収益/費用・法人所得税費用 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)(2026-10-27開示) | 🟢 一次情報 |
| 通期業績予想(売上収益・各利益は据え置き)・EPS予想216.29円・中間配当36円・期末配当予想36円 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「2.配当の状況」「3.2027年3月期の連結業績予想」「(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」 | 🟢 一次情報 |
| 配当予想の修正(64円→72円)・自己株式取得(上限1,700万株・500億円)・2026年9月30日時点の自己株式の保有状況 | 「剰余金の配当(中間配当)および期末配当予想の修正(増配)ならびに自己株式取得に関するお知らせ」(2026-10-27公表) | 🟢 一次情報 |
| 利益増減分析(為替・特殊要因・固定費・中東情勢の影響)・総還元性向100%超の見通し・配当性向の推移・CIS関連の設備投資 | 2027年3月期 第2四半期決算説明資料(2026-10-27公表) | 🟢 一次情報 |
| 上期予想との比較・第2四半期単独・セグメント別通期予想(7月・10月)・顧客所在地別の海外売上収益比率・為替前提 | 2027年3月期 第2四半期決算短信 補足資料(2026-10-27公表) | 🟢 一次情報 |
| 配当実績・DOE(親会社所有者帰属持分配当率)・配当方針・ROEの前期実績・キャッシュ・フロー対有利子負債比率・株式分割の注記 | 2026年3月期 決算短信(2026-04-27開示)「2.配当の状況」「1.(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」「キャッシュ・フロー関連指標の推移」 | 🟢 一次情報 |
| 現金及び現金同等物・その他の金融資産/負債・親会社の所有者に帰属する持分・発行済株式数・自己株式数・自己株式の取得/処分/消却 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「要約中間連結財政状態計算書」「発行済株式数(普通株式)」「資本及びその他の資本項目」「追加情報」 | 🟢 一次情報 |
| 中間期の営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 中間期末残高 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「要約中間連結キャッシュ・フロー計算書」 | 🟢 一次情報 |
| 有利子負債(ネットキャッシュ算出に使用) | 2026年3月期 決算短信のキャッシュ・フロー対有利子負債比率0.2年と同期の営業CFから逆算(中間期の決算短信は内訳未開示のため) | 🟡 補助データ(通期指標からの推計) |
| 営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想)・配当性向(通期予想ベース)・ネットキャッシュ・時価総額比・進捗・前期の上期比率 | 本ブログ算出(会社予想値・決算短信の持分および株式数より計算。ROE分母は期首自己資本(前期末)と中間期末自己資本の平均) | 🟡 補助データ |
| 過去配当履歴・EPS推移・通期の営業CF(2022〜2026年3月期) | EDINET DB | 🟢 一次情報 |
| 株価・配当利回り | 筆者が確認した終値を採点にのみ使用(数値は非掲載) | 🟡 補助データ |
【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。