【キムラユニティー(9368)】配当B(70点)・7期連続増配 — 2027年3月期 中間期

保有中(筆者が当該銘柄を保有)📁 倉庫・運輸関連業

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結論: 上期は計画超えの増益、同日に過年度決算を訂正

📊 スコア: B 70点
💰 配当: 34→38円予想(+4円)、中間19円を決定・期末19円予想
✅ 良い点: 期初の中間計画を営業利益で+18.6%上回る、7期連続増配、自己資本比率64.1%
⚠️ 注意点: 過年度決算の訂正と内部統制の重要な不備、トヨタG向け46.7%、ROE8.5%(予想ベース)


1. 業績ハイライト

  • 売上高33,518百万円(+9.7%)・営業利益2,883百万円(+24.0%)
  • 純利益2,241百万円(+25.1%)・EPS54.48円
  • 期初の中間計画を営業利益で+18.6%上回る
  • 通期予想と年38円の配当予想は据え置き
  • 10月29日に過年度決算の訂正と内部統制の不備を開示

サマリー

  • 増益の中心は物流サービス: 物流サービス事業は売上+14.5%・営業利益+26.2%。主要顧客からの受注量が増え、品目別では格納器具製品の売上が1,904→3,265百万円(+71.5%)と大きく伸びた。
  • 7〜9月も伸びが続いた: 第2四半期(7〜9月)だけでみると売上は+10.4%、営業利益は+26.3%で、第1四半期の営業利益+21.4%を上回った。中間期累計の営業利益率は7.6%から8.6%へ上がった。
  • 通期予想は据え置き: 通期の営業利益予想5,100百万円に対する進捗は56.5%で、前年同時点の47.0%を上回る。4月公表の予想は変えておらず、下期は前年下期比で営業利益△15.4%を見込む計算になる。

2. 配当判断サマリー

  • 中間配当は期初予想どおり19円(前年同期17円・支払開始予定日2026年12月7日)。期末予想19円と合わせた年38円は前期34円から+4円で、直近の配当予想からの修正はない。実現すれば8期目の増配になる
  • 予想配当性向40.6%(38円÷予想EPS93.64円)は、会社が掲げる連結配当性向40%目標とほぼ同水準。累進配当の宣言はなく、DOE目標の開示もない
  • 10月29日の過年度訂正で、2026年3月期の配当性向は43.6%→43.7%、純資産配当率は3.4%→3.2%に改まった。配当の実績額(年34円)と当期の配当予想(年38円)は訂正前と同じ
  • 同じ倉庫・運輸関連業の日本トランスシティ(9310)は配当性向40%もしくはDOE2.0%のいずれか高い金額を目安にしており、性向目標だけの当社とは方針の踏み込み方が異なる

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(70/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 40 性向10・DOE7・利回り7・方針6・耐性10
財務 25 18 自己資本10・ネットキャッシュ4・営業CF安定性4
収益 25 12 営業利益率8・ROE4
合計 100 70 —

中間期カルテのため、配当・収益カテゴリは「2027年3月期の通期予想」(DOEのみ、当期の会社見込みの開示がないため直近通期の実績)、財務カテゴリは中間期末の連結貸借対照表を基準に採点。過去系列(営業CF・配当履歴)は直近5期の通期実績を使用し、10月29日に訂正された期は訂正後の値(訂正後の有価証券報告書)を使った。倉庫・運輸関連業は配当性向・自己資本比率・ネットキャッシュの3項目で業種補正の対象業種にあたるが、実際に点数を動かしたのは配当性向だけ(中央値を35%から50%へ置き換えて9点→10点)。

3-1. 主な加点(配点比70%以上)

  • 配当性向 10/10: 通期予想40.6%(38円÷予想EPS93.64円)。倉庫・運輸関連業は中央値50%までが標準帯のため、中央値以下として満点。本則のメーカー基準(中央値35%)では+5.6ptの超過で9点となり、業種補正が1点分効いている
  • 増配減配耐性 10/10: 株式分割調整後・実質普通配当ベースで2020年3月期から7期連続増配+直近5期(2022〜2026年3月期)で減配なし+当期38円(+4円)の増配予想で、判定順1の最上位帯
  • 自己資本比率 10/10: 中間期末64.1%(自己資本46,040百万円÷総資産71,873百万円)。倉庫・運輸関連業は40%以上で10点の補正帯だが、本則の60%以上でも同じ10点。前期末は62.0%(訂正後)
  • 営業CF安定性 4/5: 訂正後の5期(2022〜2026年3月期)の営業CFは4,313→6,562→7,435→6,696→5,545百万円。5期平均6,110百万円から最も離れた2022年3月期(△29.4%)を除いた4期はすべてプラスで、4期平均6,560百万円からの乖離が△15.5%〜+13.3%に収まる帯
  • DOE 7/10: 3.2%(訂正後の2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」の純資産配当率(連結))で3〜5%の帯。当期の会社見込みDOEの数値の開示がないため、直近通期の開示実績を採用。訂正前の記載値3.4%でも同じ帯
  • 配当利回り 7/10: 予想DPS38円ベースで3.5〜4.5%の帯。分子は当期の会社予想DPSで、記念配当・特別配当は含まない

3-2. 主な減点(配点比40%以下)

  • ネットキャッシュ 4/10: +3,463百万円(現金及び預金11,674百万円−有利子負債8,211百万円)で、時価総額比「プラス、時価総額の10%未満」の帯。有利子負債には、会社が有価証券報告書の借入金等明細表で「その他有利子負債」(平均利率2.45%)としている割賦未払金の長期分が大半を占める長期未払金5,155百万円を含めた
  • ROE 4/10: 通期予想8.5%(3,850百万円÷平均自己資本45,031百万円)で5〜10%の帯。分母は期首自己資本44,022百万円(訂正後)と中間期末自己資本46,040百万円の平均。会社は決算説明資料で、退職給付に係る調整累計額とその他有価証券評価差額金の増加で自己資本が拡大したことをROE低下の理由に挙げている

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前回(2027年3月期Q1)72点 → 今回(2027年3月期 中間期)70点(△2点)。カテゴリ別では配当40→40、財務20→18、収益12→12
  • 変動の内訳: ネットキャッシュが7→4点(△3点)。前回までは長期未払金を有利子負債に含めていなかったが、有価証券報告書の借入金等明細表で割賦未払金が利息のつく「その他有利子負債」とされていることを確認し、その長期分を加えたため(業績の変化によるものではない)。営業CF安定性は3→4点(+1点)で、10月29日の訂正で2022〜2026年3月期の営業CFがいずれも増え(訂正後の2026年3月期のCF計算書では割賦債務の返済が財務活動に区分されている)、訂正後の5期で判定し直した結果。ほかの8項目は前回と同じ帯で、訂正によりDOEは3.4%→3.2%、前期の配当性向は43.6%→43.7%に改まったが帯は変わらない。また今回、有価証券報告書の配当政策で2019〜2021年3月期の特別配当・記念配当を確かめて実質普通配当ベースで数え直したため、連続増配年数を前回記事の8期表記から7期へ改めた(2019年3月期の増配分は特別配当で、普通配当は前期と同額だった)。耐性の判定帯は10点のままで点数は動かない
  • 満点項目は維持: 配当性向10点・増配減配耐性10点・自己資本比率10点の3項目は前回から不変
  • 現在の位置づけ: B帯(70〜84点)の下限ちょうど。配当40/50が土台を作り、収益12/25(営業利益率7.7%で8/15点・ROE8.5%で4/10点)とネットキャッシュ4/10が点を押し下げている

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

※本章はスコア(§3)に反映されていない事業上の強み・構造リスクを扱います。

4-1. ✅ 事業の強み

  • 退職給付の積立超過で後払いの人件費負担が軽い: 中間期末の退職給付に係る資産は8,817百万円、退職給付に係る負債は5百万円。年金の積立不足を埋める現金支出が生じにくく、配当原資が後払いの人件費に回りにくい構造にある。
  • 法人車両の管理契約が積み上がる構造: 自社開発の車両管理システムで管理する車両は45,936台(+3.4%)、整備のメンテナンス契約は36,941台(+1.6%)と前年同期を上回った。台数に連動する管理・整備の仕事が毎期続く形で、配当原資の土台になる。

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 売上の46.7%がトヨタグループ向け: 中間期の連結売上に占めるトヨタ自動車とトヨタグループ企業向けの合計は46.7%で、前年同期の44.9%から+1.8pt上がった。同グループの受注量が減る局面では売上の半分近くに同時に効き、配当原資となる利益も縮みやすい。
  • 格納器具は年度ごとの振れが大きい: 格納器具製品の売上は2023〜2026年3月期に6,551→5,394→4,096→5,043百万円と振れた。通期計画5,630百万円は下期に前年下期比約25%減を見込み、上期の伸びが続く前提ではない。配当原資となる利益もこの品目で振れやすい。
  • 財務報告の内部統制に開示すべき重要な不備: 車両リースの貸手の会計処理の誤りで2022年3月期以降の有価証券報告書などを訂正し、2026年3月末の内部統制を「有効でない」に改めた。配当判断の前提となる財務数値の信頼性に関わり、是正の結果は今後の内部統制報告書で示される。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年10月時点)。


5. 筆者メモ

上期の本業は計画を大きく上回りましたが、保有者としては過去5期分の決算訂正と内部統制の不備のほうが気になりました。期末の内部統制報告書で是正が確かめられるかを見ていきます。


6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目 値
2026年3月期実績 中間17円+期末17円=34円(配当金総額1,398百万円)
2027年3月期 中間期実績 中間配当19円(期初予想どおり・前年同期17円・支払開始予定日2026年12月7日)
2027年3月期予想 38円(中間19+期末19・+4円)。直近の配当予想からの修正なし
配当性向(連結・通期予想・表面) 40.6%(38円 ÷ 予想EPS93.64円・決算短信「3.2027年3月期の連結業績予想」より本ブログ算出。記念配当・特別配当の支給はなく実質普通配当ベースでも同値。前期実績は43.7%〔訂正後〕)
DOE(連結・純資産配当率) 3.2%(決算短信記載値=訂正後の2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」の2026年3月期実績。訂正前は3.4%。当中間期の決算短信に同欄はなく、当期の会社見込みDOEの数値の開示もない)
配当利回り 採点帯 3.5〜4.5%(7/10)・予想DPS38円
配当方針 「連結配当性向40%を目標」(2027年3月期 中間期 決算発表説明資料「3.1株当たり配当金推移」)。財務基盤の維持と重点分野への積極的投資を前提に置く書き方。累進配当の宣言はなく、DOE目標の開示もない
連続増配年数 7期連続増配(株式分割調整後・実質普通配当ベース・2020年3月期〜2026年3月期・下表で確認できる)+ 2027年3月期予想38円で 8期目 継続見込み。2019年3月期・2020年3月期の特別配当と2021年3月期の記念配当は除いて数えている

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年3月期以前の履歴を表示(連続増配の起点年度と特別配当・記念配当の内訳を含む)
年度 DPS(円) 実質普通DPS(円) EPS(円) 配当性向
2016 6.75 6.75 21.11 32.0%
2017 6.75 6.75 21.60 31.3%
2018 6.75 6.75 17.42 38.7%
2019 8(普通6.75+特別1.25) 6.75 30.07 22.4%
2020 9.5(普通8+特別1.5) 8 34.33 23.3%
2021 10(普通9.5+記念0.5) 9.5 33.22 28.6%
2022 13 13 47.32 27.5%
年度 DPS(円) 実質普通DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023 21 21 53.88 39.0%
2024 27.5 27.5 72.70 37.8%
2025 31.5 31.5 77.74 40.5%
2026(実績) 34 34 77.73 43.7%
2027(予想) 38 38 93.64 40.6%

(注)

  • データ基準: 2016〜2021年3月期のDPS・EPSは EDINET DB(有価証券報告書由来)引用。2022〜2026年3月期のEPSは訂正後の有価証券報告書(第55期)「主要な経営指標等の推移」の値(2023〜2026年3月期は2027年3月期 中間期 決算発表説明資料「連結業績推移」とも一致)、2027年3月期(予想)は中間期決算短信の記載値。配当性向は実質普通DPS÷EPSの再計算値で、2025年3月期40.5%・2026年3月期43.7%は訂正後の2026年3月期 決算短信の配当性向欄とも一致している
  • 過年度訂正の反映: 10月29日の訂正で2022〜2026年3月期の純利益が改まり、EPSは訂正前の45.74・54.44・72.09・77.49・77.92円(現在の株数ベース)から上表の値に変わった。DPSは訂正の対象外
  • 株式分割の反映: 2022年7月1日付と2025年4月1日付でそれぞれ普通株式1株につき2株の分割を実施しており、上表は現在の株数ベースに揃えている(DPS・EPSとも2016〜2022年3月期は4分の1、2023〜2024年3月期は2分の1に換算)。2025年3月期の実際の年間配当は63円(中間30円+期末33円)で、2025年4月1日付の分割を反映して31.5円としている(2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」注記)
  • 特別配当・記念配当: 各期の有価証券報告書「配当政策」によると、2019年3月期は期末に特別配当5円、2020年3月期は期末に特別配当6円、2021年3月期は期末に記念配当2円を上乗せしている(いずれも分割前の1株あたりの額。現在の株数ベースでは1.25円・1.5円・0.5円)。上表の実質普通DPS列と配当性向はこれらを除いた値で、2022年3月期以降は記念配当・特別配当の上乗せはない
  • 連続増配の数え方: 実質普通配当ベースでは2016〜2019年3月期が6.75円で横ばい(2019年3月期の表面8円は特別配当込み)で、2020年3月期の8円を起点に2026年3月期の34円まで7期連続で増配している。当期予想38円が実現すれば8期目
  • 配当政策の傾向: 実質普通配当ベースの配当性向は2016〜2022年3月期が22〜39%、2023年3月期以降は38〜44%へ切り上がり、会社が掲げる連結配当性向40%目標の水準で推移している

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 実質普通配当ベースで2019年3月期6.75円から2026年3月期34円まで7期で約5.0倍。直近は31.5→34→当期予想38円(+4円)で、中間19円+期末19円の均等配分。増配幅は配当性向40%目標の枠内に収まる水準
  • 方針シグナル: 連結配当性向40%目標は決算説明資料に毎回明記されているが、累進配当の宣言はなく、DOE目標の開示もない。増配の下限を方針として約束する形ではないため、配当額は利益の変動の影響を受けやすい
  • 耐性実績: コロナ期の2021年3月期は当期純利益が減ったが、普通配当を8→9.5円へ増やし、記念配当0.5円を加えて年10円とした。2026年3月期も減損損失236百万円と特別退職金392百万円で純利益が△3.5%(訂正後)となったが、31.5→34円の増配を続けている

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー(2027年3月期 中間期累計)

指標 当中間期 前年同中間期 前年同期比
売上高 33,518百万円 30,547百万円 +9.7%
売上総利益 6,858百万円 6,161百万円 +11.3%
販売費及び一般管理費 3,974百万円 3,835百万円 +3.6%
営業利益 2,883百万円 2,325百万円 +24.0%
経常利益 3,338百万円 2,706百万円 +23.4%
親会社株主に帰属する中間純利益 2,241百万円 1,791百万円 +25.1%
EPS(中間期) 54.48円 43.57円 +25.0%
営業利益率(中間期実績) 8.6% 7.6% +1.0pt

(注)前年同中間期の数値は10月29日の訂正を反映した値(訂正前は売上高30,494百万円・営業利益2,328百万円・純利益1,793百万円)。売上高〜中間純利益の前年同期比は決算短信の記載値、売上総利益・販管費・EPS・営業利益率は本ブログ算出。スコアの営業利益率(7.7%)・ROE(8.5%)は通期予想ベースで採点している。

期初の中間計画との比較: 2026年4月公表の中間期予想(売上高31,300百万円・営業利益2,430百万円・経常利益2,800百万円・純利益1,900百万円)に対し、実績は売上高+7.1%、営業利益+18.6%、経常利益+19.2%、純利益+17.9%上回った。

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上 前年同期比 セグメント利益(前年同期比)
物流サービス 24,334百万円 +14.5% 2,979百万円(+26.2%)
モビリティサービス 7,506百万円 +1.8% 615百万円(+12.9%)
情報サービス 1,246百万円 △6.1% 122百万円(△35.6%)
人材サービス 824百万円 △14.0% 8百万円(△77.1%)
その他(太陽光発電) 21百万円 △22.2% 9百万円(△38.7%)
  • 売上はセグメント間の内部売上を含む金額。セグメント利益の合計3,735百万円から、全社費用853百万円を含む調整額851百万円を差し引いた2,883百万円が連結の営業利益になる(短信は百万円未満切捨てのため、上表5区分の単純合計3,733百万円や、合計3,735百万円から調整額851百万円を差し引いた2,884百万円は、短信の値と1〜2百万円ずれる)
  • 物流サービスの品目別では、包装が19,344→21,068百万円(+8.9%)、格納器具製品が1,904→3,265百万円(+71.5%)。会社は増益の理由に受注量の増加と収益改善活動の効果を挙げている
  • モビリティサービスは車両販売台数の増加で増収、車両整備の収益改善で増益。情報サービスは主要顧客からの受注量の減少と原価率の悪化、人材サービスは受注量の減少と販管費の増加を減益の理由としている

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟢 特別利益は35百万円(うち投資有価証券売却益32百万円)、特別損失は22百万円(固定資産除売却損)で、税金等調整前中間純利益3,352百万円に対する比重は小さい。増益は営業段階の伸びによる
営業外損益 🟡 持分法による投資利益が341→494百万円(+153百万円)と増え、経常利益の伸びを支えた。営業外費用は支払手数料42百万円と減価償却費56百万円の計上で100→178百万円に増えた
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟢 税負担率(法人税等合計1,018百万円÷税金等調整前中間純利益3,352百万円)は29.8%→30.4%とほぼ前年並みで、純利益+25.1%は経常利益+23.4%に近い伸びにとどまる
開示の誠実性 🟡 同日に、車両リースの貸手の会計処理の誤りによる過年度の有価証券報告書と決算短信の訂正、財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備を開示した。訂正の影響額を期別に一覧で示し、訂正後の財務諸表の監査意見は無限定適正と記載している。前年同中間期の比較数値は訂正後の値

→ 業績の質: 増益は主力の物流サービスの受注増による本業の伸びで、一過性の要因は小さい

過年度決算の訂正と内部統制の不備(2026年10月29日開示)

  • 何が誤っていたか: モビリティサービス事業の法人向け車両リース(会社が貸手)で、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの判定を契約ごとにシステムで行いながら、当初ファイナンス・リースの割合が高かったことから、すべてをファイナンス・リースとして処理していた。残価割合の変化でオペレーティング・リースにあたる契約が増えても見直されず、リース投資資産が過大、賃貸資産が過小に計上されていた。2027年3月期の中間決算作業で判明したと会社は説明している。重要性の観点から直していなかった事項もあわせて訂正した
  • 訂正の範囲: 2022年3月期〜2026年3月期の有価証券報告書5期分と四半期・半期報告書4本、決算短信6本(2025年3月期Q1・Q3、2026年3月期Q1・Q3・通期、2027年3月期Q1)。2022年3月期〜2026年3月期の内部統制報告書も訂正し、2026年3月31日時点の財務報告に係る内部統制を「有効でない」と改めた
  • 数値への影響: 売上高は各期+0.2%前後、通期の純利益は2022年3月期の+3.5%から2023年3月期の△1.0%までの範囲。2026年3月期は売上高64,546→64,652百万円、営業利益4,957→4,946百万円、純利益3,203→3,196百万円、純資産46,302→46,043百万円(△0.6%)。配当の実績額と当期の配当予想は変わっていない
  • CF計算書の組み替え: 訂正後の2026年3月期の連結キャッシュ・フロー計算書では、営業CFが3,674→5,545百万円、財務CFが△3,625→△5,358百万円に変わり、財務活動に「割賦債務の返済による支出」1,703百万円が新たに区分された。訂正後の有価証券報告書(第55期)の主要な経営指標等の推移では、2022〜2026年3月期の営業CFは4,313・6,562・7,435・6,696・5,545百万円(訂正前は2,030・4,493・5,540・4,844・3,674百万円)
  • 是正方針: 会計方針等チェックリストを、採用する会計処理の継続の妥当性と変更の要否を漏れなく確かめられる内容に見直すこと、毎期、事業部から事業・取引の変化の情報を集めて見直しの要否を検討し、責任者の確認・承認のもとで経理部門と事業部の双方で運用することの2点。訂正対象の各期の連結財務諸表・財務諸表の監査意見は無限定適正と会社は開示している

7-2. 財務・CFサマリー

指標 前期末(2026/3)・前年同中間期 当中間期末(2026/9)
営業CF(百万円) 1,213 2,860
投資CF(百万円) △461 △497
財務CF(百万円) △2,033 △2,826
現金及び預金(BS・百万円) 11,798 11,674
短期有価証券(BS流動・百万円) 0 0
現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) 11,328 11,204
自己資本比率(%) 62.0 64.1

(注)CFの3行は4〜9月の6ヶ月累計(左列は前年同期・訂正後)、現金及び預金・短期有価証券・現金及び現金同等物 期末残高・自己資本比率は各期末時点(左列は前期末=2026年3月末・訂正後、右列は中間期末=2026年9月末)。中間連結貸借対照表に流動資産の有価証券の行はない。

  • 有利子負債: 短期借入金649百万円+長期借入金1,000百万円+リース債務1,407百万円(流動689+固定718)+長期未払金5,155百万円 = 8,211百万円(前期末は短期借入金626+1年内返済予定の長期借入金2,000+リース債務1,304+長期未払金4,653=8,583百万円・訂正後)。会社は長期借入金の借り換えに際し、借入残高を1,000百万円圧縮したと説明している
  • 長期未払金を有利子負債に含める理由: 会社は有価証券報告書の借入金等明細表で、割賦未払金を「その他有利子負債」(平均利率2.45%・2026年3月末は1年以内返済分1,745百万円とそれ以外4,477百万円)として載せている。訂正後の連結CF計算書でも割賦債務の返済による支出(2026年3月期1,703百万円)は財務活動にあり、当中間期の割賦未払金の支払772百万円も同じ区分。このため、割賦未払金の長期分が大半を占める長期未払金(2026年3月末4,653百万円のうち4,477百万円)を有利子負債に含めた。1年以内返済分は流動負債の未払金に含まれ、中間期末の額が開示されていないため算入していない(2026年3月末の1,745百万円を加えても1,718百万円のプラスで同じ帯)。なお会社は財政状態の分析で、短期借入金と1年内返済予定の長期借入金の合計を有利子負債(2026年3月末2,626百万円)と示している
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金11,674百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債8,211百万円 = +3,463百万円。時価総額比(期末発行済株式数47,087,600株・自己株式を含む)で4/10点。投資有価証券9,263百万円は投資その他の資産の長期保有分のため算入していない。前期末は11,798−8,583=+3,215百万円(訂正後)
  • 営業CF安定性: 評価対象は前期までの通期5期(2022〜2026年3月期)で、訂正後の有価証券報告書(第55期)の値は4,313→6,562→7,435→6,696→5,545百万円。5期とも黒字で、5期平均6,110百万円から最も離れた2022年3月期(△29.4%)を除いた4期の平均6,560百万円に対し、各期の乖離が△15.5%〜+13.3%に収まるため4/5点。訂正前の5期(2,030→4,493→5,540→4,844→3,674百万円)では3点だった
  • 中間期のCF: 営業CFは2,860百万円(前年同期1,213百万円)。会社は売上債権及び契約資産の増減で収入が1,154百万円増えたことを主因に挙げている(当中間期は売上債権及び契約資産の減少871百万円)。財務CFは長期借入金の返済2,000百万円と借入1,000百万円、割賦未払金の支払772百万円、配当金の支払699百万円などで△2,826百万円
  • 自己資本比率の上昇: 総資産は70,965→71,873百万円(+908百万円)の小幅増にとどまる一方、自己資本が44,022→46,040百万円(+2,018百万円)と増えた。負債は借入金の圧縮などで1,341百万円減った
  • 自己株式: 中間期末の自己株式数は5,930,322株で、前期末の5,961,522株から31,200株減った。期末発行済株式総数は47,087,600株で変わらず、消却はない

7-3. 通期業績予想(2027年3月期・2026年4月27日公表から修正なし)

項目 予想 前期比
売上高 66,000百万円 +2.1%
営業利益 5,100百万円 +3.1%
経常利益 5,900百万円 +2.4%
親会社株主帰属当期純利益 3,850百万円 +20.5%
EPS 93.64円 +20.5%
営業利益率(通期予想) 7.7%(5,100百万円÷66,000百万円・本ブログ算出) 前期実績7.7%(訂正後)と同水準
ROE(通期予想) 8.5%(3,850百万円÷平均自己資本45,031百万円・本ブログ算出) +0.8pt(前期実績7.7%)
1株当たり年間配当 38円 +4円(予想配当性向40.6%)
  • 据え置き: 中間期の実績が期初の中間計画を営業利益で+18.6%上回った後も、会社は4月27日公表の通期予想を変えていない。前期比の伸び率は訂正後の2026年3月期実績が基準
  • 進捗: 通期予想に対する上期の進捗は売上高50.8%、営業利益56.5%、経常利益56.6%、純利益58.2%。前年同時点(訂正後の前年同中間期÷訂正後の前期通期)は売上高47.2%、営業利益47.0%
  • 下期に必要な額(本ブログ算出・通期予想−上期実績): 売上高32,482百万円(前年下期比△4.8%)、営業利益2,217百万円(同△15.4%)、純利益1,609百万円(同+14.5%)
  • 純利益+20.5%の中身: 前期に計上した減損損失236百万円と特別退職金392百万円(米国子会社の物流部門再編と中国・天津倉庫からの撤退に伴うもの)がなくなる分が大きく、営業利益の伸びは+3.1%にとどまる
  • 前期比の見方: 営業利益率の前期実績7.7%(売上高営業利益率)とROEの前期実績7.7%(自己資本当期純利益率)は、訂正後の2026年3月期 決算短信の記載値。ROEの分母は期首自己資本44,022百万円と中間期末自己資本46,040百万円の平均

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
中間期の売上高・売上原価・売上総利益・販管費・営業利益・営業外損益・経常利益・特別損益・法人税等・中間純利益・EPS・自己資本比率・セグメント別の売上と利益・前年同中間期の訂正後の値 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-10-29開示)「1.経営成績等の概況」「中間連結損益計算書」「セグメント情報等の注記」 🟢 一次情報
通期業績予想・中間配当19円・期末配当予想19円・配当支払開始予定日・自己資本・現金及び預金・借入金・リース債務・長期未払金・退職給付に係る資産と負債・投資有価証券・発行済株式数・自己株式数 同上「2.配当の状況」「3.2027年3月期の連結業績予想」「中間連結貸借対照表」「(4)発行済株式数(普通株式)」 🟢 一次情報
中間期の営業CF・投資CF・財務CF・割賦未払金の支払・現金及び現金同等物 中間期末残高 同上「中間連結キャッシュ・フロー計算書」 🟢 一次情報
期初の中間計画・品目別売上・トヨタグループ向け売上占率・管理車両台数・メンテナンス契約台数・2023〜2026年3月期のEPS(訂正後)・格納器具製品の売上推移と通期計画・配当方針・ROEの推移 2027年3月期 第2四半期(中間期)累計 決算発表説明資料(2026-10-29)、2026年3月期 決算短信「3.2027年3月期の連結業績予想」 🟢 一次情報
過年度訂正の経緯・訂正の対象書類・期別の影響額(売上高・営業利益・経常利益・純利益・総資産・純資産) 「過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度の決算短信等の訂正に関するお知らせ」(2026-10-29開示) 🟢 一次情報
内部統制の開示すべき重要な不備の内容・訂正の対象となる内部統制報告書・是正方針・監査意見 「過年度の内部統制報告書の訂正報告書の提出及び財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ」(2026-10-29開示) 🟢 一次情報
2026年3月期の実績(訂正後の売上高・営業利益・純利益・EPS・自己資本当期純利益率・売上高営業利益率・自己資本・自己資本比率)・配当性向43.7%・純資産配当率3.2%・配当金総額1,398百万円・2025〜2026年3月期の営業CF・割賦債務の返済・減損損失・特別退職金・前期末の借入金とリース債務 訂正後の「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026-10-29訂正開示) 🟢 一次情報
第1四半期の実績(訂正後の売上高・営業利益・純利益) 訂正後の「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026-10-29訂正開示) 🟢 一次情報
2022〜2026年3月期の営業CF・1株当たり当期純利益(訂正後)・割賦未払金(その他有利子負債・平均利率2.45%)の残高・会社が財政状態の分析で示す有利子負債 訂正後の有価証券報告書(第55期・2026-10-29提出)「主要な経営指標等の推移」「借入金等明細表」「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」 🟢 一次情報
営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想)・配当性向(通期予想ベース)・ネットキャッシュ・時価総額比・進捗・下期に必要な額・計画比 本ブログ算出(会社予想値・決算短信の自己資本および株式数より計算。ROE分母は期首自己資本(前期末)と中間期末自己資本の平均) 🟡 補助データ
2016〜2021年3月期の配当履歴・EPS推移(訂正の対象外の期)・2019〜2021年3月期の特別配当と記念配当の額 EDINET DB(有価証券報告書由来・2019〜2021年3月期は各期の有価証券報告書「配当政策」) 🟢 一次情報
株価・配当利回り 筆者が確認した終値を採点にのみ使用(数値は非掲載) 🟡 補助データ

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。