結論: 年91円で21期連続増配、来期から5年間の累進配当へ
📊 スコア: A 88点
💰 配当: 85→91円(+6円)、来期94円予想(+3円)
✅ 良い点: 21期連続増配、累進配当の導入、自己資本比率89.7%
⚠️ 注意点: 累進配当は5年間の期限付き、神奈川一県に集中、少子化
1. 業績ハイライト
- 売上高16,421百万円(+3.6%)・営業利益4,049百万円(+7.1%)
- 経常利益4,171百万円(+7.9%)・当期純利益2,837百万円(+5.5%)・EPS182.30円
- 9月末の生徒数は過去最高の38,120人、期中平均は36,143人(+2.9%)
- 営業利益は期初予想3,942百万円に対し102.7%で着地、売上高は99.6%
- 自己資本比率89.7%(前期末と同水準)・営業利益率24.7%(+0.8pt)
サマリー
- 増収の中身は在籍数: 期中平均生徒数は前期比+2.9%の36,143人で、初めて36,000人を超えた。部門別の売上高も小中学生部門+3.0%・高校生部門+6.0%と、生徒数の伸びに沿って増えている。
- 利益は期初予想を上回った: 売上原価の伸びを+2.2%に抑え、売上総利益率は29.7%から30.6%へ上がった。営業利益・経常利益・当期純利益はいずれも期初予想を上回り、売上高だけがわずかに届かなかった。
- 私立高校無償化の影響を数字で開示: 推薦や単願で私立高校への進学を年内に決めて早めに退会した生徒が前年より約350名増え、約56百万円の減収要因になったと会社が示している。
2. 配当判断サマリー
- 2026年9月期の年間配当は91円(中間44円+期末47円)。期末は7月時点の予想44円から3円上乗せし、前期85円から+6円(+7.1%)。記念配当を除く実質普通配当ベースで21期連続増配
- 10月29日に配当方針を変更し、配当性向50%の目安は残したうえで、2027年9月期から2031年9月期までの5年間は1株当たり年間配当を前年度から減らさない累進配当を原則とした
- 2027年9月期の予想は94円(中間47円+期末47円・+3円)で、予想配当性向は49.9%。新しい方針の適用初年度にあたる
- 配当性向50%の目安に、期間を区切った累進配当を重ねる形はシステムリサーチ(3771)と同じ組み立てで、方針タイプごとの読み方は配当方針タイプ別ガイドに整理している
3. スコア内訳
配当持続性ランク: A(88/100点) ★★★★★
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 44 | 性向7・DOE10・利回り7・方針10・耐性10 |
| 財務 | 25 | 22 | 自己資本10・ネットキャッシュ7・営業CF安定性5 |
| 収益 | 25 | 22 | 営業利益率15・ROE7 |
| 合計 | 100 | 88 | — |
本決算カルテのため、配当性向・DOEは2026年9月期の実績、配当利回り・増配減配耐性の次期予想・営業利益率・ROEは2027年9月期の会社予想、財務カテゴリは2026年9月末の貸借対照表を基準に採点。当社は関係会社を持たず財務諸表を単体(非連結)で作成しているため、すべて単体ベースの数値。サービス業は配当性向・自己資本比率・ネットキャッシュのいずれについても業種補正の対象外で、補正なし(本則)で採点している。
3-1. 主な加点(配点比70%以上)
- 営業利益率 15/15: 来期予想24.4%(営業利益4,174百万円÷売上高17,115百万円)で15%以上の帯。当期実績も24.7%
- 配当方針 10/10: 配当性向50%を目安としつつ、2027年9月期から2031年9月期までの5年間は累進配当(配当水準を維持または増配する方針)を原則とすると2026年10月29日に決議。減配しないことを明示した方針として最上位の帯
- 増配減配耐性 10/10: 実質普通配当ベースで21期連続増配+直近5期(2022〜2026年9月期)で減配なし+来期94円(+3円)の増配予想で、判定順1の最上位帯
- DOE 10/10: 5.0%(2026年9月期・決算短信「2.配当の状況」の純資産配当率)で5%以上の帯。前期実績は4.9%
- 自己資本比率 10/10: 89.7%(2026年9月末・自己資本28,188百万円÷総資産31,408百万円)で60%以上の帯。サービス業は自己資本比率の業種補正の対象外だが、本則基準でも満点
- 営業CF安定性 5/5: 直近5期(2022〜2026年9月期)は3,060→2,850→3,383→3,382→3,391百万円。赤字の期はなく、5期平均3,213百万円からの乖離は△11.3%〜+5.5%と±20%以内
- 配当性向 7/10: 当期実績49.9%(91円÷EPS182.30円)。サービス業は配当性向の業種補正の対象外で、本則の中央値35%に対し+14.9ptの超過となり「+10〜+20pt」帯
- 配当利回り 7/10: 予想DPS94円ベースで3.5〜4.5%の帯。分子は来期の会社予想DPSで、記念配当・特別配当は含まない
- ネットキャッシュ 7/10: +6,346百万円(現金及び預金4,111百万円+短期有価証券2,331百万円−有利子負債96百万円)。時価総額比で、プラスかつ時価総額の10〜30%の帯
- ROE 7/10: 来期予想10.3%(予想当期純利益2,917百万円÷2026年9月末自己資本28,188百万円)で10〜15%帯。当期実績は10.2%(決算短信の自己資本当期純利益率)
3-2. 主な減点(配点比40%以下)
- 該当する明確な低得点項目なし(全項目で40%超の得点を確保)
3-3. スコアの動き(定点観測)
- スコア変動: 前回(2026年9月期Q3)81点 → 今回(2026年9月期 本決算)88点(+7点)。カテゴリ別では配当37→44で、財務22・収益22は前回と同じ
- 変動の内訳: 配当方針が6→10点。2026年10月29日の方針変更で、配当性向50%目安に5年間の累進配当が加わり、配当性向目標の帯から累進配当の帯へ移った。DOEは7→10点。前回は第3四半期末の自己資本で割った算出値約4.96%を採ったが、本決算では決算短信に記載された当期実績の純資産配当率5.0%を採り、5%以上の帯に入った。配当利回りは分子の予想DPSが当期予想88円から来期予想94円へ移ったが「3.5〜4.5%」帯のまま、ネットキャッシュも「プラス・時価総額の10〜30%」帯のまま。ROEは10.0%→10.3%で10〜15%帯にとどまる
- 満点項目維持: 営業利益率15点・増配減配耐性10点・自己資本比率10点・営業CF安定性5点の4項目は前回から満点が続き、今回は配当方針10点・DOE10点が加わった
- 現在の位置づけ: A帯(85点以上)の下限から3点上。満点との差12点は、配当性向・配当利回り・ネットキャッシュ・ROEの4項目が各7点にとどまる分。配当方針の10点は2031年9月期までの5年間を対象とする方針によるもので、会社は期間終了後の株主還元方針を次期経営計画の策定に合わせて決めるとしている
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。
4. 事業の強み・構造リスク
※本章はスコア(§3)に反映されていない事業上の強み・構造リスクを扱います。
4-1. ✅ 事業の強み
- 合格実績が翌年の募集力に戻ってくる循環: 今春は神奈川県の学力向上進学重点校8校に1,404名が合格し、初めて8校すべてで塾別合格者数1位・占有率53.3%となった。合格実績が翌年の生徒募集の前提になる業態で、この循環が授業料収入という配当原資の土台を支える。
- 低学年からの入会が上の学年の在籍を先取りする: 期中平均の生徒数は学童部門の小1〜4年生が+14.2%、小5・小6生が+10.4%と全体の+2.9%を上回り、会社は高校受験を意識した早期入会の傾向が続くとする。在籍期間が長くなるほど、授業料収入の見通しが立ちやすくなる。
4-2. ⚠️ 構造リスク
- 需要が神奈川県の学齢人口に一本足: 会社は神奈川県の15歳人口が今後5年で6%程度減ると推計し、少子化の早い県西・県央方面では募集に課題が続くとする。事業は学習塾の単一セグメントで、県内の学齢人口の減少が中長期の生徒募集と授業料収入の逆風になる。
- 変革期の先行費用で単年度の利益が振れる: 今後5年は小中学部の一部校舎の統合や基幹システムの刷新を進め、会社は先行費用で単年度の利益が変動しうると明記している。当期も対象資産の開示はないが減損損失100百万円を計上しており、統合が進む年は特別損失が配当原資を削る余地がある。
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年10月時点)。
5. 筆者メモ
教育セクターの分散枠として、財務の厚さと連続増配を評価して保有しています。注視していた累進配当がようやく加わりました。5年の期間中に校舎統合の費用が出ても、配当が保たれるかを見ていきます。
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2025年9月期実績 | 中間40円+期末45円=85円(配当金総額1,342百万円) |
| 2026年9月期実績 | 中間44円+期末47円=91円(+6円・+7.1%)。期末は2026年7月30日公表の予想44円から+3円(2026年10月29日決議・配当金総額1,410百万円) |
| 2027年9月期予想 | 中間47円+期末47円=94円(+3円・+3.3%)。2026年9月期 決算短信「2.配当の状況」記載値 |
| 配当性向(単体・当期実績) | 49.9%(91円 ÷ EPS182.30円・決算短信記載値)。記念配当・特別配当はなく実質普通配当ベースと同値。来期予想も49.9%(94円 ÷ 予想EPS188.26円・決算短信記載値) |
| DOE(単体・純資産配当率) | 5.0%(決算短信記載値=2026年9月期実績)。前期実績は4.9% |
| 配当利回り | 採点帯 3.5〜4.5%(7/10)・予想DPS94円 |
| 配当方針 | 配当性向50%を目安として、2027年9月期から2031年9月期までの5年間は累進配当(配当水準を維持または増配する方針)を原則とする(2026年10月29日「剰余金の配当および配当方針の変更(累進配当の導入)に関するお知らせ」・同日の決算短信「1.(4)今後の見通し」)。2027年9月期の配当から適用し、期間終了後の株主還元方針は次期経営計画の策定に合わせて決めるとしている。変更前は配当性向50%を目安とした安定的かつ持続的な配当を基本方針としていた |
| 連続増配年数 | 21期連続増配(実質普通配当ベース・2006年9月期14円〜2026年9月期91円で、2013年9月期の記念配当5円を除いて数えたもの) + 来期予想で 22期目 継続見込み |
6-2. 過去年度 単体DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年9月期以前の履歴を表示(連続増配の起点年度を含む)
| 年度 | DPS(円) | 実質普通DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|
| 2005 | 13 | 13 | — | 31.3% |
| 2006 | 14 | 14 | — | 31.6% |
| 2007 | 15 | 15 | — | 29.2% |
| 2008 | 16 | 16 | — | 28.9% |
| 2009 | 17 | 17 | — | 28.5% |
| 2010 | 18 | 18 | — | 29.4% |
| 2011 | 19 | 19 | — | 29.2% |
| 2012 | 22 | 22 | 75.51 | 29.1% |
| 2013 | 28(普通23+記念5) | 23 | 76.71 | 30.0% |
| 2014 | 24 | 24 | 81.34 | 29.5% |
| 2015 | 26 | 26 | 89.25 | 29.1% |
| 2016 | 30 | 30 | 100.39 | 29.9% |
| 2017 | 33 | 33 | 110.65 | 29.8% |
| 2018 | 34 | 34 | 112.40 | 30.2% |
| 2019 | 38 | 38 | 117.92 | 32.2% |
| 2020 | 40 | 40 | 81.38 | 49.2% |
| 2021 | 45 | 45 | 149.71 | 30.1% |
| 2022 | 46 | 46 | 155.27 | 29.6% |
| 年度 | DPS(円) | 実質普通DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 72 | 72 | 145.71 | 49.4% |
| 2024 | 77 | 77 | 155.59 | 49.5% |
| 2025 | 85 | 85 | 170.35 | 49.9% |
| 2026(実績) | 91 | 91 | 182.30 | 49.9% |
| 2027(予想) | 94 | 94 | 188.26 | 49.9% |
(注)
- データ基準: 2012年9月期〜2025年9月期のDPS・EPSは EDINET DB(有価証券報告書由来)引用で、配当性向は実質普通DPS÷EPSの再計算値。2005年9月期〜2011年9月期のDPSと配当性向は各期の決算短信「配当の状況」記載値で、同表にEPSの記載がないため「—」とした。2026年9月期実績(91円・EPS182.30円)と2027年9月期予想(94円・予想EPS188.26円)は2026年9月期 決算短信(2026-10-29開示)記載値
- DPS 列の方針: 「DPS」は記念配当を含む表面の年間額、「実質普通DPS」は普通配当だけを取り出した額。配当性向は実質普通DPSベースで記載している(2013年9月期は表面ベースでは36.5%)
- 記念配当の内訳: 2013年9月期の年間28円には東京証券取引所市場第一部への指定を記念した記念配当5円が含まれる(中間16円=普通11円+記念5円・同期決算短信「(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」)。表面DPSで2013年9月期28円→2014年9月期24円と減配に見えるのは記念配当の剥落によるもので、実質普通配当ベースでは23円→24円の増配になる。2005年9月期以降で記念配当・特別配当の記載があるのはこの1期のみ
- 表の起点と株式分割の有無: 期末発行済株式数は2016年9月期から2026年9月期末まで16,670,000株で一定(2020年9月期・2025年9月期の有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」および各期決算短信)。株式分割・併合はなく、上表のDPSは調整なしでそのまま比較できる
- 連続増配の数え方: 実質普通配当ベースでは2005年9月期13円を起点に、2006年9月期14円から2026年9月期91円まで21期連続で増配している
- 配当政策の傾向: 2022年9月期までは配当性向30%前後で推移していたが、会社は2023年9月期から目安を30%から50%へ引き上げた。2023年9月期以降の性向は49.4%→49.5%→49.9%→49.9%で、来期予想も49.9%と50%近辺で安定している
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: 2023年9月期に46→72円(+26円)と目安性向の引き上げに合わせて一段上げ、以降は77→85→91円。当期は期末を予想から3円上乗せし、利益の上振れ分を性向50%の枠内で配当に回した。来期予想は94円(+3円)で中間47円+期末47円の均等配分
- 方針シグナル: 配当性向50%の目安を残したまま、5年間は前年度の1株当たり配当を下回らないことを原則に加えた。会社はこの5年を経営基盤の変革期と位置づけ、校舎再編などで利益が振れても配当を安定させるための導入と説明している。期間は2031年9月期までで、その後の方針は次期経営計画で決めるとしている
- 耐性実績: 実質普通配当ベースで21期連続増配。コロナ期の2020年9月期は当期純利益が減ったが、配当性向を32.2%→49.2%へ広げて38→40円の増配を維持した。当期は配当金の支払1,391百万円と自己株式の取得671百万円の合計が、営業CF3,391百万円の範囲に収まっている
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー
| 指標 | 当期(2026年9月期) | 前期(2025年9月期) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 16,421百万円 | 15,846百万円 | +3.6% |
| 売上総利益 | 5,029百万円 | 4,701百万円 | +7.0% |
| 販売費及び一般管理費 | 979百万円 | 921百万円 | +6.3% |
| 営業利益 | 4,049百万円 | 3,780百万円 | +7.1% |
| 経常利益 | 4,171百万円 | 3,865百万円 | +7.9% |
| 当期純利益 | 2,837百万円 | 2,689百万円 | +5.5% |
| EPS | 182.30円 | 170.35円 | +7.0% |
| 営業利益率 | 24.7% | 23.9% | +0.8pt |
| ROE | 10.2% | 10.0% | +0.2pt |
売上高・営業利益・経常利益・当期純利益の前期比、営業利益率・ROE(自己資本当期純利益率)は決算短信「1.(1)経営成績」の記載値。売上総利益・販管費・EPSの前期比は算出値。
期初予想との比較(2025年10月30日公表・期中の修正なし)
| 項目 | 期初予想 | 実績 | 達成率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 16,494百万円 | 16,421百万円 | 99.6% |
| 営業利益 | 3,942百万円 | 4,049百万円 | 102.7% |
| 経常利益 | 4,022百万円 | 4,171百万円 | 103.7% |
| 当期純利益 | 2,754百万円 | 2,837百万円 | 103.0% |
部門別販売実績(対前期比)
| 区分 | 売上 | 前期比 |
|---|---|---|
| 小中学生部門 | 12,897百万円 | +3.0% |
| 高校生部門 | 3,524百万円 | +6.0% |
学習塾事業の単一セグメントのためセグメント情報の記載はなく、上表は決算短信「4.部門別売上高」の事業部門別開示。期中平均生徒数は小中学生部門29,536人(+2.6%)・高校生部門6,607人(+4.2%)。9月末の生徒数は38,120人で、6月末から1,855人(+5.1%)増えた。当期は3月に高校受験ステップ川崎スクール、7月に同富岡スクールを開校し、3月には橋本スクールの増床と大学受験ステップセンター南校の移転を行った。
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🟡 | 特別利益は固定資産売却益30百万円、特別損失は減損損失100百万円で、差し引き約70百万円の損失。税引前当期純利益4,100百万円に対して2%弱で、減損の対象資産は決算短信に記載がない |
| 営業外損益 | 🟢 | 営業外収益222百万円(受取利息10・有価証券利息54・投資事業組合運用益28・受取家賃109・助成金9百万円など)、営業外費用101百万円(うち賃貸費用95百万円)。経常利益+7.9%が営業利益+7.1%を上回ったのは、有価証券利息と受取利息の増加による |
| 純利益押し下げ要因 | 🟡 | 当期純利益+5.5%が経常+7.9%を下回ったのは、上記の特別損益と、税負担率が30.4%→30.8%へ上がったことによる |
| 開示の誠実性 | 🟢 | 私立高校無償化による早期退会の増加(約350名・約56百万円)、少子化の早い県西・県央方面での募集の課題、15歳人口の減少見通しを数字と地名で開示し、5年間の経営計画の取り組みも項目ごとに説明している |
→ 業績の質: 高い(増益は在籍数の増加と原価の抑制によるもので、特別損失は小規模にとどまる)
7-2. 財務・CFサマリー
| 指標 | 前期(2025年9月期) | 当期(2026年9月期) |
|---|---|---|
| 営業CF(百万円) | 3,382 | 3,391(+0.3%) |
| 投資CF(百万円) | △3,193 | △5,196 |
| 財務CF(百万円) | △2,020 | △1,928 |
| 現金及び預金(BS・百万円) | 7,844 | 4,111 |
| 短期有価証券(BS流動・百万円) | 0 | 2,331 |
| 現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) | 7,579 | 3,846 |
| 投資有価証券(百万円) | 4,700 | 3,941 |
| 有利子負債(百万円) | 142 | 96 |
| 自己資本比率(%) | 89.7 | 89.7(±0.0pt) |
- 有利子負債: 96百万円(1年内返済予定の長期借入金33百万円+リース債務 流動19百万円・固定44百万円)。長期借入金(固定)は前期末の33百万円から当期末はゼロになり、社債・短期借入金の計上はない
- ネットキャッシュ: 現金及び預金4,111百万円 + 短期有価証券2,331百万円 − 有利子負債96百万円 = +6,346百万円。時価総額比(期末発行済株式数16,670,000株・自己株式を含む)で、プラスかつ時価総額の10〜30%の帯(7/10点)。投資有価証券3,941百万円は投資その他の資産に計上された長期保有分のため算入していない
- 現金2区分の差: 現金及び預金(BS)4,111百万円と現金及び現金同等物 期末残高(CF)3,846百万円の差265百万円(前期末も同程度)は現金同等物に含めない預金で、決算短信に内訳の注記はない。ネットキャッシュの分子にはBSの現金及び預金を用いている
- 現金が減った中身: 現金及び現金同等物は7,579→3,846百万円へ3,733百万円減った。有形固定資産の取得3,691百万円(9月に横浜駅西口の9階建てビル一棟を取得し、土地が8,616→10,965百万円へ増加)、投資有価証券の取得1,726百万円、配当金の支払1,391百万円、自己株式の取得671百万円が主な支出。流動資産の有価証券は0→2,331百万円へ増え、投資有価証券は4,700→3,941百万円へ減っている。財務CFの△1,928百万円は、配当金の支払1,391百万円・自己株式の取得671百万円・長期借入金の返済70百万円・リース債務の返済19百万円に対し、自己株式取得のための預け金の戻り225百万円が入った差し引き(各項目は百万円未満切り捨てのため合計は2百万円ずれる)
- 直近5期の営業CF: 2022年9月期 3,060百万円 → 2023年9月期 2,850百万円 → 2024年9月期 3,383百万円 → 2025年9月期 3,382百万円 → 2026年9月期 3,391百万円。直近期は2026年9月期 決算短信のキャッシュ・フロー計算書、それ以前はEDINET DBによる
- 自己株式: 期末自己株式数は898,671株→1,175,772株(+277,101株)で、発行済株式総数の7.1%。期末発行済株式総数は16,670,000株で前期末と同数のため、当期の消却はない
- 取得したビルの使い方: 会社は現在のテナントから家賃を得ながら空いた階から順に自社使用に切り替え、中長期的には大学受験横浜校の移転・拡大を視野に入れると説明している。空室の階には来春Hi-STEP横浜スクールを移す計画
7-3. 来期業績予想(2027年9月期)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 17,115百万円 | +4.2% |
| 営業利益 | 4,174百万円 | +3.1% |
| 経常利益 | 4,301百万円 | +3.1% |
| 当期純利益 | 2,917百万円 | +2.8% |
| EPS | 188.26円 | +3.3% |
| 年間配当 | 94円(中間47円+期末47円) | +3円 |
| 営業利益率(来期予想) | 24.4%(4,174百万円÷17,115百万円・本ブログ算出) | △0.3pt |
| ROE(来期予想) | 10.3%(2,917百万円÷2026年9月末自己資本28,188百万円・本ブログ算出) | +0.1pt(参考・当期実績10.2%は決算短信の自己資本当期純利益率) |
- 増減トーン: 増収増益の予想だが、営業利益の伸び(+3.1%)は売上高(+4.2%)を下回り、営業利益率は24.7%→24.4%を見込む。第2四半期累計の予想は売上高8,674百万円(+3.8%)・営業利益2,450百万円(+2.9%)
- 来期の開校計画: 2027年3月に高校受験ステップ南加瀬スクール(川崎市幸区)・同横浜スクール(横浜市神奈川区)を開校し、2027年春には大学受験ステップ溝の口校を開く。大学受験部門の新校舎は8年ぶり。学童部門は2027年3月下旬にSTEPキッズ辻堂駅南口教室を開く予定
- 5年間の経営計画: 会社は2027年9月期から2031年9月期までを経営基盤の変革期と位置づけ、授業・指導の質の向上、小中学部の一部校舎の統合、高校部の校舎規模の拡大、社内基幹システムの刷新に取り組むとしている。この期間は構造改革や成長投資の影響で単年度の売上高・利益が一定程度変動する可能性があると明記している
- 配当予想: 年間94円(中間47円+期末47円)。予想配当性向は49.9%で、累進配当を原則とする新しい方針の適用初年度
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 売上高・売上原価・売上総利益・販管費・営業利益・営業外損益・経常利益・特別損益・法人税等・当期純利益・EPS・ROE・営業利益率・部門別売上高と生徒数・合格実績・開校状況・私立高校無償化の影響 | 2026年9月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)(2026-10-29開示)「1.経営成績等の概況」「損益計算書」「4.部門別売上高」 | 🟢 一次情報 |
| 来期業績予想・第2四半期累計予想・5年間の経営計画・来期の開校計画 | 同上「3.2027年9月期の業績予想」「1.(4)今後の見通し」 | 🟢 一次情報 |
| 営業利益率(来期予想)・ROE(来期予想) | 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は2026年9月末自己資本) | 🟡 補助データ |
| 配当実績・来期配当予想・配当性向・DOE(純資産配当率)・配当金総額 | 2026年9月期 決算短信「2.配当の状況」 | 🟢 一次情報 |
| 期末配当47円の決定・配当方針の変更(2027年9月期〜2031年9月期の累進配当) | 「剰余金の配当および配当方針の変更(累進配当の導入)に関するお知らせ」(2026-10-29 適時開示) | 🟢 一次情報 |
| 自己資本比率・総資産・自己資本・現金及び預金・有価証券・投資有価証券・土地・借入金・リース債務・自己株式・発行済株式数 | 2026年9月期 決算短信「貸借対照表」「株主資本等変動計算書」「注記事項」 | 🟢 一次情報 |
| 営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 期末残高・有形固定資産の取得・自己株式の取得・配当金の支払額 | 2026年9月期 決算短信「キャッシュ・フロー計算書」 | 🟢 一次情報 |
| 期初予想(売上高16,494・営業利益3,942・経常利益4,022・当期純利益2,754百万円)・前期の配当金総額 | 2025年9月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)(2025-10-30開示) | 🟢 一次情報 |
| 2016〜2020年9月期の1株当たり配当額・発行済株式総数 | 2020年9月期 有価証券報告書(第42期)「主要な経営指標等の推移」 | 🟢 一次情報 |
| 2005〜2013年9月期の1株当たり配当額・配当性向、2013年9月期の記念配当5円の内訳と名目 | 2006年9月期・2007年9月期・2008年9月期・2009年9月期・2010年9月期・2011年9月期・2012年9月期・2013年9月期の各決算短信「配当の状況」「利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」 | 🟢 一次情報 |
| 過去配当履歴・EPS推移(2012〜2025年9月期)・営業CF(2022〜2025年9月期) | EDINET DB(有価証券報告書由来) | 🟢 一次情報 |
| 株価・配当利回り | 筆者が確認した終値を採点にのみ使用(数値は非掲載) | 🟡 補助データ |
【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。