【日本精化(4362)】配当B(83点)・DOE4.3%目標明示 — 2027年3月期Q1

保有中(筆者が当該銘柄を保有)📁 化学

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結論: Q1は全セグメント増益、104円への増配計画を堅持。

📊 スコア: B 83点
💰 配当: 98→104円(+6円)、2027年3月期予想は据え置き
良い点: 8期連続増配、DOE4.3%目標、営業利益率16.2%、借入金ゼロ
⚠️ 注意点: Q2累計は減益計画、売却益の上乗せ、営業CFのブレ


1. 業績ハイライト

  • 売上高 8,889百万円(+9.5%)・全セグメント増収
  • 営業利益 1,437百万円(+16.1%)・営業利益率16.2%
  • 純利益 1,244百万円(+24.4%)・投資有価証券売却益を含む
  • 営業利益の進捗率25.2%・利益が売上進捗を上回る出足
  • 通期業績予想・配当予想は期初計画から据え置き

サマリー

  • 全セグメント増益: 機能性製品は売上+9.9%・利益+14.5%、環境衛生製品も利益+27.5%と3セグメントすべてで増益。営業利益率は16.2%と前年同期から+1.0pt改善した。
  • 前倒し計上に留意: 牽引役のファインケミカル(売上+34.8%)には、第2四半期に予定していた工業品用ウールグリース誘導体の販売前倒しが含まれる。会社の第2四半期累計計画は営業利益△12.8%と反動を織り込んでいる。
  • 還元は増配基調を維持: 当期配当は104円予想(+6円)で据え置き。予想配当性向43.4%・DOE4.3%目安という枠組みに変化はなく、9期目の増配に向けた計画が進行中。

2. 配当判断サマリー

  • 当期104円予想(中間52円+期末52円・+6円・+6.1%)を据え置き、実現すれば増配は9期目
  • 予想配当性向43.4%(104円÷予想EPS239.80円)で、前期実績48.4%より原資に余裕がある水準
  • 中期経営計画のDOE(連結純資産配当率)4.3%目安は継続・2026年3月期実績も4.3%と目標線上
  • 同じDOE目標型のツムラ(4540)はDOE5%目標、同業化学では連続増配型の上村工業(4966)と、還元設計を横比較しやすい銘柄群

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(83/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 41 性向9・DOE7・利回り7・方針8・耐性10
財務 25 20 自己資本10・ネットキャッシュ7・営業CF安定性3
収益 25 22 営業利益率15・ROE7
合計 100 83

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 営業利益率 15/15: 通期予想15.2%(5,700÷37,400百万円)・Q1実績16.2%、いずれも15%以上で満点
  • 増配・減配耐性 10/10: 実質普通配当ベースで8期連続増配+当期104円予想で9期目見込み+過去10年で減配履歴なし
  • 自己資本比率 10/10: 77.8%(60%以上で満点・前期末78.5%から△0.7pt)
  • 配当性向 9/10: 当期予想43.4%、化学(メーカー基準)中央値35%との乖離は+8.4ptで「中央値+10pt以内」の帯
  • 配当方針 8/10: 第14次中期経営計画で DOE 4.3%を目安 と数値明示(2026年3月期 決算短信「1.(5)利益配分に関する基本方針」)
  • DOE 7/10: 4.3%(2026年3月期 決算短信「純資産配当率(連結)」記載値・3〜5%帯)
  • 配当利回り 7/10: 3.90%(予想DPS104円÷株価¥2,665・3.5〜4.5%帯)
  • ネットキャッシュ 7/10: +125.40億円、時価総額約634.9億円(発行済株式総数ベース)の19.8%(10〜30%帯)
  • ROE 7/10: 通期予想ベース10.2%(予想純利益5,200百万円÷Q1末自己資本51,003百万円・10〜15%帯)

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 該当する明確な低得点項目なし(全項目で40%超の得点を確保)

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期78点 → 今期83点(+5点)
  • 変動の内訳: 配当性向が7→9点(+2点)、ROEが4→7点(+3点)。四半期カルテは進行期の会社予想を採点対象とするため、配当性向は前期実績48.4%→当期予想43.4%、ROEは前期実績8.9%→通期予想ベース10.2%へ採点対象が切り替わったことが押し上げ要因
  • 満点項目は維持: 営業利益率15点・増配減配耐性10点・自己資本比率10点の3本柱は前回から不変
  • 現在の位置づけ: Bの上位でA境界(85点)まで2点。満点3項目が土台を固めつつ、DOE・利回り・ネットキャッシュ・ROEの中位項目が並ぶ構図

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

※本章はスコア(§3)に反映されていない事業上の強み・構造リスクを扱います。

4-1. ✅ 事業の強み

  • 原料高を吸収する価格改定力: 環境衛生製品は原材料価格の上昇下でも、価格改定と食品衛生・医療介護向けの販売拡大で売上+8.0%・利益+27.5%。コスト上昇局面でも採算を守れる体質は配当原資の下支えになる。
  • 自己資金で進む能力増強投資: 建設仮勘定が3か月で33.56億円→67.52億円へほぼ倍増し、借入金残高ゼロのまま設備投資を本格化。将来の生産能力=収益基盤を積み増す先行投資が財務を崩さず進んでいる。

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 主力ビューティケア分野の採算低下: 機能性製品の中核ビューティケアは売上+1.0%ながら利益△13.2%。化粧品用ウールグリース誘導体と国内向け生理活性物質の販売減が要因で、主力分野の採算回復が確認点。
  • 石油由来原材料の供給制約: 会社は中東情勢を背景としたエネルギー価格上昇と石油由来原材料の供給制約に言及。原料調達コストの高止まりが続く場合、価格改定でどこまで吸収し続けられるかが利益変動要因になる。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年7月時点)


5. 筆者メモ

筆者が保有を続ける理由は、DOE4.3%目安を掲げ8期連続増配を続けてきた還元方針のぶれなさです。今期も104円計画が据え置かれ、方針どおりの滑り出しと見ています。

次回(2027年3月期 第2四半期)見るポイント:

  • ファインケミカルの前倒し計上の反動が、会社計画(第2四半期累計 営業利益△12.8%)の範囲に収まるか
  • ビューティケア分野(化粧品用ウールグリース誘導体・国内向け生理活性物質)の販売が持ち直すか
  • 建設仮勘定67.52億円まで積み上がった設備投資の進捗と、現金及び預金(105.40億円)の水準

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年3月期実績 中間37円+期末37円=74円
2026年3月期実績 中間47円+期末51円=98円(+24円・+32.4%)
2027年3月期予想 中間52円+期末52円=104円(+6円・+6.1%・期初予想から据え置き)
配当性向(連結・予想) 43.4%(104円 ÷ 予想EPS239.80円・決算短信記載値)
DOE(連結・純資産配当率) 4.3%(2026年3月期 決算短信記載値・中計目安4.3%の水準どおり)
配当利回り 3.90%(予想DPS104円 ÷ 株価¥2,665・2026-07-29終値・J-Quants API)
配当方針 DOE(連結純資産配当率)4.3%を目安に配当水準の向上と安定化を図る(第14次中期経営計画・2026年3月期決算短信で明示)。内部留保は人的資本・設備・研究開発の3投資へ充当する方針
連続増配年数 8期連続増配(実質普通配当ベース・2019/3期30円→2026/3期98円) + 当期予想で 9期目 継続見込み。2018/3期は創立100周年記念配当5円を含む28円で、普通配当ベース23円は前期と同額のためここを起点としない

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2016/3 23.00 75.76 30.4%
2017/3 23.00 76.45 30.1%
2018/3 28.00(普通23.00+記念5.00) 84.83 33.0%
2019/3 30.00 96.98 30.9%
2020/3 33.00 110.37 29.9%
2021/3 35.00 116.17 30.1%
2022/3 54.00 146.32 36.9%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/3 57.00 174.42 32.7%
2024/3 70.00 146.40 47.8%
2025/3 74.00 172.06 43.0%
2026/3(実績) 98.00 202.38 48.4%
2027/3(予想) 104.00 239.80 43.4%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用、直近期(2026/3)は決算短信記載と一致確認済(DPS98円・EPS202.38円・配当性向48.4%)
  • 記念配当の内訳: 2018/3期の28円は創立100周年記念配当5円を含む(普通配当ベース23円=中間11.5円+期末11.5円・2018年4月27日会社開示)。本ブログのルールでは記念配当を除いた実質普通配当ベースで連続増配を数えるため、普通配当が前期の23円と同額の2018/3期は増配の起点とせず、連続増配は2019/3期起点の8期(当期予想で9期目)と表記している
  • 異常値の説明: 2024/3期は減益(EPS 174.42→146.40円)の中でも57→70円へ増配したため配当性向が32.7%→47.8%へ上昇。翌期以降はEPSの回復で43〜48%圏に収まっている
  • 配当政策の傾向: 2016/3期以降の10年で減配なし(実質普通配当ベースでも同様)。2019/3期からは毎期増配が続き、2026/3期は+24円(+32.4%)と増配幅を拡大。記念配当は2018/3期の1回のみで、特別配当の支給は確認できず

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 実質普通配当ベースで8期連続増配(2019/3期30円→2026/3期98円・約3.3倍)+当期104円予想で9期目見込み。減益年度(2024/3期)も増配を継続してきた実績
  • 方針シグナル: 第14次中期経営計画で DOE 4.3%目安 を数値明示し、2026/3期実績も4.3%と目標どおり。前期(2026/3期)には155万株の自己株式消却も実施
  • 耐性実績: コロナ期(2020/3→2021/3)も33→35円と増配を維持、過去10年(2016/3期以降)で減配ゼロ

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

Q1累計実績(2026年4月1日〜2026年6月30日)

指標 当Q1累計 前年同期 前年同期比
売上高 8,889百万円 8,121百万円 +9.5%
営業利益 1,437百万円 1,238百万円 +16.1%
経常利益 1,605百万円 1,390百万円 +15.4%
親会社株主帰属四半期純利益 1,244百万円 999百万円 +24.4%
EPS(累計) 57.37円 44.75円 +28.2%
営業利益率 16.2% 15.2% +1.0pt

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上 前年同期比
機能性製品 6,956百万円 +9.9%
環境衛生製品 1,871百万円 +8.0%
その他(不動産賃貸等) 62百万円 +6.1%

セグメント利益は機能性製品1,259百万円(+14.5%)、環境衛生製品147百万円(+27.5%)、その他30百万円(+33.6%)と全セグメント増益。機能性製品の内訳では、ファインケミカル(売上+34.8%)とトレーディング(+33.5%)が伸びを牽引し、ヘルスケアは減収ながら製品構成の変化で利益+144.1%、ビューティケアは増収減益(利益△13.2%)だった。

通期計画 進捗率(2027年3月期・2026年4月28日公表予想から修正なし)

項目 通期予想 前期比 Q1進捗率
売上高 37,400百万円 +10.7% 23.8%
営業利益 5,700百万円 +6.7% 25.2%
経常利益 6,000百万円 +7.7% 26.8%
親会社株主帰属当期純利益 5,200百万円 +17.4% 23.9%

利益の進捗が標準ペース(25%)前後に乗り、売上進捗23.8%を上回る滑り出し。ただし会社の第2四半期累計計画は営業利益2,600百万円(△12.8%)と前年割れを想定しており、Q1の前倒し計上分の反動を織り込んだ計画線で見る必要がある。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 注意 ファインケミカルの増収+34.8%には第2四半期予定販売の前倒し計上を含む。Q2に反動が出る前提の会社計画
営業外損益 🟢 安定 経常+15.4%と営業+16.1%はほぼ同水準。受取配当金163百万円が中心で構造は例年どおり
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟡 注意 特別利益に投資有価証券売却益295百万円を計上。環境対策引当金繰入50百万円等の特別損失83百万円を差し引いても純利益の押し上げ要因
開示の誠実性 🟢 高 前倒し計上を短信本文で明示し、機能性製品の分野別増減も参考表で開示。会計方針の変更・修正再表示なし

業績の質: 中高品質(営業増益は全セグメントの底上げによるものだが、純利益+24.4%には売却益の上乗せと前倒し計上分が含まれる)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2026年3月期末 2027年3月期Q1末
現金及び預金(億円) 131.96 105.40(△26.57)
有利子負債(億円) 0(借入金なし) 0(借入金なし)
ネットキャッシュ(億円) +125.40
自己資本比率(%) 78.5 77.8(△0.7pt)
営業CF(億円) 68.14(2026年3月期 通期) 四半期CF計算書は未作成
  • 有利子負債: 借入金・社債の残高なし。前期(2026年3月期)中に短期借入金3.00億円・長期借入金8.00億円を完済しており、Q1末も無借入を維持
  • ネットキャッシュ: +125.40億円(現金及び預金105.40億円+有価証券(短期)20.00億円−有利子負債0円)、時価総額約634.9億円(¥2,665×発行済株式総数23,822,447株・自己株式含む)の 19.8%(10〜30%帯)
  • 現金の減少要因: 四半期CF計算書は未作成のため貸借対照表の増減からの整理だが、建設仮勘定の増加(33.56→67.52億円)を中心とする設備投資支出、期末配当(1株51円)の支払い、法人税等の納付(未払法人税等12.98→4.50億円)によるものとみられ、資金流出の性質は投資・還元・納税の3点に整理できる

7-3. 通期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上高 37,400百万円 +10.7%
営業利益 5,700百万円 +6.7%
経常利益 6,000百万円 +7.7%
親会社株主帰属当期純利益 5,200百万円 +17.4%
EPS 239.80円 +18.5%
通期予想の営業利益率 15.2% △0.6pt
  • 増減トーン: 2026年4月28日公表の期初予想から修正なし。増収+10.7%に対し営業増益は+6.7%にとどまり、原材料コストの上昇を織り込んだ利益見積り
  • 第2四半期累計計画: 営業利益2,600百万円(△12.8%)と減益想定で、Q1好調分の反動と費用増を織り込む
  • 配当予想: 104円(予想配当性向43.4%)で据え置き

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
Q1売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・営業利益率・セグメント別 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026-07-29開示) 🟢 一次情報
通期業績予想・第2四半期累計予想・進捗率 2027年3月期 第1四半期決算短信「1.(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」(期初予想から修正なし) 🟢 一次情報
配当予想104円の据え置き確認 2027年3月期 第1四半期決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
配当実績98円・配当性向48.4%・DOE 4.3%・配当方針(DOE4.3%目安)・前期営業CF 2026年3月期 決算短信(2026-04-28開示)「2.配当の状況」「1.(5)利益配分に関する基本方針」「連結キャッシュ・フロー計算書」 🟢 一次情報
自己資本比率77.8%・現金及び預金・建設仮勘定・借入金残高 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」 🟢 一次情報
2018/3期 記念配当の内訳(普通23円+創立100周年記念5円) 「剰余金の配当(創立100周年記念配当)に関するお知らせ」(2018-04-27・会社IR) 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥2,665(2026-07-29終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

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本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。