【アマノ(6436)】配当B(77点)・DOE2.5%下限配当 — 2027年3月期Q1

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結論: Q1は減益発進だが計画は想定線、配当180円を据え置き。

📊 スコア: B 77点
💰 配当: 180→180円(±0円)、2027年3月期は据え置き予想
良い点: DOE9.2%、利回り4.6%、実質6期連続増配、自己資本比率70.6%
⚠️ 注意点: Q1は営業減益、予想配当性向70.8%、Q1進捗の低さ


1. 業績ハイライト

  • 売上高 39,018百万円(△0.1%)・ほぼ横ばい
  • 営業利益 2,241百万円(△18.2%)・利益ミックス悪化
  • 純利益 819百万円(△39.4%)・税負担の期間配分が減益率を増幅
  • 営業利益の通期進捗率9.3%(前年同期12.2%)
  • 通期業績予想・配当予想は期初計画から据え置き

サマリー

  • 主力は増収を維持: 時間情報システム事業は売上+1.7%(情報システム+2.6%・パーキング+1.4%)。減益の主因はWindows10更新特需の一服とパーキング新商材の拡販遅れによる利益構成の悪化。
  • 純利益△39.4%の中身: 営業減益△18.2%に加え、前年同期の投資有価証券売却益121百万円の剥落と四半期特有の税金費用の期間配分が減益率を増幅。税引前利益は△17.5%にとどまる。
  • 還元は据え置き: 当期予想180円(中間55円+期末125円)を維持。予想配当性向70.8%と高めだが、性向60%以上+総還元70%以上+DOE2.5%下限の枠組みに変化はない。

2. 配当判断サマリー

  • 当期180円予想(中間55円+期末125円・±0円)は期初から据え置きで、実質普通配当ベース6期連続増配の実績に続く高水準を維持
  • 予想配当性向は70.8%(180円÷予想EPS254.07円)と機械業では高めだが、DOE9.2%と過去最高圏の営業CF(2026年3月期249.3億円)が原資の裏付け
  • 配当方針は連結配当性向60%以上+総還元性向70%以上+DOE(純資産配当率)2.5%下限の三重ガイダンス(2026年3月期決算短信で明示)
  • 同じ機械業では竹内製作所(6432)、DOE目標型の還元設計ではツムラ(4540)と横比較しやすい銘柄群

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(77/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 36 性向0・DOE10・利回り10・方針8・耐性8
財務 25 22 自己資本10・ネットキャッシュ7・営業CF安定性5
収益 25 19 営業利益率12・ROE7
合計 100 77

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • DOE 10/10: 9.2%(2026年3月期 決算短信「配当の状況」純資産配当率(連結)記載値)、5%以上で満点
  • 配当利回り 10/10: 4.62%(予想DPS180円÷株価¥3,895・4.5%以上の帯)
  • 自己資本比率 10/10: 70.6%(60%以上で満点・前期末71.8%から△1.2pt)
  • 営業CF安定性 5/5: 直近5期(2022〜2026年3月期)が連続黒字かつ平均±20%以内で安定
  • 営業利益率 12/15: 通期予想13.0%(24,000÷184,000百万円・10〜15%帯)。Q1実績5.7%は期末検収が集中する季節性で例年低く出る
  • 配当方針 8/10: 連結配当性向60%以上+総還元性向70%以上+DOE(純資産配当率)2.5%下限の三重ガイダンス(DOE目標と配当性向目標の両方を明示する型)
  • 増配減配耐性 8/10: 実質普通配当ベースで6期連続増配+直近5年で減配なし+当期180円の据え置き予想
  • ROE 7/10: 通期予想ベース13.4%(予想純利益17,600百万円÷Q1末自己資本130,969百万円・10〜15%帯)
  • ネットキャッシュ 7/10: +431.1億円、時価総額約2,769.6億円(発行済株式総数ベース)の15.6%(10〜30%帯)

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 配当性向 0/10: 当期予想70.8%(180円÷予想EPS254.07円)、機械(メーカー基準)中央値35%との乖離は+35.8ptで「+30pt超」の帯

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期79点 → 今期77点(△2点)
  • 変動の内訳: 配当性向が4→0点(△4点)。四半期カルテは進行期の会社予想を採点対象とするため、前期実績62.8%→当期予想70.8%へ採点対象が切り替わり、中央値35%との乖離が+30ptを超えた。一方、営業CF安定性は3→5点(+2点)—対象5期(2022〜2026年3月期)からコロナ期のブレが外れ、全期が平均±20%以内に収まった
  • 配当本体は満点維持: DOE10点・配当利回り10点・自己資本比率10点の3本柱は前回から不変
  • 現在の位置づけ: Bの中位。還元指標と財務の満点群が土台を固める一方、意図的な高配当性向(予想70.8%)が唯一のゼロ点項目として重石になる構図

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

※本章はスコア(§3)に反映されていない事業上の強み・構造リスクを扱います。

4-1. ✅ 事業の強み

  • 積み上がる運営受託・クラウド収益: 駐車場運営受託は受託車室数が前期末比25,000台増(+3.1%)、就業管理のクラウドサービスも伸長。機器販売と異なり毎期積み上がるストック型収益が、配当原資の変動を和らげる。
  • 海外の複線化が国内の谷を補完: 欧州はフランスの情報システムが牽引し売上+15.9%・営業利益+66.8%、韓国のパーキングも伸長。国内(営業利益△9.6%)の落ち込みを海外が部分的に吸収した。

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 検収時期に左右される案件型の構造: 環境システムは大型案件の受注残が堅調でも売上計上時期の影響で△10.0%、北米もプロジェクト延伸で減収(営業利益△55.5%)。検収の期ズレが四半期利益のブレ要因になる。
  • 中計初年度の投資先行: 第10次中計はソフト系資産・データ基盤・IoT/AIプラットフォームへの戦略的投資の強化を明記。販管費は+3.5%と横ばい売上の下で増えており、回収が進むまで利益の重しになりうる。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年7月時点)


5. 筆者メモ

筆者が本銘柄で見ているのはストック収益の厚みです。駐車場の運営受託は受託車室数が前期末比25,000台増と積み上がり、就業管理のクラウドサービスも伸びています。機器販売の凸凹をストック収益がどこまで埋めるか、保有者として注目しています。

次回(2027年3月期 第2四半期)見るポイント:

  • 中間決算(11月頃)で第2四半期累計の営業利益計画10,200百万円(+5.3%)に対する着地
  • パーキング新商材(キャッシュレス・カメラ式駐車場管理)の受注回復が売上に乗ってくるか
  • 環境システムの受注残の売上化と、北米の延伸案件の進捗
  • 年間180円(中間55円)の配当予想が維持されるか

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年3月期実績 中間50円+期末125円=175円
2026年3月期実績 中間55円+期末125円=180円(+5円・+2.9%)
2027年3月期予想 中間55円+期末125円=180円(±0円・期初予想から据え置き)
配当性向(連結・当期予想) 70.8%(180円 ÷ 予想EPS254.07円で再計算・前期実績62.8%)
DOE(連結・純資産配当率) 9.2%(2026年3月期 決算短信記載値・方針の下限2.5%を大きく上回る)
配当利回り 4.62%(予想DPS180円 ÷ 株価¥3,895・2026-07-29終値・J-Quants API)
配当方針 連結配当性向60.0%以上目標+総還元性向70.0%以上目標+DOE(純資産配当率)2.5%下限の三重ガイダンス(2026年3月期 決算短信「1.(5)利益配分に関する基本方針」で明示)。2026年3月期実績は性向62.8%・総還元性向85.1%・DOE9.2%と全て目標線を上回る
連続増配年数 実質普通配当ベースで6期連続増配(2020/3期64円→2026/3期180円・2019/3期・2020/3期の期末特別配当20円を除く)。当期(2027年3月期)は180円の据え置き予想

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示(特別配当の内訳含む)
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2016/3 48.00 109.75 43.7%
2017/3 52.00 120.79 43.0%
2018/3 57.00 132.12 43.1%
2019/3 80.00(普通60.00+特別20.00) 121.17 66.0%
2020/3 84.00(普通64.00+特別20.00) 141.40 59.4%
2021/3 65.00 97.08 67.0%
2022/3 95.00 131.49 72.2%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/3 110.00 154.42 71.2%
2024/3 135.00 182.48 74.0%
2025/3 175.00 249.91 70.0%
2026/3(実績) 180.00 286.34 62.8%
2027/3(予想) 180.00 254.07 70.8%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用、直近期(2026/3)は決算短信記載と一致確認済(DPS180円・EPS286.34円・配当性向62.8%)
  • 特別配当の内訳: 2019/3期80円・2020/3期84円の期末配当には特別配当20円を含む(普通配当ベース60円・64円・各期決算短信「配当の状況」)。表面値の2020/3→2021/3(84→65円)の減配は特別配当剥落によるもので、実質普通配当ベースでは64→65円(+1.6%)と増配を維持している
  • 予想配当性向の表記: 2027/3期の70.8%は第1四半期決算短信の予想EPS254.07円で再計算した値。2026年3月期決算短信「配当の状況」の次期予想配当性向欄には71.5%と記載されており、約0.7ptの差がある
  • 配当政策の傾向: 実質普通配当ベースで2020/3期以降6期連続増配(64円→180円・約2.8倍)。2021/3期以降の短信「配当の状況」に特別配当・記念配当の注記はなく、支給は確認できない

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 実質普通配当ベースで6期連続増配(2020/3期64円→2026/3期180円)。当期は180円の据え置き予想で増配はいったん一服
  • 方針シグナル: 性向60%以上+総還元70%以上+DOE2.5%下限の三重ガイダンスを2026年3月期から適用。初年度の実績(性向62.8%・総還元性向85.1%・DOE9.2%)は全て目標線を上回った
  • 耐性実績: コロナ期(2020/3→2021/3)も実質普通配当ベースで64→65円と増配を維持、直近5年(2022〜2026年3月期)で減配なし

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

Q1累計実績(2026年4月1日〜2026年6月30日)

指標 当Q1累計 前年同期 前年同期比
売上高 39,018百万円 39,056百万円 △0.1%
営業利益 2,241百万円 2,741百万円 △18.2%
経常利益 2,660百万円 3,030百万円 △12.2%
親会社株主帰属四半期純利益 819百万円 1,351百万円 △39.4%
EPS(累計) 11.83円 19.04円 △37.9%
営業利益率 5.7% 7.0% △1.3pt

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上 前年同期比
時間情報システム事業 31,045百万円 +1.7%
環境関連システム事業 7,973百万円 △6.5%

セグメント利益は時間情報システム事業2,988百万円(△8.1%)、環境関連システム事業473百万円(△21.0%)。事業部門別では、情報システム9,066百万円(+2.6%)とパーキングシステム21,450百万円(+1.4%)が増収を保つ一方、Windows10サポート終了に伴うシステム投資の一服でソフトウェアが減少し、パーキング新商材(キャッシュレス・カメラ式駐車場管理)の拡販も想定より遅れた。環境システムは4,666百万円(△10.0%)だが、大型システムの受注残は堅調で、減収は売上計上時期の影響と会社は説明している。

通期計画 進捗率(2027年3月期・2026年4月27日公表予想から修正なし)

項目 通期予想 前期比 Q1進捗率
売上高 184,000百万円 +4.3% 21.2%
営業利益 24,000百万円 +6.4% 9.3%
経常利益 25,600百万円 +5.1% 10.4%
親会社株主帰属当期純利益 17,600百万円 △12.6% 4.7%

期末検収が集中する季節性でQ1進捗は例年低いが、営業利益9.3%は前年同期の12.2%をさらに下回る出足。会社は「期初に策定した会社計画の想定範囲内」とし、第2四半期累計で営業利益10,200百万円(+5.3%)への挽回を計画に織り込んでいる。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 注意 前年同期の投資有価証券売却益121百万円が剥落し、当Q1は固定資産除却損70百万円を計上。特別損益の差も減益幅を広げた
営業外損益 🟢 安定 受取利息268百万円を中心に営業外収益515百万円(+20.6%)。経常減益△12.2%は営業△18.2%より浅い
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟡 注意 見積実効税率による四半期の税金費用がほぼ前年並み(1,749→1,753百万円)で、税引前△17.5%に対し純利益△39.4%と減益率が増幅。期間配分の性質上、通期では平準化されやすい
開示の誠実性 🟢 高 減益要因を製品レベルで説明(ソフトウェア減・新商材拡販遅れ・計上時期の影響)。会計方針変更・修正再表示なし

業績の質: 中品質(営業減益△18.2%は実力部分だが、純利益△39.4%の落ち込みには一過性要因と税金の期間配分による増幅が含まれる)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2026年3月期Q1累計 2027年3月期Q1累計
営業CF(百万円) 5,496 6,565(+19.4%)
投資CF(百万円) △2,706 △3,617
財務CF(百万円) △14,129 △9,759
現金及び現金同等物 四半期末残高(百万円) 43,672 42,135(△3.5%)
  • 自己資本比率: 70.6%(前期末71.8%から△1.2pt)。低下は期末配当125円の支払い(株主資本△7,896百万円)によるもの
  • 有利子負債: 13,895百万円(短期借入金508百万円+リース債務13,387百万円〔流動5,089+固定8,298〕)。長期借入金・社債の残高なし
  • ネットキャッシュ: +431.1億円(現金及び預金560.6億円+有価証券(流動)9.4億円−有利子負債138.9億円)、時価総額約2,769.6億円(¥3,895×発行済株式総数71,106,129株・自己株式含む)の 15.6%(10〜30%帯)。現金及び預金560.6億円とCF表の現金同等物421.4億円の差は、預入期間3ヶ月超の定期預金等(貸借対照表ベースで算定)
  • 財務CFの中身: 配当金の支払額8,744百万円が中心。前年同期にあった自己株式の取得(2,371百万円+取得のための預託金1,583百万円)は当Q1はなし

7-3. 通期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上高 184,000百万円 +4.3%
営業利益 24,000百万円 +6.4%
経常利益 25,600百万円 +5.1%
親会社株主帰属当期純利益 17,600百万円 △12.6%
EPS 254.07円 △11.3%
通期予想の営業利益率 13.0% +0.3pt
  • 増減トーン: 2026年4月27日公表の期初予想から修正なし。営業段階は+6.4%の増益計画で、純利益のみ△12.6%の減益予想は前期(2026年3月期)に計上した政策保有株式の売却益等(一過性)の剥落を織り込んだもの
  • 第2四半期累計計画: 営業利益10,200百万円(+5.3%)と、Q1の遅れをQ2で挽回する前提
  • 配当予想: 180円(中間55円+期末125円・予想配当性向70.8%)で据え置き

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
Q1売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・セグメント別・所在地別・受託車室数 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026-07-28開示) 🟢 一次情報
通期・第2四半期累計の業績予想・進捗率 2027年3月期 第1四半期決算短信「1.(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」(2026年4月27日公表予想から修正なし) 🟢 一次情報
配当実績180円(中間55円+期末125円)・当期配当予想180円の据え置き確認 2027年3月期 第1四半期決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
配当方針(三重ガイダンス)・配当性向62.8%・総還元性向85.1%・DOE 9.2% 2026年3月期 決算短信(2026-04-27開示)「1.(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」「2.配当の状況」 🟢 一次情報
自己資本比率70.6%・現金及び預金・有価証券・借入金・リース債務・CF計算書 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」「四半期連結キャッシュ・フロー計算書」 🟢 一次情報
2019/3期・2020/3期の期末特別配当20円の内訳 2019年3月期および2020年3月期 決算短信「配当の状況」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移・営業CF推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥3,895(2026-07-29終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。