【新晃工業(6458)】配当B(79点)・DOE3.5%下限配当 — 2027年3月期Q1

保有中(筆者が当該銘柄を保有)📁 機械

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結論: Q1は3割営業減益も通期増益予想と配当50円は不変

📊 スコア: B 79点
💰 配当: 50→50円予想(±0円・中間20+期末30・修正なし)
良い点: DOE3.5%下限、受注残高が過去最高水準、自己資本比率68.9%
⚠️ 注意点: 営業利益△29.1%、中国の構造的停滞、ネットキャッシュ比10%割れ


1. 業績ハイライト

  • 売上高114.4億円(△6.4%)・機器販売が伸び悩む
  • 営業利益11.75億円(△29.1%)・人件費や物流費の増加も重なる
  • 経常利益15.35億円(△19.9%)・受取配当金の増加が下支え
  • 純利益10.72億円(△18.3%)・EPS15.97円
  • 通期予想は修正なし・営業利益の進捗率11.8%

サマリー

  • 会社は「概ね計画どおり」: 第2四半期累計の会社予想自体が営業利益△21.7%の減益計画で、上期の落ち込みは期初から織り込み済み。通期の増収増益予想(営業利益+5.9%)は据え置かれた
  • 減益の中身: セントラル空調市場全体で機器の出荷台数が前年割れとなるなか当社も機器販売が伸び悩み、人件費・物流費の増加が利益を圧迫した。一方で売上総利益率は37.8%→38.7%へ+0.8pt改善しており、価格転嫁は進んでいる
  • 下期転換型の期: 過去最高水準で推移する受注残高を背景に、第2四半期以降の製品出荷で収益への転換を図る計画。前年の第1四半期も対通期実績で営業利益17.5%の進捗にとどまる季節性があり、Q1単独では通期を判断しにくい

2. 配当判断サマリー

  • 年間配当は中間20円+期末30円の50円予想(±0円)を修正なしで据え置き・前期実績と同額
  • 配当性向の目安50%に加え、業績低迷時も配当の下限としてDOE3.5%を下回らない方針を継続。二段構えの減配抑制の仕組みが持続性の中核で、評価軸は用語集も参照
  • 直近5年で減配なし。2023〜2025年3月期に19→50円(分割後相当)へ3期続けて増配した後は50円を維持
  • 同じ機械セクターではアマノ(6436)もDOE2.5%下限型の配当方針で配当B(77点)。下限水準3.5%の本銘柄のほうが下限の置き方は一段高く、増配の継続を積み重ねる型の竹内製作所(6432)(B81点)とは持続性の作り方が異なる

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(79/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 40 性向7・DOE10・利回り7・方針8・耐性8
財務 25 17 自己資本10・ネットキャッシュ4・営業CF安定性3
収益 25 22 営業利益率15・ROE7
合計 100 79

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 営業利益率 15/15: 15.9%(通期予想の営業利益10,000百万円 ÷ 売上高63,000百万円・本ブログ算出)。15%以上の帯で満点。四半期単独の実績(10.3%)ではなく当期通期の会社予想を採点根拠としている
  • 自己資本比率 10/10: 68.9%(前期末67.9%から+1.0pt)。60%以上の最上位帯で財務基盤は厚い
  • DOE 10/10: 5.5%(2026年3月期決算短信の純資産配当率・連結)。5%以上で満点。第1四半期決算短信には記載がないため直近の通期開示値を用いた
  • 配当方針 8/10: 配当性向の目安50%に加え、業績低迷時も配当の下限としてDOE3.5%を下回らない方針を明示(2026年3月期決算短信)。DOE目標と配当性向目標の両方を明示する場合はDOE目標相当の8点
  • 増配減配耐性 8/10: 直近5年(2022〜2026年3月期)で減配なし+当期予想は50円維持。2026年3月期の据え置きで連続増配は途切れており、増配予想を伴う満点には届かない
  • 配当性向 7/10: 46.6%(当期予想50円 ÷ 予想EPS107.23円・決算短信記載値)。メーカー・小売の中央値35%からの乖離+11.6ptで「+10〜+20pt」帯
  • 配当利回り 7/10: 4.01%(予想DPS50円 ÷ 株価¥1,246・2026-08-06終値)。3.5〜4.5%帯で7点
  • ROE 7/10: 11.2%(通期予想の純利益7,200百万円 ÷ 自己資本64,400百万円=前期末63,340百万円と当第1四半期末65,461百万円の平均・本ブログ算出)。10〜15%帯

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • ネットキャッシュ 4/10: 現金及び預金17,697百万円−有利子負債8,707百万円=+8,990百万円のプラスだが、時価総額+9.9%(時価総額約903.9億円=株価¥1,246×期末発行済株式総数72,543,000株・自己株式を含む)で「プラス・時価総額の10%未満」帯。前回カルテの10.1%から株価上昇で10%をわずかに割り込み、帯が1段下がった

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期82点 → 今期79点(△3点)
  • 変動の内訳: 財務が20→17点。ネットキャッシュの時価総額比が10.1%→9.9%へ動き、「プラス・時価10〜30%」帯(7点)から「10%未満」帯(4点)へ1段下がった。ネットキャッシュ自体は前期末9,038百万円(現金及び預金17,425−有利子負債8,387)から8,990百万円へほぼ横ばいで、株価上昇(¥1,235→¥1,246)による時価総額の増加が効いた境界線上の変動
  • 満点項目は維持: 営業利益率15点・自己資本比率10点・DOE10点の3本柱は不変。第1四半期の大幅減益でも、採点根拠の通期予想(営業利益率15.9%)が据え置かれているため収益カテゴリは動いていない
  • 現在の位置づけ: B(70〜84点)の中位。収益・還元・自己資本の骨格は前回と変わらず、帯の境界すれすれの変動で3点動いた形。財務カテゴリ(17/25点)の上積み余地がA(85点)との距離になっている

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

※本章はスコア(§3)に反映されていない事業上の強み・構造リスクのみを扱います。

4-1. ✅ 事業の強み

  • データセンター投資を含む国内需要: 大型再開発のビル空調・産業空調に加えデータセンター投資を背景に、空調設備工事を中心とした需要は堅調と会社は説明し、データセンター向け案件の伸長を見込む。中計「move.2027」のターゲット市場拡大が機器販売の減速を補う構図

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 国内建設市場の長工期化: 働き方改革や建設費の高騰を受け、工事案件の長工期化や投資計画見直しの影響が現れていると短信が明記。機器出荷の後ずれが常態化すると期後半への収益集中が強まり、四半期ごとの利益・資金創出が振れやすくなる
  • 中国市場の構造的な停滞: 会社自身が「中国市場の停滞は構造的なもの」と認識し、価格重視の厳しい競争環境が続く見通しと説明。当四半期もアジアはセグメント損失167百万円と赤字幅が広がっており、損失の固定化は連結の配当原資を細らせる要因になる

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年8月時点)


5. 筆者メモ

82点から79点への低下は、株価が上がってネットキャッシュの時価総額比が10%を割った境界線上の話。財務の厚みが変わったわけではなく、見るべきは機器販売と価格転嫁の行方だと思っている。


6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年3月期実績 50円(分割後相当・中間18+期末32)
2026年3月期実績 50円(中間20+期末30・±0円)
2027年3月期予想 50円(中間20+期末30・±0円・修正なし)
配当性向(連結・表面) 46.6%(当期予想50円 ÷ 予想EPS107.23円・決算短信記載値)。2026年3月期実績は50.2%
DOE(連結・純資産配当率) 5.5%(2026年3月期決算短信記載値。第1四半期決算短信には記載なし)
配当利回り 4.01%(予想DPS50円 ÷ 株価¥1,246・2026-08-06終値・J-Quants API)
配当方針 配当性向の目安を50%に引き上げたほか、業績低迷時もDOE3.5%を下回らない下限を採用。中計「move.2027」では100億円を上限とする自己株式取得を進め総還元性向を向上(2026年3月期決算短信「1.(5)」)
連続増配年数 0期(2026年3月期に50円で据え置いたため連続増配は途切れている)。直前は2023〜2025年3月期に3期続けて増配・当期予想も50円(±0円)

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2017/3 12 50.02 24.0%
2018/3 13.33 49.71 26.8%
2019/3 14.33 53.17 27.0%
2020/3 19.33 76.69 25.2%
2021/3 16.67 64.75 25.7%
2022/3 16.67 53.04 31.4%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/3 19 59.54 31.9%
2024/3 35 88.37 39.6%
2025/3 50 107.68 46.4%
2026/3 50 99.59 50.2%
2027/3(予) 50 107.23 46.6%

(注)

  • データ基準: EDINET DB の取得値(額面)を1:3で分割後相当に換算。直近期は短信記載と一致確認済。配当性向は各年の DPS ÷ EPS で再計算
  • 株式分割: 2024年12月1日付で普通株式1株→3株(1:3)の株式分割を実施。上表のDPS・EPSはいずれも純粋な分割比1:3で遡及換算した分割後相当ベースで統一(額面は2023年3月期57円・2024年3月期105円等。1円未満は小数第2位まで表示)。会社IRの配当実績ページも同基準で2023年3月期19円(中間6.67+期末12.33)・2024年3月期35円(中間11.67+期末23.33)と開示しており一致。2025年3月期の第2四半期末配当は分割後相当で18円、年間合計50円(短信注記)
  • 減配履歴: コロナ期の2021年3月期に19.33→16.67円(額面58→50円)の減配。直近5年(2022〜2026年3月期)では減配なし
  • 配当政策の傾向: 2023〜2025年3月期に19→50円(分割後相当)へ段階増配し、2026年3月期以降は50円維持の安定配当フェーズへ移行

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 2023〜2025年3月期に19→35→50円(分割後相当)と3期続けて増配。2026年3月期以降は50円維持で増配ペースは一服
  • 方針シグナル: 配当性向の目安50%とDOE3.5%下限の二段構え。下限の明示により業績悪化時の減配リスクを制度的に抑制
  • 耐性実績: 直近5年で減配なし。コロナ期(2021年3月期)に額面58→50円の減配があったが、その後は回復・増配基調に復帰

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

指標 当第1四半期 前年同期 前期比
売上高 11,445百万円 12,227百万円 △6.4%
営業利益 1,175百万円 1,657百万円 △29.1%
経常利益 1,535百万円 1,917百万円 △19.9%
親会社株主帰属四半期純利益 1,072百万円 1,312百万円 △18.3%
EPS 15.97円 18.79円 △15.0%

通期予想に対する進捗率は売上高18.2%・営業利益11.8%・純利益14.9%。前年同期は対通期実績で売上高20.6%・営業利益17.5%・純利益19.2%であり、第1四半期はもともと構成比が小さい期にあたるが、今期は機器出荷の立ち上がり遅れで進捗が一段浅い。EPSの減少率(△15.0%)が純利益(△18.3%)より小さいのは、自己株式取得で期中平均株式数が69,852千株→67,146千株へ減ったため。

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上 前期比
日本 10,460百万円 △4.9%
アジア 1,001百万円 △19.6%

セグメント利益は日本1,336百万円(△21.9%)、アジアは167百万円の損失(前年同期は60百万円の損失)。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟢 特別損益の計上はなく、税金等調整前利益は経常利益と一致
営業外損益 🟢 受取配当金の増加(225→315百万円)で経常減益率(△19.9%)は営業(△29.1%)より緩やか
純利益押し下げ要因 🟡 機器販売の減収と人件費・物流費増という本業要因が主因。アジアの損失拡大は非支配株主持分への帰属で一部緩和
開示の誠実性 🟢 立ち上がり遅れの背景(建設業の供給制約)と受注残高の状況、中国停滞の構造認識まで具体的に説明

業績の質: 減益は機器販売の量と費用増による本業要因だが、上期減益は会社計画に織り込み済み。受注残の下期出荷への転換が焦点

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2026年3月期(通期) 当第1四半期
営業CF(百万円) 8,010 ―(注)
投資CF(百万円) △3,772 ―(注)
財務CF(百万円) △2,496 ―(注)
現金及び預金(百万円) 17,425(期末) 17,697
自己資本比率(%) 67.9(期末) 68.9(+1.0pt)

(注)第1四半期は四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成していない(決算短信注記)。当第1四半期の減価償却費は501百万円(前年同期403百万円)。

  • 有利子負債: 短期借入金1,300 + 1年内返済予定の長期借入金307 + 転換社債型新株予約権付社債6,000 + 長期借入金1,100 = 8,707百万円(当第1四半期末)。前期末8,387百万円から+320百万円(短期借入金の増加が主)
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金17,697百万円 − 有利子負債8,707百万円 = +8,990百万円(プラス)。時価総額約903.9億円(株価¥1,246×期末発行済株式総数72,543,000株・自己株式を含む)の+9.9%にあたり、「プラス・時価総額の10%未満」帯。投資有価証券23,027百万円は投資その他の資産(長期)のため算入していない
  • 営業CFの推移: 2022年3月期3,638→2023年3月期4,090→2024年3月期8,911→2025年3月期5,740→2026年3月期8,010百万円。5年連続黒字だが変動は±20%を超え、ブレのある推移
  • 財政状態の動き: 売上債権の回収(受取手形、売掛金及び契約資産△4,625百万円)が進む一方、下期出荷に備え商品及び製品が+1,207百万円積み上がった。純資産の増加(+2,106百万円)は四半期純利益とその他有価証券評価差額金の増加(+2,975百万円)が主因

7-3. 通期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上高 63,000百万円 +6.2%
営業利益 10,000百万円 +5.9%
経常利益 10,600百万円 +5.3%
親会社株主帰属当期純利益 7,200百万円 +5.5%
EPS 107.23円 +7.7%
営業利益率(通期予想) 15.9%(10,000÷63,000・本ブログ算出) 前期実績15.9%とほぼ横ばい
ROE(通期予想) 11.2%(7,200÷64,400=前期末63,340と当第1四半期末65,461の平均・本ブログ算出) 前期実績11.0%から+0.2pt

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
第1四半期の売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・セグメント別・財政状態 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026-08-06開示) 🟢 一次情報
通期業績予想・当期配当予想 2027年3月期 第1四半期決算短信「3.連結業績予想」「2.配当の状況」 🟢 一次情報
営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と直近開示時点自己資本の平均) 🟡 補助データ
配当方針・DOE・前期配当実績・営業CF等のCF実績 2026年3月期 決算短信(2026-05-14開示)「1.(5)利益配分に関する基本方針」「2.配当の状況」「連結CF計算書」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移・営業CF推移 EDINET DB(株式分割1:3を遡及換算)・[会社IR 配当実績ページ](https://www.sinko.co.jp/ir/stock/dividend/)で突合 🟢 一次情報
株価¥1,246(2026-08-06終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。