【日本セラミック(6929)】配当C(67点) — 2026年12月期 中間期

観察中(筆者は当該銘柄を未保有)📁 電気機器

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結論: 性向50%以上を明示。無借金・高採算だが予想性向が重し

📊 スコア: C 67点
💰 配当: 165→165円(±0円)、中間期時点でも修正なし
良い点: 性向50%以上明示、実質無借金、DOE7.3%、高利回り
⚠️ 注意点: 予想性向73%、減益予想、表面減配歴


1. 業績ハイライト

  • 売上 13,692百万円(+0.1%)・ほぼ横ばい
  • 営業利益 3,147百万円(△0.1%)・利益率は前年並み
  • 経常利益 3,648百万円(+16.9%・為替差益が寄与)
  • 中間純利益 2,638百万円(△37.1%)・前年一過性益の剥落
  • 通期営業利益の進捗48.4%・予想は据え置き

サマリー

  • 売上・営業は横ばい: 中国の環境対応車向けの落ち込みと製品群の見直しを、ADAS向け車載安全製品と照明・産業機械向けセンサの伸びで吸収し、売上+0.1%・営業△0.1%と前年並みに着地しました。
  • 減益は前年の一過性益の剥落: 中間純利益△37.1%は、前年同期に子会社清算に伴う関係会社清算益3,445百万円が特別利益として立っていた反動で、当中間期の特別損益はほぼゼロです。
  • 経常利益は中間期予想を上回る: 中間期の会社予想(経常3,200百万円)に対し実績は3,648百万円と上振れし、通期経常予想6,700百万円に対する進捗も54.4%。通期営業利益予想6,500百万円に対する営業利益の進捗は48.4%で、2月公表の通期予想は据え置きです。

2. 配当判断サマリー

  • 当期予想は165円据え置き(±0円)・中間期時点でも修正なし。中期経営計画(2026年2月公表)で配当性向50%以上を明示
  • 会社開示の純資産配当率は2025年12月期実績で7.3%と高水準・当期の予想利回りも4.42%
  • 自己資本比率84.6%・借入金ゼロの実質無借金で、期末一括165円の原資は潤沢
  • 同じ電気機器で累進配当を掲げるエレコム(6750)と並べると、性向50%目標型との方針の違いが見えて横比較しやすい

3. スコア内訳

配当持続性ランク: C(67/100点) ★★★☆☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 25 性向0・DOE10・利回り7・方針6・耐性2
財務 25 20 自己資本10・ネットキャッシュ7・営業CF安定性3
収益 25 22 営業利益率15・ROE7
合計 100 67

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 営業利益率 15/15: 通期予想23.2%(6,500百万円÷28,000百万円)を採点根拠とし、15%以上の最上位帯。中間期実績も23.0%と同水準
  • 自己資本比率 10/10: 中間期末84.6%・借入金ゼロの実質無借金で、60%以上の最上位帯
  • DOE 10/10: 会社開示の純資産配当率(連結)は2025年12月期実績で7.3%・5%以上を確保
  • ネットキャッシュ 7/10: 現金及び預金281.5億円・有利子負債ゼロ(投資有価証券32.1億円は長期のため除外)、時価総額約1,017億円(¥3,735×発行済総数27,231,257株)比 約27.7%で10〜30%帯
  • 配当利回り 7/10: 予想利回り4.42%・3.5〜4.5%帯
  • ROE 7/10: 通期予想ベースで10.0%(4,700百万円÷平均自己資本46,768百万円)・10〜15%帯を確保

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 配当性向 0/10: 当期予想性向73.3%(165円÷予想EPS225.16円)・メーカー中央値35%から+38.3pt乖離
  • 増配減配耐性 2/10: 直近5年内(2023年)に表面ベースの減配があり、救済帯の2点にとどまる(当ブログは特別配当を普通配当と同様に受取実態で判定・§6-2の内訳注記参照)

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前カルテ(2026年12月期Q1)の67点から変動なし(±0点)で、ランクもCを据え置き
  • 変動の内訳: 10項目すべてで得点は不変。実額では予想配当性向73.7%→73.3%(予想EPS223.78円→225.16円)、ネットキャッシュの時価総額比25.1%→27.7%、通期予想ROE10.3%→10.0%と動いたが、いずれも同じ得点帯にとどまる。DOEは前カルテの自算値7.7%から、会社開示の純資産配当率7.3%(2025年12月期実績)へ基準を統一したが、5%以上帯で10点は不変
  • 満点項目維持: 営業利益率15/15・自己資本比率10/10・DOE10/10 の3項目は前カルテから満点を維持
  • 現在の位置づけ: 財務20点・収益22点の土台に対し配当は25/50。配当性向0点と増配減配耐性2点が上限を作り、C帯(55-69)の上位という位置

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

4-1. ✅ 事業の強み

  • 自己株式取得の継続実行: 中間期に取締役会決議に基づく491,700株を取得し、自己株式は17.88億円増加した。8月7日には上限700,000株・20億円(自己株式を除く発行済株式数の3.41%)の追加取得も決議しており、配当対象株式数を減らし、同額配当時の総配当負担を抑える方向に働く。
  • 大型設備投資の一巡: 建設仮勘定が1,958百万円から50百万円へ減り、有形固定資産の取得支出も前年同期947百万円から389百万円へ縮小した。フィリピン新工場が稼働段階に入り、手元資金を還元へ回す余地が広がる。

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 中国市場の需要変動: 中期経営計画では中国工場を巡る地政学リスクへの対応が課題として明示されており、現地の政策動向が生産拠点と販売先の双方に関わる構造にある。政策や現地需要の振れが配当原資の変動要因として残る。
  • 単一セグメント構造: センサ・電子部品の単一セグメントで、決算短信にも事業別の内訳開示がない。車載・照明・産業機械と用途の分散はあるものの、センサ需要そのものが冷える局面では収益の逃げ場が乏しい。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)


5. 筆者メモ

中間純利益の大幅減は前年の子会社清算益が消えた反動で、営業利益はほぼ横ばい。減益の見出しだけで配当余力を判断すると読み違える典型例だ。

次回(2026年12月期 通期決算・2027年2月頃開示見込み)見るポイント:

  • 通期予想(売上280億円・営業利益65億円)の達成と、期末一括165円が予想どおり確定するか
  • 8月7日決議の自己株式取得(上限700,000株・20億円)の進捗と、期末株数がDOE・1株当たり指標に与える影響
  • 配当性向50%以上の方針の下で、通期EPSの着地が165円からの上積み(普通配当か特別配当か)につながるか

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年12月期実績 165円(期末一括・普通125+特別40)
2026年12月期予想 165円(期末一括・据え置き・修正なし)
配当性向(連結・表面・当期予想) 73.3%(165円 ÷ 予想EPS225.16円・当期会社予想ベース・スコア算出ベース。記念配当がなく特別配当は普通配当と同様に扱うため表面値=実質普通配当ベース。会社は2月公表時の予想EPS221.77円で74.4%と開示)
DOE(連結・純資産配当率) 7.3%(2025年12月期実績・決算短信「2.配当の状況」記載値。中間期短信は同欄を非開示)
配当利回り 4.42%(予想DPS165円 ÷ 株価¥3,735・2026-08-27終値・J-Quants API)
配当方針 配当性向50%以上とし、利回りや過去実績等を考慮して決定。自己株式取得は株価・財務状況・市場環境等を勘案し機動的な実施を検討(中期経営計画・2026年2月6日公表)
連続増配年数 2期連続増配(2024→2025)・当期は165円据え置き予想

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示(連続増配の検証用)
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2011 30 94.30 31.8%
2012 30 62.98 47.6%
2013 30 61.39 48.9%
2014 35 70.22 49.8%
2015 60 74.77 80.2%
2016 50 88.32 56.6%
2017 50 90.37 55.3%
2018 70 107.64 65.0%
2019 70 101.06 69.3%
2020 70 82.19 85.2%
2021 100 110.65 90.4%
2022 125 206.00 60.7%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023 100 156.55 63.9%
2024 125 181.29 69.0%
2025 165 324.59 50.8%
2026(予) 165 225.16 73.3%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用、直近期は短信記載と一致確認済(12月決算・DPSは期末一括)。2026年は会社予想
  • 普通配当・特別配当の内訳(中期経営計画資料・2026年2月6日公表より): 2020年=普通50+特別20、2021年=普通50+特別50、2022年=普通50+特別75、2023年=普通100(特別なし)、2024年=普通100+特別25、2025年=普通125+特別40(2025年分は2025年12月期決算短信の注記でも確認)。2023年の表面減配(125→100円)は特別配当75円の剥落によるもので、普通配当はむしろ50→100円へ倍増している
  • スコア上の扱い: 当ブログは特別配当を普通配当と同様に受取実態で評価するため(記念配当のみ除外)、増配減配耐性は表面ベースで判定(2023年減配あり→2点)。特別配当は直近6年中5年で支給されており、継続性の高い還元と位置づけている
  • 配当政策の傾向: 長期では30円(2011年)→165円(2025年)へ増配基調。表面ベースでは2016年・2023年に減配歴あり

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 2024→2025で125→165円と+40円の大幅増配。ただし当期は165円据え置き予想で、2期連続増配のあとは足踏みの形
  • 方針シグナル: 中期経営計画(2026年2月)で配当性向50%以上を明示し、自己株式取得も機動的に実施する姿勢。中間期に自己株式を17.88億円分取得し、8月には上限20億円の追加取得を決議しており方針どおりの動き
  • 耐性実績: 直近5年(2021〜2025)では2023年に表面ベースの減配があり、増配・減配耐性は救済帯の2点。ただし§6-2の内訳のとおり2023年は特別配当の剥落で、普通配当は倍増していた点は割り引いて見たい。実質無借金・高採算で配当原資の安全性自体は高い

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

指標 当中間期 前年中間期 前期比
売上高 13,692百万円 13,677百万円 +0.1%
営業利益 3,147百万円 3,151百万円 △0.1%
経常利益 3,648百万円 3,120百万円 +16.9%
親会社株主帰属中間純利益 2,638百万円 4,192百万円 △37.1%
EPS 126.42円 193.03円 △34.5%
営業利益率 22.98% 23.04% △0.06pt

セグメント別

日本セラミックは電子部品(超音波センサ・赤外線センサ等)の単一セグメントのため、セグメント別の内訳開示はありません。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟢 当中間期の特別損益はほぼゼロ(特別利益1百万円・特別損失0百万円)。前年同期は関係会社清算益3,445百万円と減損損失513百万円を計上
営業外損益 🟡 為替差益223百万円(前年同期は差損260百万円)のスイングが経常+16.9%を押し上げ
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟢 中間純利益△37.1%は前年の一過性益の剥落が主因と会社が短信本文で明示。税金等調整前は6,077→3,649百万円
開示の誠実性 🟢 減益要因を名指しで説明・会計方針変更なし・継続企業の注記なし・中間期からCF計算書を開示

業績の質: 良好(中間純利益△37.1%は前年の関係会社清算益3,445百万円の剥落が主因で、当中間期の特別損益はほぼゼロ)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2025/12期末(CF は前年中間期累計) 2026/6月末(CF は当中間期累計)
営業CF(百万円) +1,839 +3,498
投資CF(百万円) △8,408 △2,227
財務CF(百万円) △4,302 △5,284
現金及び預金(BS・百万円) 29,938 28,154
短期有価証券(BS流動・百万円) 0 0
現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) 13,736 16,288
自己資本比率(%) 84.4% 84.6%
  • 有利子負債: ゼロ(短期・長期借入金、社債、リース債務のいずれも計上なし。負債合計5,771百万円は仕入債務・未払法人税等・繰延税金負債が中心)
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金28,154百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債0百万円 = +28,154百万円(投資有価証券3,206百万円は投資その他の資産=長期のためスコア上は除外)。時価総額約1,017億円(株価¥3,735×期末発行済株式総数27,231,257株・自己株式を含む)の約27.7%で「プラス・10〜30%」帯=7/10点。実質無借金のキャッシュリッチ企業(自己株式は発行済の約24.0%)。※CF計算書の「現金及び現金同等物」16,288百万円との差(約119億円)は預入期間3ヶ月超の定期預金等によるものです

7-3. 通期業績予想(2026年12月期)

項目 予想 前期比
売上高 28,000百万円 +2.5%
営業利益 6,500百万円 +4.4%
経常利益 6,700百万円 △4.9%
親会社株主帰属当期純利益 4,700百万円 △32.9%
EPS 225.16円
営業利益率(通期予想) 23.2%(6,500百万円÷28,000百万円・本ブログ算出) +0.4pt
ROE(通期予想) 10.0%(4,700百万円÷平均自己資本46,768百万円〔前期末47,594百万円と当中間期末45,942百万円の平均〕・本ブログ算出) △4.4pt

※経常・純利益の減益予想は前期の一過性要因(関係会社清算益3,445百万円等)の剥落によるもので、営業利益は+4.4%の増益予想です。EPS予想は2月公表時の221.77円から、自己株式取得による株数減で225.16円へ切り上がっています。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
中間期売上・営業利益・経常利益・中間純利益・EPS・営業利益率 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信(2026-08-07開示) 🟢 一次情報
通期業績予想 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信「3.2026年12月期の連結業績予想」 🟢 一次情報
営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と直近開示時点自己資本の平均) 🟡 補助データ
当期配当予想・配当性向 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
DOE(純資産配当率)・2025年12月期の配当内訳(普通125+特別40) 2025年12月期 決算短信「2.配当の状況」および同注記(2026-02-06開示) 🟢 一次情報
自己資本比率・現金及び預金・短期有価証券・有利子負債・自己株式取得 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信「中間連結貸借対照表」「重要な後発事象の注記」 🟢 一次情報
営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 期末残高 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信「中間連結キャッシュ・フロー計算書」 🟢 一次情報
配当方針(性向50%以上)・普通/特別配当の内訳 中期経営計画(2026-02-06公表・会社IRサイト) 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥3,735(2026-08-27終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

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本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。