【鈴木(6785)】配当B(81点)・4期連続増配 — 2026年6月期

保有中(筆者が当該銘柄を保有)📁 電気機器

PR本記事には広告リンクを含みます

結論: 部品が牽引し大幅増益、4期連続増配で配当性向は40%台維持。

📊 スコア: B 81点
💰 配当: 85→105円(+20円)、来期112円予想(+7円)
良い点: 4期連続増配、DOE5.1%、自己資本比率66.4%
⚠️ 注意点: 部品が売上の78.9%、累進配当の宣言なし、利回り3.49%


1. 業績ハイライト

  • 売上高: 404.45億円(+21.4%)、スマートフォン関連と半導体関連部品が牽引。
  • 営業利益: 55.59億円(+29.5%)、営業利益率12.9→13.7%(+0.8pt)。
  • 当期純利益: 37.49億円(+35.8%)、EPS 261.13円。
  • 配当: 85→105円(+20円)で4期連続増配、来期112円予想。
  • ROE: 10.6→12.8%(+2.2pt)、自己資本比率66.4%を維持。

サマリー

  • 部品セグメントが全体を押し上げ: 部品の売上は319.05億円(+24.5%)、セグメント利益59.01億円(+25.5%)。スマートフォン関連と半導体関連部品の需要が増え、産業機器向けも回復基調に転じた。
  • 増益は本業由来: 特別利益0.65億円に対し特別損失0.43億円と差引0.22億円で、業績の伸びに一過性の要素はほぼない。経常利益+38.5%が営業+29.5%を上回るのは営業外の改善による。
  • 来期は伸びが緩む計画: 2027年6月期は売上431.50億円(+6.7%)、営業60.30億円(+8.5%)、純利益39.80億円(+6.2%)と、当期の二桁成長から一段落する見通し。

2. 配当判断サマリー

  • 年間配当は85→105円(+20円+23.5%)で4期連続増配。来期は112円(+7円)を予想し、5期目の増配見込み。
  • 配当方針は「DOE(株主資本配当率)4.0% または配当性向50%を目安」(2024年8月8日公表の株主還元方針)。当期のDOEは5.1%で目標を上回っている。
  • 配当性向は40.2%(来期予想40.4%)で、電気機器の中央値35%からの乖離は小さい。増配が続いても原資に余裕を残す水準。
  • 同じ電気機器で累進配当を掲げるエレコム(6750)は配当方針が満点だが、当社は「目安」の提示にとどまるため8点。方針の拘束力に差がある。

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(81/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 41 性向9・DOE10・利回り4・方針8・耐性10
財務 25 21 自己資本10・ネットキャッシュ7・営業CF安定性4
収益 25 19 営業利益率12・ROE7
合計 100 81

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • DOE 10/10: 5.1%(短信の純資産配当率)でガイドの「5%以上」帯。会社が目安とする4.0%を上回る。
  • 増配減配耐性 10/10: 2023年6月期から4期連続増配、直近5年に減配なし、来期も112円への増配予想でガイドの最高帯。
  • 自己資本比率 10/10: 66.4%(△1.3pt)で「60%以上」帯。
  • 配当性向 9/10: 40.40%(来期予想112円 ÷ 予想EPS277.22円)で、電気機器の中央値35%から+5.40ptの「+10pt帯」。
  • 営業利益率 12/15: 来期予想13.97%(60.30億円 ÷ 431.50億円)で「10〜15%」帯。
  • 配当方針 8/10: 「DOE4.0%または配当性向50%を目安」とDOE目標を明示。累進配当の宣言がないため最上位の1段下。
  • 営業CF安定性 4/5: 直近5期は連続黒字。当期の69.09億円を単発の外れ値として除くと、残り4期(41.21・38.78・54.45・55.01億円)は4期平均47.36億円から最大18.1%の乖離に収まる。
  • ネットキャッシュ 7/10: +67.90億円時価総額の14.7%、「プラス、10〜30%」帯。
  • ROE 7/10: 来期予想12.48%(予想純利益39.80億円 ÷ 当期末自己資本318.86億円)で「10〜15%」帯。

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 配当利回り 4/10: 3.49%(予想DPS112円 ÷ 株価¥3,205)で「2.5〜3.5%」帯。3.5%帯の境界のすぐ下にある。

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前回カルテ(2026年6月期Q3)79点 → 今回81点(+2点)。ランクはBのまま。
  • 変動の内訳: 動いた項目は2つで方向が逆。DOEが7→10(前回はQ3末の自己資本で試算した4.8%だったが、通期決算で短信記載の純資産配当率5.1%が確定して帯が1段上がった)。一方で営業CF安定性が5→4(採点窓が2021〜2025年6月期から2022〜2026年6月期へ1年ずれ、当期の69.09億円が単発の外れ値となったため満点から1段下がった)。配当性向9・利回り4・方針8・耐性10・自己資本10・ネットキャッシュ7・営業利益率12・ROE7は前回から不変。
  • 配当の骨格は変わらず: DOE4.0%または配当性向50%を目安とする方針、4期連続増配、配当性向40%台という組み合わせは前回から動いていない。
  • 現在の位置づけ: 81点はB帯(70〜84)の上位。A帯(85以上)との差は、配当利回りが2.5〜3.5%帯にあること(株価¥3,200以下で3.5%帯へ)、配当方針が「目安」の提示にとどまること、営業CFの振れ幅の3点に集約されている。

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

4-1. ✅ 事業の強み

  • 複数用途が同時に寄与した部品構成: 電子機器向けではスマートフォン関連と半導体関連が伸び、産業機器向けが回復基調に転じ、自動車電装向けも堅調と、用途が同時に寄与した。単一用途の落ち込みを他が補いやすい構成で、配当原資の振れを抑える方向に働く。
  • 中長期の需要見通しを会社が明示: 自動車の電動化とADAS、産業機器の自動化・省人化、AIの普及とデータセンター投資を背景に、中長期的な電子部品需要の拡大を見込むとしている。需要の裾野が広がる分、単年の受注変動が配当原資に響きにくくなる。

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 部品セグメントへの集中: 売上404.45億円のうち部品が319.05億円(78.9%)を占め、金型14.82億円、機械器具70.49億円、賃貸0.07億円と規模差が大きい。部品の需要変動が連結全体の利益と配当原資に直結する。
  • 自己資本の伸びに株式評価益が含まれる: 当期は投資有価証券が31.49億円増え、その他有価証券評価差額金が21.79億円増加した。DOEは自己資本に連動する指標のため、相場変動が配当の基準額にも影響しうる。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年8月時点)。


5. 筆者メモ

3年で30円から105円はさすがに速いが、配当性向はまだ四割で原資に余裕がある。DOEも目安の4%を超えてきたので、このペースをどこまで保てるかを見ている。


6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年6月期実績 85円(中間40円 + 期末45円)
2026年6月期実績 105円(中間45円 + 期末60円)
2027年6月期予想 112円(中間56円 + 期末56円)
増配 +20円(+23.5%)、来期は +7円(+6.7%)
連続増配年数 4期連続増配(2023年6月期〜2026年6月期)、来期予想で5期目
配当性向(2027年6月期予想・表面) 40.4%(112円 ÷ 予想EPS277.22円)
DOE(純資産配当率・連結) 5.1%(配当総額15.07億円 ÷ 自己資本294.03億円〔期首269.20億円と期末318.86億円の平均〕・短信記載値と一致)
配当利回り 3.49%(予想DPS112円 ÷ 株価¥3,205・2026-08-10終値・J-Quants API)
配当方針 「DOE(株主資本配当率)4.0% または配当性向50%を目安」(2024年8月8日公表「株主還元方針に関するお知らせ」)。累進配当の宣言はない
  • 配当予想は直近の公表値から修正なし。当期のDOE5.1%は会社が目安とする4.0%を上回っている。
  • 来期の配当は中間56円+期末56円と均等配分の予想で、当期(中間45円+期末60円)から配分が変わる。

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向(再計算)
2020/6期 11 85.98 12.8%
2021/6期 20 142.49 14.0%
2022/6期 20 145.26 13.8%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向(再計算)
2023/6期 30 136.22 22.0%
2024/6期 46 158.11 29.1%
2025/6期 85 192.37 44.2%
2026/6期 105 261.13 40.2%
2027/6期(予想) 112 277.22 40.4%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用、直近期は短信記載と一致確認済(配当性向40.2%・40.4%はいずれも短信記載値)。本表の対象期間に株式分割はない。
  • 配当政策の傾向: 2020年6月期から2022年6月期は11〜20円の低位安定期。2023年6月期以降は業績拡大に連動して増配が加速し、2025年6月期は前期比+85%、2026年6月期も+23.5%の増配となった。配当性向は40%台で頭打ちにせず、DOEを目安に据える方針へ移行している。
  • 異常値の説明: 記念配当特別配当を含む年はなく、減配履歴もない。配当性向が2022年6月期の13.8%から2025年6月期の44.2%へ上がっているのは、還元方針の変更(2024年8月公表)による水準の切り上げによる。

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 85→105円(+20円+23.5%)。2023年6月期の30円から3年で3.5倍になっており、EPSの伸び(136.22→261.13円)を上回るペースで増配してきた。
  • 方針シグナル: 「DOE4.0%または配当性向50%を目安」という二本立ての基準で、どちらか高い方を採るとは明記していない。当期はDOE5.1%が目安の4.0%を上回る一方、配当性向40.2%は目安の50%を下回っており、DOE側で基準を満たしている形。累進配当の宣言はなく、減配しないことの約束はない。
  • 耐性実績: 2020年6月期以降に減配はなく、コロナ期の2020年6月期・2021年6月期も配当性向12〜14%と原資に余裕があった。現在の40%台は当時より高いが、依然として中央値近辺にある。

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

指標 当期 前期 前期比
売上高 404.45億円 333.22億円 +21.4%
営業利益 55.59億円 42.92億円 +29.5%
経常利益 58.28億円 42.06億円 +38.5%
親会社株主帰属当期純利益 37.49億円 27.60億円 +35.8%
EPS 261.13円 192.37円 +35.7%
営業利益率 13.7% 12.9% +0.8pt
ROE 12.8% 10.6% +2.2pt

セグメント別(対前期比・セグメント間取引消去前)

区分 売上 前期比 セグメント利益
部品 319.05億円 +24.5% 59.01億円(+25.5%)
機械器具 70.49億円 +9.5% 8.73億円(+17.8%)
金型 14.82億円 +18.4% 3.39億円(+33.6%)
賃貸 0.07億円 +3.9% 0.88億円(△12.5%)
  • 主因: 部品セグメントで電子機器向けのスマートフォン関連と半導体関連部品の需要が増加し、産業機器向けが回復基調に転じた。自動車電装部品も堅調に推移した。
  • 乖離点: 経常利益+38.5%が営業利益+29.5%を上回るのは営業外損益の改善による。包括利益は68.01億円(+103.9%)で、その他有価証券評価差額金の増加を含む。
  • 着地評価: 賃貸セグメントの利益減は土地取得助成金の交付完了によるもので、規模も0.88億円と小さい。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟢 限定的 増収増益は部品セグメントの需要増によるもので、特別損益の影響はほぼない
営業外損益 🟡 影響あり 経常58.28億円と営業55.59億円の差2.69億円。経常の伸び+38.5%が営業+29.5%を上回る
特別損益 🟢 軽微 特別利益0.65億円(投資有価証券売却益0.53億円ほか)、特別損失0.43億円(固定資産除却損0.32億円ほか)で差引+0.22億円
開示の誠実性 🟢 高 セグメント別に増収増益の要因を記載し、配当性向・純資産配当率を表紙に明示

業績の質: クリーン。増益は部品セグメントの需要増による本業由来で、特別損益の寄与は差引0.22億円にとどまる

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2025/6期末 2026/6期末
現金及び預金(億円) 68.07 83.02(+22.0%)
自己資本比率(%) 67.7 66.4(△1.3pt)
営業CF(億円) 55.01 69.09(+25.6%)
  • 有利子負債 15.12億円(短期借入金9.33億円 + 1年内返済予定の長期借入金4.97億円 + 長期借入金0.82億円)。社債とリース債務の掲記はない
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金83.02億円 − 有利子負債15.12億円 = +67.90億円。時価総額461.66億円(株価¥3,205 × 期末発行済株式数14,404,400株・自己株式を含む)の14.7%で「プラス、10〜30%」帯
  • 営業CFの5期推移: 2022年6月期 41.21億円 → 2023年6月期 38.78億円 → 2024年6月期 54.45億円 → 2025年6月期 55.01億円 → 2026年6月期 69.09億円。直近期は2026年6月期 決算短信の連結キャッシュ・フロー計算書、それ以前はEDINET DBによる
  • 投資CF △34.44億円財務CF △26.23億円(配当金の支払13.21億円、短期借入金の減少4.40億円、長期借入金の返済6.01億円)
  • 自己株式: 自己株式数は51,543株→45,158株へ6,385株減少(処分)。期末発行済株式総数は14,404,400株で前期末から変わらず、消却は行っていない

7-3. 来期業績予想(2027年6月期)

項目 予想 前期比
売上高 431.50億円 +6.7%
営業利益 60.30億円 +8.5%
経常利益 60.70億円 +4.2%
親会社株主帰属当期純利益 39.80億円 +6.2%
EPS 277.22円 +6.2%
営業利益率(通期予想) 13.97%(60.30億円 ÷ 431.50億円) +0.24pt
ROE(通期予想) 12.48%(39.80億円 ÷ 当期末自己資本318.86億円) △0.32pt
  • 増減トーン: 当期の二桁成長から一段落し、売上+6.7%・営業+8.5%の計画。経常+4.2%が営業を下回るのは、当期に寄与した営業外の改善が続かない前提とみられる。
  • 前提条件: 円安によるエネルギー価格・原材料価格の上昇、米国の関税政策、中国経済の停滞、地政学リスクを不透明要因として挙げている。
  • 施策: 精密金型技術と独自の部品生産技術を活用した生産性向上と収益力強化、成長分野である自動車関連事業への戦略的投資の継続、高付加価値製品の拡販と原価低減。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
通期売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・ROE・セグメント別実績 2026年6月期 決算短信(2026年8月10日開示) 🟢 一次情報
2027年6月期 業績予想・配当予想 2026年6月期 決算短信 表紙「2027年6月期の連結業績予想」「配当の状況」 🟢 一次情報
配当性向40.2%・純資産配当率5.1%・配当金総額15.07億円 2026年6月期 決算短信「配当の状況」 🟢 一次情報
自己資本比率66.4%・現金及び預金83.02億円・借入金・発行済株式数 2026年6月期 決算短信「連結貸借対照表」「注記事項」 🟢 一次情報
配当方針(DOE4.0%または配当性向50%を目安) 2026年6月期 決算短信「(5)株主還元に関する基本的方針及び当期・次期の配当」(2024年8月8日公表「株主還元方針に関するお知らせ」を引用) 🟢 一次情報
営業CF 5期推移 直近期は2026年6月期 決算短信の連結キャッシュ・フロー計算書、それ以前はEDINET DB 🟢 一次情報
過去年度の配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価・配当利回り J-Quants API(2026-08-10 終値) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。