【日清製粉グループ本社(2002)】配当C(65点)・13期連続増配 — 2027年3月期Q1

観察中(筆者は当該銘柄を未保有)📁 食料品

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結論: 13期連続増配、営業段階は横ばい圏。

📊 スコア: C 65点
💰 配当: 60→65円(+5円)
良い点: 13期連続増配、自己資本61.4%、配当性向50%目安、価格改定実施
⚠️ 注意点: 予想利回り3.14%、ROE7.9%、中食・惣菜 △32.8%


1. 業績ハイライト

  • 売上高2,176.81億円(+1.1%)、海外製粉が牽引。
  • 営業利益111.97億円(△0.9%)でほぼ横ばい。
  • 四半期純利益93.49億円(△19.5%)、売却益縮小が主因。
  • 製粉+6.8%・食品+23.5%、中食・惣菜△32.8%
  • 通期予想は据え置き、進捗は売上25.0%・営業24.3%。

サマリー

  • 増収の中身: 売上高は2,176.81億円で+1.1%。増加分は海外製粉の米国出荷増と為替換算が中心で、4区分のうち製粉事業だけが+7.0%と伸び、他の3区分は前年同期を下回った。
  • 営業段階の横ばい: 営業利益は111.97億円で△0.9%。製粉+6.8%・食品+23.5%の増益分を、中食・惣菜△32.8%とその他△34.1%の減益が打ち消した。
  • 最終減益の理由: 四半期純利益は93.49億円で△19.5%。投資有価証券売却益が46.68億円→18.57億円へ縮んだことが主因で、営業段階の減益は△0.9%と小幅にとどまる。

2. 配当判断サマリー

  • 当期予想は年65円(中間32円+期末33円)。前期60円から+5円で、2014年3月期以降の13期連続増配から14期目へ進む計画。5月14日公表からの修正はない。
  • 配当性向は通期予想ベースで44.3%。食料品の標準帯(30〜40%)をやや上回る程度で配当原資の余裕は残る。会社が方針の基準とする非経常的な特殊要因の除外ベースでは54.1%(2026年3月期 決算短信「配当の状況」注記の会社開示値)。
  • 「配当性向50%目安」を中期経営計画の最終年度である当期までに達成すると明示。当第1四半期にも自己株式1,089,455株を取得している。
  • 株価2,068円で予想利回りは3.14%。同じ製粉の日東富士製粉(2003)累進配当方針を掲げる型で、水準の決め方が異なる。

3. スコア内訳

配当持続性ランク: C(65/100点) ★★★☆☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 36 性向9・DOE 7・利回り4・方針6・耐性10
財務 25 17 自己資本10・ネットキャッシュ4・営業CF安定性3
収益 25 12 営業利益率8・ROE 4
合計 100 65

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 増配減配耐性 10/10: 13期連続増配+直近5年で減配なし+当期も+5円の増配予想、ガイド最高水準
  • 自己資本比率 10/10: 61.4%(前期末61.1%から+0.3pt)、60%以上の帯を維持
  • 配当性向 9/10: 44.3%(予想DPS65円÷予想EPS146.59円)、食料品の中央値35%から+9.3ptで「中央値〜+10pt」帯
  • DOE 7/10: 3.4%(2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」の純資産配当率・四半期短信には非記載)、3〜5%帯

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 配当利回り 4/10: 3.14%(予想DPS65円÷株価2,068円)、「2.5〜3.5%」帯
  • ネットキャッシュ 4/10: 現金及び預金84,952百万円 + 短期有価証券9,409百万円 − 有利子負債89,786百万円 = +4,575百万円時価総額約5,834.07億円比 約0.8%で「プラス・10%未満」帯
  • ROE 4/10: 通期予想7.9%(予想純利益410億円÷自己資本5,173.28億円)、ガイドの「5〜10%」帯

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期63点 → 今期65点(+2点)
  • 変動の内訳: 動いたのは配当カテゴリの34→36で、内訳では配当性向だけが7→9。前カルテは当期実績の60円÷EPS113.33円=52.9%で「+10〜+20pt」帯だったが、本カルテは四半期カルテの規定どおり進行期の会社予想(65円÷146.59円=44.3%)を採るため、中央値35%からの乖離が+9.3ptに縮み1段上の帯へ移った。財務17点・収益12点は前カルテと同点
  • 配当本体は満点維持: 増配減配耐性10/10・自己資本比率10/10の2項目は据え置きで、還元の連続性と財務健全性は前カルテと同じ水準
  • 現在の位置づけ: 65点はC(55〜69点)の上位で、B(70点)まで5点。配点比40%以下の主な減点は配当利回りネットキャッシュ・ROEの3項目で、いずれも4/10。営業利益率も通期予想5.3%で15点満点の8点にとどまる

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

4-1. ✅ 事業の強み

  • 政府売渡価格に連動した価格改定の経路: 4月に輸入小麦の政府売渡価格が5銘柄平均で2.5%引き上げられたのを受け、6月に業務用小麦粉の価格改定を実施したと開示している。原料価格の変動を売価へ通す道筋が制度として通っており、コスト上昇局面でも製粉事業の採算を保ちやすい。

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 中東情勢に起因するコストへの感応度: 会社は中東情勢によるコスト上昇を営業減益の一因に挙げ、第2四半期以降も影響を慎重に見極めるとしている。原材料・エネルギーの外部要因が価格改定の浸透より先に効くと、その時間差がそのまま利益の目減りになる。
  • 新拠点の立ち上げが重なる投資局面: ノムラフーズの宇治新工場(2027年6月頃稼働予定)と用賀の新開発拠点が同時進行で、有形固定資産は2,626.06億円→2,693.02億円へ増えた。稼働後は減価償却が段階的に乗るため、利益率が戻るまでの時間は長くなりやすい。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)


5. 筆者メモ

営業段階の減益はわずか0.9%で、最終利益の2割減はほぼ投資有価証券売却益の縮小によるもの。本業の実力を見るなら純利益より営業利益を追うべき四半期だった。

次回(2027年3月期 第2四半期)見るポイント:

  • 業務用小麦粉の価格改定の浸透と、中東情勢に起因するコスト上昇との綱引き
  • 中食・惣菜事業の立て直し(事業ポートフォリオ再評価の進み方)
  • 配当性向50%目安の着地(表面44.3%と特殊要因除外54.1%のどちらで語られるか)

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年3月期実績 中間25円+期末30円=55円
2026年3月期実績 中間30円+期末30円=60円
2027年3月期予想 中間32円+期末33円=65円(+5円・2026年5月14日公表からの修正なし)
配当性向(連結・通期予想・表面) 44.3%(予想DPS65円 ÷ 予想EPS146.59円・決算短信「2.配当の状況」記載値と一致)。記念配当・特別配当がないため表面値と実質普通配当ベースは同値。会社が方針の基準とする非経常的な特殊要因の除外ベースでは54.1%(2026年3月期 決算短信「配当の状況」注記の会社開示値・2025/3期51.1%・2026/3期48.6%)
DOE(連結・純資産配当率) 3.4%(2026年3月期 決算短信記載値・四半期短信には非記載)
配当利回り 3.14%(予想DPS65円 ÷ 株価¥2,068・2026-08-21終値・J-Quants API)
配当方針 連結配当性向「50%目安」(非経常的な特殊要因による損益を除外)を、中期経営計画の最終年度である2027年3月期までに達成すると明示。原文は「非経常的な特殊要因による損益を除外し、連結ベースでの配当性向を基準として配当を行うことを基本方針としております」「配当性向につきましては、…最終年度である2027年3月期までに『50%目安』へと引き上げる」(2026年3月期 決算短信「1.(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」)
連続増配年数 13期連続増配(2014年3月期〜2026年3月期・会社開示ベース) + 当期予想で 14期目 継続見込み

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2016 24 58.25 41.2%
2017 26 64.50 40.3%
2018 29 71.47 40.6%
2019 32 74.98 42.7%
2020 34 75.40 45.1%
2021 37 63.95 57.9%
2022 39 58.88 66.2%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023 40 △34.91 —(赤字)
2024 45 106.74 42.2%
2025 55 117.33 46.9%
2026 60 113.33 52.9%
2027(予) 65 146.59 44.3%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用、直近期は決算短信記載と一致確認済。記念配当特別配当を含む年はなく、表面DPSと実質普通配当は全年で同値
  • 異常値の説明: 2023年3月期はEPSが△34.91円と赤字転落したが、配当は前期比+1円の40円へ増配した。利益の急変が配当水準に波及していない
  • 連続増配の起点: 会社は「株式分割において1株当たりの配当金の調整を行わず配当総額を増加させた2014年3月期以降、実質的に13期連続の増配」と開示している。1株当たりでは2012〜2014年3月期が20円で並ぶため、本表(2016年3月期以降)だけでは起点まで遡れない。連続増配年数は会社開示の表明を採用した
  • 配当政策の傾向: 2016〜2022年3月期は24→39円の小刻みな積み上げだったが、2024年3月期以降は45→55→60→65円と1期あたりの増配幅が拡大している

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 2014年3月期以降13期連続増配。EPSが△34.91円と赤字転落した2023年3月期も40円へ増配しており、単年の利益変動が配当水準へ波及しにくい
  • 方針シグナル: 「配当性向50%目安(非経常的な特殊要因を除外)」を中期経営計画の最終年度である当期までに達成すると明示。額面ではなく性向で水準を管理する型で、利益成長がそのまま増配余地になる
  • 耐性実績: 直近5期(2022年3月期〜2026年3月期)の営業CFは5期とも黒字で平均525.70億円。自己資本比率61.4%と合わせ、2026年3月期の配当金総額171.20億円を賄う体力は厚い

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

指標 当期(Q1累計) 前期(Q1累計) 前期比
売上高 2,176.81億円 2,153.64億円 +1.1%
営業利益 111.97億円 112.96億円 △0.9%
営業利益率 5.1% 5.2% △0.1pt
経常利益 125.17億円 129.32億円 △3.2%
親会社株主帰属四半期純利益 93.49億円 116.20億円 △19.5%
EPS 33.41円 40.11円 △16.7%

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上 前期比
製粉事業 1,120.08億円 +7.0%
食品事業 546.88億円 △0.1%
中食・惣菜事業 393.88億円 △3.4%
その他事業 115.95億円 △23.7%

セグメント利益は製粉が66.75億円→71.28億円(+6.8%)、食品が18.50億円→22.85億円(+23.5%)と伸びた一方、中食・惣菜は14.22億円→9.56億円(△32.8%)、その他は14.50億円→9.55億円(△34.1%)へ落ちた。通期予想に対する進捗率は売上25.0%・営業利益24.3%・経常利益25.5%・純利益22.8%、第2四半期累計予想に対しては売上50.6%・営業利益50.9%。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 注意 特別利益は投資有価証券売却益18.57億円のみで、前年同期の46.68億円から縮小した。特別損失には工場閉鎖損失1.95億円(坂出工場の解体撤去費用)と事業構造再構築費用1.53億円が乗っている
営業外損益 🟡 注意 営業外収益は28.62億円→27.95億円。持分法による投資利益が8.80億円→5.04億円へ減り、営業外費用は12.26億円→14.75億円と支払利息の9.04億円→11.15億円が効いた。経常利益は△3.2%
純利益押し下げ要因 🟡 注意 営業△0.9%・経常△3.2%に対し純利益は△19.5%。差は特別利益の縮小によるもので、本業の悪化ではない
開示の誠実性 🟢 高 セグメント4区分の売上・利益を前年同期と並べて開示。任意の期中レビューを受けており、その完了は8月7日に別途告知された(四半期連結財務諸表の数値に変更なし)

業績の質: 中位(営業段階の減益はわずかで、最終減益の主因は投資有価証券売却益の縮小という一過性)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 前期末(2026年3月末) 当第1四半期末(2026年6月末)
現金及び預金(BS・百万円) 97,791 84,952(△13.1%)
短期有価証券(BS流動・百万円) 2,428 9,409(+287.5%)
現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) 91,411 N/A(CF未作成)
自己資本比率(%) 61.1 61.4(+0.3pt)
  • 有利子負債 897.86億円(短期借入金124.31億円+社債200億円+長期借入金109.99億円+リース債務463.56億円)。前期末は915.49億円で、短期借入金の返済が減少分の中心
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金84,952百万円 + 短期有価証券9,409百万円 − 有利子負債89,786百万円 = +4,575百万円(時価総額約5,834.07億円〔株価¥2,068×期末発行済株式数282,111,891株・自己株式を含む〕の約0.8%・「プラス・10%未満」帯=4点)
  • 営業CF: 当第1四半期の四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていない(決算短信の注記に明記)。営業CF安定性の採点は各期の通期決算短信「連結キャッシュ・フロー計算書」による直近5期(2022年3月期〜2026年3月期)の実績 41,833 → 23,422 → 73,194 → 55,209 → 69,194百万円を対象とし、5期とも黒字。ただし5期平均52,570百万円に対して2022年3月期が△20.4%、2023年3月期が△55.4%、2024年3月期が+39.2%、2026年3月期が+31.6%と複数期が±20%を外れるため3/5点
  • 自己株式: 当第1四半期に自己株式が1,408,094株→2,497,549株(+1,089,455株)、貸借対照表上も25.72億円→49.07億円へ増加。期末発行済株式総数は282,111,891株で前期末と同数のため、当四半期の消却はない

7-3. 通期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上高 8,700億円 +0.6%
営業利益 460億円 △1.5%
経常利益 490億円 △4.7%
親会社株主帰属当期純利益 410億円 +25.8%
EPS 146.59円 +29.3%
営業利益率(通期予想) 5.3%(460億円÷8,700億円・本ブログ算出) △0.1pt
ROE(通期予想) 7.9%(予想純利益410億円÷自己資本5,173.28億円=期首5,188.42億円と第1四半期末5,158.13億円の平均・本ブログ算出) +1.4pt

2026年5月14日公表値からの修正はない。第2四半期累計は売上4,300億円(△0.3%)・営業利益220億円(△2.8%)・純利益170億円(+64.6%)の計画で、通期純利益の+25.8%は前期に計上した減損等の剥落を織り込んだもの。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
第1四半期の売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・セグメント別 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026-07-30開示。監査法人による任意の期中レビュー完了は2026-08-07に告知され、四半期連結財務諸表の数値に変更なし) 🟢 一次情報
通期業績予想・第2四半期累計予想 2027年3月期 第1四半期決算短信「3.2027年3月期の連結業績予想」「1.(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」 🟢 一次情報
営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と第1四半期末自己資本の平均) 🟡 補助データ
配当実績・当期配当予想・配当性向 2027年3月期 第1四半期決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
DOE(純資産配当率)・配当方針・連続増配年数 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」「1.(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」 🟢 一次情報
自己資本比率・現金及び預金・短期有価証券・有利子負債・自己株式・発行済株式数 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」「(4)発行済株式数」 🟢 一次情報
営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 期末残高 各期 通期決算短信「連結キャッシュ・フロー計算書」(当第1四半期は四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成していない) 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥2,068(2026-08-21終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。