結論: 3事業とも売上過去最高、15期連続増配を継続
📊 スコア: B 73点
💰 配当: 8→9円(+1円・2026/7期予想)、来期(2027/7)は未開示
✅ 良い点: 15期連続増配、DOE14.7%、高営業利益率、自社株買い併用
⚠️ 注意点: 自己資本比率低下、土地売却益依存、スキー場減益
1. 業績ハイライト
- 売上高311.07億円(+9.4%)・3事業とも売上過去最高更新
- 営業利益70.16億円(+5.6%)・営業利益率22.6%維持
- 経常利益71.78億円(+8.4%)・本業の堅調を反映
- 純利益42.08億円(+11.6%)・土地売却益11.21億円(特利)寄与
- 自己資本比率32.6%(△5.7pt)・M&Aと設備投資で低下
サマリー
- 本業堅調: 駐車場(+10.7%)・テーマパーク(+30.8%)の営業利益が売上を上回って伸び、営業レバレッジが効いている。スキー場のみ減価償却費先行で減益
- 業績の質に留意: 純利益+11.6%は岩岳リゾート山麓の土地売却益11.21億円(特利)を含み、本業実勢は経常+8.4%。会社も冒頭でこの要因を明示し開示は誠実
- 進捗良好: 営業利益進捗82.5%・経常84.4%と通期予想を上回るペース。スキー場収益が冬季偏重で計上済みのため季節性を踏まえても順調
2. 配当判断サマリー
- 2026年7月期予想9円(+1円)で15期連続増配を継続・来期(2027/7)配当は本決算で公表見込み
- 前期は14期続いた+0.25円ペースを大幅に上回る+2.5円増配(5.5→8.0円)を実施し、還元姿勢を強化
- DOE14.7%は極めて高水準・配当に加え自己株式取得(上限10億円・最大400万株)を併用する総還元路線が定着
- 同じ不動産系で安定配当を継続するヒューリック(3003)などと比べ、継続増配方針の明確さに特徴がある
3. スコア内訳
配当持続性ランク: B(73/100点) ★★★★☆
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 34 | 性向7・DOE10・利回り4・方針3・耐性10 |
| 財務 | 25 | 14 | 自己資本7・ネットキャッシュ4・営業CF安定性3 |
| 収益 | 25 | 25 | 営業利益率15・ROE10 |
| 合計 | 100 | 73 | — |
3-1. 主な加点(高得点項目)
- 営業利益率 15/15: Q3累計22.6%(15%以上)で満点。駐車場・テーマパークの高収益が牽引
- DOE 10/10: 14.7%(5%以上)で満点。不動産系でも突出した純資産配当率水準
- ROE 10/10: 前期通期27.7%(15%以上)で満点。資本効率は極めて高い
- 増配減配耐性 10/10: 15期連続増配+直近5年(2021〜2025)減配なし+2026年7月期も増配予想で満点
- 配当性向 7/10: 53.2%(不動産業中央値40%+13.2pt)で+10〜+20pt帯・7点
- 自己資本比率 7/10: 32.6%(不動産業補正で25%以上)で7点。物件取得借入で構造的に低くなる業種への補正適用
3-2. 主な減点(低得点項目)
- 配当方針 3/10: 「安定的かつ継続的な増額を実施」と継続増配の意思は示すが、累進配当宣言や配当性向・DOEの数値目標は非開示で安定配当(定性)評価
- 配当利回り 4/10: 直近実績DPS8円÷株価¥241=3.32%で2.5〜3.5%帯・4点
- ネットキャッシュ 4/10: +40.29億円と僅かにプラスだが時価総額の約5%で10%未満帯・4点
3-3. 全体所感
- スコアの中心要素: 営業利益率22.6%・ROE27.7%の高収益基盤とDOE14.7%・15期連続増配の還元実績が重なり73点
- 主な減点要因: 配当方針が定性評価(3点)にとどまり、利回り3.3%・ネットキャッシュ薄め・自己資本比率低下による財務面(14点)の伸び悩みも重なる
- ランク境界の判断: B(70〜84点)の中位。数値目標を伴う還元方針の開示や財務余力の回復があればさらに上位も視野
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。
4. Pros & Cons
4-1. ✅ Pros
- 駐車場・スキー場・テーマパークの3事業すべてが売上過去最高を更新
- 自己株式取得(上限10億円・最大400万株)を決議し配当との総還元を強化
- インバウンド来場者543千人(+23.3%)でスキー場の付帯売上単価が過去最高
- 伊豆観光開発の子会社化で「那須モデル」の他地域展開に着手
4-2. ⚠️ Cons
- スキー場事業の営業利益△4.5%・新ゴンドラ等の減価償却費が先行
- 借入増・M&A・設備投資で有利子負債が約48億円増加し財務余力が逓減
- 減損損失3.04億円(前年0.05億円)へ急増・対象の開示は限定的
- 純利益拡大の一部は土地売却益(特利)依存で単発性
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)。
5. 筆者メモ
純利益の伸びは土地売却益11.2億円(特別利益)を含み、一過性要因を除いた本業の増益ペースが高水準の還元を支え続けられるかどうかを、次の通期決算で見極めたい。
次回(2026年7月期 通期)見るポイント:
- 通期での自己資本比率の着地と借入残高の推移
- スキー場事業の減価償却費負担と利益率の回復度合い
- 土地売却益を除いた経常ベースの本業成長率と来期配当方針
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2025年7月期実績 | 8.00円(期末一括・中間配当なし) |
| 2026年7月期予想 | 9.00円(期末一括・+1.00円) |
| 2027年7月期予想 | 未開示(本決算で公表見込み) |
| 配当性向(連結・表面) | 50.4%(予想9円 ÷ 予想EPS17.87円・決算短信記載値) |
| DOE(連結・純資産配当率) | 14.7%(2025年7月期実績・決算短信記載値) |
| 配当利回り | 3.32%(直近実績DPS8円 ÷ 株価¥241・2026-06-05終値・J-Quants API) |
| 配当方針 | 継続的なフリー・キャッシュ・フローの増加を基盤に配当の安定的かつ継続的な増額を実施し、自己株式取得と合わせた総還元性向を高い水準に保つ方針(配当性向・DOEの数値目標は非開示) |
| 連続増配年数 | 15期連続増配 + 2026年7月期予想で 16期目 継続見込み |
6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年以前の履歴を表示
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2020/7 | 4.50 | 3.63 | 124.0% |
| 2021/7 | 4.75 | 7.12 | 66.7% |
| 2022/7 | 5.00 | 9.62 | 52.0% |
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2023/7 | 5.25 | 13.81 | 38.0% |
| 2024/7 | 5.50 | 16.10 | 34.2% |
| 2025/7(実績) | 8.00 | 15.05 | 53.2% |
| 2026/7(予想) | 9.00 | 17.87 | 50.4% |
(注)
- データ基準: EDINET DB引用、DPS・EPSから配当性向を再計算。直近期(2025/7)は決算短信記載値(53.2%)と一致
- 異常値の説明: 2020/7期の配当性向124.0%はコロナ影響でEPSが一時的に低下した中、連続増配を維持したことによる(株式分割の影響はなし)。8.00円(2025/7期)は記念配当・特別配当を含まない普通配当で、14期続いた+0.25円増配から+2.50円へ大幅増配したもの
- 配当政策の傾向: 2011年7月期以降、毎期連続増配(分割影響調整後)を継続。2024年まで+0.25円ペースだったが、2025年は業績好調を受け+2.50円へ増配幅を拡大。減配履歴はEDINET DB確認範囲(過去6年・2020〜2025)で確認できず、コロナ期(2020〜2021)も増配を維持
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: 15期連続増配を継続。EPS成長(2023年13.81→2025年15.05円・通期営業利益も右肩上がり)が増配原資を裏付け
- 方針シグナル: 「配当の安定的かつ継続的な増額」を明示し継続増配の意思を表明。配当性向・DOEの数値目標は掲げないが、自己株式取得を組み合わせた総還元路線を採る
- 耐性実績: 過去6年(2020〜2025・EDINET DB確認範囲)減配なし・コロナ期も増配維持。DOE14.7%の高水準が下支え
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー
| 指標 | 当期(Q3累計) | 前期(Q3累計) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 311.07億円 | 284.41億円 | +9.4% |
| 営業利益 | 70.16億円 | 66.47億円 | +5.6% |
| 経常利益 | 71.78億円 | 66.21億円 | +8.4% |
| 親会社株主帰属四半期純利益 | 42.08億円 | 37.70億円 | +11.6% |
| EPS(Q3累計) | 13.26円 | 11.82円 | +12.2% |
| 営業利益率 | 22.6% | 23.4% | △0.8pt |
セグメント別 売上(対前年同期比)
| 区分 | 売上 | 前期比 |
|---|---|---|
| 駐車場事業 | 142.21億円 | +7.4% |
| スキー場事業 | 99.77億円 | +8.9% |
| テーマパーク事業 | 61.92億円 | +12.7% |
| その他 | 8.02億円 | +13.9% |
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🟡 | 固定資産売却益11.21億円(特利・岩岳リゾート山麓土地)が純利益+11.6%に寄与。経常+8.4%が本業実勢 |
| 営業外損益 | 🟢 | 経常+8.4%が営業+5.6%を上回り、受取利息・為替差益が下支え |
| 純利益押し下げ/押し上げ要因 | 🟡 | 特別利益の押し上げと減損損失3.04億円(前年0.05億円から急増)の押し下げが併存 |
| 開示の誠実性 | 🟢 | 純利益の伸びが経常を上回る理由(土地売却益)を冒頭で明示・スキー場減益も開示 |
→ 業績の質: 本業は経常段階まで堅調・純利益段階で土地売却益の一過性寄与を含む(中位)
7-2. 財務・CFサマリー
(注)第3四半期は連結キャッシュ・フロー計算書が作成されていないため、CFは直近の通期実績(2024/7期・2025/7期)を掲載。財政状態は当第3四半期末(2026年4月30日)を併記。
| 指標 | 2024/7 | 2025/7 |
|---|---|---|
| 営業CF(百万円) | 6,198 | 8,180 |
| 投資CF(百万円) | △7,357 | △4,888 |
| 財務CF(百万円) | 6,492 | 1,203 |
| 現金等期末残高(百万円) | 16,375 | 20,918 |
| 自己資本比率(%・期末) | 36.7 | 38.3 |
- 当第3四半期末(2026/4/30)の財政状態: 総資産600.07億円(+100.23億円)・自己資本比率32.6%(前期末38.3%から△5.7pt)。伊豆観光開発の連結子会社化(企業結合に係る特定勘定33.65億円)・スキー場設備投資・自己株式取得が要因
- 有利子負債(当第3四半期末): 短期借入金378百万円・1年内返済予定の長期借入金2,401百万円・社債100百万円・長期借入金20,024百万円(合計22,904百万円)
- ネットキャッシュ(当第3四半期末): 現金及び預金26,933百万円−有利子負債22,904百万円=+4,029百万円(時価総額約757.3億円の約5%)。プラスだが時価総額10%未満帯で4/10点
7-3. 通期業績予想(2026年7月期・据え置き)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 408.00億円 | +10.8% |
| 営業利益 | 85.00億円 | +11.0% |
| 経常利益 | 85.00億円 | +8.5% |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 57.00億円 | +18.8% |
| EPS | 17.87円 | +18.7% |
通期予想は2025年9月12日公表から変更なし。純利益+18.8%には土地売却益(特利)が寄与しており、経常+8.5%が本業ベースの伸び。Q3進捗(営業82.5%・経常84.4%)から達成圏内。
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| Q3累計売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・営業利益率 | 2026年7月期 第3四半期決算短信(2026-06-05開示) | 🟢 一次情報 |
| 通期業績予想・配当方針 | 2026年7月期 第3四半期決算短信・2025年7月期 決算短信「1.(5)利益配分に関する基本方針」 | 🟢 一次情報 |
| 配当実績・予想・配当性向・DOE | 2025年7月期 決算短信「2.配当の状況」・2026年7月期 第3四半期決算短信 | 🟢 一次情報 |
| 自己資本比率・総資産・現金等・有利子負債・自己株式取得 | 2026年7月期 第3四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」「重要な後発事象」 | 🟢 一次情報 |
| 営業CF・投資CF・財務CF(通期) | 2025年7月期 決算短信「連結キャッシュ・フロー計算書」 | 🟢 一次情報 |
| セグメント別売上・利益 | 2026年7月期 第3四半期決算短信「セグメント情報」 | 🟢 一次情報 |
| 過去配当履歴・EPS推移 | EDINET DB | 🟢 一次情報 |
| 株価¥241(2026-06-05終値) | J-Quants API(JPX 公式) | 🟢 一次情報 |
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