【積水樹脂(4212)】配当C(61点)・累進配当方針 — 2027年3月期Q1

観察中(筆者は当該銘柄を未保有)📁 化学

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結論: 配当は28円増、純利益の上振れは売却益による

📊 スコア: C 61点
💰 配当: 72→100円予想(+28円・期初予想82円から+18円増額)、18期連続増配へ
良い点: 累進配当方針、17期連続増配、自己資本比率70.8%、総還元性向100%以上目標
⚠️ 注意点: 配当性向55.5%、利回り3.48%、純利益の上振れは売却益、ROE 5.4%


1. 業績ハイライト

  • 売上高18,301百万円(+10.6%)で増収
  • 営業利益989百万円(+64.2%)・営業利益率5.4%
  • 四半期純利益1,029百万円(+292.2%)と大幅増
  • 通期純利益予想を4,400→5,400百万円へ上方修正
  • 年間配当予想を82→100円へ増額修正(期初予想比+18円・前期比+28円)

サマリー

  • 本業は増収増益: 売上高18,301百万円(+10.6%)・営業利益989百万円(+64.2%)。売上総利益率が30.3%→31.3%へ上がり、価格改定の定着が採算を押し上げた
  • 純利益の急増は売却益による: 四半期純利益1,029百万円(+292.2%)は投資有価証券売却益601百万円(前年同期ゼロ)が押し上げたもので、営業利益の伸びとは分けて読む
  • 通期は純利益のみ上方修正: 売上高84,000百万円・営業利益6,300百万円は据え置き、純利益のみ4,400→5,400百万円へ上方修正。政策保有株式の縮減が想定を上回るのが理由

2. 配当判断サマリー

  • 年間配当予想を82→100円へ増額修正し、前期比+28円。会社は18期連続の増配になる予定と明記している(2026年7月30日開示)
  • 増額の裏づけは政策保有株式の売却益で、売上高・営業利益の通期予想は据え置き。本業の伸びによる増配とは分けて見る必要がある
  • 配当方針は「積水樹脂グループビジョン2030」期間中(2030年3月期まで)の累進配当を基本方針とし、連結配当性向40%以上維持と2027年3月期までの総還元性向100%以上維持を併記
  • 同じ化学業種で累進配当を掲げる三菱瓦斯化学(4182)や16期連続増配の日本ゼオン(4205)と比べても、連続増配の長さは上位にある

3. スコア内訳

配当持続性ランク: C(61/100点) ★★★☆☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 32 性向4・DOE4・利回り4・方針10・耐性10
財務 25 17 自己資本10・ネットキャッシュ4・営業CF安定性3
収益 25 12 営業利益率8・ROE4
合計 100 61

(注)四半期のカルテのため、営業利益率とROEは当期(2027年3月期)の通期会社予想を採点根拠とする。営業利益率は7.5%(6,300百万円÷84,000百万円)で5〜10%帯の8/15点、ROEは5.4%(予想純利益5,400百万円÷平均自己資本99,653百万円)で5〜10%帯の4/10点。第1四半期単独の実績は §7-1 に載せるが採点には使わない。なお予想純利益5,400百万円には政策保有株式の売却益が含まれる。

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 配当方針 10/10: 「積水樹脂グループビジョン2030」期間中(2030年3月期まで)は累進配当を基本方針とすると決算短信「1.(5)利益配分に関する基本方針」で明示。連結配当性向40%以上の維持と、2027年3月期までの総還元性向100%以上の維持も併記しており、ガイドの「累進配当=10点」に該当
  • 増配減配耐性 10/10: 直近5年(2022年3月期〜2026年3月期)のDPSは62→63→65→70→72円で減配がなく、当期予想も100円と増配。「3年以上連続増配+直近5年で減配なし+来期増配予想」の10点帯
  • 自己資本比率 10/10: 70.8%で60%以上の満点帯。前期末69.6%から+1.2pt上がったのは、四半期純利益とその他有価証券評価差額金の増加で自己資本が99,247→100,059百万円へ増える一方、短期借入金の返済で総資産が△0.8%縮んだため

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 配当性向 4/10: 55.5%(予想DPS100円÷会社予想EPS180.08円)。化学は業種中央値35%が基準で、乖離+20.5pt=「+20〜+30pt」帯。会社が掲げる配当性向40%以上の目標は上回っている
  • 配当利回り 4/10: 3.48%(予想DPS100円÷株価¥2,873)で2.5〜3.5%帯。配当予想が82→100円へ増えた一方、株価が前カルテ執筆時の¥2,206から+30.2%上がったため、7点帯の下限3.5%をわずかに割り込んでいる
  • DOE 4/10: 2.2%(2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」の純資産配当率(連結)記載値)で1〜3%帯。自己資本が1,000億円規模まで積み上がっているため、配当総額を伸ばしてもDOEは上がりにくい
  • ネットキャッシュ 4/10: 現金及び預金17,765百万円+短期有価証券0百万円−有利子負債12,804百万円=+4,961百万円時価総額91,400百万円の約5.4%で「プラス・時価総額の10%未満」帯
  • ROE 4/10: 通期予想5.4%(予想純利益5,400百万円÷平均自己資本99,653百万円〔期首99,247百万円と当第1四半期末100,059百万円の平均〕)で5〜10%帯。会社が「積水樹脂グループビジョン2030」で掲げるROE8%以上には届いていない

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期(2026年3月期)61点 → 今期61点(±0点)
  • 変動の内訳: 動いたのは2項目。配当利回りは7→4点で、予想DPSが82→100円へ増えても株価が¥2,206→¥2,873へ上がったため3.72%→3.48%と帯を1段下げた。ROEは1→4点で、採点根拠が2026年3月期実績4.1%から当期通期予想5.4%へ移り0〜5%帯を抜けている。残る8項目は前カルテと同点で、差し引き±0点
  • 満点3項目は維持: 配当方針10・増配減配耐性10・自己資本比率10の3項目は満点のまま動いていない
  • 現在の位置づけ: C帯(55〜69点)の中位。満点3項目を取りながらB帯(70点〜)に届かないのは、配当性向・DOE・配当利回り・ネットキャッシュ・ROEの5項目がそろって4点帯にとどまるため。ROEの改善は通期予想に政策保有株式の売却益が入ったことによる面が大きく、本業の利益水準そのものが上がった結果ではない

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

※本章はスコア(§3)に入っていない事業上の強み・構造リスクだけを扱う。

4-1. ✅ 事業の強み

  • 民間分野の用途開拓が公共依存を薄める: アルミ樹脂積層複合板がホームセンター向けなど新規用途へ販路を広げ、アグリ関連では農業支柱に加えて獣害対策製品が伸びた。民間分野のセグメント利益1,150百万円は公共分野(43百万円)を大きく上回っており、公共投資の配分に左右されにくい稼ぎ頭が育っている点は配当原資の安定に効く
  • 公共分野内での需要の分散: 高速道路の整備予算縮小で防音壁材と路面標示工事が落ちた一方、交通安全・標識関連と景観関連が伸び、公共分野の外部売上は8,096→8,562百万円(+5.8%)と増えた。需要構成の分散が公共分野の変動を和らげている

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 公共投資の配分に左右される主力事業: 防音壁材は高速道路の整備予算縮小と工期の長期化で売上・利益とも前年同期を大きく下回り、路面標示工事と構造物メンテナンス工事も同じ理由で低調だった。予算配分の変化が公共分野の利益を直接動かす
  • 原油由来原材料の調達リスク: 会社は中東情勢の緊迫化で原油由来原材料の調達リスクが高まっているとし、調達先を増やし在庫管理を強めて対応していると説明している。価格転嫁が効いても調達が滞れば出荷が止まる性質のリスクで、通期の売上高・営業利益予想を据え置いた前提でもある

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)


5. 筆者メモ

年間配当は28円増えたが、押し上げたのは政策保有株式の売却益で、売上高と営業利益の通期予想は据え置かれている。増配の土台が本業に移るかは中間期の数字を見たい。

次回(2027年3月期 中間期・2026年11月発表予定)見るポイント:

  • 中間配当56円が予定どおり実施され、中間期予想(売上37,000百万円・営業利益1,740百万円)に届くか
  • 政策保有株式の約3割縮減がどこまで進み、売却益がいくら計上されるか
  • 2026年9月10日の1,000,000株消却の実行と、上限30億円の自己株式取得の進捗

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年3月期実績 中間35円+期末35円=70円(普通配当のみ)
2026年3月期(前期)実績 中間36円+期末36円=72円(前期から+2円・配当性向55.2%・17期連続増配)
2027年3月期(当期)予想 中間56円+期末44円=100円(+28円・2026年5月13日公表の82円〔中間46+期末36〕から+18円増額・18期目見込み)
配当性向(連結・表面・通期予想ベース) 55.5%(予想DPS100円 ÷ 会社予想EPS180.08円・2026年7月30日開示の配当予想の修正に関するお知らせ記載値と一致)
配当性向(2026年3月期実績・参考) 55.2%(72円 ÷ EPS130.51円・決算短信記載値)
DOE(連結・純資産配当率) 2.2%(2026年3月期実績・通期決算短信「2.配当の状況」記載値。第1四半期短信および通期予想欄にはDOEの開示なし)
配当利回り 3.48%(予想DPS100円 ÷ 株価¥2,873・2026-08-21終値・J-Quants API)
配当方針 「積水樹脂グループビジョン2030」期間中(2030年3月期まで)は累進配当を基本方針として実施し、連結配当性向は40%以上の維持を目指すと明示。あわせて2027年3月期までは、剰余金の配当と自己株式の取得を合わせた総還元性向100%以上の維持を目指す(2024年5月13日取締役会決議)
連続増配年数 17期連続増配(2026年3月期まで・決算短信記載値) + 当期予想で 18期目 継続見込み
自己株式 2026年9月10日に1,000,000株を消却予定(消却後の発行済株式総数30,813,598株)。取得枠は2026年7月30日に上限27→30億円へ拡大(上限1,000,000株・2026年5月15日〜2027年3月31日)、2026年7月29日時点の取得実績は0株

中間56円が期末44円を上回る配分になっているのは、増配分を中間配当で先に実行するという会社の方針による(2026年5月13日 決算説明資料)。記念配当特別配当の設定はなく、全額が普通配当である。

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2012 23 110.83 20.8%
2013 26 121.66 21.4%
2014 30 133.07 22.5%
2015 33 139.76 23.6%
2016 36 142.45 25.3%
2017 38 148.04 25.7%
2018 44 162.46 27.1%
2019 48 158.82 30.2%
2020 50 162.62 30.7%
2021 56 174.13 32.2%
2022 62 184.23 33.7%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023 63 163.75 38.5%
2024 65 131.20 49.5%
2025 70 112.06 62.5%
2026 72 130.51 55.2%
2027(予) 100 180.08(予) 55.5%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用、直近期(2026)は決算短信「2.配当の状況」記載の72円・配当性向55.2%と一致確認済。2027(予)のEPS 180.08円は2026年7月30日に上方修正された通期予想値
  • 記念配当・特別配当: 上表の全期間で記念配当・特別配当の計上はなく、すべて普通配当。2026年5月13日開示の決算説明資料に載る配当推移グラフでも特別配当(記念配当を含む)の欄は全期間ゼロで、実質普通配当ベースと表面値は一致する。なお2025年3月期の損益計算書にある70周年記念費用286百万円は販売費及び一般管理費に属する費用で、配当とは別項目
  • 株式分割: 上表の期間に株式分割・株式併合はなく、DPS・EPSはいずれも同一基準(EDINET DBの分割調整係数も全期間1.0で、調整前後の値が一致する)
  • 連続増配の起点: 上表と折りたたみを合わせると、実績では2013年3月期から2026年3月期まで14期連続の増配が確認でき、2027年3月期予想の100円が実現すれば15期目になる。「17期連続増配」は決算短信および決算説明資料の会社開示に基づく表記で、2010年3月期を起点とする計算になるが、EDINET DBから取得できるのは2012年3月期以降のため、上表だけでは起点年度まで遡って自証できない。会社の決算説明資料(2026年5月13日開示)に載る配当推移グラフは2009年3月期から各期の配当金額を示している
  • 配当政策の傾向: 2012年3月期の23円から2027年3月期予想の100円まで一貫して積み上がっている。配当性向は2024年3月期以降にEPSが圧縮された局面で49.5→62.5%まで上がり、2026年3月期に55.2%へ戻した。当期予想も55.5%で、会社が掲げる40%以上の目標に対しては余裕を持った水準にある

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 前期72円→当期予想100円で+28円。内訳は中間36→56円(+20円)・期末36→44円(+8円)で、増配分の7割強を中間配当に寄せている。2026年5月13日時点の当初予想82円からも+18円の上積みになる
  • 方針シグナル: 累進配当を基本方針とする期間を「中期経営計画2027」ではなく「積水樹脂グループビジョン2030」期間中(2030年3月期まで)と定めており、2027年3月期の中計終了後も減配しない前提が置かれている。総還元性向100%以上の維持目標は2027年3月期までで、自己株式取得を含めた還元の枠組みは中計と同じ期間
  • 耐性実績: 直近5年(2022年3月期〜2026年3月期)のDPSは62→63→65→70→72円で減配はなく、コロナ期を含む期間でも増配を続けている。当期予想100円が実現すれば18期目の増配になる

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー(第1四半期累計)

指標 当第1四半期 前年同期 前年同期比
売上高 18,301百万円 16,545百万円 +10.6%
売上総利益 5,737百万円 5,006百万円 +14.6%
営業利益 989百万円 602百万円 +64.2%
営業利益率(四半期実績) 5.4% 3.6% +1.8pt
経常利益 1,229百万円 761百万円 +61.5%
親会社株主に帰属する四半期純利益 1,029百万円 262百万円 +292.2%
EPS 34.37円 8.49円 +304.8%

前年同期の数値は、2026年3月期に企業結合に係る暫定的な会計処理が確定したことを反映した修正後ベースである(決算短信の表紙と注記の双方に明記)。通期予想に対する進捗率は売上21.8%・営業利益15.7%・経常利益18.9%・純利益19.1%(いずれも百万円実額から算出)。会社が置く中間期予想(売上37,000百万円・営業利益1,740百万円)に対しては売上49.5%・営業利益56.8%で、営業利益は中間期予想の過半を第1四半期で確保している。

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上 前期比 セグメント利益 前期比
公共分野 8,562百万円 +5.8% 43百万円 黒字転換(前年同期は△5百万円)
民間分野 9,739百万円 +15.3% 1,150百万円 +41.6%

売上は外部顧客への売上高ベース。セグメント利益には各分野に配分していない全社費用△204百万円(前年同期も同額)が含まれておらず、2区分の合計1,193百万円から全社費用を引くと四半期連結損益計算書の営業利益989百万円になる。会社の説明では、公共分野の増収466百万円のうち既存事業が306百万円、欧州のWEMASグループが190百万円で、理研興業は△30百万円。民間分野の増収1,290百万円はほぼ全額が既存事業(1,279百万円)による。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🔴 大きい 特別利益601百万円(投資有価証券売却益)を計上し、前年同期の特別利益はゼロ。売上高にも、原材料が確保しにくくなる前に発注が前倒しされた分が含まれると会社が明記している(総合物流関連製品・標示材)
営業外損益 🟢 高 営業外収益は282→328百万円(受取配当金190→203百万円ほか)、営業外費用は124→87百万円へ縮小(前年同期にあった社債発行費37百万円が剥落)。純額では+158→+241百万円と改善しており、経常利益の伸び率(+61.5%)が営業利益(+64.2%)をわずかに下回るのは基数の差によるもの
純利益押し下げ/押し上げ要因 🔴 大きい 税金等調整前四半期純利益は706→1,775百万円(+151.4%)。投資有価証券売却益601百万円を除くと1,174百万円(+66.3%)で、営業利益の伸びに近い水準に落ち着く。法人税等は437→740百万円で税負担率が61.9%→41.7%へ下がったことも純利益を押し上げた
開示の誠実性 🟢 高 前年同期を暫定的な会計処理の確定後ベースに置き換えて比較していることを表紙・注記・説明資料のすべてで明示。上方修正が政策保有株式の売却益によるもので、売上高・営業利益の予想は据え置くという整理も修正開示に明記している

業績の質: 本業は増収増益だが、純利益の大幅増は投資有価証券売却益による(営業利益の増加額387百万円に対し売却益601百万円が上回る規模で、両者は分けて読む必要がある)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2026年3月期(前期末・前年同期Q1累計) 2027年3月期Q1(当第1四半期)
営業CF(百万円) 2,567 1,747
投資CF(百万円) △1,815 312
財務CF(百万円) △1,106 △2,576
現金及び預金(BS・百万円) 18,302 17,765
短期有価証券(BS流動・百万円) 0 0
現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) 15,275 14,765
有利子負債(百万円) 14,258 12,804
自己資本比率(%) 69.6 70.8(+1.2pt)

CFの3行と現金及び現金同等物 期末残高は四半期累計・四半期末ベース(左列は前年同期=2025年4月〜6月および2025年6月末)、現金及び預金・短期有価証券・有利子負債・自己資本比率は各期末時点(左列は前期末=2026年3月末、右列は当第1四半期末=2026年6月末)。

  • 有利子負債: 短期借入金4,500百万円+1年内返済予定の長期借入金183百万円+社債4,700百万円+長期借入金3,421百万円=12,804百万円(前期末は5,900+184+4,700+3,474=14,258百万円)。四半期連結貸借対照表にリース債務の独立掲記はない。四半期中に短期借入金1,400百万円を返済し、残高は△1,454百万円縮んだ
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金17,765百万円 + 短期有価証券0百万円(四半期連結貸借対照表の流動資産に有価証券の科目なし) − 有利子負債12,804百万円 = +4,961百万円(2026年6月末BS基準)。時価総額91,400百万円(株価¥2,873×期末発行済株式数31,813,598株・自己株式を含む)の約5.4%で「プラス・時価総額の10%未満」帯(4/10点)。前期末は4,044百万円で、有利子負債の返済1,454百万円が現金及び預金の減少537百万円を上回り917百万円積み増した。なお投資その他の資産に計上された長期性預金22,866百万円と投資有価証券18,523百万円は長期資産のため分子に含めていない
  • CF計算書とBSの現金の差: 当第1四半期末はCF計算書の現金及び現金同等物14,765百万円が貸借対照表の現金及び預金17,765百万円を3,000百万円下回る。預入期間が3ヶ月を超える定期預金は現金同等物に含まれないためで、ネットキャッシュの分子には貸借対照表の現金及び預金を用いている
  • 営業CF安定性の評価対象5期(2022年3月期〜2026年3月期・単位百万円): 8,792 → 4,946 → 1,104 → 6,211 → 7,994。5期とも黒字だが、5期平均5,809百万円からの乖離は2022年3月期+51.3%・2024年3月期△81.0%・2026年3月期+37.6%と3期が±20%を超える。外れ値を1件除いても残り4期が±20%に収まらないため「黒字維持だがブレあり」の3/5点。当第1四半期の営業CFは1,747百万円(前年同期2,567百万円)で、四半期の数値は採点に使っていない
  • 自己株式: 当第1四半期末の自己株式数は1,847,182株(前期末1,846,451株)で、期末発行済株式総数31,813,598株も前期末から変わらない。2026年9月10日に1,000,000株を消却する予定で、消却後の発行済株式総数は30,813,598株になる。なお2026年7月30日開示の取得枠変更資料は2026年6月30日時点の自己株式数を1,764,664株としているが、これは提出会社単体ベースの数値で、上記の連結ベース1,847,182株とは集計範囲が異なる
  • 四半期中の資産・負債の動き: 総資産は前期末比1,209百万円減の141,359百万円。受取手形及び売掛金が3,390百万円、電子記録債権が559百万円減った一方、棚卸資産(商品及び製品・仕掛品・原材料及び貯蔵品)は1,313百万円増えた。負債は短期借入金の返済を主因に1,993百万円減の39,471百万円。純資産(非支配株主持分を含む)は784百万円増の101,888百万円。非支配株主持分を含む四半期純利益1,034百万円(親会社株主に帰属する分は1,029百万円)とその他有価証券評価差額金の991百万円増が押し上げ、配当金の支払1,084百万円のほか為替換算調整勘定の減少などが差し引かれた

7-3. 通期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上高 84,000百万円 +7.5%
営業利益 6,300百万円 +10.8%
経常利益 6,500百万円 +3.8%
親会社株主帰属当期純利益 5,400百万円 +35.8%
EPS 180.08円 +38.0%
年間配当 100円(中間56+期末44) +28円
営業利益率(通期予想) 7.5%(6,300百万円÷84,000百万円・本ブログ算出) +0.2pt
ROE(通期予想) 5.4%(予想純利益5,400百万円÷平均自己資本99,653百万円〔期首99,247百万円と当第1四半期末100,059百万円の平均〕・本ブログ算出) +1.3pt

(注)売上高84,000百万円・営業利益6,300百万円・経常利益6,500百万円は2026年5月13日公表の当初予想から据え置きで、親会社株主に帰属する当期純利益のみ4,400→5,400百万円へ引き上げられた(EPS 146.83→180.08円)。中間期は経常利益1,900→2,000百万円・中間純利益1,400→2,150百万円が修正対象。上方修正の理由は、資本効率の向上に向けて進めている政策保有株式の縮減が想定を上回るペースで進み、株式売却益が当初見込みを超える見通しになったためで、本業の見通しは変えていない。中東情勢をはじめとする地政学的リスクは一定水準で続く前提を置いている。前期比欄の営業利益率は2026年3月期実績7.3%(5,685百万円÷78,163百万円)、ROEは同期の決算短信記載の自己資本当期純利益率4.1%との比較。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
第1四半期の売上・売上総利益・営業利益・経常利益・純利益・EPS・営業外損益・特別損益・法人税等 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-07-30開示) 🟢 一次情報
通期業績予想・中間期予想・EPS 180.08円・上方修正の理由 2027年3月期 第1四半期決算短信「3.2027年3月期の連結業績予想」および「2027年3月期第2四半期(中間期)及び通期連結業績予想の修正、並びに中間及び期末配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」(2026-07-30開示) 🟢 一次情報
営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と直近開示時点自己資本の平均) 🟡 補助データ
当期配当予想100円(中間56+期末44)・配当性向55.5% 2027年3月期 第1四半期決算短信「2.配当の状況」および同日開示の配当予想の修正に関するお知らせ 🟢 一次情報
2026年3月期の配当実績72円・配当性向55.2%・DOE 2.2%・通期業績・営業CF・利益配分に関する基本方針 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-05-13開示) 🟢 一次情報
現金及び預金・短期有価証券・有利子負債・自己資本比率・自己株式数・発行済株式総数 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」「発行済株式数」 🟢 一次情報
営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 期末残高 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期連結キャッシュ・フロー計算書」 🟢 一次情報
セグメント別売上・利益・増減の内訳 2027年3月期 第1四半期決算短信「セグメント情報等の注記」および同期 決算説明資料(2026-07-30開示) 🟢 一次情報
自己株式の消却予定日・取得枠の拡大・政策保有株式の縮減方針・増配を中間期に実行する方針 会社IR 適時開示「自己株式の消却予定日の決定に関するお知らせ」(2026-05-13)・「自己株式取得に係る事項の一部変更(取得枠の拡大)に関するお知らせ」(2026-07-30)・2026年3月期 決算説明資料(2026-05-13) 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥2,873(2026-08-21終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

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本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。