【ニッタ(5186)】配当B(71点)・累進配当方針 — 2027年3月期Q1

観察中(筆者は当該銘柄を未保有)📁 ゴム製品

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結論: 半導体好調で通期を上方修正、配当は6期目の増配予想

📊 スコア: B 71点
💰 配当: 160→170円(+10円)、中間85+期末85・第1四半期時点で修正なし
良い点: 自己資本比率85.6%、実質無借金、予想配当性向31.3%
⚠️ 注意点: 配当利回り2.53%、DOE 2.8%、経常利益は持分法に依存


1. 業績ハイライト

  • 売上高24,364百万円(+12.7%)で増収
  • 営業利益2,012百万円(+83.7%)と大幅増益
  • 経常利益4,979百万円(+56.9%)
  • 四半期純利益4,156百万円(+51.5%)
  • 通期営業利益予想を6,200→8,000百万円へ上方修正

サマリー

  • 増収率を大きく上回る営業増益: 売上高24,364百万円(+12.7%)に対し、営業利益は2,012百万円(+83.7%)。ホース・チューブ製品事業のセグメント利益が前年同期4百万円から730百万円へ改善したことが最大の押し上げ要因。
  • 同日に通期予想を上方修正: 会社は決算発表と同じ2026年8月7日に予想を修正し、通期の営業利益を6,200→8,000百万円(+29.0%)、純利益を12,300→15,000百万円(+22.0%)へ引き上げた。予想EPSは445.89→543.77円となる。
  • 進捗率はおおむね標準ペース: 修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高25.4%・営業利益25.2%。経常利益27.7%・純利益27.7%と営業段階を上回るのは、営業外の持分法投資利益が上乗せされるため。

2. 配当判断サマリー

  • 2027年3月期の年間配当予想は170円(中間85円+期末85円)で、前期160円から+10円の増配。第1四半期時点で配当予想の修正はない。
  • 実質普通配当ベースでは2022年3月期から2026年3月期まで5期連続増配で、当期予想は6期目にあたる。表面140円だった2025年3月期には創業140周年記念配当5円が含まれる。
  • 予想配当性向は31.3%(予想DPS170円÷予想EPS543.77円)。通期予想の上方修正で予想EPSが445.89→543.77円へ上がった分、前カルテ時点の来期予想38.1%から△6.8pt下がった。
  • 「毎年N円以上の増配」を金額で約束する還元方針という点では、コムシスホールディングス(1721)と同型。金額コミットが計画期間中どこまで続くかが配当持続性の中心になる。

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(71/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 38 性向10・DOE4・利回り4・方針10・耐性10
財務 25 21 自己資本10・ネットキャッシュ7・営業CF安定性4
収益 25 12 営業利益率8・ROE4
合計 100 71

営業利益率ROEは、第1四半期単独ではなく当期通期の会社予想を採点根拠とした。営業利益率は通期予想8.33%(営業利益8,000百万円÷売上高96,000百万円)、ROEは通期予想9.00%(予想純利益15,000百万円÷自己資本166,649.5百万円=期首164,800百万円と第1四半期末168,499百万円の平均)である。いずれも2026年8月7日に上方修正された予想値を用いている。配当性向・配当利回りも当期通期予想の年170円を基準に判定している。

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 配当性向 10/10: 当期通期予想31.3%(予想DPS170円÷予想EPS543.77円)。ゴム製品はメーカー・小売の標準ライン(中央値35%)を適用し、中央値以下で満点の帯。予想EPSの引き上げにより前カルテ時点の来期予想38.1%から△6.8pt下がった
  • 配当方針 10/10: 中長期経営計画『SHIFT2030』フェーズ2終了までの期間(2028年3月期まで)について、連結配当性向30%以上かつDOE2.5%以上を目安に「期間中毎年1株当たり10円以上の増配」を継続的に実施すると決算短信に明記。同計画の株主還元方針スライドとキャッシュアロケーション図には「累進配当」の表示もあり、減配しないことと毎期増配することを同時に約束する内容として満点帯と評価している(本ブログの判断・2026年8月時点)
  • 増配減配耐性 10/10: 実質普通配当ベースで2022年3月期から2026年3月期まで5期連続増配(100→110→122→135→160円)、直近5年に減配なし。当期予想170円は+10円の増配予想で、「3年以上連続増配+直近5年で減配なし+来期増配予想」帯
  • 自己資本比率 10/10: 85.6%で前期末と同水準。60%以上で満点の帯にあり、自己資本168,499百万円に対して有利子負債の計上がない
  • 営業CF安定性 4/5: 2022年3月期〜2026年3月期の営業CFは9,011 → 11,995 → 8,922 → 7,007 → 9,612百万円で5期連続黒字。5期平均9,309百万円からの乖離は2023年3月期+28.9%と2025年3月期△24.7%の2期が±20%を超えるが、2023年3月期を単発の外れ値として除くと残る4期は平均8,638百万円に対し最大△18.9%にとどまり、「単発外れ値1件を除外すれば残り4年が±20%以内」帯
  • ネットキャッシュ 7/10: 現金及び預金32,062百万円 + 短期有価証券6,493百万円 − 有利子負債0百万円 = +38,555百万円時価総額約1,970.04億円比19.57%で「プラス・時価総額の10〜30%」帯

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • DOE 4/10: 2.8%(2026年3月期の純資産配当率・決算短信記載値)。1〜3%帯で、中期経営計画が目安に掲げるDOE2.5%以上は満たすものの、5%以上の満点帯とは開きがある
  • 配当利回り 4/10: 2.53%(予想DPS170円÷株価¥6,730・2026-08-28終値)。2.5〜3.5%帯で、前カルテの2.86%(実績DPS160円÷株価¥5,590)から△0.33pt下がった。+10円の増配を株価の上昇が上回った結果で、帯は同じ
  • ROE 4/10: 通期予想9.00%(予想純利益15,000百万円÷期首・第1四半期末平均自己資本166,649.5百万円)。5〜10%帯で、10%以上の帯までは△1.00pt。自己資本比率85.6%という厚い資本が分母を押し上げている

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期71点 → 今期71点(±0点)
  • 変動の内訳: 配当38・財務21・収益12の3カテゴリとも前カルテと同点で、10項目すべてが帯をまたいでいない。採点値は動いており、通期予想の上方修正で営業利益率は前カルテの来期予想6.60%から8.33%へ、ROEは7.46%から9.00%へ上がった(いずれも5〜10%帯の内側)。一方で株価が¥5,590→¥6,730へ上がった影響で配当利回りは2.86%→2.53%へ下がり、ネットキャッシュの時価総額比も24.44%→19.57%へ低下した。後者は分母の時価総額が増えたことに加え、ネットキャッシュ自体も配当金の支払いなどで40,000→38,555百万円へ△1,445百万円減っている(いずれも帯は不変)
  • 満点4項目は維持(配当方針は根拠の書き方を精密化): 配当性向10/10・配当方針10/10・増配減配耐性10/10(配当)、自己資本比率10/10(財務)の4項目は前カルテから不変。うち配当方針は点数こそ同じだが、決算短信の散文で約束されているのは「期間中毎年1株当たり10円以上の増配」の継続的な実施であり、「累進配当」の語は中期経営計画の株主還元方針スライドとキャッシュアロケーション図に図表ラベルとして現れる。本カルテは散文のコミットを主、図表ラベルを従として書き分けている
  • 現在の位置づけ: B帯(70〜84点)の下限付近。配当38/50・財務21/25に対して収益は12/25で、営業利益率8/15とROE4/10がA(85点以上)との距離をつくっている。通期予想の営業利益率8.33%は10%以上の帯まで△1.67pt、ROE 9.00%は10%以上の帯まで△1.00ptの位置にある

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

4-1. ✅ 事業の強み

  • 関連会社からの経営指導収入: 経営指導事業は売上755百万円(+26.1%)・セグメント利益610百万円(+30.5%)で利益率80.8%。持分法投資利益とは別枠で、連結営業利益2,012百万円の3割相当を関連会社からのフィーが稼いでいる。生産設備を伴わない役務収入のため、配当原資の下支えになる。
  • 市況循環の外にある不動産・教習事業の利益: 不動産事業のセグメント利益118百万円と、自動車運転免許教習・山林事業などを含むその他100百万円の合計218百万円は、売上では698百万円(2.9%)にとどまる一方、連結営業利益2,012百万円の10.8%を占める。半導体循環から独立した利益が1割ある分、配当原資が単一市況の一本足では決まらない。

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 需要が半導体設備投資に集中する構造: 短信は本業の増益理由も、持分法投資利益と経営指導事業の伸びの理由も、いずれも半導体業界の需要拡大に帰している。本業と営業外が同じ循環に同時に反応するため、市況の反転局面では連結利益の振れが増幅されうる。
  • 総資産の4割を占める投資有価証券: 第1四半期末の投資有価証券76,796百万円は総資産196,869百万円の39.0%にあたり、前期末から5,374百万円増えた。現金を伴わない資産の増加が自己資本を押し上げるため、資本の厚みと配当の支払能力は同じ速度では増えない。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)


5. 筆者メモ

配当方針の約束は「2028年3月期まで毎年10円以上の増配」で、期限が明示されている。フェーズ2の先をどう示すかが、方針10点の評価が続くかどうかの分かれ目になる。

次回(2027年3月期 中間期・2026年11月発表予定)見るポイント:

  • 第2四半期累計予想(売上高48,000百万円・営業利益4,000百万円)に対する着地
  • 持分法投資利益(第1四半期2,665百万円)が半導体市況の変化にどう反応するか
  • 中間配当85円が予定どおり実施され、期末85円の予想が維持されるか

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2026年3月期実績 中間72円+期末88円=160円(全額普通配当・表面では前期比+20円、実質普通配当ベースでは135→160円で+25円)
2027年3月期予想 中間85円+期末85円=170円(+10円・全額普通配当・第1四半期時点で修正なし)
配当性向(連結・当期通期予想・表面) 31.3%(予想DPS170円 ÷ 予想EPS543.77円)。当期予想に記念配当・特別配当は含まれないため実質普通配当ベースでも同値。前期実績は32.6%(2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」記載値)
DOE(連結・純資産配当率) 2.8%(2026年3月期実績・決算短信記載値。第1四半期決算短信に純資産配当率の記載はない)
配当利回り 2.53%(予想DPS170円 ÷ 株価¥6,730・2026-08-28終値・J-Quants API)
配当方針 2026年3月期 決算短信「1.(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」に、中長期経営計画『SHIFT2030』フェーズ2終了までの期間(2024年3月期〜2028年3月期)は連結配当性向30%以上かつDOE(株主資本配当率)2.5%以上を目安に、安定的かつ着実な増配(期間中毎年1株当たり10円以上の増配)を継続的に実施すると記載。同計画の株主還元方針スライドおよびキャッシュアロケーション図には「累進配当」「毎年10円以上増配」「DOE2.5%以上」と表示されている(IR『中長期経営計画SHIFT2030 フェーズ2』2025年4月1日)
連続増配年数 実質普通配当ベースで5期連続増配(2022年3月期100円→2026年3月期160円)。2027年3月期予想170円は6期目にあたる

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) 実質普通DPS(円) EPS(円) 配当性向
2016 52 52 292.27 17.8%
2017 52 52 271.26 19.2%
2018 63 63 314.74 20.0%
2019 68 68 307.78 22.1%
2020 70 70 210.97 33.2%
2021 70(普通65+記念5) 65 164.62 39.5%
2022 100 100 370.45 27.0%
年度 DPS(円) 実質普通DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023 110 110 387.27 28.4%
2024 122 122 353.84 34.5%
2025 140(普通135+記念5) 135 436.73 30.9%
2026 160 160 490.47 32.6%
2027(予想) 170 170 543.77 31.3%

(注)

  • データ基準: 2016〜2025年3月期のDPS・EPSは EDINET DB(有価証券報告書由来)引用。2026年3月期の実績は2026年3月期決算短信(2026年5月8日開示)、2027年3月期(予想)は2027年3月期第1四半期決算短信および同日開示の「業績予想の修正に関するお知らせ」(いずれも2026年8月7日開示)の記載値。EPSはすべて会社開示値で、配当性向から逆算していない
  • 株式分割: 対象期間に株式分割・株式併合はなく、DPS・EPSはいずれも実額
  • DPS列の方針: 1列目は表面DPS(記念配当を含む年額)、2列目は記念配当を除いた実質普通配当ベース。該当のない年は両列が同値。配当性向は実質普通配当ベースで再計算している
  • 2021年3月期の表面 vs 実質普通配当: 期末配当40円の内訳は普通配当35円+中長期経営計画「V2020」終了記念配当5円で、中間30円と合わせた表面70円のうち実質普通配当は65円(2021年5月14日「剰余金の配当(記念配当)に関するお知らせ」)。表面ベースでは2020→2021年3月期が70円で据え置きに見えるが、実質普通配当ベースでは70→65円の△5円にあたる
  • 2025年3月期の表面 vs 実質普通配当: 期末配当74円の内訳は普通配当69円+創業140周年記念配当5円で、中間66円と合わせた表面140円のうち実質普通配当は135円(2025年3月7日「配当予想の修正に関するお知らせ」、2026年3月期決算短信「2.配当の状況」注記)。表面ベースでは2025→2026年3月期が140→160円の+20円だが、実質普通配当ベースでは135→160円の+25円にあたる
  • 連続増配の数え方: 実質普通配当ベースで2022年3月期100円を起点に2026年3月期160円まで5期連続増配(100→110→122→135→160円)。2027年3月期予想170円は6期目にあたる。2021年3月期は実質65円で前期を下回るため、連続増配の起点はここではない。なお本表は2016年3月期以降を対象としており、それ以前の配当は集計範囲外
  • 配当政策の傾向: 配当性向(実質普通配当ベース)は2016〜2019年3月期が17.8〜22.1%と低位だったが、2020年3月期以降は33.2→39.5→27.0→28.4→34.5→30.9→32.6%と30%前後で推移しており、中期経営計画が掲げる「連結配当性向30%以上」の水準に沿っている

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 160→170円(+10円)で、実質普通配当ベースの連続増配は6期目の見込み。増配幅は中期経営計画が掲げる「期間中毎年1株当たり10円以上の増配」の下限どおりで、前期の実質+25円からは幅が縮む。予想配当性向31.3%は目安の30%をわずかに上回る水準にとどまる
  • 方針シグナル: 連結配当性向30%以上・DOE2.5%以上を目安に、2028年3月期までの期間中は毎年1株当たり10円以上の増配を継続的に実施すると決算短信に明記。中期経営計画の株主還元方針スライドとキャッシュアロケーション図には「累進配当」の表示もあり、減配しないことと毎期増配することを同時に約束する内容として配当方針を満点帯と評価している(本ブログの判断・2026年8月時点)。ただし約束の期限は2028年3月期であり、その先の方針は未公表
  • 耐性実績: 直近5年(2022〜2026年3月期)に実質普通配当ベースの減配はない。ただし表面DPSが70円で据え置かれた2021年3月期は、期末40円のうち5円が「V2020」終了記念配当で、実質普通配当ベースでは70→65円の△5円にあたる。この期は耐性判定の対象期間(直近5年)の外にあり、2022年3月期100円を起点とする連続増配の数え方にも影響しない

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー(第1四半期累計)

指標 当期(Q1累計) 前期(Q1累計) 前期比
売上高 24,364百万円 21,625百万円 +12.7%
営業利益 2,012百万円 1,095百万円 +83.7%
経常利益 4,979百万円 3,174百万円 +56.9%
親会社株主に帰属する四半期純利益 4,156百万円 2,744百万円 +51.5%
EPS 151.53円 99.10円 +52.9%
営業利益率(四半期累計) 8.26% 5.06% +3.20pt
ROE —(四半期非開示・通期予想は§7-3)

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上 前期比
ホース・チューブ製品事業 9,313百万円 +18.6%
ベルト・ゴム製品事業 8,046百万円 +13.8%
その他産業用製品事業 2,948百万円 +8.4%
化工品事業 2,601百万円 △5.3%
経営指導事業 755百万円 +26.1%
不動産事業 256百万円 +3.3%
その他 442百万円 +15.3%

(注)売上は外部顧客への売上高。セグメント利益はホース・チューブ製品730百万円(前年同期4百万円)・ベルト・ゴム製品948百万円(+22.8%)・その他産業用製品△81百万円(前年同期は28百万円)・化工品118百万円(△44.2%)・経営指導610百万円(+30.5%)・不動産118百万円(+90.9%)・その他100百万円(+47.4%)で、全社費用の調整額は△533百万円。なお短信のセグメント金額は百万円未満を切り捨てて開示されているため、上表の単純合計は短信が示す報告セグメント計(外部売上23,921百万円・セグメント利益2,445百万円)や損益計算書計上額(売上高24,364百万円・営業利益2,012百万円)と数百万円単位で一致しない。

通期予想に対する進捗率

項目 当期Q1 通期予想 進捗率
売上高 24,364百万円 96,000百万円 25.4%
営業利益 2,012百万円 8,000百万円 25.2%
経常利益 4,979百万円 18,000百万円 27.7%
親会社株主に帰属する当期純利益 4,156百万円 15,000百万円 27.7%

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟢 特別利益は固定資産売却益0百万円、特別損失は固定資産除却損0百万円のみで、前年同期に計上された投資有価証券評価損64百万円もない。営業利益+83.7%は、半導体製造装置向け高付加価値製品の需要増と原材料価格上昇分の販売価格転嫁が進んだことによる本業の採算改善
営業外損益 🟡 持分法による投資利益が1,911→2,665百万円(+39.5%)へ増え、営業外収益合計は2,280→3,061百万円。営業利益2,012百万円を上回る持分法投資利益が経常利益4,979百万円の過半を形づくっており、経常段階の+56.9%には連結の外にある関連会社の寄与が含まれる
純利益押し上げ要因 🟢 税金等調整前四半期純利益は3,111→4,979百万円(+60.0%)。法人税等合計は333→796百万円で税負担率は10.7%→16.0%へ上がったが、持分法投資利益に対応する税負担が連結上は発生しないため水準としては低い。四半期純利益+51.5%に特別損益の寄与はない
開示の誠実性 🟢 通期・第2四半期累計の予想修正を同日に別途開示し、修正理由として半導体製造装置向け製品の需要と持分法適用会社の好調を明記。6報告セグメントすべてで売上と損益を開示し、四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成していないことも注記している

業績の質: 営業利益+83.7%は増収と採算改善による良質な増益だが、経常利益の過半は連結の外にある持分法投資利益が形づくっている(特別損益の寄与はない)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 前期(2026年3月期) 当第1四半期(2026年6月末)
営業CF(百万円) 9,612 N/A(CF未作成)
投資CF(百万円) △3,133 N/A(CF未作成)
財務CF(百万円) △5,460 N/A(CF未作成)
現金及び預金(BS・百万円) 33,506 32,062
短期有価証券(BS流動・百万円) 6,494 6,493
現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) 36,393 N/A(CF未作成)
自己資本比率(%) 85.6 85.6
  • 有利子負債: 短期借入金・1年内返済予定の長期借入金・長期借入金・社債・リース債務のいずれも当第1四半期連結貸借対照表に計上がなく0百万円。2026年3月期中に長期借入金19百万円を完済しており、実質無借金の状態が続いている
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金32,062百万円 + 短期有価証券6,493百万円 − 有利子負債0百万円 = +38,555百万円。時価総額約1,970.04億円(株価¥6,730×期末発行済株式総数29,272,503株・自己株式を含む)の19.57%で、「プラス・時価総額の10〜30%」帯の7/10点。投資その他の資産に計上される投資有価証券76,796百万円は長期資産のため分子に算入していない。ゴム製品はネットキャッシュの業種補正対象外で本則を適用している
  • 営業CF安定性の評価対象5期(2022年3月期〜2026年3月期・単位百万円): 9,011 → 11,995 → 8,922 → 7,007 → 9,612。5期とも黒字だが、5期平均9,309百万円からの乖離は2023年3月期+28.9%と2025年3月期△24.7%の2期が±20%を超える。2023年3月期を単発の外れ値として除くと残る4期は平均8,638百万円に対し最大△18.9%(2025年3月期)にとどまるため、「単発外れ値1件を除外すれば残り4年が±20%以内」帯の4/5点。当第1四半期は四半期連結キャッシュ・フロー計算書が作成されていない(決算短信の注記)ため、四半期の営業CFは採点に使っていない
  • 四半期中の資産・負債の動き: 総資産は前期末比4,437百万円増の196,869百万円。増加の主因は投資有価証券が71,422→76,796百万円へ5,374百万円増えたことで、会社は持分法適用会社の利益剰余金の増加によると説明している。流動資産は配当金の支払いなどで現金及び預金が減り779百万円の減少。負債合計は賞与引当金1,094→2,008百万円の季節的な増加を主因に26,806→27,507百万円へ増え、純資産は3,736百万円増の169,362百万円
  • 自己株式の動き: 期末自己株式数は1,845,920株→1,839,333株へ6,587株減った一方、期末発行済株式総数(自己株式を含む)は29,272,503株で前期末から変わっていない。当第1四半期に自己株式の消却は行われていない。なお2025年9月8日〜10月7日には公開買付けで自己株式400,000株(取得価額14.60億円)を取得している

7-3. 通期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上高 96,000百万円 +4.5%
営業利益 8,000百万円 +36.5%
経常利益 18,000百万円 +21.5%
親会社株主帰属当期純利益 15,000百万円 +10.9%
EPS 543.77円 +10.9%
年間配当 170円 +10円
営業利益率(通期予想) 8.33%(8,000百万円÷96,000百万円・本ブログ算出) +1.93pt
ROE(通期予想) 9.00%(15,000百万円÷166,649.5百万円・本ブログ算出) +0.50pt

(注)ROEの分母166,649.5百万円は、期首自己資本164,800百万円(2026年3月期末)と第1四半期末自己資本168,499百万円の平均。前期比は2026年3月期の会社開示ROE 8.5%・売上高営業利益率6.4%との差。会社は2026年8月7日に第2四半期累計予想と通期予想をあわせて上方修正しており、修正前の通期予想は売上高94,000百万円・営業利益6,200百万円・経常利益15,000百万円・純利益12,300百万円・EPS 445.89円だった。第2四半期累計予想は売上高48,000百万円・営業利益4,000百万円・経常利益9,000百万円・中間純利益7,500百万円・EPS 271.88円。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
第1四半期の売上高・営業利益・経常利益・四半期純利益・EPS・持分法による投資利益・法人税等 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026年8月7日開示)「四半期連結損益計算書」 🟢 一次情報
通期業績予想・第2四半期累計予想(売上高・営業利益・経常利益・純利益・EPS)・修正理由 「業績予想の修正に関するお知らせ」(2026年8月7日開示)、2027年3月期 第1四半期決算短信「3.2027年3月期の連結業績予想」 🟢 一次情報
営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と第1四半期末自己資本の平均) 🟡 補助データ
配当実績・当期配当予想 2027年3月期 第1四半期決算短信「2.配当の状況」、2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
前期の配当性向32.6%・DOE(純資産配当率2.8%)・配当金総額 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
配当方針(連結配当性向30%以上・DOE2.5%以上・期間中毎年1株当たり10円以上の増配) 2026年3月期 決算短信「1.(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」 🟢 一次情報
株主還元方針スライド・キャッシュアロケーション図の「累進配当」「毎年10円以上増配」「DOE2.5%以上」表示 ニッタ株式会社 IR『中長期経営計画SHIFT2030 フェーズ2』(2025年4月1日公表) 🟢 一次情報
自己資本比率・自己資本・総資産・純資産・現金及び預金・有価証券・投資有価証券・賞与引当金・有利子負債・期末発行済株式数・自己株式数 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」「(4)発行済株式数」 🟢 一次情報
営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 期末残高(2026年3月期)・長期借入金の完済 2026年3月期 決算短信「連結キャッシュ・フロー計算書」「連結貸借対照表」 🟢 一次情報
セグメント別売上・セグメント利益 2027年3月期 第1四半期決算短信「1.経営成績等の概況」「セグメント情報等の注記」 🟢 一次情報
2021年3月期 期末配当40円のV2020終了記念配当5円内訳 「剰余金の配当(記念配当)に関するお知らせ」(2021年5月14日開示) 🟢 一次情報
2025年3月期 期末配当74円の創業140周年記念配当5円内訳 「配当予想の修正に関するお知らせ」(2025年3月7日開示)、2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」注記 🟢 一次情報
自己株式400,000株(取得価額14.60億円・発行済株式総数の1.37%)の取得 「自己株式の公開買付けの結果及び取得終了に関するお知らせ」(2025年10月8日開示) 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移(2016〜2025年3月期) EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥6,730(2026-08-28終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

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本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。