【TOYO TIRE(5105)】配当B(80点)・累進配当方針 — 2026年12月期 中間期

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結論: 営業減益でも累進配当で増配を継続

📊 スコア: B 80点
💰 配当: 130→135円(+5円)、2025年の創立80周年記念配当5円を除く実質普通配当ベースは125→135円(+10円)
良い点: 累進配当方針、5期連続増配、自己資本比率71.6%、純利益の上方修正
⚠️ 注意点: 営業利益の下方修正、原価・販管費の増加、欧州再編の過渡期


1. 業績ハイライト

  • 中間売上2,841.90億円(+0.3%)・ほぼ横ばい
  • 中間営業利益374.97億円(△22.2%)・原価と販管費増
  • 中間経常利益394.15億円(△9.9%)・為替差益が下支え
  • 中間純利益294.36億円・EPS191.14円(△11.7%)
  • 通期予想を修正・営業利益のみ下方、売上と純利益は上方

サマリー

  • 増収でも営業は大幅減益: 中間売上は+0.3%とほぼ横ばいだが、売上原価+2.9%・販管費+9.9%が売上の伸びを上回り、売上総利益率は40.6%→39.0%へ△1.5pt低下した
  • 減益幅は営業外が緩和: 為替差益13.94億円(前年は為替差損43.42億円)で営業外収支が63.64億円改善し、経常△9.9%・純利益△11.7%と減益幅は営業段階より小さい
  • 通期予想は方向が分かれた修正: 2月公表値から売上+2.9%・経常+6.1%・純利益+14.8%を上方修正する一方、営業利益のみ△4.3%下方修正。予想営業利益率は14.1%へ低下した

2. 配当判断サマリー

  • 2021年12月期から5期連続増配を続けており、中間配当を60→65円へ+5円増配。通期135円予想が実現すれば6期目にあたる
  • 純利益の上方修正で予想EPSが350.66→402.57円へ切り上がり、予想配当性向は38.5%→33.5%へ低下して原資の余裕が増した
  • 中期経営計画「中計’26」で株主資本配当率(DOE)4.5%・配当性向30%以上を目標水準に置き、安定かつ累進配当を継続する方針を明示
  • 同じタイヤ大手のブリヂストン(5108)は連結配当性向50%目安のみで累進配当やDOE目標の明示がなく、還元方針の設計は対照的

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(80/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 44 性向10・DOE7・利回り7・方針10・耐性10
財務 25 17 自己資本10・ネットキャッシュ4・営業CF安定性3
収益 25 19 営業利益率12・ROE7
合計 100 80

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 配当方針 10/10: 「中計’26」で株主資本配当率(DOE)4.5%・配当性向30%以上を目標水準に置き、安定かつ累進配当を継続する方針を明示(累進配当宣言)
  • 増配減配耐性 10/10: 5期連続増配(2021〜2025年12月期)+過去6年(2020〜2025年)減配なし+当期も+5円増配予想で満点。コロナ期も45円を維持
  • 配当性向 10/10: 33.5%(135円÷予想EPS402.57円)でメーカー中央値35%以下となり満点。前回カルテ時点の38.5%から純利益の上方修正で低下
  • 自己資本比率 10/10: 71.6%(60%以上)で満点。前期末69.4%から+2.2pt改善し財務防御力は強固
  • 営業利益率 12/15: 通期予想14.1%(900億円÷6,380億円)で10〜15%帯・12点。中間実績は13.2%で、前回カルテ時点の通期予想15.2%からは△1.1pt低下
  • DOE 7/10: 3.8%(年間配当総額約207.92億円÷自己資本5,498.53億円)で3〜5%帯・7点
  • 配当利回り 7/10: 予想DPS135円÷株価¥3,602=3.75%で3.5〜4.5%帯・7点
  • ROE 7/10: 通期予想11.6%(620億円÷平均自己資本5,362.56億円)で10〜15%帯・7点。減益局面でも二桁を確保

3-2. 主な減点(低得点項目)

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期82点 → 今期80点(△2点)
  • 変動の内訳: 収益22→19点。通期予想営業利益率が15.2%→14.1%へ下がり15%帯を割り込んだため営業利益率が15→12点へ後退した。一方で配当は43→44点。純利益の上方修正で予想EPSが350.66→402.57円へ切り上がり、予想配当性向が38.5%→33.5%へ低下して配当性向が9→10点へ改善している
  • 満点項目は維持: 配当方針10点・増配減配耐性10点・自己資本比率10点は前期から不変で、今期は配当性向も10点に到達した
  • 現在の位置づけ: 還元方針と財務の厚みでB(70〜84点)帯の上位を保つ一方、収益カテゴリが本業採算の低下を映して後退した位置づけ。営業利益率が15%帯に戻るか、ネットキャッシュが時価総額比10%を超えるかが加点余地の所在

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

4-1. ✅ 事業の強み

  • 値上げとミックスで数量減を吸収する構造: 北米市販は市場縮小で販売量が前年割れとなったが、値上げの浸透とOPEN COUNTRY・NITTO GRAPPLERシリーズの需要でミックスが改善し売上高は前年超。数量に依らない単価形成力が配当原資を下支えする
  • 新車用タイヤの装着基盤: 同社製品を装着する大型SUV車両のモデルチェンジ等により、新車用は販売量・売上高とも前年を大きく上回った。市販用の市況変動に対する緩衝材として働き、タイヤ事業の売上変動を抑える方向に作用する

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 欧州再編が下期偏重で進む構造: セルビア工場を核とした事業再編でオペレーション変更の過渡期にあり、欧州の販売量・売上高は前年を大きく下回った。会社は下期からの拡販に向け地産地消体制の整備を進めるとしており、通期の増収は下期の立ち上がりに依存する
  • 北米市販の価格帯シフト: 物価高を背景に価格競争力を有するアジア品を中心とした輸入タイヤへのトレードダウンが続き、シェアを前年並みに維持しても市場縮小で数量が減る構図。単価とミックスへの依存が高まるほど値上げ余地の細りが配当原資に効きやすい

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年8月時点)


5. 筆者メモ

持っている軸は北米の大口径タイヤという高採算ニッチの強さだが、今回は原価と販管費の伸びが売上を上回り営業利益率が13%台まで落ちた。値上げが追いつくのか、次の四半期で見ておきたい。


6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年12月期実績 130円(中間60+期末70・期末に創立80周年記念配当5円を含み実質普通配当ベースは125円)
2026年12月期予想 135円(中間65実績+期末70予想・+5円・実質普通配当ベースでは+10円)
翌期(2027年12月期)予想 未開示
配当性向(連結・通期予想) 33.5%(135円 ÷ 予想EPS402.57円・決算短信記載値)
DOE(連結・純資産配当率) 3.8%(年間配当総額約207.92億円 ÷ 自己資本5,498.53億円)
配当利回り 3.75%(予想DPS135円 ÷ 株価¥3,602・2026-08-07終値・J-Quants API)
配当方針 中期経営計画「中計’26」(2026〜2030年度)で株主資本配当率(DOE)4.5%・配当性向30%以上を目標水準に置き、安定かつ累進配当を継続する方針を明示(会社IR『配当方針/配当金の推移』)
連続増配年数 5期連続増配(2021〜2025年12月期実績)+ 2026年12月期予想の135円で 6期目

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) 実質普通DPS(円) EPS(円) 配当性向
2016/12 45 45 △96.54 —(最終赤字・配当は維持)
2017/12 45 45 121.87 36.9%
2018/12 45 45 83.11 54.1%
2019/12 45 45 161.41 27.9%
2020/12 45 45 75.89 59.3%
2021/12 76 76 268.62 28.3%
2022/12 80 80 311.51 25.7%
年度 DPS(円) 実質普通DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/12 100 100 469.42 21.3%
2024/12 120 120 485.86 24.7%
2025/12 130(普通125+記念5) 125 413.10 30.3%
2026/12(予想) 135 135 402.57 33.5%

(注)

  • データ基準: 2016/12〜2025/12期はEDINET DB引用で、株式分割株式併合の実施はなく全期が同一基準。2026/12期予想のDPS135円とEPS402.57円は2026年12月期第2四半期(中間期)決算短信の記載値をそのまま用いている(配当性向から逆算していない)
  • DPS列の方針: 1列目は表面DPS(記念配当を含む年額)、2列目は記念配当を除いた実質普通配当ベース。記念配当のない年は両列が同値。配当性向は実質普通DPS÷EPSで再計算している
  • 記念配当・特別配当: 2025年12月期の期末配当70円に含まれる記念配当5円が唯一の該当で、表面DPS130円に対し実質普通配当ベースは125円。内訳は2025年12月期決算短信「2.配当の状況」の注記(期末配当金の内訳 普通配当65円00銭・記念配当5円00銭)で確認でき、「創立80周年」の名称は会社IR『配当方針/配当金の推移』による。他の年度には決算短信・会社IRとも記念配当・特別配当の注記はない
  • 連続増配の起点: 2016/12〜2020/12期は45円で横ばい、2021/12期の76円が増配の起点。以降2025/12期まで5期連続増配で、2026/12期予想135円が6期目にあたる。実質普通配当ベース(2025年125円)でも増配は途切れていない
  • 異常値の説明: 2016/12期はEPS△96.54円の最終赤字だが45円配当を維持。2018/12期・2020/12期の配当性向50%超はEPSの落ち込みによるもので、DPSは一貫して45円

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 中間配当を60→65円へ+5円増配し、通期135円予想が実現すれば増配は6期目。純利益の上方修正で予想EPSが402.57円へ切り上がり、予想配当性向33.5%と原資に余裕がある
  • 方針シグナル: 「中計’26」でDOE4.5%・配当性向30%以上を目標水準に置き、安定かつ累進配当を継続する方針を明示。累進配当宣言に加えDOE目標と性向目標を併記する強い還元方針
  • 耐性実績: 過去6年(2020〜2025年)減配なし・コロナ期も45円を維持。実質普通配当ベースでも2024年120円→2025年125円→2026年予想135円と増配が続いている

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

指標 当期(中間) 前期(中間) 前期比
売上高 2,841.90億円 2,834.10億円 +0.3%
営業利益 374.97億円 481.76億円 △22.2%
経常利益 394.15億円 437.30億円 △9.9%
中間純利益 294.36億円 333.30億円 △11.7%
EPS 191.14円 216.45円 △11.7%
営業利益率 13.2% 17.0% △3.8pt

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上 前期比
タイヤ事業 2,600.58億円 △0.1%
自動車部品事業 241.32億円 +4.9%

(タイヤ事業 営業利益364.25億円・△22.6%/自動車部品事業 営業利益10.75億円・△0.6%)

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 前年同期は固定資産売却益と投資有価証券売却益で特別利益35.32億円を計上したが当期は3.11億円へ縮小し、税金等調整前中間純利益は△16.1%
営業外損益 🟡 為替差益13.94億円(前年は為替差損43.42億円)で営業外収支が63.64億円改善し、経常の減益幅△9.9%を営業△22.2%より小さくした
純利益押し下げ要因 🟡 中間純利益△11.7%は本業の採算低下が主因。法人税等が98.09億円(前年134.34億円)へ減り減益幅を一部緩和
開示の誠実性 🟢 通期予想の修正を項目別の増減額・増減率まで開示し、為替前提(1USドル157円・1ユーロ183円)も明示

業績の質: 本業採算の低下が主因の減益(営業外の為替改善が下支え)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 前年中間期 当中間期
営業CF(百万円) 41,335 34,983
投資CF(百万円) △9,256 △18,318
財務CF(百万円) △23,624 △22,943
現金及び現金同等物 中間期末残高(百万円) 92,973 112,143
自己資本比率(%) 69.4(前期末) 71.6
  • 有利子負債: 短期借入金23,215百万円・社債20,000百万円・長期借入金18,183百万円ほか(会社開示ベースの合計81,663百万円・前期末比△10,685百万円)
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金1,126.52億円−有利子負債816.63億円=+309.89億円。時価総額5,551.08億円(株価¥3,602×期末発行済株式総数154,111,029株・自己株式を含む)に対し5.6%で、プラスだが時価総額比10%未満のため4/10点
  • 自己資本は前期末5,226.59億円→中間期末5,498.53億円へ+271.94億円。中間純利益の計上による利益剰余金の増加に加え、円安で為替換算調整勘定が744.99億円→837.38億円へ+92.39億円増えたことが押し上げ要因
  • ※前回カルテ(第1四半期)の時価総額は自己株式控除後の株数で計算していたが、本ブログの基準は期末発行済株式総数(自己株式を含む)ベースのため今回から揃えている(いずれの基準でも当時の比率は3.6%・得点帯は同じ)

7-3. 通期業績予想(2026年12月期・当期予想)

項目 予想 前期比
売上高 6,380億円 +7.2%
営業利益 900億円 △7.6%
経常利益 870億円 △14.1%
親会社株主帰属当期純利益 620億円 △2.5%
EPS 402.57円 △2.5%
営業利益率(通期予想) 14.1%(900億円÷6,380億円・本ブログ算出) △2.3pt
ROE(通期予想) 11.6%(620億円÷平均自己資本5,362.56億円・本ブログ算出) △1.2pt

通期予想は2026年2月13日公表値から修正されている。売上高6,200→6,380億円(+2.9%)・経常利益820→870億円(+6.1%)・親会社株主帰属当期純利益540→620億円(+14.8%)を上方修正する一方、営業利益のみ940→900億円(△4.3%)へ下方修正しており、本業採算は慎重に、営業外以下は強気に置き直した内容。為替前提は1USドル=157円・1ユーロ=183円。中間期の進捗率は売上44.5%・営業利益41.7%・経常利益45.3%・純利益47.5%で、営業段階は標準ペース(50%)に対しやや遅れている。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
中間期売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・営業利益率 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信(2026-08-07開示) 🟢 一次情報
通期業績予想・予想修正の内訳・為替前提 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信「連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」 🟢 一次情報
営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と直近開示時点自己資本の平均) 🟡 補助データ
配当実績・当期配当予想・配当性向 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
2025年12月期 期末配当の内訳(普通配当65円・記念配当5円) 2025年12月期 決算短信「2.配当の状況」注記(2026-02-13開示) 🟢 一次情報
配当方針(DOE4.5%・配当性向30%以上目標・累進配当)・記念配当の「創立80周年」名称 TOYO TIRE IR『配当方針/配当金の推移』(中期経営計画「中計’26」) 🟢 一次情報
自己資本比率・純資産・現金等・有利子負債・発行済株式数 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信「中間連結貸借対照表」「中間連結キャッシュ・フロー計算書」「財政状態の概況」 🟢 一次情報
セグメント別(タイヤ・自動車部品) 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信「経営成績の概況」「セグメント情報等の注記」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥3,602(2026-08-07終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。