【日本ライフライン(7575)】配当A(85点)・DOE5%目標明示 — 2027年3月期 中間期

保有中(筆者が当該銘柄を保有)📁 卸売業

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結論: 上期は費用の後ずれで計画を上回り、年81円予想は維持

📊 スコア: A 85点
💰 配当: 54→81円予想(+27円、25周年記念配当25円含む、普通配当ベース56円で+2円)
✅ 良い点: 中間期の営業利益は会社計画比121.5%、売上高は上期として過去最高、自己資本比率82.9%、DOE6.0%
⚠️ 注意点: 営業利益△17.4%、上振れの主因は研究開発費の時期ずれ、記念配当は一過性、リズムディバイス△7.0%


1. 業績ハイライト

  • 売上高31,353百万円(+7.1%)・上期として過去最高
  • 営業利益5,468百万円(△17.4%)・中間期計画比121.5%
  • 経常利益6,040百万円(△8.8%)・中間純利益4,430百万円(△7.2%)
  • EP/アブレーション+10.3%、リズムディバイス△7.0%
  • 自己資本比率82.9%(+0.8pt)・10月1日に米国企業を買収

サマリー

  • 上振れの中身は費用の時期ずれ: 中間期の営業利益は期初の中間期予想4,500百万円を21.5%上回ったが、会社は研究開発費の執行の時期ずれを主な理由に挙げる。ずれた費用は当期中に使う見込みとして、通期予想は据え置いた。
  • 増収でも利益率は下がる: 公定価格の改定(2026年6月)や新製品のプロモーションによる単価下落と製造コストの上昇で、売上総利益率は57.5%(△2.5pt)。販管費も研究開発費・人件費・企業買収に係る業務委託料の増加と前年同期の貸倒引当金戻入の反動で+14.8%となり、営業利益率は17.4%(△5.2pt)に下がった。
  • 営業外と特別利益が下支え: 投資有価証券評価益367百万円・貸倒引当金戻入額203百万円などで営業外収益は681百万円、投資有価証券売却益346百万円も特別利益に計上した。営業△17.4%に対し、中間純利益は△7.2%にとどまった。

2. 配当判断サマリー

  • 中間配当25円は全額が25周年の記念配当(普通配当0円・支払開始予定日2026年12月15日)で、期末56円は全額が普通配当。年81円(前期54円から+27円)の予想は修正なし
  • 普通配当ベースでは54→56円(+2円)で、予想配当性向49.1%(56円÷予想EPS114.02円)。記念配当を含む表面では71.0%になる
  • 配当方針は連結配当性向40%またはDOE5%のいずれか高い方を目安とし、普通配当56円は両方の目安を上回る水準。中間期の純利益は会社計画を上回ったが、通期予想と配当予想はどちらも据え置かれた
  • DOE目標を還元方針に組み込む設計はツムラ(4540)と横比較しやすい。同社も公定価格(薬価)の改定を受ける業態で、価格制度の制約の下で還元水準をどう保つかを並べて見られる

3. スコア内訳

配当持続性ランク: A(85/100点) ★★★★★

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 45 性向10・DOE10・利回り7・方針8・耐性10
財務 25 18 自己資本10・ネットキャッシュ4・営業CF安定性4
収益 25 22 営業利益率15・ROE7
合計 100 85 —

中間期カルテのため、配当・収益カテゴリは「中間期実績+2027年3月期通期予想」、財務カテゴリは中間期末の貸借対照表を基準に採点。過去系列(営業CF・配当履歴)は直近5期の通期実績を使用。記念配当25円は配当性向・配当利回り・増配減配耐性の計算から除き、普通配当56円で評価している。

3-1. 主な加点(配点比70%以上)

  • 営業利益率 15/15: 通期予想16.9%(10,700百万円÷63,200百万円)で15%以上の帯。中間期の実績も17.4%。卸売業は5%以上15%未満を12点とする業種補正の対象だが、最上位帯のため補正は結果に影響しない
  • 配当性向 10/10: 普通配当ベースの当期予想49.1%(56円÷予想EPS114.02円)。卸売業の業種補正(中央値50%)以下で満点。記念配当25円を含む表面では71.0%
  • DOE 10/10: 6.0%(2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」に記載された2026年3月期実績の純資産配当率)で5%以上の満点帯。当期の会社見込みDOEは数値の開示がないため、直近通期の開示実績を採用(参考: 本ブログの算出では5.9%)
  • 増配減配耐性 10/10: 普通配当ベースで3期連続増配+直近5年(2022〜2026年3月期)で減配なし+当期56円(+2円)の増配予想
  • 自己資本比率 10/10: 82.9%(中間期末・自己資本66,332百万円÷総資産80,005百万円)。前期末82.1%から+0.8pt。卸売業の業種補正(40%以上で10点)の対象だが、本則基準(60%以上)でも満点
  • 配当方針 8/10: 連結配当性向40%またはDOE5%のいずれか高い水準を目安と明示(DOE目標と配当性向目標の両方を明示する型)
  • 営業CF安定性 4/5: 前期までの通期5期(2022〜2026年3月期)はすべてプラス。5期平均9,130百万円からは2024年3月期6,918百万円(△24.2%)と2023年3月期11,201百万円(+22.7%)が±20%を外れるが、最も離れた2024年3月期を除いた4期は4期平均9,683百万円から±20%以内
  • 配当利回り 7/10: 予想DPS56円ベースで3.5〜4.5%の帯。分子は普通配当ベースで、中間の記念配当25円を除く
  • ROE 7/10: 通期予想ベース12.1%(予想純利益8,000百万円÷平均自己資本66,091百万円=前期末65,850百万円と中間期末66,332百万円の平均)で10〜15%の帯。前期実績は14.9%

3-2. 主な減点(配点比40%以下)

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前回(2027年3月期Q1)85点 → 今回(2027年3月期 中間期)85点(±0点)。カテゴリ別でも配当45・財務18・収益22で前回から変わらない
  • 変動の内訳: 10項目すべてが同じ得点帯にとどまった。ROEは分母を前期末と中間期末の自己資本の平均にそろえて12.1%(前回は第1四半期末の自己資本だけで割って12.4%で、期首との平均で割ると12.3%。点数は同じ)。営業CF安定性は、前回は2024年3月期だけが5期平均から±20%を外れると書いたが、2023年3月期(+22.7%)も外れていた(最も離れた1期を除いて判定するため4点は同じ)。ネットキャッシュは長期貸付金の回収などで現金及び預金が9,617→11,711百万円に戻り、黒字幅は約6,555→8,673百万円に広がったが、時価総額比は10%未満の帯のまま。自己資本比率は84.0%→82.9%、配当利回りは株価の変化で値が動いたが同じ帯にとどまった
  • 満点項目は維持: 配当性向10点・DOE10点・増配減配耐性10点・自己資本比率10点・営業利益率15点の5項目が前回に続いて満点
  • 現在の位置づけ: A帯(85点以上)の下限ちょうどで、どれか1項目が1段下がるだけでB帯に移る位置。配当利回りは今回の帯の下限に近く、ネットキャッシュは1段上の帯まで黒字幅が足りない。配当45/50と収益22/25の土台は厚く、点の上下は価格と現金水準で動く2項目に集まっている

前回(2027年3月期Q1)の確認点への答え

前回の確認点 今回の事実 判断の変化
第2四半期累計計画(営業利益4,500百万円・△32.0%)に対する着地と、通期減益幅の縮小余地 中間期の営業利益は5,468百万円で計画比121.5%(前年同期比△17.4%)。経常利益は計画比131.3%、純利益は126.6%。通期予想(営業利益10,700百万円・△15.1%)は据え置き 上期の減益幅は計画より小さかった。ただし会社は上振れの主因を研究開発費の時期ずれとし、通期の減益幅は変えていない。下期に必要な営業利益5,232百万円は前年下期比△12.6%
PFAシステム開発など研究開発投資の進捗と、費用計画どおりの執行が続くか 販管費は12,550百万円(+14.8%)で、PFAシステム等の研究開発費の増加が主因の一つ。一方で会社は、研究開発費の執行が計画より遅れたと説明 投資は増えているが、計画どおりの執行ではなく後ろにずれた。ずれた分は下期に執行する見込みで、費用の山は下期に来る
中間記念配当25円(基準日2026年9月30日)の実施と、期末普通配当56円予想の維持 中間25円(全額が記念配当)は短信の実績欄に載り、支払開始予定日は12月15日。期末56円(普通配当)・年81円の予想は修正なし 予定どおり。記念配当25円は一回限りで、来期の比較は普通配当56円が起点になる
リズムディバイス(ペースメーカ・S-ICD)の競合影響が下げ止まるか 中間期は6,198百万円(△7.0%・第1四半期は△4.7%)。7〜9月の3か月は2,972百万円(前年同期比△9.4%)。S-ICDは第2四半期以降、他社新製品の影響で軟調に転じた 下げ止まっていない。7〜9月は減収幅が広がり、ペースメーカに続いてS-ICDにも競合の影響が出た

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

※本章はスコア(§3)に反映されていない事業上の強み・構造リスクを扱います。

4-1. ✅ 事業の強み

  • 人口動態が支える構造的な症例数増加: 会社は、心房細動の症例数が2010年代半ば以降増え続け、後期高齢者の増加で負担の少ない血管内治療へのシフトも進むと説明する。中核事業の需要が人口動態に支えられる構造は、配当原資の長期的な土台になる。
  • 国内で伸びる自社製品と同じ領域の米国拠点: 国内で伸びる心房中隔穿刺用の自社製品と同じ手技向けに、FDAの510(k)認証済み製品を持つ米国Cross Vascular社を買収した。公定価格に左右されない海外の売上が育てば、配当原資の分散につながる。

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 公定価格制度による転嫁制約: 公定価格のため原材料費や人件費の上昇をすぐ販売価格に転嫁できないと会社が明示し、中間期はマレーシア拠点の円安によるコスト増も重なった。インフレが続くと粗利率が削られ、配当原資の伸びを抑えやすい。
  • 買収先は売上がなく先行費用が続く: Cross Vascular社は直近3期とも売上高がなく、2025年12月期末の純資産は△3,091千米ドル。債務の支払いと運営資金に7,265千米ドルを増資しており、米国で販売が立ち上がるまでは費用が先行し配当原資を生まない。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年10月時点)。


5. 筆者メモ

高い利益率と実質無借金の財務を気に入って保有しています。中間期の上振れは研究開発費の後ずれが中心で、通期予想は変わっていません。下期に費用が予定どおり出たあとの利益水準を見ます。


6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目 値
2026年3月期実績 期末54円(年間54円・配当金総額3,792百万円・配当性向40.5%)
2027年3月期 中間配当 25円(全額が25周年の記念配当・普通配当0円。前年同期は中間配当なし。支払開始予定日2026年12月15日)
2027年3月期予想 中間25円(記念配当)+期末56円(普通配当)=81円(表面+27円・普通配当ベース56円で+2円)。中間期決算短信「2.配当の状況」記載値で、直近の配当予想からの修正はない
配当性向(連結・当期予想) 49.1%(普通配当56円 ÷ 予想EPS114.02円・本ブログ算出・2026年3月期決算短信の次期予想配当性向欄と一致)。記念配当25円を含む表面ベースでは71.0%
DOE(連結・純資産配当率) 6.0%(決算短信記載値=2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」の2026年3月期実績。中間期決算短信に同欄はなく、当期の会社見込みDOEの数値の開示もない。参考: 普通配当の予想DPS56円×期末株式数70,165,942株(自己株式を除く)÷平均自己資本66,091百万円×100で本サイトが算出すると5.9%。平均自己資本は前期末65,850百万円と中間期末66,332百万円の平均)
配当利回り 採点帯 3.5〜4.5%(7/10)・予想DPS56円
配当方針 安定的な配当の継続を基本方針とし、連結配当性向40%またはDOE(株主資本配当率)5%のいずれか高い方を目安に利益還元を実施(会社IR「株主還元の方針」・2026年10月31日に英語版ページで確認)。当期はこれに加えて25周年の中間記念配当25円を実施する
連続増配年数 普通配当ベースで3期連続増配(2024〜2026年3月期)+ 当期予想で 4期目 継続見込み

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示(記念配当の内訳を含む)
年度 DPS(円) 実質普通DPS(円) EPS(円) 配当性向
2021/3 49(普通29+記念20) 29 24.91 116.4%
2022/3 38 38 93.13 40.8%
年度 DPS(円) 実質普通DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/3 38 38 88.22 43.1%
2024/3 42 42 98.73 42.5%
2025/3 53 53 131.43 40.3%
2026/3(実績) 54 54 133.30 40.5%
2027/3(予想) 81(普通56+記念25) 56 114.02 49.1%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用。2026/3期のDPS54円・EPS133.30円は決算短信記載値と一致(決算短信の配当性向は40.5%)。2027/3期(予想)は中間期決算短信の予想EPS114.02円と普通配当56円で再計算した値。配当性向は実質普通DPS÷EPSで再計算しており、記念配当のある年は表面DPSベースの値と異なる
  • 記念配当の内訳: 2027/3期予想81円は25周年の中間記念配当25円を含む(普通配当56円)。中間期決算短信「2.配当の状況」の注記で、第2四半期末配当金25円の内訳が普通配当0円・記念配当25円、期末配当予想56円の内訳が普通配当56円・記念配当0円と示されている。2021/3期の49円は創業40周年記念配当20円を含む(普通配当29円)。2021/3期は減損計上でEPSが24.91円に下がったため、普通配当ベースでも配当性向は100%を超えた
  • 連続増配の数え方: 実質普通配当ベースで2023/3期の38円を起点に、2024/3期42円・2025/3期53円・2026/3期54円と3期連続で増配している。2022/3期と2023/3期は38円で横ばい
  • 株式分割: 上表の期間(2021/3期以降)に株式分割・併合はない(EDINET DB の分割調整係数は全期1.0)
  • 配当政策の傾向: 普通配当ベースで2023/3期以降は増配が続き、配当性向は40%台前半で推移した。当期は減益計画で普通配当ベースの配当性向が49.1%に上がり、これに記念配当を上乗せする

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 普通配当ベースで3期連続増配、当期56円(+2円)で4期目へ。表面では81円(+27円)だが、うち25円は単発の記念配当で、来期の比較は普通配当56円が起点になる
  • 方針シグナル: 配当性向40%またはDOE5%のいずれか高い方という目安を明示した上で、記念配当を機動的に上乗せする姿勢。中間期決算で配当予想は変えていない
  • 耐性実績: 直近5年で普通配当ベースの減配なし。自己資本比率82.9%・実質無借金で、業績変動時の配当維持余力は厚い

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー(2027年3月期 中間期累計)

指標 当中間期 前年同中間期 前年同期比
売上高 31,353百万円 29,285百万円 +7.1%
売上総利益 18,018百万円 17,557百万円 +2.6%
営業利益 5,468百万円 6,620百万円 △17.4%
経常利益 6,040百万円 6,624百万円 △8.8%
親会社株主に帰属する中間純利益 4,430百万円 4,774百万円 △7.2%
EPS(中間期) 63.15円 68.08円 △7.2%
営業利益率(中間期実績) 17.4% 22.6% △5.2pt
自己資本比率 82.9% 82.1%(前期末) +0.8pt

(注)売上高から中間純利益までの前年同期比・営業利益率は決算短信の記載値。EPSの前年同期比は算出値。営業利益率は中間期累計の実績で、スコアの営業利益率(16.9%)・ROE(12.1%)は通期予想ベースで採点している。

会社の中間期予想との比較

指標 中間期予想(2026年5月7日) 実績 予想比
売上高 30,700百万円 31,353百万円 102.1%
営業利益 4,500百万円 5,468百万円 121.5%
経常利益 4,600百万円 6,040百万円 131.3%
中間純利益 3,500百万円 4,430百万円 126.6%

会社は同日の「第2四半期(中間期)連結業績予想と実績値との差異に関するお知らせ」で、営業利益の上振れは研究開発費の執行の時期ずれ等、経常利益はさらに投資有価証券評価益や貸倒引当金戻入額の計上によると説明している。

品目別売上高(対前年同期比)

区分 中間期 前年同期比 7〜9月 7〜9月の前年同期比
EP/アブレーション 16,222百万円 +10.3% 8,035百万円 +8.1%
リズムディバイス 6,198百万円 △7.0% 2,972百万円 △9.4%
心血管関連 6,177百万円 +4.1% 3,010百万円 +2.9%
脳血管関連 1,696百万円 +42.9% 867百万円 +38.7%
消化器 1,057百万円 +34.4% 563百万円 +38.3%
合計 31,353百万円 +7.1% 15,449百万円 +5.3%

7〜9月は中間期累計から第1四半期を差し引いた本ブログの算出値。EP/アブレーションはアブレーション症例数の増加(前年同期比10%程度)を背景に、心腔内除細動カテーテルや大腿静脈用止血デバイス、2026年3月上市の自社製品の心房中隔穿刺用高周波ワイヤが伸びた。脳血管関連は塞栓用コイルの新モデル発売などで、消化器は胆管チューブステントの新モデルと他社製品の供給不足で増収(終了事業を除くベースでは+41.6%)。自社製品比率は57.2%(+2.1pt)に上がった。

通期計画 進捗率(2027年3月期・2026年5月7日公表予想から修正なし)

項目 中間期累計 通期予想 進捗率 前年同時点の進捗
売上高 31,353百万円 63,200百万円 49.6% 49.5%
営業利益 5,468百万円 10,700百万円 51.1% 52.5%
経常利益 6,040百万円 10,800百万円 55.9% 52.6%
親会社株主帰属当期純利益 4,430百万円 8,000百万円 55.4% 51.1%

「前年同時点の進捗」は前年同中間期の実績を2026年3月期の通期実績(売上高59,187百万円・営業利益12,606百万円・経常利益12,588百万円・純利益9,350百万円)で割ったもの。会社は売上高が第3四半期以降もおおむね期初予想どおりに進み、利益は後ろにずれた研究開発費等を当期中に執行するため、通期は期初予想の想定内で推移するとしている。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 投資有価証券売却益346百万円を特別利益に計上。営業段階でも、計画に対する上振れは研究開発費の執行の時期ずれという一時的な要因が中心
営業外損益 🟡 投資有価証券評価益367百万円・貸倒引当金戻入額203百万円などで営業外収益681百万円(前年同期95百万円)。営業△17.4%に対し経常は△8.8%まで縮んだ
純利益押し上げ要因 🟡 特別利益347百万円で税金等調整前中間純利益は6,338百万円。税負担率は27.5%→30.1%に上がったが、純利益の減益は△7.2%にとどまった
開示の誠実性 🟢 品目別の増減要因・販管費の増加内訳・中間期予想との差異の理由を具体的に開示し、通期予想を据え置く理由(費用の当期中の執行)も明記

→ 業績の質: 中品質(営業段階は投資先行の実力減益で、計画比の上振れは費用の時期ずれ、経常・純利益の下支えは一過性色のある営業外収益と特別利益)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 前期末(2026/3)・前年同中間期 当中間期末(2026/9)
営業CF(百万円) 3,495 3,274
投資CF(百万円) △1,023 △242
財務CF(百万円) △3,880 △3,826
現金及び預金(BS・百万円) 12,494 11,711
短期有価証券(BS流動・百万円) 0 0
現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) 12,494 11,711
自己資本比率(%) 82.1 82.9(+0.8pt)

(注)CFの3行は4〜9月の6か月累計(左列は前年同期)、現金及び預金・短期有価証券・現金及び現金同等物 期末残高・自己資本比率は各期末時点(左列は前期末=2026年3月末、右列は中間期末=2026年9月末)。中間連結貸借対照表の流動資産に有価証券の科目はなく、短期有価証券は0とした。

  • 有利子負債: 短期借入金2,900百万円 + リース債務138百万円(概算) = 約3,038百万円。中間連結貸借対照表ではリース債務が固定負債の「その他」に含まれて独立した科目がないため、2026年3月期 決算短信の前期末残高(固定負債のリース債務)166百万円から、短信本文が記載する同項目のリース負債の減少28百万円を差し引いた約138百万円とした。長期借入金・社債はない
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金11,711百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債約3,038百万円 = +8,673百万円。時価総額比(期末発行済株式総数71,300,000株・自己株式を含む)で「プラス・10%未満」帯の4/10点
  • 現金の動き: 営業CFは税金等調整前中間純利益6,338百万円が入った一方、売上債権の増加1,111百万円・法人税等の支払1,676百万円で3,274百万円(前年同期3,495百万円)。投資CFは有形固定資産の取得1,922百万円・長期貸付けによる支出464百万円を、長期貸付金の回収1,603百万円・投資有価証券の売却786百万円などが補った。財務CFは配当金の支払3,787百万円が中心。第1四半期末の9,617百万円からは2,094百万円戻した
  • 営業CF安定性の評価対象5期(単位百万円): 2022年3月期10,246 → 2023年3月期11,201 → 2024年3月期6,918 → 2025年3月期9,113 → 2026年3月期8,172。赤字の期はなく、5期平均9,130百万円からは2024年3月期(△24.2%)と2023年3月期(+22.7%)が±20%を外れるため5点には届かないが、最も離れた2024年3月期を除いた4期は4期平均9,683百万円から±20%以内(最大+15.7%)で4/5点
  • 自己株式・発行済株式数: 期末発行済株式総数(自己株式を含む)は71,300,000株で前期末から変わらず、消却はない。期末自己株式数は1,145,522株→1,134,058株(役員報酬BIP信託が保有する当社株式を含む)
  • 連結範囲の変更と後発事象: 2026年8月25日に設立した米国子会社JLL Med USA Inc.を当中間期から連結に含めた(9月24日に同社への10,000千米ドルの増資を決定)。2026年9月29日の取締役会で、同社を通じて米国Cross Vascular, Inc.(心房中隔穿刺用高周波システムの開発会社)の全株式を取得すると決議し、10月1日付で株式を取得して完全孫会社とした。取得価額は4,734千米ドル(1米ドル157円換算で約743百万円。株主への支払734千米ドルと、最大4,000千米ドルのアーンアウトを含む)、アドバイザリー費用等約234百万円を合わせて概算約977百万円。あわせてJLL Med USAからCross Vascular社へ7,265千米ドルの増資を決めた。会社は本買収と増資による業績への影響は軽微としている

7-3. 通期業績予想(2027年3月期・2026年5月7日公表値から据え置き)

項目 予想 前期比
売上高 63,200百万円 +6.8%
営業利益 10,700百万円 △15.1%
経常利益 10,800百万円 △14.2%
親会社株主帰属当期純利益 8,000百万円 △14.4%
EPS 114.02円 △14.5%
営業利益率(通期予想) 16.9%(10,700百万円÷63,200百万円・本ブログ算出) △4.4pt(前期実績21.3%)
ROE(通期予想) 12.1%(8,000百万円÷平均自己資本66,091百万円・本ブログ算出) △2.8pt(前期実績14.9%)
1株当たり年間配当 81円(普通56円+記念25円) 普通配当ベース+2円(予想配当性向49.1%)
  • 据え置き: 通期業績予想は2026年5月7日公表の期初予想から修正なし。期初計画時点の減益要因は保険償還価格(公定価格)の改定、原材料費・労務費の上昇、PFAや海外市場開拓に向けた研究開発投資の加速など(2026年3月期決算短信「今後の見通し」)
  • 下期に必要な額(本ブログ算出・通期予想−中間期実績): 売上高31,847百万円(前年下期比+6.5%)、営業利益5,232百万円(同△12.6%)、経常利益4,760百万円(同△20.2%)、純利益3,570百万円(同△22.0%)。上期にずれた研究開発費を下期に使う前提で、下期は前年下期を下回る利益を見込む形
  • 前期の指標: 営業利益率の前期実績21.3%(売上高営業利益率)とROEの前期実績14.9%(自己資本当期純利益率)は2026年3月期 決算短信の記載値。当期のROEの分母は前期末自己資本65,850百万円と中間期末自己資本66,332百万円の平均
  • 配当予想: 中間25円(記念配当)+期末56円(普通配当)=81円で修正なし(普通配当ベースの予想配当性向49.1%)

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
中間期の売上高・売上総利益・販管費・営業利益・営業外損益・経常利益・特別損益・中間純利益・EPS・品目別売上高・自社製品比率・中間配当25円の内訳(普通0円・記念25円)と期末配当予想56円の内訳・通期業績予想・連結範囲の変更・重要な後発事象 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-10-30開示) 🟢 一次情報
現金及び預金・短期借入金・自己資本・発行済株式数・自己株式数・営業CF/投資CF/財務CF・現金及び現金同等物 中間期末残高・リース負債の増減 同上「中間連結貸借対照表」「中間連結キャッシュ・フロー計算書」「(4)発行済株式数(普通株式)」「(2)当中間期の財政状態の概況」 🟢 一次情報
中間期予想(2026年5月7日公表)と実績の差異・差異の理由 「第2四半期(中間期)連結業績予想と実績値との差異に関するお知らせ」(2026-10-30開示) 🟢 一次情報
Cross Vascular社の概要・最近3年間の経営成績と財務情報・取得価額(4,734千米ドル・約743百万円)・アドバイザリー費用等・増資7,265千米ドル・業績への影響 「米国 Cross Vascular 社の買収および増資に伴う特定子会社の異動に関するお知らせ」(2026-09-29開示) 🟢 一次情報
JLL Med USA Inc.の設立日と増資10,000千米ドル 「米国子会社への増資に伴う特定子会社の異動に関するお知らせ」(2026-09-24開示) 🟢 一次情報
第1四半期の品目別売上高・前回の確認点 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026-07-30開示) 🟢 一次情報
配当予想の修正(中間記念配当25円)・25周年の記念配当であること 「配当予想の修正(中間記念配当)に関するお知らせ」(2026-07-30開示) 🟢 一次情報
配当方針(配当性向40%またはDOE5%のいずれか高い方)・前期実績の年間配当54円・配当金総額・配当性向40.5%・純資産配当率6.0%・次期予想配当性向49.1%・リース債務(前期末)・通期の業績・自己資本当期純利益率・売上高営業利益率・通期減益要因 会社IR「株主還元の方針」、2026年3月期 決算短信(2026-05-07開示)「1.(1)連結経営成績」「2.配当の状況」「1.(4)今後の見通し」「連結貸借対照表」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移・営業CF推移(2022〜2026年3月期)・分割調整係数 EDINET DB 🟢 一次情報
2021/3期 記念配当の内訳(普通29円+創業40周年記念20円) 2021年3月期 決算短信「配当の状況」 🟢 一次情報
7〜9月の3か月の値・営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想)・配当性向(当期予想)・DOE(参考の算出値)・ネットキャッシュ・時価総額比・進捗率・下期に必要な額 本ブログ算出(会社予想値・決算短信の実績値・自己資本および株式数より計算。ROE分母は期首自己資本(前期末)と中間期末自己資本の平均) 🟡 補助データ
株価・配当利回り 筆者が確認した終値を採点にのみ使用(数値は非掲載) 🟡 補助データ

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本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。