結論: 中間期は計画どおりの大幅増益、年240円予想は維持
📊 スコア: B 70点
💰 配当: 240→240円予想(±0円)、中間120円・期末120円予想は修正なし
✅ 良い点: 営業利益+38.1%、中間期の経常利益は会社計画比100.5%、配当性向32.2%、営業利益率15.8%(通期予想)
⚠️ 注意点: 支払利息+63.0%、有利子負債+19,595百万円、自己資本比率30.0%、営業CF5期連続マイナス
1. 業績ハイライト
- 売上高82,918百万円(+43.8%)・営業利益14,389百万円(+38.1%)
- 経常利益12,863百万円(+33.0%)・中間純利益7,996百万円(+29.2%)・EPS518.29円
- 期初の中間期予想に対し、経常利益100.5%・純利益91.9%
- 支払利息が1,062→1,732百万円(+63.0%)へ増加
- 自己資本比率30.0%(△0.4pt)・有利子負債190,391百万円
サマリー
- 上期に寄せた計画どおりの着地: 引渡が上期に集まる計画で、売上高・各利益とも前年同期を3〜4割上回った。期初の中間期予想に対しては売上高98.7%・営業利益99.2%・経常利益100.5%で、会社は説明資料で計画どおりの推移と総括している。
- 利益は営業から下へ目減り: 営業+38.1%に対し経常+33.0%・純利益+29.2%。支払利息が670百万円増え、前年同期の受取保険金135百万円も5百万円に減った。税負担率は36.0%→37.5%に上がり、本社と東京支店の移転費用62百万円も特別損失に計上した。
- 在庫と借入はさらに積み上がる: 仕掛販売用不動産は前期末から18,008百万円増え、長期借入金(1年内返済分を含む)も19,194百万円増えた。会社は物件ごとに保有期間を調整して売る事業モデルへの転換で、保有に伴う借入金が増えたと説明している。
2. 配当判断サマリー
- 中間配当は120円(前年同期105円・支払開始予定日2026年11月30日)。期末120円予想と合わせた年240円は前期と同額(±0円)で、配当予想の修正はない
- 予想配当性向32.2%(240円÷予想EPS745.33円)は、不動産事業会社の中央値40%を下回る。会社は当期の240円を「連結配当性向30%を超える」水準と位置づけている
- 2023年3月期から4期続いた増配は当期で止まる予想。中間を105→120円へ厚くして期末と同額にそろえた配分は、中間期決算でもそのまま
- 関西で同じくマンション分譲を手がける和田興産(8931)は当期に減配予想を据え置いており、同じ引渡基準の業態でも還元の方向は分かれる。首都圏のFJネクストホールディングス(8935)は累進配当を掲げ、自己資本比率も7割台と財務構成が対照的
3. スコア内訳
配当持続性ランク: B(70/100点) ★★★★☆
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 41 | 性向10・DOE7・利回り10・方針6・耐性8 |
| 財務 | 25 | 7 | 自己資本7・ネットキャッシュ0・営業CF安定性0 |
| 収益 | 25 | 22 | 営業利益率15・ROE7 |
| 合計 | 100 | 70 | — |
中間期カルテのため、配当・収益カテゴリは「中間期実績+2027年3月期通期予想」、財務カテゴリは中間期末の連結貸借対照表を基準に採点。過去系列(営業CF・配当履歴)は直近5期の通期実績を使用。不動産業は配当性向の業種中央値(40%)と自己資本比率の構造補正(25%以上で7点)が適用対象だが、ネットキャッシュのマイナス救済(最低2点)の対象業種には含まれないため、ネットキャッシュは本則どおり評価している。
3-1. 主な加点(配点比70%以上)
- 営業利益率 15/15: 通期予想15.8%(20,500百万円÷130,000百万円)で15%以上の帯。中間期の実績は17.4%(前年同期18.1%)
- 配当性向 10/10: 当期予想32.2%(240円÷予想EPS745.33円)。不動産事業会社の業種中央値40%を下回り、中央値以下で満点
- 配当利回り 10/10: 予想DPS240円ベースで4.5%以上の帯。分子は当期の会社予想DPSで、記念配当・特別配当は含まない
- 増配減配耐性 8/10: 2023年3月期から4期連続増配+直近5年(2022〜2026年3月期)で減配なし。当期予想は240円の据え置きで増配予想の最上位帯には届かず、判定順2の8点
- DOE 7/10: 4.8%(2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」に記載された2026年3月期実績の純資産配当率)で3〜5%の帯。当期の会社見込みDOEは数値の開示がないため、直近通期の開示実績を採用(参考: 本ブログの算出では4.4%)
- 自己資本比率 7/10: 30.0%(中間期末・自己資本87,530百万円÷総資産292,009百万円)。不動産業の業種補正(25%以上=7点)を適用。前期末30.4%から△0.4pt、第1四半期末29.5%からは+0.5pt
- ROE 7/10: 通期予想ベース13.6%(予想純利益11,500百万円÷平均自己資本84,539.5百万円=前期末81,549百万円と中間期末87,530百万円の平均)で10〜15%の帯。前期実績は14.4%
3-2. 主な減点(配点比40%以下)
- ネットキャッシュ 0/10: △166,371百万円(現金及び預金24,020百万円+短期有価証券0百万円−有利子負債190,391百万円)。マイナス幅が時価総額を上回り、不動産業はマイナス救済(最低2点)の対象業種に含まれないため本則どおり0点
- 営業CF安定性 0/5: 前期までの通期5期(2022〜2026年3月期)の営業CFは△9,371→△12,860→△32,213→△35,440→△39,531百万円と5期連続マイナス。5年内に営業CF赤字2回以上の帯
3-3. スコアの動き(定点観測)
- スコア変動: 前回(2027年3月期Q1)70点 → 今回(2027年3月期 中間期)70点(±0点)。カテゴリ別でも配当41・財務7・収益22で前回から変わらない
- 変動の内訳: 10項目すべてが同じ得点帯にとどまった。ROEは分母を前期末と中間期末の自己資本の平均にそろえて13.6%(前回は第1四半期末の自己資本だけで割って13.9%で、期首との平均で割ると14.0%。点数は同じ)。DOEは直近通期の決算短信記載値4.8%を採用した(前回は本ブログ算出の約4.5%)。自己資本比率は29.5%→30.0%、ネットキャッシュのマイナス幅は△166,346→△166,371百万円でほぼ同じ。配当利回りは株価の変化で値が動いたが、最上位の帯にとどまった
- 満点項目は維持: 配当性向10点・配当利回り10点・営業利益率15点の3項目は前回から不変。営業利益率の採点根拠である通期予想15.8%も前回と同じ
- 現在の位置づけ: B帯(70〜84点)の下限ちょうどで、どれか1項目が1段下がるだけでC帯に移る位置。配当41/50と収益22/25が点を作る一方、営業CF0点とネットキャッシュ0点で財務が7/25にとどまる構図は前回と同じ。自己資本比率は不動産業補正の25%の線を5pt上回るが、在庫と借入が同じ速さで増え続けると余裕は縮む
前回(2027年3月期Q1)の確認点への答え
| 前回の確認点 | 今回の事実 | 判断の変化 |
|---|---|---|
| 中間期予想(売上高84,000百万円・営業利益14,500百万円)に届くか(Q1時点の進捗は営業利益45.6%) | 中間期の売上高82,918百万円(予想比98.7%)・営業利益14,389百万円(同99.2%)・経常利益12,863百万円(同100.5%)・純利益7,996百万円(同91.9%) | 経常利益までは計画どおりで、会社も計画どおりと説明。純利益は予想の91.9%にとどまった。押し下げた要因には税負担率の上昇(37.5%)と移転費用がある。通期予想は据え置かれ、下期に必要な営業利益6,111百万円は前年下期を24.4%下回る水準 |
| 中間配当120円が予定どおり実施され、通期240円の予想が据え置かれるか | 中間配当120円は短信の実績欄に載り、支払開始予定日は11月30日。期末120円・年240円の予想は修正なし | 予定どおり。増配は当期で止まる予想のまま |
| 支払利息(第1四半期830百万円)の増加ペースと有利子負債187,421百万円の水準 | 支払利息は中間期累計1,732百万円(+63.0%)で、7〜9月の3か月は902百万円(第1四半期830百万円)。有利子負債は第1四半期末から2,970百万円増えて190,391百万円 | 増加は続き、3か月ごとの利息も膨らんだ。営業利益に対する支払利息の比率は10.2%→12.0%に上がった(営業利益は支払利息の8.3倍・前年同期9.8倍) |
| 仕掛販売用不動産127,869百万円(第1四半期末)が引渡でどこまで売上へ振り替わるか | 仕掛販売用不動産は134,620百万円へさらに増え、販売用不動産は106,358百万円とほぼ横ばい。2つの合計は第1四半期末から6,487百万円増えた | 大きな引渡があっても在庫は減っていない。保有期間を調整するモデルへの転換で、在庫の回転は外から読みにくくなっている |
| 会計方針の変更(不動産取得税の取得原価算入)の影響額が引き続き軽微にとどまるか | 中間期決算短信の表紙は「①以外の会計方針の変更」を「無」とし、変更の注記も影響額の記載もない。会社のIR情報の一覧(2026年7〜10月)に第1四半期決算短信の訂正はない | 影響額の続報はなく、第1四半期の記載(影響は軽微・過年度への遡及適用なし)が最新。中間期の扱いは半期報告書(11月6日提出予定)の注記で確かめる点として残る |
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。
4. 事業の強み・構造リスク
※本章はスコア(§3)に反映されていない事業上の強み・構造リスクを扱います。
4-1. ✅ 事業の強み
- 建築費が上がる前に仕込んだ完成物件: 短信は、建築費の高騰が続く一方で賃料は上がっており、比較的低い取得原価で確保した完成物件を多く保有していると説明する。新規開発の採算が厳しい局面でも、この在庫が利益を確保する余地になる。
- 売却後も運用で稼ぐ「開発価値循環型」: 開発・取得から売却後の運用・管理までをグループで回し、売却益に加えて賃料や管理の収益を得る事業モデル。その他事業の中間期の外部売上は+32.8%で、売却益一本足からの分散は配当原資の振れを抑える方向に働く。
4-2. ⚠️ 構造リスク
- 一棟売りの買い手は機関投資家に偏る: 説明資料のグループ単純合算では、中間期のマンション販売のうち法人・機関投資家向けが売上全体の43.4%を占め、個人顧客向け19.0%の2倍超。投資家の購入意欲が冷えると出口が細り、配当原資になる売却益の計上時期がずれやすい。
- 広げた事業領域の採算が2区分開示では追えない: 商業施設・ホテル・倉庫・オフィスビル等へ領域を広げた一方、報告セグメントは不動産販売事業とその他事業の2区分のまま。どの用途が利益を作ったかは外から確認できず、配当原資の安定性を事業ごとに見極めにくい。
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年10月時点)。
5. 筆者メモ
大幅増配を重ねてきた還元の姿勢を気に入って保有しています。中間期は計画どおりでしたが、支払利息は半年で17億円と前年の1.6倍です。借入で回す商売なので、利息の伸びは毎回見ます。
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2026年3月期実績 | 中間105円+期末135円=240円(配当金総額3,703百万円・配当性向33.1%) |
| 2027年3月期 中間配当 | 120円(前年同期105円から+15円・支払開始予定日2026年11月30日) |
| 2027年3月期予想 | 中間120円+期末120円=240円(±0円)。中間期決算短信「2.配当の状況」記載値で、直近の配当予想からの修正はない |
| 配当性向(連結・当期予想) | 32.2%(240円 ÷ 予想EPS745.33円・本ブログ算出。記念配当・特別配当はなく実質普通配当ベースでも同値)。前期実績は33.1%(2026年3月期 決算短信記載値) |
| DOE(連結・純資産配当率) | 4.8%(決算短信記載値=2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」の2026年3月期実績。中間期決算短信に同欄はなく、当期の会社見込みDOEの数値の開示もない。参考: 予想DPS240円×期末株式数15,429,326株(自己株式を除く)÷平均自己資本84,539.5百万円×100で本サイトが算出すると4.4%。平均自己資本は前期末81,549百万円と中間期末87,530百万円の平均) |
| 配当利回り | 採点帯 4.5%以上(10/10)・予想DPS240円 |
| 配当方針 | 「業績推移や財務状況、今後の事業展開等を総合的に勘案しながら、企業価値の向上に応じて配当総額を持続的に高める」ことを基本方針とする(2026年3月期決算短信「1.(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」、第34期有価証券報告書「3.配当政策」・2026年6月提出)。2026年3月期・2027年3月期のいずれについても「連結配当性向30%を超える」水準として1株240円を示している。累進配当の宣言はなく、DOE目標の開示もない |
| 連続増配年数 | 4期連続増配(2023年3月期90円〜2026年3月期240円)。当期予想は240円の据え置きで、5期目の増配とはならない |
6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(2025年3月期までは EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年以前の履歴を表示(連続増配の起点年度を含む)
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2016 | 25 | 135.49 | 18.5% |
| 2017 | 25 | 201.49 | 12.4% |
| 2018 | 30 | 279.07 | 10.7% |
| 2019 | 35 | 289.99 | 12.1% |
| 2020 | 40 | 328.58 | 12.2% |
| 2021 | 40 | 292.06 | 13.7% |
| 2022 | 40 | 351.83 | 11.4% |
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2023 | 90 | 398.40 | 22.6% |
| 2024 | 150 | 487.27 | 30.8% |
| 2025 | 185 | 604.74 | 30.6% |
| 2026(実績) | 240 | 724.06 | 33.1% |
| 2027(予想) | 240 | 745.33 | 32.2% |
(注)
- データ基準: 2025年3月期までは EDINET DB 引用。2026年3月期のDPS240円・EPS724.06円は2026年3月期決算短信(2026-05-14開示)記載値、2027年3月期(予想)のDPS240円と予想EPS745.33円は2027年3月期 中間期決算短信(2026-10-30開示)記載値
- 表の起点と連続増配年数の数え方: 期末発行済株式数は2016年3月期から当中間期末まで15,465,600株で一定で、株式分割・併合はない(EDINET DB の分割調整係数も全期1.0)。したがって上表のDPSは調整なしでそのまま比較でき、2022年3月期の40円を起点に、2023年3月期90円から2026年3月期240円まで4期連続で増配している。本記事の連続増配年数はこの範囲で数えている
- 記念配当・特別配当: 決算短信「2.配当の状況」および第34期有価証券報告書「3.配当政策」のいずれにも記念配当・特別配当の記載はなく、全期が普通配当のみ。表面DPSと実質普通配当ベースは一致する
- 配当政策の傾向: 2022年3月期まで40円で固定していたが、2023年3月期から90→150→185→240円へ引き上げ、配当性向も11%台から30%超へ切り上がった。当期は増配を止めて240円を据え置き、中間を105→120円へ厚くして期末120円と同額にそろえ、期中の配分を均等化している
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: 2023年3月期からの4期で90→240円と約2.7倍。当期は据え置きで増配は止まるが、中間配当は105→120円(+15円)で期末と同額にそろった。記念配当・特別配当による嵩上げはない
- 方針シグナル: 基本方針は「企業価値の向上に応じて配当総額を持続的に高める」で、当期の年間240円も「連結配当性向30%を超える」水準として示されている。累進配当の宣言はなく、DOE目標の開示もないため、増配幅の目安は外から読みにくい
- 耐性実績: 2016年3月期以降に減配はなく、コロナ期(2021・2022年3月期)も40円を維持した。一方で営業CFは5期連続マイナスで、配当原資は借入と物件売却代金の回転に依存する構造
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー(2027年3月期 中間期累計)
| 指標 | 当中間期 | 前年同中間期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 82,918百万円 | 57,675百万円 | +43.8% |
| 売上総利益 | 20,190百万円 | 15,267百万円 | +32.2% |
| 営業利益 | 14,389百万円 | 10,418百万円 | +38.1% |
| 経常利益 | 12,863百万円 | 9,669百万円 | +33.0% |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | 7,996百万円 | 6,188百万円 | +29.2% |
| EPS(中間期) | 518.29円 | 401.10円 | +29.2% |
| 営業利益率(中間期実績) | 17.4% | 18.1% | △0.7pt |
| 自己資本比率 | 30.0% | 30.4%(前期末) | △0.4pt |
(注)売上高から中間純利益までの前年同期比は決算短信「1.(1)連結経営成績(累計)」の記載値。売上総利益・EPS・支払利息の前年同期比と営業利益率は決算短信の千円単位の実額から本ブログが算出(百万円の表示値で割ると0.1pt前後ずれることがある)。営業利益率は中間期累計の実績で、スコアの営業利益率(15.8%)・ROE(13.6%)は通期予想ベースで採点している。売上総利益率は26.5%→24.3%に下がった。
会社の中間期予想との比較
| 指標 | 中間期予想(2026年5月14日) | 実績 | 予想比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 84,000百万円 | 82,918百万円 | 98.7% |
| 営業利益 | 14,500百万円 | 14,389百万円 | 99.2% |
| 経常利益 | 12,800百万円 | 12,863百万円 | 100.5% |
| 中間純利益 | 8,700百万円 | 7,996百万円 | 91.9% |
中間期予想は2027年3月期 中間期決算説明資料の「決算ハイライト」記載値。純利益を押し下げた要因としては、税負担率の上昇(37.5%・前年同期36.0%)と特別損失64百万円(事務所移転費用62百万円・固定資産除却損2百万円)がある。
四半期ごとの推移(7〜9月は中間期累計−第1四半期・決算短信の千円単位の実額から本ブログ算出)
| 指標 | 4〜6月 | 7〜9月 | 前年7〜9月 | 7〜9月の前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 39,475百万円 | 43,443百万円 | 26,961百万円 | +61.1% |
| 営業利益 | 6,610百万円 | 7,779百万円 | 5,029百万円 | +54.7% |
| 支払利息 | 830百万円 | 902百万円 | 547百万円 | +65.0% |
セグメント別(対前年同期比)
| 区分 | 外部顧客への売上 | 前年同期比 | セグメント利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 不動産販売事業 | 61,925百万円 | +47.9% | 11,329百万円 | +40.3% |
| その他事業 | 20,993百万円 | +32.8% | 3,585百万円 | +19.7% |
セグメント利益は経常利益と調整されており、全社費用等の調整額は△2,051百万円(前年同期△1,402百万円)。不動産販売事業は個人・法人顧客や国内外の機関投資家への販売でおおむね計画どおりに推移した。「その他事業」は不動産賃貸、不動産管理、電力供給、建設・リフォーム、仲介・買取再販、戸建分譲、宿泊施設の運営・管理、不動産証券化、清掃、アパートの開発・販売等を含む。
通期計画 進捗率(2027年3月期・2026年5月14日公表予想から修正なし)
| 項目 | 中間期累計 | 通期予想 | 進捗率 | 前年同時点の進捗 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 82,918百万円 | 130,000百万円 | 63.8% | 49.3% |
| 営業利益 | 14,389百万円 | 20,500百万円 | 70.2% | 56.3% |
| 経常利益 | 12,863百万円 | 17,600百万円 | 73.1% | 59.0% |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 7,996百万円 | 11,500百万円 | 69.5% | 55.4% |
進捗率は決算短信の千円単位の実額から算出した値。「前年同時点の進捗」は前年同中間期の実績を2026年3月期の通期実績(売上高116,920百万円・営業利益18,502百万円・経常利益16,395百万円・純利益11,171百万円)で割ったもの。会社は引渡基準を採用しており、引渡時期が特定の四半期に偏るため各四半期の売上・利益水準は大きく異なると明記している。
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🟢 | 特別損失は本社・東京支店の移転費用62百万円と固定資産除却損2百万円の計64百万円で小さい。固定資産の重要な減損損失・のれんの重要な変動・負ののれん発生益はいずれも該当なし |
| 営業外損益 | 🔴 | 支払利息が1,062→1,732百万円(+63.0%)へ増え、前年同期の受取保険金135百万円が5百万円に減った。営業外収益は324→223百万円(△31.2%)で、経常+33.0%が営業+38.1%を下回った |
| 純利益押し下げ要因 | 🟡 | 法人税等合計は3,479→4,802百万円。税負担率は36.0%から37.5%へ上がり、中間純利益+29.2%は経常+33.0%をさらに下回った |
| 開示の誠実性 | 🟡 | 引渡基準による四半期の偏りや、事業モデルの転換で借入金が増えた理由を説明資料で示している。一方、第1四半期に注記した会計方針の変更(不動産取得税を販売用・仕掛販売用不動産の取得原価に含める方法)は、中間期決算短信では「無」とされ注記もなく、中間期での扱いを短信だけでは確かめられない。中間期決算短信は公認会計士・監査法人のレビュー対象外 |
→ 業績の質: 中程度(特別損益に頼らない大幅増益で計画どおりだが、増益率は金融費用と税負担で営業→経常→純利益と段階的に目減りしている)
7-2. 財務・CFサマリー
| 指標 | 前期末(2026/3)・前年同中間期 | 当中間期末(2026/9) |
|---|---|---|
| 営業CF(百万円) | △10,725 | △8,227 |
| 投資CF(百万円) | △680 | △2,073 |
| 財務CF(百万円) | 13,536 | 17,483 |
| 現金及び預金(BS・百万円) | 17,400 | 24,020 |
| 短期有価証券(BS流動・百万円) | 0 | 0 |
| 現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) | 16,338 | 23,519 |
| 販売用不動産(百万円) | 111,523 | 106,358 |
| 仕掛販売用不動産(百万円) | 116,611 | 134,620 |
| 有利子負債(百万円) | 170,796 | 190,391(+11.5%) |
| 自己資本比率(%) | 30.4 | 30.0(△0.4pt) |
(注)CFの3行は4〜9月の6か月累計(左列は前年同期)、その他の行は各期末時点(左列は前期末=2026年3月末、右列は中間期末=2026年9月末)。中間連結貸借対照表の流動資産に有価証券の科目はなく、短期有価証券は0とした。CFの各行と現金及び現金同等物は決算短信本文と同じく百万円未満を切り捨てた。
- 有利子負債: 190,391百万円(短期借入金2,657百万円+1年内返済予定の長期借入金30,260百万円+長期借入金154,558百万円+社債1,850百万円[うち1年内償還600百万円]+リース債務1,066百万円・各科目は百万円未満を四捨五入)。前期末から19,595百万円増え、長期借入金(1年内返済分を含む)の増加19,194百万円が主因。社債の残高は1,400→1,850百万円で、償還50百万円を差し引くと新規発行は額面500百万円相当(発行による収入は486百万円)
- ネットキャッシュ: 現金及び預金24,020百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債190,391百万円 = △166,371百万円。時価総額比(期末発行済株式総数15,465,600株・自己株式を含む)で、用地取得から引渡まで借入を前提に回す業態の姿がそのまま出ている
- 現金の動き: 営業CFは税金等調整前中間純利益12,798百万円が入った一方、棚卸資産の増加12,844百万円・仕入債務の減少3,609百万円・法人税等の支払3,271百万円・利息の支払1,936百万円(現金での支払額で、損益計算書の支払利息とは一致しない)で△8,227百万円。投資CFは有形固定資産の取得2,277百万円が中心。財務CFは長期借入れ64,516百万円が返済45,321百万円と配当金の支払2,081百万円を上回った
- 営業CF安定性の評価対象5期: 2022年3月期△9,371→2023年3月期△12,860→2024年3月期△32,213→2025年3月期△35,440→2026年3月期△39,531百万円。5期連続マイナスで、棚卸資産の積み増しに伴う先行支出が続いている。中間期の営業CFは採点に使わない
- 自己株式・発行済株式数: 期末発行済株式総数(自己株式を含む)は15,465,600株、期末自己株式数は36,274株で、いずれも前期末から変わらない
- 純資産の増減内訳: 純資産は81,549→87,530百万円(+5,981百万円)。中間純利益7,996百万円から期末配当2,082百万円を支払った利益剰余金の+5,913百万円と、その他有価証券評価差額金の+67百万円による
7-3. 通期業績予想(2027年3月期・2026年5月14日公表値から据え置き)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 130,000百万円 | +11.2% |
| 営業利益 | 20,500百万円 | +10.8% |
| 経常利益 | 17,600百万円 | +7.3% |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 11,500百万円 | +2.9% |
| EPS | 745.33円 | +2.9% |
| 営業利益率(通期予想) | 15.8%(20,500百万円÷130,000百万円・本ブログ算出) | ±0.0pt(前期実績15.8%) |
| ROE(通期予想) | 13.6%(11,500百万円÷平均自己資本84,539.5百万円・本ブログ算出) | △0.8pt(前期実績14.4%) |
| 1株当たり年間配当 | 240円 | ±0円(予想配当性向32.2%) |
- 据え置き: 中間期決算短信で業績予想の修正はない。会社は説明資料で、通期の経常利益176億円に向けて順調に推移しており、来期以降の利益計画も順調に進捗していると説明している
- 下期に必要な額(本ブログ算出・通期予想−中間期実績): 売上高47,082百万円(前年下期比△20.5%)、営業利益6,111百万円(同△24.4%)、経常利益4,737百万円(同△29.6%)、純利益3,504百万円(同△29.7%)。上期に寄せた計画のため、下期は前年下期を下回る水準でも通期予想に届く
- 前期の指標: 営業利益率の前期実績15.8%(売上高営業利益率)とROEの前期実績14.4%(自己資本当期純利益率)は2026年3月期 決算短信の記載値。当期のROEの分母は前期末自己資本81,549百万円と中間期末自己資本87,530百万円の平均
- 配当予想: 年間240円(中間120円+期末120円)で修正なし。予想配当性向は32.2%
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 中間期の売上高・売上原価・売上総利益・販管費・営業利益・営業外損益・経常利益・特別損失・法人税等・中間純利益・EPS・セグメント別の売上と利益・中間配当120円と期末配当予想・通期業績予想・会計方針の変更の記載(表紙の注記事項) | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-10-30開示) | 🟢 一次情報 |
| 現金及び預金・販売用不動産・仕掛販売用不動産・借入金・社債・リース債務・自己資本・発行済株式数・自己株式数・営業CF/投資CF/財務CF・現金及び現金同等物 中間期末残高 | 同上「中間連結貸借対照表」「中間連結キャッシュ・フロー計算書」「(4)発行済株式数(普通株式)」「中間連結財務諸表に関する注記事項」 | 🟢 一次情報 |
| 中間期予想(2026年5月14日公表)・計画どおりとの説明・事業モデル転換で借入金が増えたとの説明・来期以降の利益計画・販売先区分別の売上割合(グループ単純合算) | 2027年3月期 中間期決算説明資料(2026-10-30開示) | 🟢 一次情報 |
| 第1四半期の売上高・営業利益・支払利息・有利子負債・仕掛販売用不動産・会計方針の変更の注記・前回の確認点 | 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026-07-31開示) | 🟢 一次情報 |
| 2026年7〜10月の適時開示の一覧(第1四半期決算短信の訂正の有無) | エスリード株式会社 IR情報「IRインフォメーション」(2026-10-31確認) | 🟢 一次情報 |
| 前期実績の年間配当240円・配当性向33.1%・純資産配当率4.8%・配当金総額3,703百万円・EPS724.06円・自己資本当期純利益率14.4%・売上高営業利益率15.8%・通期の業績・利益配分に関する基本方針 | 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-05-14開示) | 🟢 一次情報 |
| 配当政策の文言・記念配当/特別配当の有無・期末発行済株式数の推移 | 第34期 有価証券報告書(2026年6月提出)「3.配当政策」「1.主要な経営指標等の推移」 | 🟢 一次情報 |
| 過去配当履歴・EPS推移(2016〜2025年3月期)・通期の営業CF(2022〜2026年3月期)・分割調整係数 | EDINET DB(有価証券報告書由来) | 🟢 一次情報 |
| 7〜9月の3か月の値・営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想)・配当性向(当期予想)・DOE(参考の算出値)・ネットキャッシュ・時価総額比・進捗率・下期に必要な額・支払利息の比率 | 本ブログ算出(会社予想値・決算短信の実績値・自己資本および株式数より計算。ROE分母は期首自己資本(前期末)と中間期末自己資本の平均) | 🟡 補助データ |
| 株価・配当利回り | 筆者が確認した終値を採点にのみ使用(数値は非掲載) | 🟡 補助データ |
⚠️ 不動産業の構造特性に関する補足: 本スコアの財務カテゴリのうち、自己資本比率は不動産業の業種補正(25%以上で7点)を適用していますが、ネットキャッシュは不動産業が補正対象業種に含まれないため本則どおり0点で評価しています。用地取得から引渡まで借入を前提とする業態では構造的に厳しく出る項目で、棚卸資産として積み上がった販売用・仕掛販売用不動産の将来の売却代金は反映されません。財務7/25という数値はこの前提の上で読む必要があります。
【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。