【三和ホールディングス(5929)】配当B(83点)・累進配当方針 — 2027年3月期Q1

保有中(筆者が当該銘柄を保有)📁 金属製品

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結論: 営業4割減も還元方針は不変で年146円へ増配計画

📊 スコア: B 83点
💰 配当: 130→146円(+16円、70周年記念配当14円含む、普通配当ベース+2円)
良い点: 累進配当方針、DOE10%目標、自己資本比率64.0%、6期目の増配計画
⚠️ 注意点: 営業利益△40.8%、販管費+7.6%、記念配当は一過性


1. 業績ハイライト

  • 売上高1,404億円(△0.3%)でほぼ横ばい
  • 営業利益58.78億円(△40.8%)と大幅減益
  • 経常66.51億円(△36.1%)・純利益48.42億円(△32.9%)
  • 売上総利益△3.1%・販管費+7.6%が営業を圧迫
  • 通期予想は据え置き・営業利益の進捗率7.3%

サマリー

  • 減益の主因は営業段階: 売上高は△0.3%とほぼ横ばいだが、売上総利益が△3.1%、販売費及び一般管理費が+7.6%で、営業利益は△40.8%まで落ち込んだ
  • 下の段階ほど下げ幅が縮む: 受取利息・受取配当金の増加で営業外収益が1,237→1,518百万円へ改善し、固定資産売却益428百万円と特別損失の縮小が加わって、純利益は△32.9%にとどまった
  • 通期予想は据え置き: 会社は2026年5月14日公表の通期予想(営業利益+2.4%)を変更していない。営業利益の進捗率7.3%が標準25%を下回る点は、季節性の範囲かどうかが次四半期の確認点

2. 配当判断サマリー

  • 2027年3月期予想は年間146円(+16円)。うち70周年記念配当14円で、普通配当ベースでも132円(+2円)と増配
  • 「年間配当146.0円を下限の目安」と明記し、DOEも算定基準を株主資本ベースへ改めて水準を8%から10%へ引き上げると表明済み
  • 期末発行済株式総数が221,000千株から219,000千株へ△2,000千株(自己株式の消却)となり、配当と併せた株主還元が続く
  • 同じ金属製品で累進配当方針を掲げる立川ブラインド工業(7989)と同様、方針の下方硬直性が配当の下支えになる型

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(83/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 44 性向7・DOE10・利回り7・方針10・耐性10
財務 25 17 自己資本10・ネットキャッシュ4・営業CF安定性3
収益 25 22 営業利益率12・ROE10
合計 100 83

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • DOE 10/10: 2026年3月期実績8.2%で5%以上ラインを大きく上回る。当期は株主資本ベース10%へ水準を引き上げる方針
  • 配当方針 10/10: 「年間配当146.0円を下限の目安」と数値で床を明示。事実上の累進配当宣言と読める内容で満点
  • 増配・減配耐性 10/10: 5期連続増配+直近5年で減配なし+当期も増配予想の帯に該当。記念配当を除く普通配当ベースでも増配が続く
  • 自己資本比率 10/10: 64.0%で60%以上ライン。金属製品は自己資本比率の業種補正対象外だが本則で満点
  • ROE 10/10: 通期予想17.5%(純利益60,000百万円 ÷ 平均自己資本343,573百万円)で15%以上ライン
  • 営業利益率 12/15: 通期予想11.96%(営業利益81,000百万円 ÷ 売上高677,000百万円)で10〜15%帯。四半期単独の4.2%ではなく通期の会社予想を採点根拠とする
  • 配当性向 7/10: 50.7%でメーカー中央値35%対比+15.7pt・「中央値+10〜20pt」帯。記念配当14円を除いた普通配当132円ベースでも45.8%(+10.8pt)で同じ帯
  • 配当利回り 7/10: 3.77%で3.5〜4.5%帯。分子は記念配当を除いた当期予想の普通配当132円

3-2. 主な減点(低得点項目)

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期83点 → 今期83点(±0点)。カテゴリ別でも配当44・財務17・収益22で前期と同じ内訳
  • 変動の内訳: 10項目すべてが前期と同じ配点帯にとどまった。収益2項目は通期の会社予想ベース(営業利益率11.96%・ROE17.5%)で採点しており、四半期単独の落ち込み(営業利益率4.2%)は帯を動かしていない。配当利回りも分子を当期予想の普通配当132円へ切り替えたが3.77%で3.5〜4.5%帯を維持
  • 配当本体は満点維持: DOE10点・配当方針10点・増配減配耐性10点の3本柱が不変で、配当カテゴリは44/50のまま
  • 現在の位置づけ: 83点はB(70〜84点)の上位。満点に届いていないのはネットキャッシュ4/10・営業利益率12/15・配当性向7/10・配当利回り7/10の4項目で、四半期業績の振れではなくストック面と水準面の構造がスコアの上限を決めている

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

4-1. ✅ 事業の強み

  • 保守・修理を取り込む米州の買収: 米州で自動ドアの販売・施工・修理を担うYour Automatic Door Companyを買収し当四半期から連結。新設需要に依存しない保守収益を積む布石で、配当原資の振れを抑える。
  • 既設物件を囲い込むIoTサービス: 開口部設備を遠隔から監視・操作するIoT管理サービス「RemoSmaPro」を全国展開し、防水シャッターの設計範囲も拡大した。設置済み物件の更新・保守需要を自社に引き寄せる仕掛けで、国内収益の継続性を高める。

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 北米の政策・住宅市場への集中: 北米は売上527.13億円と報告セグメント合計の4割弱を占め、関税対応の売価転嫁を進めても住宅市場の低迷を吸収できずセグメント利益は△41.5%。単一市場の政策と住宅需要が配当原資の振れ幅を左右する。
  • 欧州は改革費用が先行する局面: 欧州は円ベース増収でも外貨ベースは△4.9%で、セグメント損失5.07億円と前年同期から9.20億円悪化した。低調な市場とコスト上昇に構造改革の着手が重なり、黒字化までは連結利益の重しが残る。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年8月時点)


5. 筆者メモ

営業利益が4割減っても年146円の予想が動いていませんでした。私が保有しているのはこの床の固さ。次は記念配当14円が抜けたあと、普通配当132円がそのまま残るのか、146円の下限に合わせて引き上がるのかを見たい。


6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2026年3月期(前期)実績 年間130円(中間62+期末68)
2027年3月期(当期)予想 年間146円(中間73+期末73)・+16円増配・うち70周年記念配当14円(普通配当132円)
配当性向(連結・当期予想) 50.7%(146円 ÷ 通期予想EPS288.08円・決算短信記載値)
DOE(連結・純資産配当率) 8.2%(2026年3月期実績・決算短信記載値)・当期は算定基準を株主資本ベースへ変更し水準を10%へ引き上げ
配当利回り 3.77%(予想DPS132円 ÷ 株価¥3,498・2026-08-04終値・J-Quants API)。記念配当14円を除く普通配当ベースで算出
配当方針 2026年3月期決算短信で、DOEの算定基準を自己資本ベースから株主資本ベースへ変更し水準を8%から10%へ引き上げると明示。あわせて「年間配当146.0円を下限の目安」として更なる株主還元の充実を検討するとしており、事実上の累進配当宣言と読める
連続増配年数 5期連続増配(2022年3月期〜2026年3月期)+ 当期予想146円(普通配当ベース132円)の達成で 6期目

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2016/3期 23 63.07 36.5%
2017/3期 25 74.61 33.5%
2018/3期 30 80.97 37.1%
2019/3期 32 92.95 34.4%
2020/3期 34 97.14 35.0%
2021/3期 34 96.21 35.3%
2022/3期 36 103.40 34.8%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/3期 58 149.71 38.7%
2024/3期 78 196.03 39.8%
2025/3期 106 264.61 40.1%
2026/3期 130 281.61 46.2%
2027/3期(予想) 146(普通132+記念14) 288.08 50.7%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用、直近期は決算短信記載と一致確認済
  • 連続増配の起点: 2020/3期・2021/3期は34円で据え置き、2022/3期の36円から増配が再開している(連続増配5期の起点)
  • 記念配当の扱い: 2027/3期予想146円のうち14円は創立70周年記念配当で、本ブログのルール上「記念配当は実質配当ベースから除外」のため普通配当ベースは132円(+2円)
  • 配当政策の傾向: 2022/3期までは配当性向35%前後で推移し、2023/3期以降はDOE目標の引き上げと連動して性向が38%→46%→50%予想へ切り上がる「水準切り上げ」型

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 5期連続増配(2022/3期→2026/3期)でDPSは36円→130円。当期予想146円は記念配当を含むが、普通配当ベースの132円でも増配が続く
  • 方針シグナル: DOEの算定基準を自己資本ベースから株主資本ベースへ改めて水準を8%→10%へ引き上げ、「年間配当146.0円を下限の目安」と明記。還元の床が数値で示されている
  • 耐性実績: コロナ期(2020/3期・2021/3期)も34円を維持し、EDINET DB で確認できる過去10年(2016/3期〜2025/3期)に減配履歴なし

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー

指標 当第1四半期 前第1四半期 前年同期比
売上高 140,400百万円 140,775百万円 △0.3%
売上総利益 43,370百万円 44,759百万円 △3.1%
販売費及び一般管理費 37,491百万円 34,834百万円 +7.6%
営業利益 5,878百万円 9,924百万円 △40.8%
経常利益 6,651百万円 10,409百万円 △36.1%
親会社株主帰属四半期純利益 4,842百万円 7,218百万円 △32.9%
EPS 23.10円 33.75円 △31.6%
営業利益率(四半期実績) 4.2% 7.0% △2.9pt

※ 四半期単独の営業利益率・ROEは季節性と一過性で振れるため、収益カテゴリの採点根拠には通期の会社予想(営業利益率11.96%・ROE17.5%)を用いる(§7-3)。四半期決算短信にROEの記載はない。

通期予想に対する進捗率(2027年3月期)

指標 第1四半期累計 通期予想 進捗率 標準(Q1=25%)
売上高 140,400百万円 677,000百万円 20.7% 25%
営業利益 5,878百万円 81,000百万円 7.3% 25%
経常利益 6,651百万円 82,500百万円 8.1% 25%
親会社株主帰属純利益 4,842百万円 60,000百万円 8.1% 25%

セグメント別(対前年同期比)

セグメント 売上 前期比 セグメント利益 前期比
日本 55,417百万円 +1.3% 1,914百万円 +34.9%
北米 52,713百万円 △5.5% 4,687百万円 △41.5%
欧州 30,266百万円 +9.5% △507百万円 △920百万円
アジア 2,126百万円 △20.8% △160百万円 △108百万円

売上はセグメント間取引を含む金額。北米の△5.5%は外貨ベースでは△8.7%、欧州の+9.5%は外貨ベースでは△4.9%で、円換算が数字を押し上げている。増益は日本のみで、欧州とアジアはセグメント損失。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 特別利益の固定資産売却益が15→428百万円へ拡大し、特別損失は334→53百万円へ縮小。営業段階より下で下げ幅が縮む一因
営業外損益 🟢 受取利息734→953百万円・受取配当金289→413百万円で営業外収益が1,237→1,518百万円へ改善。為替差損は17百万円と小幅
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟡 見積実効税率が27.7%→29.8%へ上昇し税負担は重くなった一方、子会社事業再構築費用が319→44百万円へ縮小
開示の誠実性 🟢 連結範囲の変更(新規1社・除外2社)を社名まで開示し、セグメントは外貨ベース増減率を併記。レビュー報告書を添付した短信を2026年8月10日に開示予定と告知

業績の質: 本業の実力は営業利益△40.8%が示す水準・純利益の下げ幅が△32.9%にとどまるのは営業外収益と特別損益の改善によるもの

7-2. 財務・CFサマリー

指標 2026年3月期(通期) 2027年3月期第1四半期
営業CF(百万円) 61,396 —(四半期連結CF計算書は未作成)
投資CF(百万円) △17,917
財務CF(百万円) △52,702
現金及び預金(百万円)〔各期末時点〕 115,589 109,323
自己資本比率(%)〔各期末時点〕 63.6 64.0
  • 有利子負債: 1年内償還予定の社債10,000+短期借入金11,157+1年内返済予定の長期借入金6,037+社債10,000+長期借入金5,713=計42,907百万円。四半期連結貸借対照表ではリース債務が「その他」に含まれ内訳が開示されないため、社債・借入金ベースで算定
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金109,323百万円+有価証券7,289百万円−有利子負債42,907百万円=+73,705百万円。時価総額7,660.6億円(株価¥3,498×期末発行済株式総数219,000,000株(自己株式を含む))対比9.6%でプラス・10%未満帯の4点。前期末に開示されていたリース債務124.94億円を加えて算定しても8.0%で同じ帯にとどまる
  • 減価償却費: 3,492→3,799百万円、のれん償却額は189→225百万円で、いずれも前年同期から増加

7-3. 通期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上高 677,000百万円 +2.5%
営業利益 81,000百万円 +2.4%
経常利益 82,500百万円 +2.3%
親会社株主帰属当期純利益 60,000百万円 +0.4%
EPS 288.08円 +2.3%
営業利益率(通期予想) 11.96%(81,000百万円÷677,000百万円・本ブログ算出) △0.02pt
ROE(通期予想) 17.5%(60,000百万円÷平均自己資本343,573百万円・本ブログ算出) △0.3pt

ROEの分母は期首自己資本348,490百万円と当第1四半期末自己資本338,657百万円の平均。上期(2Q累計)予想は売上+1.4%・営業利益△10.4%・純利益△13.4%で、下期偏重の計画。2026年5月14日公表の予想から修正はない。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
四半期売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・売上総利益・販管費 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026年7月31日開示) 🟢 一次情報
通期業績予想・第2四半期累計予想 2027年3月期 第1四半期決算短信「3.2027年3月期の連結業績予想」(2026年5月14日公表分を据え置き) 🟢 一次情報
営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と直近開示時点自己資本の平均) 🟡 補助データ
当期配当予想・配当の内訳(普通132円+記念14円) 2027年3月期 第1四半期決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
配当方針・DOE目標・前期実績の配当性向/純資産配当率 2026年3月期 決算短信「1.(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」「2.配当の状況」(2026年5月14日開示) 🟢 一次情報
自己資本比率・現金及び預金・有価証券・有利子負債・発行済株式数 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」「注記事項(4)発行済株式数」 🟢 一次情報
セグメント別売上・セグメント利益 2027年3月期 第1四半期決算短信「1.(1)当四半期の経営成績の概況」「セグメント情報等の注記」 🟢 一次情報
営業CF・投資CF・財務CF(通期実績) 2026年3月期 決算短信「連結キャッシュ・フロー計算書」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥3,498(2026-08-04終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。