【イー・ギャランティ(8771)】配当A(86点)・累進配当方針 — 2027年3月期Q1

観察中(筆者は当該銘柄を未保有)📁 その他金融業

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結論: 配当2.1倍、性向100%化で採点は反落

📊 スコア: A 86点
💰 配当: 40→84円(+44円)、2027年3月期予想(中間42+期末42)
良い点: 累進配当継続、利回り4.52%、実質無借金、高収益
⚠️ 注意点: 配当性向100.2%、増収率の鈍化、内部留保の縮小


1. 業績ハイライト

  • 売上高 2,800百万円(+2.1%)で増収を維持
  • 営業利益 1,334百万円(+5.6%)・営業利益率47.6%
  • 経常利益 1,412百万円(+9.1%)・純利益 953百万円(+10.2%)
  • 四半期EPS 21.45円(+18.6%)・自己資本比率70.1%(+1.3pt)
  • 保証残高 2兆7,746億円(+31.8%)・通期予想は据え置き

サマリー

  • 費用抑制による増益: 売上高は+2.1%と伸びが鈍化したが、販売費及び一般管理費を△3.7%に抑えたことで営業利益は+5.6%。今回の増益は売上ではなく費用側が主因になっている。
  • 進捗率の内訳: 経常利益の通期予想に対する進捗率は25.2%、純利益は25.1%(決算短信記載)。一方で売上高の進捗率は23.5%と4分の1に届かず、通期+7.9%の増収計画は下期の伸びを前提にしている。
  • 配当は2.1倍へ: 2026年5月に株主還元方針を変更し、配当性向の目安を50%以上から100%へ引き上げたうえで中間配当を新設。2027年3月期の年間配当予想は40→84円(+44円)となった。

2. 配当判断サマリー

  • 2027年3月期の配当予想は84円(中間42+期末42)で、前期40円から+44円。中間配当は今期が初回で、年2回化により還元機会が増える
  • 増配は還元方針の変更によるもので、累進配当(増配もしくは配当の維持)は継続したまま配当性向の目安を50%以上から100%へ引き上げた(2026年5月15日開示・2027年3月期より適用)
  • 予想EPS83.82円に対する配当性向は100.2%へ上昇し、採点上は配当性向が0/10へ低下。一方で予想DPS84円ベースの利回りは4.52%と高水準
  • 同じその他金融業では全国保証(7164)が累進配当型、イントラスト(7191)が家賃保証で事業構造が近い

3. スコア内訳

配当持続性ランク: A(86/100点) ★★★★★

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 40 性向0・DOE10・利回り10・方針10・耐性10
財務 25 21 自己資本10・ネットキャッシュ7・営業CF安定性4
収益 25 25 営業利益率15・ROE10
合計 100 86

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 営業利益率 15/15: 通期予想46.2%(営業利益5,500百万円÷売上高11,900百万円)を採点根拠とし、15%以上帯で満点
  • 配当方針 10/10: 「増配もしくは配当の維持を行う累進配当を継続」を明示したまま、配当性向の目安を100%へ引き上げ
  • 配当利回り 10/10: 4.52%(予想DPS84円 ÷ 株価¥1,860)で4.5%以上の最上位帯
  • DOE 10/10: 純資産配当率8.3%(2026年3月期実績)で5%以上帯
  • 増配減配耐性 10/10: 13期連続増配・直近5年で減配なし・当期も増配予想
  • 自己資本比率 10/10: 70.1%で60%以上帯。その他金融業の業種補正(20%以上で10点)を使うまでもなく本則で満点
  • ROE 10/10: 通期予想約19.1%(予想純利益3,800百万円÷平均自己資本19,848百万円)で15%以上帯
  • 営業CF安定性 4/5: 直近5年(2022〜2026年3月期)は5期連続黒字。変動幅の大きい1期を除けば残る4期は±20%以内
  • ネットキャッシュ 7/10: 実質無借金で、現金及び預金と有価証券の合計は時価総額比15.5%(プラス・10〜30%帯)

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 配当性向 0/10: 100.2%(予想DPS84円÷予想EPS83.82円・決算短信記載値)。その他金融業の中央値50%に対し乖離+50.2ptで+30pt超帯。方針どおりの還元強化であっても、配当原資の余裕度を見る項目のため採点は大きく下がる

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期(2026年3月期通期)95点A → 今期86点A(△9点)
  • 変動の内訳: 動いたのは配当性向9→0の1項目のみ。採点根拠が2026年3月期実績51.4%から2027年3月期予想100.2%へ移り、その他金融業中央値50%との乖離が+1.4ptから+50.2ptへ拡大した。残る9項目は前期カルテと同点
  • 満点項目維持: 配当方針10/10・配当利回り10/10・DOE10/10・増配減配耐性10/10・自己資本比率10/10・営業利益率15/15・ROE10/10の7項目が満点。配当カテゴリは性向を除く4項目、収益カテゴリは2項目とも満点のまま
  • 現在の位置づけ: 86点はA(85〜100点)の下限に1点差で接する位置。減点が配当性向1項目に集中しているのは還元強化の裏返しで、利益に対する配当の重さという観点では点が下がる構造にある。前期カルテの§3-3で触れていた「配当性向が機械的に大きく下がる」局面が今回そのまま表面化した

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

※本章はスコア(§3)に入っていない事業上の強み・構造リスクを扱います。

4-1. ✅ 事業の強み

  • 保証残高とリスク量の伸びの差: 当第1四半期末の保証残高は2兆7,746億円(前年同期比+31.8%)へ伸びた一方、自社が負う保証債務は9,317億円(+9.9%)にとどまる。取扱量をそのままリスク量に載せない構造は、信用サイクルが振れても配当原資の振れを抑える
  • 保証料を先に受け取る資金構造: 当第1四半期末の前受金は4,854百万円で、流動負債6,328百万円の約8割を占める。売上計上に先立って現金が入る形のため、外部調達に頼らずに配当と自己株式取得を並走させる原資が手元に残る

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 量の伸びが売上に届くまでの距離: 保証残高が前年同期比+31.8%伸びたのに対し、売上高は2,800百万円(+2.1%)にとどまった。残高の増加が保証料率の低い案件に偏るほど、量の拡大が収益に反映されるまでの時間差が広がる
  • 同じ環境変化が売上と原価の両方に効く: 会社は当第1四半期の企業倒産件数を前年同期比+6.6%の2,698件とし、増加基調が続く見通しとしている。倒産増は保証需要を押し上げると同時に保証履行の支払いも増やすため、需要側の追い風が原価側の重しにもなる

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)


5. 筆者メモ

配当性向100%は利益をほぼ全部配る形になる。減配しない方針は残っているので、利益が伸びない年に配当を維持できるかを、自己資本の減り方から見ていきたい。

次回(2027年3月期 中間期)見るポイント:

  • 新設した中間配当42円が予定どおり実施されるか
  • 売上高の進捗率が通期+7.9%計画の線に戻るか
  • 保証残高の伸びに対して売上と保証履行がどう動くか

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年3月期実績 37円(期末一括)
2026年3月期実績 40円(期末一括・+3円)
2027年3月期予想 84円(中間42+期末42・+44円)
配当性向(連結・表面) 100.2%(予想DPS84円 ÷ 予想EPS83.82円・決算短信記載値)
DOE(連結・純資産配当率) 8.3%(2026年3月期実績・通期決算短信「配当の状況」記載値。2027年3月期予想は短信に記載なし)
配当利回り 4.52%(予想DPS84円 ÷ 株価¥1,860・2026-08-07終値・J-Quants API)
配当方針 配当性向100%を目安としたうえで、増配もしくは配当の維持を行う累進配当を継続。あわせて2026年3月期から2028年3月期末までに累計100億円の自己株式取得を目指す(2026年5月15日「株主還元方針の変更及び中間配当の実施に関するお知らせ」・2027年3月期より適用)
連続増配年数 13期連続増配(2014年3月期〜2026年3月期)+ 2027年3月期予想で 14期目 継続見込み

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2015/3期 7 22.05 31.7%
2016/3期 8.5 26.94 31.5%
2017/3期 10 32.27 31.0%
2018/3期 11.25 34.89 32.2%
2019/3期 13 39.11 33.2%
2020/3期 14 54.14 25.9%
2021/3期 22 45.12 48.8%
2022/3期 26 52.92 49.1%
年度 DPS(円) EPS(円) 配当性向
2023/3期 34 60.68 56.0%
2024/3期 35 68.60 51.0%
2025/3期 37 73.10 50.6%
2026/3期(実績) 40 77.89 51.4%
2027/3期(予想) 84 83.82 100.2%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用、直近期は決算短信記載と一致確認済。2018年3月期以前は2回の株式分割(累計1対4)を遡及調整した分割後換算で表示しているため、DPSが小数になっている
  • 連続増配の起点: 連続増配は2014年3月期が起点(前期の2013年3月期比で増配)で、2026年3月期まで13期連続。本表は分割の遡及基準を確認できた2015年3月期以降を掲載しているため、起点の年度は表に含まれない
  • 配当政策の傾向: 2026年3月期までは配当性向50%前後を保ちながら利益成長に沿って増やす形。記念配当特別配当の設定はなく全額が普通配当。2027年3月期は還元方針の変更により40→84円(+44円)へ2.1倍となり、配当性向は目安の100%に到達する予定

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 2014年3月期から13期連続で増配。2026年3月期までは配当性向50%前後を保ちながら利益成長に沿って積み増す形だったが、2027年3月期は性向100%目安への切り替えで、増配率(+110.0%)が予想純利益の伸び(+5.9%)を大きく上回る一段の切り上げとなった
  • 方針シグナル: 累進配当(増配もしくは配当の維持)を継続したまま配当性向の目安を50%以上→100%へ引き上げ、中間配当を新設。自己株式取得も2026年3月期から2028年3月期末までに累計100億円を目指すとしており、方針と実行の両面で還元強化を明示している
  • 耐性実績: 直近5年で減配なし。2020年3月期・2021年3月期のコロナ期も増配を継続しており、売掛債権の信用リスク保証というディフェンシブ寄りの収益構造が耐性を支えている

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー(第1四半期累計)

指標 当第1四半期 前年同期 前期比
売上高 2,800百万円 2,741百万円 +2.1%
売上総利益 2,074百万円 2,031百万円 +2.1%
営業利益 1,334百万円 1,262百万円 +5.6%
経常利益 1,412百万円 1,294百万円 +9.1%
四半期純利益 953百万円 865百万円 +10.2%
EPS 21.45円 18.09円 +18.6%

事業KPI(当第1四半期末)

KPI 当第1四半期末 前年同期比
保証残高 2兆7,746億円 +31.8%
保証債務 9,317億円 +9.9%

※四半期累計の営業利益率47.6%(前年同期46.1%)は参考値で、採点根拠は§3のとおり通期予想ベース。報告セグメントは信用保証事業の単一セグメントのため、セグメント別の内訳は開示されていない(決算短信「セグメント情報等の注記」)

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟢 特別損失は固定資産除却損と株式報酬費用消滅損の計10百万円のみ。営業利益+5.6%は売上総利益+2.1%と販管費△3.7%の組み合わせによる実力ベース
営業外損益 🟡 経常利益+9.1%が営業利益+5.6%を上回る差は営業外由来。受取利息が34百万円→43百万円へ増え、前年同期の持分法投資損失5百万円が当期は持分法投資利益27百万円へ転じた
純利益押し下げ/押し上げ要因 🟢 EPS+18.6%が純利益+10.2%を上回るのは、前期に実施した自己株式取得で期中平均株式数が47,815千株→44,439千株(△7.1%)へ減ったため
開示の誠実性 🟢 連結範囲からの1社除外、自己株式の処分、税金費用の見積実効税率適用をいずれも注記で明示。監査法人の期中レビュー(任意)も受けている

業績の質: 良好(一過性の嵩上げなし・増益の内訳も費用側と営業外に分けて追える)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 前期末(2026/3) 当第1四半期末(2026/6)
現金及び預金(百万円) 12,713 11,104(△1,608)
有価証券(流動・百万円) 2,000
有利子負債(百万円) 0 0
自己資本比率(%) 68.8 70.1(+1.3pt)
  • 営業CF: 四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成していない(決算短信注記)。通期の営業CFは直近5年(2022〜2026年3月期)で2,662百万円・3,238百万円・3,132百万円・4,101百万円・4,013百万円と5期連続の黒字
  • 有利子負債: 借入金・社債・リース債務の計上はなく、固定負債は長期未払金111百万円のみ。実質無借金
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金11,104百万円 + 有価証券2,000百万円 − 有利子負債0 = +13,104百万円。時価総額約843.24億円(株価¥1,860×期末発行済株式数45,335,467株・自己株式を含む)に対し約15.5%(プラス・時価総額比10〜30%帯)
  • 自己資本の減少: 自己資本は20,223百万円→19,474百万円(△748百万円)。2026年3月期の期末配当40円(総額1,776百万円)の支払いが四半期純利益953百万円を上回ったことが主因で、総資産の減少幅(△5.5%)がこれを上回ったため自己資本比率は+1.3pt上昇した。当第1四半期の自己株式は新株予約権の権利行使に伴う処分で918,800株→846,800株へ減少しており、取得・消却はない

7-3. 通期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上高 11,900百万円 +7.9%
営業利益 5,500百万円 +5.7%
経常利益 5,600百万円 +5.6%
親会社株主帰属当期純利益 3,800百万円 +5.9%
EPS 83.82円 +7.6%
営業利益率(通期予想) 46.2%(5,500百万円÷11,900百万円・本ブログ算出) 前期通期実績47.2%から△1.0pt
ROE(通期予想) 約19.1%(予想純利益3,800百万円÷平均自己資本19,848百万円=期首20,223百万円と第1四半期末19,474百万円の平均・本ブログ算出) 前期実績16.2%から+2.9pt

参考: 第2四半期(累計)予想は売上高5,700百万円(+3.9%)・営業利益2,600百万円(+3.5%)・純利益1,800百万円(+3.4%)・EPS39.70円。第1四半期の進捗率は売上高23.5%・営業利益24.3%・経常利益25.2%・純利益25.1%(経常利益と純利益は決算短信記載値)で、通期予想は2026年5月15日公表値から変更なし

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
第1四半期の売上高・売上総利益・営業利益・経常利益・純利益・EPS・保証残高・保証債務 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026年8月7日開示) 🟢 一次情報
通期業績予想・第2四半期累計予想 2027年3月期 第1四半期決算短信「3.2027年3月期の連結業績予想」 🟢 一次情報
営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と直近開示時点自己資本の平均) 🟡 補助データ
配当実績・当期配当予想・配当性向・DOE・株主還元方針 2027年3月期 第1四半期決算短信「2.配当の状況」+ 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」+「株主還元方針の変更及び中間配当の実施に関するお知らせ」(2026年5月15日開示) 🟢 一次情報
自己資本比率・現金及び預金・有価証券・有利子負債・自己株式・発行済株式数 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」「注記事項」 🟢 一次情報
通期営業CF(2022〜2026年3月期)・過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥1,860(2026-08-07終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

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本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。