結論: 浜岡の減損で通期は最終赤字予想、配当70円は維持
📊 スコア: D 43点
💰 配当: 70→70円予想(±0円)、中間35円を決定・期末35円予想は修正なし
✅ 良い点: 持分法による投資利益が+93.5%、期ずれを除いた経常損益は950億円程度の黒字、JERAの通期見通しを1,250億→2,300億円へ
⚠️ 注意点: 特別損失3,705億円(うち浜岡関連3,703億円)で中間純損失、通期予想EPS△284.51円、自己資本比率41.0%→38.5%、営業損益△780億円
1. 業績ハイライト
- 売上高1兆9,452.06億円(+11.3%)で増収
- 営業損益は△780.54億円で赤字転落
- 経常利益410.47億円(△79.1%)
- 中間純損失△2,804.59億円(特別損失を計上)
- 通期の純利益予想を1,600億→△2,150億円へ修正
サマリー
- 浜岡の資産を全額減損: 3・4号機の申請取り下げを受け、原子力発電事業の固定資産の全額3,049.79億円の減損と核燃料評価損653.39億円、計3,703億円を浜岡関連の特別損失に計上した。
- 期ずれと調達費用で営業赤字: 燃料費が料金に届くまでの期ずれが差益330億円から差損540億円に転じ、ミライズの電源調達費用も増えた。期ずれを除いた経常損益も約4割の減少。
- 通期は最終赤字の予想へ: 7月29日公表の純利益1,600億円を△2,150億円に引き下げた。下期の減損見込み100億円程度を含め、特別損失は通期で3,800億円程度になる見通し。
2. 配当判断サマリー
- 中間配当35円を決定し(前年同期35円・支払開始予定日2026年11月30日)、期末35円の予想と合わせた年70円は7月29日公表の予想から変えていない(±0円)。3期連続増配で届いた水準の据え置き
- 通期予想EPSは△284.51円の赤字で、年70円の配当は当期の利益で賄えない計算になる。前期は配当性向23.2%(期ずれ補正後23.9%)
- 株主還元の考え方は10月29日の決算説明資料でも「連結配当性向30%以上を目指す」のままで、赤字予想を受けた方針の変更は示されていない
- 同業の電源開発(9513)は中期経営計画の期間中の下限配当100円を掲げており、配当性向の目標を置く本銘柄とは配当の決め方が異なる
3. スコア内訳
配当持続性ランク: D(43/100点) ★★☆☆☆
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 22 | 性向0・DOE4・利回り4・方針6・耐性8 |
| 財務 | 25 | 13 | 自己資本7・ネットキャッシュ2・営業CF安定性4 |
| 収益 | 25 | 8 | 営業利益率8・ROE0 |
| 合計 | 100 | 43 | — |
3-1. 主な加点(高得点項目)
- 増配減配耐性 8/10: 2024年3月期から3期連続で増配し、直近5年(2022〜2026年3月期)に減配はない。当期予想は70円の据え置きのため、「次期予想で増配」の10点帯には届かない
- 営業CF安定性 4/5: 前期までの通期5期(2022〜2026年3月期)の営業CFは 216.88 → 2,957.98 → 3,440.74 → 3,013.45 → 3,344.28億円 で、赤字(マイナス)の期はない。5期平均2,594.67億円からは2022年3月期が△91.6%と外れ、この1期を除いた4期は平均3,189.11億円に対し最大7.9%と±20%以内に収まる
- 自己資本比率 7/10: 中間期末38.5%(前期末41.0%から△2.5pt)。電気・ガス業の業種補正の帯で、40%以上の10点から25〜40%の7点に下がった。会社は期末に37%程度を見込む
3-2. 主な減点(低得点項目)
- 配当性向 0/10: 通期予想EPSが△284.51円の赤字で配当性向を算定できず、予想の配当70円は「赤字配当」の帯にあたるため0点。前回は予想EPSが211.81円の黒字で、電気・ガス業の中央値を下回る満点だった
- ROE 0/10: 通期予想△7.2%(△2,150億円÷平均自己資本2兆9,900.26億円)で「マイナス」帯。会社は2026年度のROEを期ずれ除きで△6%程度と見込む
- ネットキャッシュ 2/10: 現金及び預金195,934百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債3,346,085百万円 = △3,150,151百万円。時価総額比で「マイナス(有利子負債超過)」帯だが、電気・ガス業は業種補正の対象でマイナスでも2点
- DOE 4/10: 1.8%(2026年3月期 決算短信に記載された2026年3月期実績の純資産配当率)で1〜3%帯。当期の会社見込みDOEは数値の開示がないため直近通期の開示実績を採用
- 配当利回り 4/10: 予想DPS70円ベースで2.5〜3.5%帯。前回は1.5〜2.5%帯の2点だった
3-3. スコアの動き(定点観測)
- スコア変動: 前回(2027年3月期Q1)58点 → 今回(2027年3月期 中間期)43点(△15点)。ランクはCからDに下がった
- 変動の内訳: 配当性向が10→0点(予想EPSが211.81円→△284.51円の赤字に)、ROEが4→0点(予想純利益が1,600億円→△2,150億円に)、自己資本比率が10→7点(第1四半期末41.5%→中間期末38.5%で40%を下回った)。配当利回りは2→4点(株価の下落で2.5〜3.5%帯に入った)。ほかの6項目は前回と同点
- 満点の項目: 前回満点だった配当性向と自己資本比率がともに下がり、今回は満点の項目がない。配点比70%以上は増配減配耐性8・営業CF安定性4・自己資本比率7の3項目
- 現在の位置づけ: D帯(40〜54点)の下位。配当性向とROEの0点に、ネットキャッシュ2・DOE4・配当利回り4が加わり、配当額の据え置きと5期の営業CFの安定が支える構図
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。
4. 事業の強み・構造リスク
※本章はスコア(§3)に入っていない事業上の強み・構造リスクを扱います。
4-1. ✅ 事業の強み
- 小売の損失を打ち消す発電の持分: 上期の期ずれ除き経常損益はミライズが約956億→約△588億円に悪化した一方、JERAは約456億→約1,438億円に増えた。JERAの通期見通しも1,250億→2,300億円へ上がり、燃料高の打撃を発電側が一部吸収して配当原資の振れを和らげる。
4-2. ⚠️ 構造リスク
- 原子力部門で続く不適切事案: 特別損失の発端は、審査で地震動の評価を不適切な方法で行った事案。8月には1・2号機の廃炉工事の費用請求でも実績と異なる数値の報告を公表した。会社は再稼働を語れる状況にないとし、原子力設備の維持投資も今後は減損として損失になる見込み。
- 小売の販売電力量の減少: ミライズの上期の販売電力量は490億kWh(△10.7%)で、うち競争による減少が46億kWh程度。会社は通期でも1,090→990億kWh(△9.2%)を見込み、競争影響を90億kWh程度とみる。電源調達費用の増加と重なると小売の採算が戻りにくい。
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年10月時点)。
5. 筆者メモ
赤字の年でも配当を維持してきた還元姿勢を評価して保有している。最終赤字を見込む今期も年70円を据え置いたが、配当は利益で賄えない計算になる。来期に利益の裏付けが戻るかを確かめたい。
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2026年3月期 実績 | 70円(中間35円+期末35円・+10円) |
| 2027年3月期 中間期実績 | 中間配当35円(前年同期35円・10月29日の取締役会で決定・支払開始予定日2026年11月30日) |
| 2027年3月期 予想 | 70円(中間35円+期末35円・±0円)。10月29日の業績予想の修正でも配当予想は変えていない |
| 配当性向(連結・表面・当期通期予想) | 算定不能(決算短信記載の通期予想EPSが赤字のため。予想の配当は赤字配当にあたる) |
| DOE(連結・純資産配当率) | 1.8%(決算短信記載値=2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」の2026年3月期実績。中間期の決算短信に純資産配当率の欄はなく、当期の会社見込みDOEの数値の開示もない) |
| 配当利回り | 採点帯 2.5〜3.5%(4/10)・予想DPS70円 |
| 配当方針 | 「安定的な配当の継続を基本としながら、利益の成長を踏まえた還元に努め、連結配当性向30%以上を目指す」(2026年度第2四半期 決算説明資料「配当の状況」・2026年10月29日。当社IR「株主還元に関する考え方」2019年3月26日公表と同じ趣旨)。決算短信には利益配分に関する基本方針の節がない。「新中期経営計画の骨子」(2026年4月28日)は新方針の方向性として「現行の配当水準(70円)を下限に、短期業績に左右されず、利益伸長に応じた段階的な増配」を挙げるが、正式な新方針は新中期経営計画で示すとしている。累進配当の宣言はない。DOE目標の開示はない |
| 連続増配年数 | 3期連続増配(2024年3月期〜2026年3月期)。当期予想70円は据え置きのため4期目には至らない |
6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年以前の履歴を表示
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2016 | 25 | 224.15 | 11.2% |
| 2017 | 30 | 151.43 | 19.8% |
| 2018 | 35 | 98.24 | 35.6% |
| 2019 | 45 | 104.96 | 42.9% |
| 2020 | 50 | 216.11 | 23.1% |
| 2021 | 50 | 194.65 | 25.7% |
| 2022 | 50 | △56.90 | 赤字配当(維持) |
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2023 | 50 | 50.56 | 98.9% |
| 2024 | 55 | 533.17 | 10.3% |
| 2025 | 60 | 267.41 | 22.4% |
| 2026 | 70 | 301.57 | 23.2% |
| 2027(予) | 70 | △284.51 | 赤字配当(維持予想) |
(注)
- データ基準: EDINET DB引用、直近期(2026年3月期)は決算短信記載と一致確認済。2027年3月期はいずれも2026年10月29日に修正した会社予想値
- 異常値の説明: 2022年3月期は燃料価格の高騰でEPS△56.90円の赤字となったが配当50円を維持し、2023年3月期はEPS50.56円までの回復途上で配当性向98.9%と高水準になった。2027年3月期は浜岡原子力発電所に係る特別損失で予想EPSが赤字となるなかで、配当70円を据え置く予想
- 配当政策の傾向: 2020〜2023年3月期は50円を4期据え置き、2024年3月期から3期連続で増配して70円へ到達した。2016年3月期以降のDPS系列に減配はなく、確認できた決算短信(2025年3月期・2026年3月期)の「配当の状況」に記念配当・特別配当の注記もない
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: 表面DPSは2023年3月期の50円から55→60→70円と3期連続で増配し、当期予想は70円で据え置き。株式分割・併合の履歴はなく分割換算は不要
- 方針シグナル: 会社が掲げる目標は連結配当性向30%以上で、最終赤字を見込む当期はこの目標で配当額を説明できない。10月29日の開示では配当予想を修正せず、年70円を据え置いた
- 耐性実績: 2022年3月期はEPS△56.90円の赤字でも50円を維持し、2020〜2023年3月期の4期にわたって50円を据え置いた
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー(2027年3月期 中間期累計)
| 指標 | 当中間期(2026年4〜9月) | 前年同中間期(2025年4〜9月) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 1,945,206百万円 | 1,747,832百万円 | +11.3% |
| 営業利益 | △78,054百万円 | 145,544百万円 | 赤字転落 |
| 経常利益 | 41,047百万円 | 196,295百万円 | △79.1% |
| 特別損失 | 370,470百万円 | ― | 新規計上 |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | △280,459百万円 | 166,381百万円 | 赤字転落 |
| EPS(中間期) | △371.25円 | 220.28円 | 赤字転落 |
| 営業利益率(中間期実績) | △4.0% | 8.3% | △12.3pt |
| 自己資本比率 | 38.5% | 41.0%(前期末) | △2.5pt |
(注)営業利益率は中間期累計の実績で、スコアの営業利益率(6.5%)は通期予想に営業利益の開示がないため2026年3月期の通期実績で代用し、ROE(△7.2%)は通期予想ベースで採点している。
セグメント別(対前年同期比・決算説明資料の億円表示)
| 区分 | 売上 | 前年同期比 | 経常損益 |
|---|---|---|---|
| ミライズ | 15,206億円 | +4.5% | △1,038億円(前年同期956億円) |
| パワーグリッド | 5,725億円 | +24.2% | △107億円(前年同期269億円) |
| JERA | ―(持分法適用のため計上されない) | ― | 1,348億円(前年同期786億円・+71.5%) |
| その他 | 3,452億円 | +8.9% | 753億円(前年同期1,053億円・△28.4%) |
- セグメント売上・経常損益は内部取引消去前で、調整額は売上△4,932億円・経常損益△545億円(前年同期△1,102億円)。中間期の決算短信にセグメント情報の注記はなく、同日の決算説明資料の値を用いた
- 売上の増加+1,973億円は、販売価格の上昇による他社販売電力料の増加1,809億円と、燃料費調整額等の増加などその他の1,373億円が、販売電力量の減少△1,209億円を上回ったもの。ミライズの販売電力量は549→490億kWh(△10.7%)
- パワーグリッドはエリア需要の減少(621→603億kWh)による託送収益の減少△105億円、需給調整にかかる費用の増加△143億円、設備関係費・諸経費の増加△88億円などで△376億円の減益
- 期ずれを除いた経常損益は、ミライズ956億円程度→△588億円程度、JERA456億円程度→1,438億円程度。連結では1,632億円程度→950億円程度(△41.8%)
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🔴 | 特別損失370,470百万円は減損損失305,131百万円と核燃料評価損65,339百万円。減損のうち原子力発電事業の固定資産に係る分は304,979百万円で、回収可能価額を零円と見積もり全額を減損した(浜岡関連は核燃料評価損と合わせ370,318百万円・それ以外の減損は152百万円)。期ずれも前年同期の差益330億円から差損540億円に転じている |
| 営業外損益 | 🟡 | 営業外収益141,906百万円の大半は持分法による投資利益132,168百万円(前年同期68,309百万円・+93.5%)で、営業損失を埋めて経常利益41,047百万円を確保した。支払利息は14,588→19,629百万円に増えた |
| 純利益押し下げ/押し上げ要因 | 🔴 | 税金等調整前中間純損失△328,580百万円に対し法人税等が△50,635百万円(前年同期29,512百万円)と戻し入れになり、繰延税金資産は144,537→205,997百万円に増えた。将来の課税所得で回収する前提の資産が積み上がった |
| 開示の誠実性 | 🟢 | 短信の追加情報と同日の「特別損失の計上および業績予想の修正に関するお知らせ」で、減損の理由と見積りの前提、下期以降の減損見込み100億円程度、通期の特別損失3,800億円程度を示した。決算説明資料では減損が廃炉を意味しない会計上の評価だと説明している |
→ 業績の質: 最終赤字の主因は浜岡の減損と核燃料評価損で、期ずれを除いた経常段階でも前年同期から4割強の減益(低位)
7-2. 財務・CFサマリー
| 指標 | 前期(2026年3月期) | 当中間期(2026年9月末) |
|---|---|---|
| 営業CF(百万円) | 334,428 | N/A(CF未作成) |
| 投資CF(百万円) | △350,776 | N/A(CF未作成) |
| 財務CF(百万円) | 87,446 | N/A(CF未作成) |
| 現金及び預金(BS・百万円) | 336,686 | 195,934 |
| 短期有価証券(BS流動・百万円) | 0 | 0 |
| 現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) | 364,747 | N/A(CF未作成) |
| 自己資本比率(%) | 41.0 | 38.5(△2.5pt) |
(注)中間期の決算短信には中間連結キャッシュ・フロー計算書が添付されていないため、CF3行と現金及び現金同等物 期末残高は2026年3月期通期の実績を掲載し、当中間期は「N/A(CF未作成)」(本ブログの定型表記)としている。現金及び預金・短期有価証券・自己資本比率は中間連結貸借対照表の値。
- 有利子負債: 社債661,704百万円 + 長期借入金2,022,280百万円 + 1年以内に期限到来の固定負債388,736百万円 + 短期借入金273,365百万円 = 3,346,085百万円(前期末3,238,834百万円)。中間連結貸借対照表にリース債務・コマーシャルペーパーの独立掲記はなく、固定負債のうち1年内に期限が到来する分も利子性負債として算入している(前回カルテと同じ方法)。会社が決算説明資料で示す有利子負債残高は3兆3,418億円(前期末3兆2,334億円)で、本稿の積み上げより約43億円小さい
- ネットキャッシュ: 現金及び預金195,934百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債3,346,085百万円 = △3,150,151百万円。時価総額比(期末発行済株式総数758,000,000株・自己株式を含む)で「マイナス(有利子負債超過)」帯にあたる。電気・ガス業はネットキャッシュ業種補正の対象でマイナスでも2/10点。中間連結貸借対照表の流動資産に有価証券の科目はないため短期有価証券は0とした
- 営業CF: 営業CF安定性の採点は前期までの通期5期(2022年3月期〜2026年3月期)の 21,688 → 295,798 → 344,074 → 301,345 → 334,428百万円を対象とする。出典は各期の決算短信のキャッシュ・フロー計算書(2022〜2025年3月期はEDINET DBで確認)。赤字(マイナス)の期はなく、5期平均259,467百万円に対し2022年3月期のみ△91.6%と外れ、この1期を除いた4期は平均318,911百万円に対し最大7.9%と±20%以内に収まる
- 資金と負債の動き: 現金及び預金は336,686→195,934百万円と△140,752百万円減った。同じ期間に受取手形、売掛金及び契約資産が273,993→359,728百万円に増え、未払税金は69,001→26,977百万円に減っている(中間期の決算短信にCF計算書がないため、貸借対照表の残高変動から読み取れる範囲の記載にとどめる)。社債は696,711→661,704百万円に減る一方、長期借入金1,971,402→2,022,280百万円・1年以内に期限到来の固定負債303,881→388,736百万円と増えた。会社は有利子負債の増加1,083億円を調達・返済994億円と連結範囲の変更89億円に分けて示している
- 自己資本の減少: 中間純損失などにより利益剰余金は2,088,239→1,781,301百万円、自己資本は3,138,258→2,841,793百万円(△296,465百万円)に減った。原子力発電設備は82,486→0百万円、装荷核燃料は40,040→0百万円となり、固定資産仮勘定のうち建設仮勘定及び除却仮勘定も500,698→309,241百万円に減った。期末発行済株式総数758,000,000株は前期末から変わらず、期末自己株式数は2,606,462→2,313,442株(株式給付信託の信託口が保有する当社株式を含む)
7-3. 通期業績予想(2027年3月期・2026年10月29日修正)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 4兆2,000億円 | +18.4% |
| 営業利益 | 非開示(会社予想に営業利益の開示なし) | — |
| 経常利益 | 1,100億円 | △62.2% |
| 親会社株主帰属当期純利益 | △2,150億円 | 赤字転落 |
| EPS | △284.51円 | 赤字転落 |
| 営業利益率(通期予想)※2026年3月期 通期実績による代用 | 6.5%(2,300.42億円÷35,460.41億円・決算短信「売上高営業利益率」) | 前回カルテと同じ代用値 |
| ROE(通期予想) | △7.2%(△2,150億円÷平均自己資本29,900.26億円〔前期末31,382.58億円と中間期末28,417.93億円の平均〕・本ブログ算出) | △14.9pt(前期実績7.7%) |
| 1株当たり年間配当 | 70円 | ±0円 |
- 下方修正: 7月29日公表値から売上高+3,000億円(+7.7%)、経常利益△750億円(△40.5%)、当期純利益△3,750億円、EPS△496.32円。会社は、JERAの収支向上を見込む一方でミライズの期ずれ差損の拡大と電源調達費用の増加、通期3,800億円程度の特別損失を理由に挙げる。前提の原油CIF価格は1バレル90ドル程度→105ドル程度、為替レートは159円程度→157円程度
- セグメント別の見通し(経常損益): ミライズ△50億円→△1,800億円、パワーグリッド300億→150億円、JERA1,250億→2,300億円、その他・調整額350億→450億円。期ずれを除いた連結の経常損益は1,900億円程度→1,600億円程度(前期2,840億円程度)
- 進捗: 通期予想に対する上期の進捗は売上高46.3%、経常利益37.3%。下期に必要な額(本ブログ算出・通期予想−上期実績)は売上高2兆2,547.94億円、経常利益689.53億円、当期純利益654.59億円の黒字
- 営業利益率の代用: 会社予想は売上高・経常利益・当期純利益・1株当たり当期純利益の4項目で、営業利益は開示されていないため、営業利益率は2026年3月期の通期実績6.5%を採点根拠として代用している(前回カルテと同じ扱い)。ROEは当期の会社予想純利益を用い、分母は期首自己資本と中間期末自己資本の平均。会社が決算説明資料で示す2026年度のROE△6%程度は期ずれ除きの当期純損益による値で、本稿の算出値とは基準が異なる
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 中間期の売上高・営業利益・経常利益・特別損失(減損損失・核燃料評価損)・中間純利益・EPS・自己資本比率・期末発行済株式総数・期末自己株式数 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-10-29 開示) | 🟢 一次情報 |
| 通期業績予想(修正後)・EPS予想△284.51円・中間配当35円・期末配当予想35円 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「2.配当の状況」「3.2027年3月期の連結業績予想」 | 🟢 一次情報 |
| 減損損失・核燃料評価損の計上理由と見積りの前提(回収可能価額を零円と見積もった点) | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「(追加情報)重要な会計上の見積り」 | 🟢 一次情報 |
| 浜岡原子力発電所に係る特別損失3,703億円の内訳・通期の特別損失3,800億円程度・業績予想の修正額と修正理由・主要諸元 | 「特別損失(減損損失・核燃料評価損)の計上および2027年3月期連結業績予想の修正に関するお知らせ」(2026-10-29 開示) | 🟢 一次情報 |
| セグメント別の売上・経常損益・期ずれを除いた経常損益・売上と経常損益の変動要因・販売電力量・エリア需要・セグメント別の通期見通し・有利子負債残高・ROEと自己資本比率の見通し・株主還元の考え方・期ずれ補正後の連結配当性向 | 2026年度第2四半期 決算説明資料(2026-10-29 開示) | 🟢 一次情報 |
| 現金及び預金・社債・長期借入金・1年以内に期限到来の固定負債・短期借入金・原子力発電設備・核燃料・繰延税金資産・自己資本・利益剰余金 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「中間連結貸借対照表」 | 🟢 一次情報 |
| 営業外収益・持分法による投資利益・支払利息・法人税等 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「中間連結損益計算書」 | 🟢 一次情報 |
| 不適切事案の経緯(調査報告書の受領・公表、3号機・4号機の設置変更許可申請などの取り下げ、1号機・2号機の解体撤去工事に係る費用請求の不適切事案) | 当社プレスリリース(2026-08-27・09-11・09-14)・2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「(追加情報)」 | 🟢 一次情報 |
| 現金及び現金同等物 期末残高・通期の営業CF/投資CF/財務CF(2026年3月期) | 2026年3月期 決算短信「連結キャッシュ・フロー計算書」 | 🟢 一次情報 |
| 2026年3月期の通期実績・売上高営業利益率6.5%・自己資本当期純利益率7.7%・純資産配当率1.8%・配当性向23.2%・期ずれ補正後の連結配当性向23.9% | 2026年3月期 決算短信(2026-04-28 開示) | 🟢 一次情報 |
| 配当方針(連結配当性向30%以上) | 2026年度第2四半期 決算説明資料「配当の状況」・当社IR「株主還元に関する考え方」(2019年3月26日公表) | 🟢 一次情報 |
| 新たな株主還元方針の方向性 | 当社「中部電力グループ 新中期経営計画の骨子」(2026年4月28日) | 🟢 一次情報 |
| 過去年度のDPS・EPS推移(2016年3月期〜2025年3月期)・過去5期の営業CF | EDINET DB + 決算短信 | 🟢 一次情報 |
| ROE(通期予想)・ネットキャッシュ・時価総額比・進捗・下期に必要な額 | 本ブログ算出(会社予想値・決算短信の自己資本および株式数より計算。ROE分母は期首自己資本(前期末)と中間期末自己資本の平均。営業利益率は会社予想に営業利益がないため2026年3月期 決算短信の通期実績6.5%で代用) | 🟡 補助データ |
| 株価・配当利回り | 筆者が確認した終値を採点にのみ使用(数値は非掲載) | 🟡 補助データ |
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本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。