結論: 減益の大半は前年の一過性、年51円の増配計画は維持
📊 スコア: C 64点
💰 配当: 46→51円予想(+5円)、第1四半期時点で修正なし・会社開示で28期目の増配計画
✅ 良い点: 27期連続増配、予想配当性向45.7%、配当性向45%以上の目標、DOE3.5%
⚠️ 注意点: 純利益△44.8%、営業CFは直近5期で3期赤字、自己資本比率15.1%
1. 業績ハイライト
- 売上高5,391.02億円(△7.8%)で減収
- 営業利益471.04億円(△42.9%)の大幅減益
- 純利益316.09億円(△44.8%)、EPS22.03円
- 前年の決算期変更分を除くと純利益△8.2%
- 通期予想1,600億円は据え置き、進捗率19.8%
サマリー
- 減益の大半は前年の一過性: 前年同期には子会社の決算期変更による1〜3月分の利益228.20億円が乗っていた。これを除いた344.51億円と比べると、四半期純利益は△28.42億円(△8.2%)の減益にとどまる
- 売却益の減少が残りの減益要因: 決算期変更の影響を除いても、アセット関連損益は145億円→84億円(△42.1%)と減った。不動産の大口売却益の剥落が中心で、貸倒関連費用の減少(76億円→59億円)では埋めきれなかった
- 下期に寄せた計画: 純利益の進捗率19.8%は標準ペースの25%を下回るが、会社は専門事業のアセット売却益の過半を下期に計上する計画で「概ね見通しどおり」とし、通期予想を据え置いた
2. 配当判断サマリー
- 当期予想は年51円(中間25円+期末26円)で前期46円から+5円、第1四半期時点で修正なし。会社は前期までを27期連続増配と開示しており、予想どおりなら28期目
- 予想配当性向は45.7%(51円÷予想EPS111.57円)で、その他金融業の中央値50%を下回る。5月の通期決算短信が示した45.8%は当時の予想EPS111.43円による値
- 2028中計(2026年4月公表)で配当性向の目標を前中計の「40%以上」から「45%以上」へ引き上げ、利益成長を通じて配当総額を高める方針。累進配当の宣言はなく、DOE目標の開示もない
- 同じリースの芙蓉総合リース(8424)も配当性向の数値目標を掲げる型で、当社の目標水準(45%以上)はそれより高い
3. スコア内訳
配当持続性ランク: C(64/100点) ★★★☆☆
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 40 | 性向10・DOE7・利回り7・方針6・耐性10 |
| 財務 | 25 | 8 | 自己資本6・ネットキャッシュ2・営業CF安定性0 |
| 収益 | 25 | 16 | 営業利益率12・ROE4 |
| 合計 | 100 | 64 | — |
営業利益率とROEは、第1四半期累計の実績ではなく当期通期の会社予想を採点根拠とした。ただし会社の通期予想は純利益だけの開示で売上高・営業利益の予想がないため、営業利益率は前期(2026年3月期)の通期実績10.9%で代用した。ROEは通期予想8.0%(予想純利益1,600億円÷自己資本19,985.92億円=期首19,890.64億円と第1四半期末20,081.19億円の平均)である。配当性向・配当利回りも当期通期予想の年51円を基準に判定している。
3-1. 主な加点(高得点項目)
- 配当性向 10/10: 当期通期予想ベースで45.7%(予想DPS51円 ÷ 予想EPS111.57円)。その他金融業の中央値50%以下で満点帯
- 増配減配耐性 10/10: 会社開示で27期連続増配(2026年3月期まで)、本記事の表(2017年3月期〜)でも毎期増配で直近5年に減配はない。当期予想も51円(+5円)の増配で「3年以上連続増配+5年減配なし+次期予想で増配」に該当
- 営業利益率 12/15: 前期の通期実績10.9%(営業利益2,404.28億円 ÷ 売上高22,153.84億円・決算短信「売上高営業利益率」)。当期の通期予想は純利益だけの開示で営業利益率を算定できないため、前期の通期実績を代用した。その他金融業の業種補正で「5〜15%」=12点。前期に含まれる決算期変更分(売上高672.04億円・営業利益193.16億円)を除いても10.3%で同じ帯
- DOE 7/10: 3.5%(2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」の純資産配当率)で「3〜5%」帯。当期の会社見込みDOEは数値の開示がないため直近通期の開示実績を採用した
- 配当利回り 7/10: 予想DPS51円ベースで「3.5〜4.5%」帯
3-2. 主な減点(低得点項目)
- 営業CF安定性 0/5: 直近5期(2022年3月期〜2026年3月期)の営業CFは 195,845 → 46,752 → △49,128 → △296,884 → △367,537百万円で赤字3回。賃貸資産の取得(前期は9,842.60億円)を営業活動に計上するリース業の構造によるもので、ガイドの機械適用では0点
- ネットキャッシュ 2/10: 現金及び預金317,902百万円 + 短期有価証券9,185百万円 − 有利子負債10,104,868百万円 = △9,777,781百万円。その他金融業の業種補正によりマイナスでも2点
- ROE 4/10: 当期通期予想ベースで8.0%(予想純利益1,600億円 ÷ 期首自己資本19,890.64億円と第1四半期末自己資本20,081.19億円の平均19,985.92億円)、「5〜10%」帯
3-3. スコアの動き(定点観測)
- スコアの位置: 64点はC(55〜69点)の上位で、B(70点)まで6点。配当カテゴリが50点中40点を確保する一方、財務カテゴリは25点中8点にとどまる
- Cにとどまる理由: 営業CF安定性0・ネットキャッシュ2・自己資本比率6の財務3項目は、借入で賃貸資産や貸付金を持ち、その取得を営業活動に計上するリース業の構造で低く出る。配当性向と増配減配耐性の満点がこれを補う形になっている
- 読み筋: 同じリースの芙蓉総合リース(8424)の第1四半期カルテ(C61点)と並べると、DOE以外の9項目は同じ点数で、差はDOEの帯(当社3.5%で7点・同社2.9%で4点)の3点だけである。財務3項目は2社ともリース業の構造で同じ低い点数にとどまり、この2社の比較ではDOEの帯が差を分けた
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。
4. 事業の強み・構造リスク
※本章はスコア(§3)に入っていない事業上の強み・構造リスクを扱います。
4-1. ✅ 事業の強み
- 6つの事業への分散: 第1四半期は航空・ロジスティクス・不動産が減益となる一方、海外カスタマーは米州の商用トラック事業の貸倒関連費用の減少などでセグメント利益が9億円→63億円に増えた。国内法人・海外・航空機・物流資産・不動産に資産が分かれ、一つの市況が配当原資を左右しにくい
- 長期中心で分散した資金調達: 第1四半期末の調達(リース債務を除く有利子負債)は長期調達比率80.0%・直接調達比率43.1%で、銀行借入とCP・社債・債権流動化に分かれる。満期や調達手段の集中が小さいほど、市場の変調時にも配当原資となる利鞘を守りやすい
4-2. ⚠️ 構造リスク
- 為替への感応度: 会社は1円の円安で純利益が対米ドル約4.6億円・対ポンド約1.1億円増える感応度を開示し、外貨調達比率は61.6%。第1四半期は為替が純利益を18億円押し上げており、円高に振れれば同じ経路で配当原資となる利益が目減りする
- 英国の自動車ローン補償: 英国の金融行為規制機構が2026年3月に最終的な補償スキームを公表し、前期は補償損失引当金繰入額112.93億円を特別損失に計上した。第1四半期末の補償損失引当金は131.18億円で、見積りの見直しが続けば追加の損失が配当原資を削りうる
- European Energyの持分法損失: 環境エネルギーは同社向け持分法投資の取込損失(約23億円)などで第1四半期のセグメント損失が32億円に広がった。会社が成長支援を掲げる投資先の損益は振れやすく、全社利益の押し下げ要因として残る
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)。
5. 筆者メモ
純利益△44.8%の大半は前年の決算期変更による228億円の剥落で、除くと△8.2%にとどまる。見かけの減益幅より、インカムゲインの伸びが続くかで本業の地力を確かめたい。
次回(2027年3月期 中間期・2026年11月12日発表予定)見るポイント:
- インカムゲインの増減: 決算期変更の影響を除いて+43億円(+4.4%)、為替の影響も除くと△15億円
- 下期偏重の売却益計画: 純利益の進捗率19.8%、専門事業は16.4%
- 英国の自動車ローン補償: 補償損失引当金131.18億円の推移
- 航空機の返却の影響: オフリース機数の増加によるリース料収入の減少が続くか
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2025年3月期 実績 | 40円(中間20円+期末20円) |
| 2026年3月期 実績 | 46円(中間22円+期末24円・+6円)(期末は2026年5月15日に23円→24円へ修正) |
| 2027年3月期 予想 | 51円(中間25円+期末26円・+5円)(第1四半期時点で修正なし) |
| 配当性向(連結・通期予想・表面) | 45.7%(51円 ÷ 予想EPS111.57円・第1四半期決算短信の予想EPS)。2026年3月期 決算短信の記載は45.8%(当時の予想EPS111.43円)。記念配当・特別配当はなく表面値と実質普通配当ベースは同値 |
| DOE(連結・純資産配当率) | 3.5%(決算短信記載値=2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」の2026年3月期実績。第1四半期決算短信には記載なし) |
| 配当利回り | 採点帯 3.5〜4.5%(7/10)・予想DPS51円 |
| 配当方針 | 2028中計(2026年4月17日公表)の財務目標で「配当性向45%以上」(2026年度〜2028年度の3年間・前中計は40%以上)。2026年3月期 有価証券報告書の配当政策でも、株主還元は配当によって行うことを基本とし、利益成長を通じて配当総額を高める方針を示す。累進配当の宣言はなく、DOE目標の開示もない |
| 連続増配年数 | 27期連続増配(2026年3月期まで・会社開示ベース。2021年3月期以前は三菱UFJリースの実績) + 当期予想で 28期目 継続見込み |
| 株式数の変動 | 2021年4月1日の日立キャピタルとの吸収合併(当社が存続会社・合併比率1:5.10)で発行済株式総数が571,078,084株増加。株式分割ではないため1株当たり数値の換算は行っていない。2013年4月1日の1株→10株の株式分割は本記事の表の範囲より前 |
| 自己株式 | 期末自己株式数は30,990,390株→33,112,528株。増加は当第1四半期に導入した従業員向け株式交付制度の信託保有分2,824,300株によるもので、役員向け信託の保有分は2,395,564株→1,747,432株。期末発行済株式総数は1,466,912,244株で変動なし |
6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年以前の履歴を表示
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2017 | 13 | 59.77 | 21.8% |
| 2018 | 18 | 71.57 | 25.2% |
| 2019 | 23.5 | 77.28 | 30.4% |
| 2020 | 25 | 79.44 | 31.5% |
| 2021 | 25.5 | 62.08 | 41.1% |
| 2022 | 28 | 69.24 | 40.4% |
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2023 | 33 | 80.95 | 40.8% |
| 2024 | 37 | 86.30 | 42.9% |
| 2025 | 40 | 94.19 | 42.5% |
| 2026 | 46 | 112.98 | 40.7% |
| 2027(予) | 51 | 111.57 | 45.7% |
(注)
- データ基準: EDINET DB引用。2017〜2021年3月期は2021年3月期 有価証券報告書、2022〜2026年3月期は2026年3月期 有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」(1株当たり配当額・連結の1株当たり当期純利益)と一致することを確認した。2027年3月期(予想)は第1四半期決算短信の会社予想。記念配当・特別配当を含む年はなく、表面DPSと実質普通配当は全年で同値
- 合併の扱い: 2021年3月期以前は三菱UFJリースの実績。2021年4月1日に日立キャピタルを吸収合併して発行済株式総数が895,834,160株→1,466,912,244株に増えたが、合併に伴う新株の交付で株式分割ではないため、1株当たり配当・EPSは換算していない
- 連続増配の起点: 会社は2026年3月期の46円を「27期連続での増配」と開示している(2026年5月20日「剰余金の配当に関するお知らせ」)。本表(2017年3月期以降)では2018〜2026年3月期の9期連続までしか確かめられず起点まで遡れないため、連続増配年数は会社開示の表明を採用した。会社の決算概要資料の配当推移グラフ(2008年3月期以降)でも毎期増配が続いている
- 異常値の説明: 2021年3月期はEPSが79.44円→62.08円へ下がったが配当は25.5円へ増配し、配当性向は41.1%に上がった
- 配当政策の傾向: 配当性向は2017年3月期の21.8%から2021年3月期以降は40%台へ切り上がった。前中計(2023〜2025年度)の「40%以上」に続き、2028中計で「45%以上」へ水準を引き上げ、2027年3月期予想は45.7%
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: 2017年3月期13円→2026年3月期46円と毎期増配し、2027年3月期予想は51円(+5円)。直近5期の増配幅は2.5〜6円で、配当性向の目標の引き上げに沿って当期の増配後の性向は45.7%へ上がる
- 方針シグナル: 配当性向の目標を40%以上→45%以上へ引き上げ、利益成長を通じて配当総額を高めるとする。性向の数値目標を伴う一方、累進配当の宣言はなく、利益が下振れた局面での配当の下限は示されていない
- 耐性実績: 2021年3月期にEPSが79.44円→62.08円(△21.9%)と下がった局面でも25円→25.5円へ増配した。会社開示ベースでは27期続けて前期を上回る配当を出している
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー(第1四半期累計)
| 指標 | 当第1四半期 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,391.02億円 | 5,845億円 | △7.8% |
| 売上総利益 | 1,134.96億円 | 1,515.75億円 | △25.1% |
| 営業利益 | 471.04億円 | 824.87億円 | △42.9% |
| 経常利益 | 464.86億円 | 796.94億円 | △41.7% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 316.09億円 | 572.71億円 | △44.8% |
| EPS | 22.03円 | 39.89円 | △44.8% |
| 四半期包括利益 | 570億円 | 51.40億円 | +518.60億円 |
※四半期単独の利益率・ROEは季節性や一過性要因で振れるため、収益カテゴリの採点根拠には使わず §7-3 の通期ベースの値を用いている。四半期包括利益の増加は、為替換算調整勘定が前年同期の△394.03億円から+211.93億円へ転じたことによる。
決算期変更の影響を除いた比較(決算概要資料・億円)
| 項目 | 前年同期 | 前年同期(影響を除く) | 当第1四半期 | 前年同期比(影響を除く) |
|---|---|---|---|---|
| インカムゲイン | 1,299 | 986 | 1,029 | +43(+4.4%) |
| アセット関連損益 | 181 | 145 | 84 | △61(△42.1%) |
| 貸倒関連費用 | 76 | 76 | 59 | △16 |
| 経費 | 607 | 552 | 589 | +37 |
| 純利益 | 572 | 344 | 316 | △28(△8.2%) |
(注)インカムゲインは、アセット関連損益を除いた売上総利益に営業外損益(償却債権取立益を除く)を加えた会社定義の数値。億円未満は切り捨てのため、差額は表の数値どうしの差と一致しない場合がある。為替の影響を除くと、当第1四半期のインカムゲインは970億円で前年同期比△15億円、純利益は298億円で同△46億円(為替は純利益を18億円押し上げた)。
セグメント別(対前年同期比)
| 区分 | 売上高(外部顧客) | 前年同期比 | セグメント利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| カスタマーソリューション | 2,495.35億円 | △4.8% | 91.17億円 | △1.4% |
| 海外カスタマー | 1,396.52億円 | +17.3% | 63.92億円 | +54.58億円(前年同期9.34億円) |
| 環境エネルギー | 106.12億円 | +23.7% | △32.73億円 | 損失拡大(前年同期△7.43億円) |
| 航空 | 817.94億円 | △17.0% | 92.18億円 | △51.3% |
| ロジスティクス | 386.73億円 | △46.9% | 73.83億円 | △49.7% |
| 不動産 | 184.82億円 | △19.8% | 29.66億円 | △59.6% |
(注)セグメント利益は親会社株主に帰属する四半期純利益ベースで、決算短信は調整額△1.95億円を含めた合計が連結の316.09億円と一致すると注記している(表の値は百万円未満切り捨てのため、足し上げると316.08億円)。当第1四半期から「モビリティ」を「ロジスティクス」に統合して6セグメントとし、支払利息等の全社費用の配賦方法も変えたため、前年同期は変更後の区分・方法で組み替えた値。前年同期の航空・ロジスティクス・調整額には決算期変更の影響額(航空89.92億円・ロジスティクス62.49億円・調整額75.78億円)が含まれ、これを除くと航空は99億円→92億円、ロジスティクスは84億円→73億円(決算概要資料)。
- 売上総利益の減少: 売上総利益は△25.1%。決算期変更の影響の剥落に加え、資金原価が686億円→755億円(+10.0%)へ増えた(決算概要資料)。販売費及び一般管理費は690.88億円→663.92億円へ減った
- 航空の減損と返却: 航空セグメントで賃貸資産の減損損失8.37億円を売上原価に計上した。特定の航空会社からの機体返却でオフリース機数が増え、リース料収入が減ったと会社は説明している
- 営業外損益: 持分法による投資利益が26.70億円→1.10億円へ減る一方、匿名組合損益分配額(費用)が55.30億円→1.27億円へ減り、営業外損益の合計は△27.93億円→△6.18億円へ縮んだ。支払利息は21.68億円→28.20億円
- 新規の積み上げ: 契約実行高は7,451億円→9,185億円(+23.3%)で、航空(+78.4%)・不動産(+317.3%)が伸びた。決算期変更の影響を除いた前年同期7,020億円比では+30.8%(決算概要資料)
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🟡 注意 | 前年同期は決算期変更による228.20億円の上乗せがあり、純利益△44.8%の大半はその剥落。当第1四半期に特別損益はなく、航空の賃貸資産の減損損失8.37億円が売上原価に入っている |
| 営業外損益 | 🟢 軽微 | 営業外損益は△27.93億円→△6.18億円へ縮小し、経常利益の減益率(△41.7%)は営業利益(△42.9%)よりわずかに小さい。持分法による投資利益の減少(26.70億円→1.10億円)は環境エネルギーの持分法損失が中心 |
| 純利益押し下げ要因 | 🟡 注意 | 決算期変更の影響を除いても、アセット関連損益の減少(145億円→84億円)で純利益は△8.2%。為替の追い風18億円を除くと純利益は298億円で、為替を除いたインカムゲインも△15億円と伸びていない |
| 開示の誠実性 | 🟢 高 | 決算期変更の影響額をセグメント別に注記し、決算概要資料で影響を除いた前年同期比と為替を除いた比較まで開示している。四半期連結財務諸表は監査法人の期中レビュー(任意)を受けている |
→ 業績の質: 中位(減益の大半は前年の決算期変更の剥落だが、それを除いても売却益の減少で△8.2%の減益)
7-2. 財務・CFサマリー
| 指標 | 前期(2026年3月期) | 当第1四半期(2027年3月期1Q) |
|---|---|---|
| 営業CF(百万円) | △367,537 | N/A(CF未作成) |
| 投資CF(百万円) | △33,938 | N/A(CF未作成) |
| 財務CF(百万円) | 469,373 | N/A(CF未作成) |
| 現金及び預金(BS・百万円) | 366,035 | 317,902 |
| 短期有価証券(BS流動・百万円) | 8,856 | 9,185 |
| 現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) | 346,045 | N/A(CF未作成) |
| 自己資本比率(%) | 15.2 | 15.1(△0.1pt) |
(注)短期有価証券は四半期連結貸借対照表の流動資産「有価証券」。第1四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていない。
- 有利子負債: 短期借入金544,846百万円 + 1年内償還予定の社債504,766百万円 + 1年内返済予定の長期借入金1,013,830百万円 + コマーシャル・ペーパー1,209,521百万円 + 債権流動化に伴う支払債務265,098百万円 + 社債1,990,054百万円 + 長期借入金4,193,828百万円 + 債権流動化に伴う長期支払債務382,925百万円 = 10,104,868百万円(前期末9,880,374百万円)。会社が開示する「有利子負債(リース債務を除く)10兆1,048億円」と一致する。第1四半期の貸借対照表ではリース債務が「その他の流動負債」「その他の固定負債」に含まれて金額が開示されていないため算入していない(前期末のリース債務は流動11,746百万円+固定31,008百万円=42,754百万円で、有利子負債の約0.4%。算入しても下記の時価総額比で得点は変わらない)
- ネットキャッシュ: 現金及び預金317,902百万円 + 短期有価証券9,185百万円 − 有利子負債10,104,868百万円 = △9,777,781百万円(時価総額比〔期末発行済株式数1,466,912,244株・自己株式を含む〕)で「マイナス(有利子負債超過)」帯にあたる。その他金融業はネットキャッシュ業種補正の対象でマイナスでも2/10点。投資その他の資産の投資有価証券627,258百万円は長期資産のため分子に算入していない
- 自己資本比率 15.1%(前期末15.2%・△0.1pt) — その他金融業の補正帯(10〜20%で6点・20%以上で10点)。会社は2028中計で自己資本比率16〜18%を目途値(下限16%・上限18%)としている
- 自己資本 20,081.19億円(前期末19,890.64億円・+190.55億円)。増加は為替換算調整勘定の+217.72億円が中心で、利益剰余金は9,560.74億円→9,531.65億円へ減った(期末配当345.19億円の支払が四半期純利益316.09億円を上回ったため)。総資産は133,144.09億円で前期末比+1.7%
- 営業CF: 採点は各期の通期の連結キャッシュ・フロー計算書による直近5期(2022年3月期〜2026年3月期)の実績 195,845 → 46,752 → △49,128 → △296,884 → △367,537百万円を対象とし、赤字3回で0点。前期は賃貸資産の取得による増加9,842.60億円を営業活動に計上しており、リース資産の積み上げが営業CFの赤字として表れる構造(2022〜2024年3月期は2026年3月期 有価証券報告書・EDINET DBで確認)
- 期末後の開示: 2026年9月28日に、旧日立キャピタルが2016年に発行したハイブリッド社債(劣後特約付社債・額面総額100億円)を2026年12月19日に全額期限前償還すると公表した。2026年5月15日の公表では、既存ハイブリッド社債の償還資金の一部を新たなハイブリッド社債の発行で賄う方針を示している
7-3. 通期業績予想(2027年3月期)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 短信未開示 | — |
| 営業利益 | 短信未開示 | — |
| 経常利益 | 短信未開示 | — |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 1,600億円 | △1.4% |
| EPS | 111.57円(5月公表111.43円) | △1.2% |
| 営業利益率(通期予想)※前期通期実績による代用 | 10.9%(通期予想に売上高・営業利益の開示がないため2026年3月期の通期実績を代用。営業利益2,404.28億円 ÷ 売上高22,153.84億円・決算短信「売上高営業利益率」) | — |
| ROE(通期予想) | 8.0%(予想純利益1,600億円 ÷ 自己資本19,985.92億円=期首19,890.64億円と第1四半期末20,081.19億円の平均・本ブログ算出) | △0.6pt(前期実績8.6%) |
| 1株当たり年間配当 | 51円 | +5円(予想配当性向45.7%) |
- 予想の中身: 前期比△22億円(△1.4%)の減益予想は、前期の決算期変更の影響228億円が無くなることによるもの。これを除いた前期1,393億円比では+206億円の増益計画で、インカムゲイン+255億円・アセット関連損益+130億円を見込む(決算概要資料)
- 進捗: 第1四半期の純利益316.09億円は通期予想の19.8%。セグメント利益の進捗率はカスタマーソリューション20.7%・海外カスタマー29.1%・専門事業(環境エネルギー・航空・ロジスティクス・不動産)16.4%で、会社は専門事業のアセット売却益の過半を下期に計上する予定としている
- 前提: 為替は1米ドル150円・1英ポンド205円を想定し、中東情勢の悪化による影響は予想に織り込んでいない(2026年3月期 決算短信)。会社は第1四半期末時点で業績への影響は限定的としている
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 第1四半期の売上高・売上総利益・営業利益・経常利益・四半期純利益・EPS・包括利益・営業外損益・セグメント別・減損損失 | 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-08-07開示) | 🟢 一次情報 |
| 通期業績予想・予想EPS・配当予想・進捗率の分母 | 2027年3月期 第1四半期決算短信「2.配当の状況」「3.2027年3月期の連結業績予想」「1.(4)今後の見通し」 | 🟢 一次情報 |
| 決算期変更の影響を除いた比較・インカムゲイン・アセット関連損益・為替影響・契約実行高・資金原価・調達比率・セグメント別進捗率・為替感応度 | 2027年3月期 第1四半期決算概要資料(2026-08-07公表) | 🟢 一次情報 |
| 前期の業績・営業利益率・DOE(純資産配当率)・CF・決算期変更の影響額・補償損失引当金繰入額・予想の前提 | 2026年3月期 決算短信(2026-05-15開示)「1.(4)今後の見通し」「2.配当の状況」「連結キャッシュ・フロー計算書」「追加情報」 | 🟢 一次情報 |
| 配当方針(配当性向45%以上・自己資本比率の目途値) | 「2026〜2028年度中期経営計画(2028中計)について」(2026-04-17公表)・2028中計説明資料・2026年3月期 有価証券報告書「配当政策」 | 🟢 一次情報 |
| 連続増配年数(27期)・2026年3月期の期末配当の修正 | 「剰余金の配当に関するお知らせ」(2026-05-20)・「期末配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」(2026-05-15) | 🟢 一次情報 |
| 自己資本比率・自己資本・現金及び預金・短期有価証券・有利子負債・投資有価証券・補償損失引当金・自己株式・期末発行済株式数 | 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期連結貸借対照表」「(4)発行済株式数」「(3)連結財政状態」 | 🟢 一次情報 |
| 過去5期の1株当たり配当額・EPS・営業CF、日立キャピタルとの合併(合併比率・発行済株式数の増加)・2013年の株式分割 | 2021年3月期・2026年3月期 有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」「発行済株式総数、資本金等の推移」 | 🟢 一次情報 |
| ハイブリッド社債の期限前償還 | 「ハイブリッド社債(劣後特約付社債)の期限前償還に関するお知らせ」(2026-09-28)・「公募ハイブリッド社債(劣後特約付社債)の発行および既存ハイブリッド社債の期限前償還に関するお知らせ」(2026-05-15) | 🟢 一次情報 |
| 営業利益率(通期予想・実績代用)・ROE(通期予想)・ネットキャッシュ・時価総額比・決算期変更分を除いた前年同期の純利益 | 本ブログ算出(決算短信の実額・会社予想値より計算。ROE分母は期首自己資本(前期末)と第1四半期末自己資本の平均) | 🟡 補助データ |
| 過去配当履歴・EPS推移 | EDINET DB | 🟢 一次情報 |
| 株価・配当利回り | 筆者が確認した終値を採点にのみ使用(数値は非掲載) | 🟡 補助データ |
【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。