【eBASE(3835)】配当B(75点) — 2027年3月期 中間期

観察中(筆者は当該銘柄を未保有)📁 情報・通信業

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結論: 通期利益を下方修正、記念配当込みの年15.20円は維持

📊 スコア: B 75点
💰 配当: 15.20→15.20円予想(±0円・創立25周年記念配当3円を含み、普通配当ベースでは15.20→12.20円で△3円)
✅ 良い点: 自己資本比率90.0%、無借金、通期予想の営業利益率23.5%、DOE9.2%
⚠️ 注意点: 普通配当ベースの実質減額、通期利益の下方修正、新規顧客向けの減収


1. 業績ハイライト

  • 売上高26.55億円(+8.9%)・KSP-SPの連結が寄与
  • 営業利益5.05億円(△8.2%)・純利益3.46億円(△10.5%)
  • KSP-SP取得関連費用45百万円を販管費に計上
  • eBASE-PLUS事業は経常+18.7%で全体を下支え
  • 通期予想は売上を上方・利益を下方へ修正

サマリー

  • 増収はM&Aの上乗せ: 6月30日に取得したKSP-SPを第2四半期から取り込み、eBASE事業の売上は+7.7%。業界別では食品向けが+12.5%と伸びた一方、日雑向けは△19.3%、住宅向けは△27.0%と落ち込んだ。
  • 減益は取得関連費用と既存事業の回復遅れ: 取得関連費用45百万円を計上し、eBASE事業の経常利益は△19.0%。同費用を除いても△6.6%で、既存事業の利益の回復は遅れている。
  • 通期は増収減益へ修正: 10月30日に通期予想の売上を5,400→5,700百万円へ上げ、営業利益を1,540→1,340百万円、純利益を1,070→935百万円へ下げた。予想EPSは24.34→21.28円。

2. 配当判断サマリー

  • 当期予想の年間配当15.20円(中間7.60円+期末7.60円)は10月30日の業績予想の修正後も変更なし。内訳は中間・期末とも普通配当6.10円+創立25周年記念配当1.50円で、年間では普通配当12.20円+記念配当3円。前期15.20円は全額普通配当のため、表面は同額でも普通配当ベースでは△3円
  • 会社は「配当性向50%を基準に算出した額と直近の配当予想額の高い方」を支払う方針を掲げ、10月30日の開示でもこの方針に基づいて配当予想を維持すると説明した。修正後の予想EPS21.28円の50%は10.64円で、普通配当12.20円はこれを上回る
  • 実質普通配当ベースの予想配当性向は57.3%(12.20円÷21.28円)、記念配当を含む表面ベースは71.4%。業績予想の下方修正で、前回カルテ時点の50.1%から一段上がった
  • 記念配当を挟んで表面DPSが動く構図は、同じ情報・通信業のキューブシステム(2335)やDTS(9682)にも見られる。本銘柄は記念配当が外れる翌期に、普通配当をどの水準から積み上げるかが論点になる

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(75/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 32 性向4・DOE10・利回り4・方針6・耐性8
財務 25 21 自己資本10・ネットキャッシュ7・営業CF安定性4
収益 25 22 営業利益率15・ROE7
合計 100 75 —

営業利益率とROEは、中間期の実績ではなく10月30日修正後の当期通期の会社予想を採点根拠とした。営業利益率は通期予想23.5%(営業利益1,340百万円÷売上高5,700百万円)、ROEは通期予想13.0%(予想純利益935百万円÷自己資本7,198百万円=期首7,367百万円と中間期末7,028百万円の平均)である。配当性向・配当利回りも当期通期予想の年15.20円のうち、記念配当3円を除いた実質普通配当12.20円を分子としている。

3-1. 主な加点(高得点項目)

  • 営業利益率 15/15: 修正後の通期予想23.5%(1,340百万円÷5,700百万円)で15%以上の最上位帯。中間期の実績は19.0%だが、修正後の通期予想は下期の営業利益を約835百万円と上期(505百万円)より厚く見込む形になっている
  • DOE 10/10: 9.2%(2026年3月期 決算短信の純資産配当率)で5%以上の最上位帯。中間期決算短信にDOEの記載はなく、当期の見込み値も示されていない
  • 自己資本比率 10/10: 中間期末90.0%で60%以上の最上位帯。前期末91.0%からは△1.0ptで、期末配当の支払とKSP-SPの取得による
  • 増配減配耐性 8/10: 実質普通配当ベースで2022〜2026年3月期の5期連続増配・直近5年に減配なし。当期予想が普通配当ベースで△3円のため、当期の増配予想を要件とする最上位帯には届かない
  • 営業CF安定性 4/5: 直近5期(2022〜2026年3月期)に赤字(マイナス)の期はなく、5期平均から最も離れた2022年3月期の763百万円を除いた4期は、その4期平均1,148百万円の±20%以内に収まる
  • ROE 7/10: 修正後の通期予想13.0%(935百万円÷7,198百万円)で10〜15%の帯
  • ネットキャッシュ 7/10: +4,510百万円(現金及び預金4,472百万円+短期有価証券38百万円−有利子負債0)。時価総額比で「プラス・10〜30%」帯。算定根拠は §7-2 参照

3-2. 主な減点(低得点項目)

  • 配当性向 4/10: 当期通期予想の実質普通配当ベースで57.3%(12.20円÷修正後の予想EPS21.28円)。情報・通信業の中央値35%から+22.3ptの乖離で「+20〜+30pt」帯
  • 配当利回り 4/10: 実質普通配当ベースの予想DPS12.20円ベースで「2.5〜3.5%」帯。記念配当3円を含む表面15.20円で計算すると変わるが、本ブログは単発の記念配当を分子から除く

(注)配当方針 6/10(配当性向50%を基準とする方針の明示)は中庸帯のため、§3-1 / §3-2 のどちらにも掲載していない。

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前回(2027年3月期Q1)81点 → 今回(2027年3月期 中間期)75点(△6点)。ランクはBのままで、カテゴリ別では配当35→32・収益25→22、財務21は前回と同じ
  • 変動の内訳: 動いたのは2項目で、いずれも10月30日の業績予想の下方修正による。配当性向は7→4点で、予想EPSが24.34→21.28円に下がり、実質普通配当12.20円に対する予想配当性向が50.1%→57.3%となって、中央値35%からの乖離が「+10〜+20pt」帯から「+20〜+30pt」帯へ移った。ROEは10→7点で、予想純利益が1,070→935百万円に下がり、通期予想ベースのROEが15.1%→13.0%となって「15%以上」帯から「10〜15%」帯へ移った。配当利回りは株価の変化で値が動いたが、2.5〜3.5%の帯は前回と同じ
  • 満点項目の維持: DOE10・自己資本比率10・営業利益率15の3項目は前回から満点が続く。営業利益率は通期予想が28.5%→23.5%へ下がったが、15%以上の帯の内側にある
  • 現在の位置づけ: B帯(70〜84点)の下限から5点上。失点25点のうち18点が配当カテゴリに集中し、配当性向・配当利回り(各6点)はいずれも記念配当3円を分子から除いた実質普通配当ベースで採点した結果。満点の3項目(営業利益率・自己資本比率・DOE)が土台を支えている

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

4-1. ✅ 事業の強み

  • 更新のたびに上がる契約単価: 2026年4月に創業来初の価格改定(パッケージ+20%・ライセンス&サポート費+15%・役務+50%)を始め、既存ユーザーには更新時に順次適用する。会社の見込みどおり2028年3月期にほぼ全体へ行き渡れば、ストック収益を通じて配当原資を下支えする。
  • POSデータとの結合による新収益源: KSP-SPの取得で、自社の商品詳細データと同社のPOSデータを組み合わせる「DATA eBASE」の提案を始めた。富士通との協業による環境構築も終え、官公庁の研究機関から受注内定を得ており、商品情報基盤の用途が広がっている。

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 案件の山谷に左右される新規開拓: 中間期のeBASE事業の新規顧客向け売上は前年同期比△41.9%で、構成比は11.5%まで下がった。会社は中期経営計画で、大型カスタマイズの負荷が開発と営業を疲弊させ新規開拓を止めたと説明しており、将来のストック収益の積み上がりが細る。
  • 食品業界向けへの依存の高まり: 決算と事業報告によると、KSP-SPを除くeBASE事業の売上の58.4%を食品業界向けが占め、構成比は前年より上がった。他業界向けの立て直しが遅れるほど、業績が食品業界の投資サイクルに左右されやすくなる。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)。


5. 筆者メモ

記念配当3円で年15.20円を保ったが、普通配当は12.20円で予想配当性向は57%台へ上がった。記念配当が外れる翌期に、普通配当がどの水準から始まるかを見たい。

次回(2027年3月期 第3四半期)見るポイント:

  • 修正後の通期予想(営業利益1,340百万円)に対する第3四半期累計の進捗と、下期に偏る計画が維持されるか
  • 価格改定の適用が進む中で、ストック売上(ライセンス&サポート・クラウドサービス等)が伸び続けるか
  • 翌期の配当予想で、記念配当3円を除いた普通配当12.20円が起点として扱われるか
  • KSP-SPの損益寄与と、取得原価の配分の確定によるのれんの金額(暫定296百万円・15年償却)

6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目 値
2026年3月期実績 15.20円(期末一括・全額普通配当・5期連続増配)
2027年3月期 中間期実績 7.60円(普通6.10円+記念1.50円・上場来初の中間配当・支払開始予定日2026年12月4日)
2027年3月期予想 15.20円(中間7.60円〈普通6.10円+記念1.50円〉+期末7.60円〈普通6.10円+記念1.50円〉)。10月30日の業績予想の修正後も配当予想は変更なし。表面は前期と同額、実質普通配当ベースでは△3円
配当性向(連結・当期通期予想・実質普通配当ベース) 57.3%(12.20円 ÷ 修正後の予想EPS21.28円)。記念配当を含む表面ベースは71.4%(15.20円÷21.28円)
DOE(連結・純資産配当率) 9.2%(2026年3月期実績・決算短信記載値。中間期決算短信では非開示)
配当利回り 採点帯 2.5〜3.5%(4/10)・実質普通配当ベースの予想DPS12.20円
配当方針 第25期(2026年3月期)有価証券報告書【配当政策】で、親会社株主に帰属する当期純利益ベースの配当性向50%を基準とする方針を明示(配当性向を「50%を基準に算出した額及び直近の配当金予想額のいずれか高い方」とする方針)。2026年10月30日の「中間期業績予想と実績値との差異及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」でも、この方針に基づいて配当予想を維持すると説明している。剰余金の配当は2026年9月1日開示で年2回(中間・期末)へ変更され、中間配当の基準日は9月30日。累進配当の宣言はなく、DOE目標の開示もないため、方針の得点は6/10
連続増配年数 5期連続増配(2022〜2026年3月期・実質普通配当ベース)。2027年3月期予想は普通配当12.20円で△3円のため、当期予想では連続増配が止まる

6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円・分割後換算) 実質普通DPS(円・分割後換算) EPS(円・分割後換算) 配当性向
2016/3 2.06 2.06 10.44 19.8%
2017/3 2.50 2.50 12.45 20.1%
2018/3 5.15(記念0.625含む) 4.53 15.07 30.1%
2019/3 5.15 5.15 17.09 30.1%
2020/3 5.95 5.95 19.67 30.2%
2021/3 5.70 5.70 18.90 30.2%
2022/3 5.80 5.80 16.16 35.9%
年度 DPS(円・分割後換算) 実質普通DPS(円・分割後換算) EPS(円・分割後換算) 配当性向
2023/3 6.10 6.10 19.43 31.4%
2024/3 10.10 10.10 25.04 40.3%
2025/3 13.90 13.90 27.67 50.2%
2026/3(実績) 15.20 15.20 22.98 66.1%
2027/3(予想) 15.20(記念3含む) 12.20 21.28 57.3%

(注)

  • データ基準: 2016〜2025年3月期のDPS・EPSは EDINET DB(有価証券報告書由来)引用、2026年3月期実績は決算短信の記載値、2027年3月期予想は2026年10月30日修正後の会社予想(予想EPS21.28円)。EPSはいずれも会社開示値で、配当性向から逆算していない
  • DPS列の方針: 1列目は表面DPS(記念配当を含む年額)、2列目は記念配当を除いた実質普通配当ベース。該当のない年は両列が同値。配当性向は実質普通配当ベースで再計算している
  • 記念配当の実施履歴: 2027年3月期予想の15.20円は創立25周年記念配当3円を含み、実質普通配当は12.20円(2027年3月期 中間期決算短信「2.配当の状況」注記で、中間配当・期末配当とも「普通配当6円10銭・創立25周年記念配当1円50銭」)。2026年3月期実績15.20円は全額普通配当(第25期有価証券報告書【配当政策】に、2026年3月31日を基準日とする期末配当金を普通配当1株当たり15円20銭とする旨の記載)。過去では2018年3月期に記念配当2.50円(当時基準の年間配当20.60円に含む・分割後換算で0.625円)の実施例がある(有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」注記)
  • 分割の扱い: 2013年4月1日(1株→400株)・2017年10月1日(1株→2株)・2019年4月1日(1株→2株)・2020年4月1日(1株→2株)の株式分割を反映し、表は直近の分割後基準に揃えている。この期間の配当は期末一括(年1回)(2027年3月期より中間・期末の年2回)で、2017年10月1日の期中分割も基準日(各期の3月31日)が分割後にあたるため、1年度内で配当の基準が分かれる期はない。2019年4月1日・2020年4月1日の分割は期首(前期末日の翌日)に効力が生じ、2019年3月期・2020年3月期の開示EPSは分割後へ遡及済みのため、DPSのみ実額(20.60円・11.90円)を換算している
  • 減配履歴: 2020年3月期→2021年3月期に5.95→5.70円で△0.25円の減配(コロナ期)。直近5年(2022〜2026年3月期)には減配なし
  • 配当政策の傾向: 配当性向は2016〜2021年3月期に20〜30%台で推移していたが、2022年3月期以降は35.9→31.4→40.3→50.2→66.1%と上昇。2027年3月期予想は実質普通配当ベースで57.3%(表面ベースでは71.4%)

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 実質普通配当ベースでは2022年3月期から5期連続増配で、DPSは5.80→15.20円と約2.6倍。2027年3月期予想は表面15.20円で前期と同額だが、記念配当3円を除く普通配当は12.20円で△3円にあたり、増配の連続は当期でいったん止まる計画
  • 方針シグナル: 配当性向50%を基準に算出した額と直近の配当予想額の高い方を支払うと明示し、10月30日の利益予想の下方修正後もこの方針に沿って予想を維持した。修正後の予想EPSの50%(10.64円)は普通配当12.20円を下回っており、当期の配当は利益連動部分ではなく直近の予想額の側で決まっている。累進配当の宣言はなく、DOE目標の開示もないため方針の得点は6/10
  • 耐性実績: 直近5年(2022〜2026年3月期)に減配はなく、コロナ期の減配(2021年3月期)は対象期間から外れた。ただし利益予想の下方修正で、普通配当ベースの予想配当性向は57.3%まで上がっている

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー(中間期累計)

指標 当中間期 前年同期 前年同期比
売上高 26.55億円 24.37億円 +8.9%
営業利益 5.05億円 5.50億円 △8.2%
営業利益率(中間期実績) 19.0% 22.6% △3.6pt
経常利益 5.34億円 5.67億円 △5.9%
親会社株主に帰属する中間純利益 3.46億円 3.86億円 △10.5%
EPS 7.88円 8.61円 △8.5%

前年同期比は決算短信「1.(1)連結経営成績(累計)」の記載値(EPS・営業利益率は算出値)。修正後の通期予想に対する進捗率は売上高46.6%・営業利益37.7%・経常利益38.2%・純利益37.0%(千円実額から算出)。下期に必要な営業利益は834百万円(通期予想1,340百万円から中間期実績505,580千円を引いた値。表示値どうしでは835百万円)で、前年下期(880百万円)を△5.2%下回る水準。

セグメント別(対前年同期比)

区分 売上(前年同期比) セグメント利益(前年同期比)
eBASE事業 12.25億円(+7.7%) 3.01億円(△19.0%)
eBASE-PLUS事業 14.30億円(+10.0%) 2.33億円(+18.7%)

セグメント利益は経常利益ベースで、前年同期比は決算短信「1.(1)経営成績に関する説明」の千円単位の金額と増減額から算出した。eBASE事業は売上がKSP-SPの取り込み(137百万円)で増えた一方、利益はKSP-SPの取得関連費用45,731千円を同セグメントで負担したことと、日雑・住宅業界向けの減収で落ちた。同費用を除いた経常利益は3.46億円(△6.6%)。eBASE-PLUS事業は社員売上の増加と単価交渉で増収となり、採用広告費の執行が下期にずれ込んだことも利益を押し上げた。

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟡 KSP-SPの取得関連費用(アドバイザリー費用等)45,731千円を販売費及び一般管理費に計上。同費用を除くと営業利益は551百万円で前年同期とほぼ同額(+0.1%)
営業外損益 🟢 営業外収益30百万円(受取利息11・投資事業組合運用益9・その他6・受取配当金4)に対し営業外費用1百万円。経常利益の嵩上げ要因は小さい
純利益押し下げ要因 🟡 法人税等188,057千円÷税金等調整前中間純利益534,131千円=35.2%(前年同期31.9%)。中間特有の見積実効税率法による計上で、純利益の△10.5%は経常段階の△5.9%より深い
開示の誠実性 🟢 業績予想の修正の理由として、前期に受注した未経験業界向けの大型カスタマイズの影響と、その個別進捗管理・収束見通しを説明。同日公表の中期経営計画でも、業績低迷の原因と対策を図解で示している

→ 業績の質: 減益の主因は取得関連費用と既存事業の新規・深耕営業の回復遅れで、M&A費用を除いた営業利益は前年同期並み(KSP-SPの利益寄与を含む)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 前期(2026年3月期・期末) 当中間期(2026年9月末)
営業CF(百万円) 1,068 N/A(CF未作成)
投資CF(百万円) △512 N/A(CF未作成)
財務CF(百万円) △1,047 N/A(CF未作成)
現金及び預金(BS・百万円) 4,955 4,472
短期有価証券(BS流動・百万円) 128 38
現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) 4,933 N/A(CF未作成)
自己資本比率(%) 91.0 90.0

左列のCF3行と現金及び現金同等物は2026年3月期(通期)の実績。中間期決算短信に中間連結キャッシュ・フロー計算書は掲載されていない。

  • 有利子負債: 中間連結貸借対照表に短期借入金・長期借入金・社債・リース債務の掲記はなく、営業外費用にも支払利息の計上がないため0百万円(前期末も同じ)。KSP-SPの連結で固定負債に「その他」7百万円が加わったが、内訳の開示はない
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金4,472百万円 + 短期有価証券38百万円 − 有利子負債0百万円 = +4,510百万円。時価総額比(期末発行済株式数47,164,800株・自己株式を含む)で、プラスかつ時価総額10〜30%帯にあたり7/10点。投資その他の資産の投資有価証券1,632百万円は長期のため分子に含めない。前期末は+5,082百万円(現金及び預金4,954.8百万円+短期有価証券127.5百万円)で、KSP-SPの取得対価641百万円と期末配当668百万円の支払が減少要因
  • 総資産・純資産の動き: 総資産は8,098→7,811百万円(△287百万円)。KSP-SPの連結子会社化でのれん292百万円・その他無形固定資産169百万円が増えた一方、現金及び預金△483百万円・受取手形、売掛金及び契約資産△176百万円が減った。純資産は7,028百万円(△340百万円)。中間純利益346百万円を計上した一方、配当金668百万円を支払い、利益剰余金は8,144→7,822百万円(△322百万円)となった
  • 営業CF: 中間期の営業CFは開示されていない。営業CF安定性の採点は直近5期(2022〜2026年3月期)の通期実績763→1,025→1,334→1,166→1,068百万円(決算短信ベース)を対象とする。赤字(マイナス)の期はなく、5期平均1,071百万円から最も離れた2022年3月期の763百万円(△28.8%)を除くと、残り4期はその4期平均1,148百万円の±20%以内に収まるため4/5点
  • 自己株式: 期末発行済株式総数47,164,800株は前期末から変わらず、消却はない。期末自己株式数は3,221,062→3,219,761株

7-3. 通期業績予想(2027年3月期・2026年10月30日修正)

項目 予想 前期比
売上高 57億円(修正前54億円) +8.4%
営業利益 13.40億円(修正前15.40億円) △6.4%
経常利益 14億円(修正前16億円) △4.6%
親会社株主帰属当期純利益 9.35億円(修正前10.70億円) △8.9%
EPS 21.28円(修正前24.34円) △7.4%
営業利益率(通期予想) 23.5%(1,340百万円÷5,700百万円・本ブログ算出) △3.7pt
ROE(通期予想) 13.0%(935百万円÷7,198百万円・本ブログ算出) △0.9pt

修正の理由として会社は、売上はKSP-SPの寄与で上回る一方、利益はeBASE事業の新規・深耕営業の回復遅れで下回ると説明している。前回予想にはKSP-SPの影響を織り込んでいなかった。会社はM&Aの取得関連費用と広告費(2026年11月からのテレビCMを含む)の想定影響額を予想に織り込んだとしている。同日に公表した中期経営計画(2028年3月期〜2030年3月期)は、2030年3月期に売上高6,700百万円・経常利益1,800百万円を目標に掲げる。ROEの分母は期首自己資本7,367百万円と中間期末自己資本7,028百万円の平均。前期比欄の営業利益率・ROEは2026年3月期実績(27.2%・13.9%)との比較。

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
売上高・営業利益・経常利益・中間純利益・EPS・セグメント別の売上と経常利益・取得関連費用 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-10-30開示) 🟢 一次情報
中間配当・期末配当予想と記念配当の内訳 同上「2.配当の状況」注記 🟢 一次情報
自己資本比率・現金及び預金・短期有価証券・有利子負債・発行済株式数・のれん・企業結合の内容 同上「中間連結貸借対照表」「企業結合等関係」「注記事項(4)発行済株式数」 🟢 一次情報
修正後の通期業績予想・修正の理由・配当予想の維持と配当方針 「中間期業績予想と実績値との差異及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」(2026-10-30開示) 🟢 一次情報
業界別・ストック/フロー別・新規/既存別の売上、M&A費用を除く経常利益 「2027年3月期第2四半期(中間期)決算と事業報告」(2026-10-30) 🟢 一次情報
価格改定の内容・大型カスタマイズの影響と対策・2030年3月期の目標 「中期経営計画~業績回復と持続的成長に向けて~」(2026-10-30) 🟢 一次情報
営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と中間期末自己資本の平均) 🟡 補助データ
DOE(純資産配当率)・2026年3月期の実績値(売上・利益・EPS・ROE・営業利益率)・営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 期末残高 2026年3月期 決算短信(2026-05-15開示) 🟢 一次情報
当期配当予想の支払回数(年2回化)・中間配当の導入と基準日 「配当方針の変更および配当予想の修正(初の中間配当実施)に関するお知らせ」(2026-09-01開示) 🟢 一次情報
配当方針(配当性向50%を基準とする方針)・2026年3月期期末配当が普通配当であること 第25期(2026年3月期)有価証券報告書【配当政策】 🟢 一次情報
株式分割の内容・2018年3月期の記念配当2.50円・過去のEPS推移 有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」「発行済株式総数、資本金等の推移」/ 株式分割に関する開示 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価・配当利回り 記事作成時点の終値を採点にのみ使用(数値は非掲載) 🟡 補助データ

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