結論: 通期を上方修正、年34円へ増配し自社株買いも決議
📊 スコア: C 57点
💰 配当: 32→34円予想(+2円)、中間17円を決定・期末17円予想(いずれも4月公表の16円から+1円)
✅ 良い点: 通期の営業利益予想を+7.8%上方修正、5期目の増配予想、配当性向6.6%、100億円の自己株式取得と全数消却
⚠️ 注意点: DOE0.6%、ネット有利子負債約4.4兆円、東海道新幹線の輸送量は前年並み、通期は前期比△8.8%の営業減益予想
1. 業績ハイライト
- 営業収益1兆129億円(+3.1%)・運輸収入が増加
- 営業利益4,471億円(△1.5%)・営業費+7.1%
- 純利益2,884億円(△3.2%)・EPS303.12円
- 通期の営業利益予想を7,020億→7,570億円へ
- 年間配当を32→34円へ・自己株式100億円を取得
サマリー
- 増収でも営業減益: 単体の運輸収入は+1.2%増えたが、労務単価の上昇で単体の修繕費が+13.0%となるなど連結の営業費が+7.1%伸び、営業利益は4,471億円(△1.5%)にとどまった。
- 最終減益は特損と税: 受取利息の増加で経常利益は+0.1%と前年並みを保ったが、関係会社株式評価損36.77億円と防衛特別法人税の適用開始が重なり、純利益は△3.2%となった。
- 上方修正でも前期比は減益: 営業利益予想を7,020億→7,570億円(+7.8%)へ引き上げたが、前期の8,301億円比では△8.8%。下期は前年下期比△17.6%の営業減益を織り込む計算になる。
2. 配当判断サマリー
- 中間配当は4月公表の16円から1円増やして17円に決め(前年同期16円・支払開始予定日2026年12月1日)、期末予想も17円へ引き上げた。年34円は前期32円から+2円で、4期続いた増配が5期目に入る見込み
- 予想配当性向6.6%(34円÷予想EPS512.38円)は、配当性向の業種補正がない陸運業の標準中央値35%を大きく下回る。配当原資の余裕は厚い一方、還元の水準そのものは低い
- 10月28日に上限100億円・360万株の自己株式取得(11月2日〜30日の市場買付け)と、取得した全数の12月15日消却を決議した。4月決議の取得分も消却済みで、期末発行済株式総数は1,001,177,100株→995,385,200株に減っている
- 同じ鉄道大手のJR東日本(9020)は配当性向40%目標へ段階的に引き上げる方針を掲げており、数値目標を置かず安定配当を基本とする本銘柄とは配当の決め方が異なる
3. スコア内訳
配当持続性ランク: C(57/100点) ★★★☆☆
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 23 | 性向10・DOE0・利回り0・方針3・耐性10 |
| 財務 | 25 | 15 | 自己資本10・ネットキャッシュ2・営業CF安定性3 |
| 収益 | 25 | 19 | 営業利益率15・ROE4 |
| 合計 | 100 | 57 | — |
3-1. 主な加点(高得点項目)
- 営業利益率 15/15: 通期予想36.9%(7,570億円÷2兆490億円)で15%以上の最上位帯。中間期の実績は44.1%(前年同期46.2%から△2.1pt)
- 配当性向 10/10: 通期予想6.6%(34円÷予想EPS512.38円)。陸運業に配当性向の業種補正はなく、標準中央値35%を下回るため「中央値以下」帯
- 自己資本比率 10/10: 中間期末48.6%(前期末46.6%から+2.0pt)。陸運業の業種補正(40%以上で10点)を適用した最上位帯
- 増配減配耐性 10/10: 直近5年(2022〜2026年3月期)で減配がなく、2023年3月期から4期連続で増配。当期予想も34円(+2円)の増配となり最上位帯。記念配当・特別配当はなく、表面と実質普通配当は同じ
3-2. 主な減点(低得点項目)
- 配当利回り 0/10: 予想DPS34円ベースで「1.5%未満」帯
- DOE 0/10: 0.6%(2026年3月期 決算短信に記載された2026年3月期実績の純資産配当率)で1%未満の帯。当期の会社見込みDOEは数値の開示がないため直近通期の開示実績を採用
- ネットキャッシュ 2/10: 中間期末で△4兆3,684億円。陸運業はネットキャッシュのマイナス救済(最低2点)の対象業種のため、本則では0点の水準でも2点を付与
- 配当方針 3/10: 「安定配当を継続する」という定性的な基本方針の帯。10月28日の配当予想の修正でも同じ方針を前提に挙げており、累進配当の宣言、DOE目標、配当性向目標の明示はない
- ROE 4/10: 通期予想9.4%(4,870億円÷平均自己資本5兆1,997億円)で5〜10%帯。上方修正で前回の8.7%から上がったが10%には届かない
3-3. スコアの動き(定点観測)
- スコア変動: 前回(2027年3月期Q1)55点 → 今回(2027年3月期 中間期)57点(+2点)
- 変動の内訳: 増配減配耐性が8→10点。当期予想が32円の据え置きから34円の増配に変わり、「3年以上の連続増配+直近5年で減配なし+当期予想で増配」の最上位帯に移った。ROEは上方修正で8.7%→9.4%に上がったが5〜10%帯のまま。配当利回りは分子の予想DPSが32円→34円に増えたが、1.5%未満の帯(0点)にとどまる。ほかの項目は前回と同点
- 満点の項目: 営業利益率15・配当性向10・自己資本比率10は前回に続いて満点で、今回は増配減配耐性10が加わった
- 現在の位置づけ: C帯(55〜69点)の下位。収益効率の高さと配当原資の厚みが点を作り、利回り・DOE・ネットキャッシュ・配当方針の4項目が0〜3点にとどまる構図は前回から変わらない
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。
4. 事業の強み・構造リスク
※本章はスコア(§3)に入っていない事業上の強み・構造リスクを扱います。
4-1. ✅ 事業の強み
- 量が伸びなくても収入を積める幹線: 上期の単体の運輸収入7,945億円のうち新幹線が7,403億円を占め、新幹線の輸送人キロが前年並みでも新幹線の運輸収入は+1.1%増えた。三大都市圏を結ぶ路線の収入の厚みが、配当原資の土台になる。
- 建設資金の分別管理: 中央新幹線の建設長期借入金3兆円は鉄道・運輸機構からの借入で、分別管理のための信託(中間期末6,243億円)を設定している。有利子負債の6割強は使い道が建設に限られた借入で、未使用分は本業の資金と分けて管理されている。
4-2. ⚠️ 構造リスク
- 運輸業への集中: 上期のセグメント利益4,481億円のうち運輸業が4,174億円で93%を占め、流通業・不動産業・その他の合計は307億円。運輸業が△2.5%の減益となった上期は、他3事業の増益では補いきれなかった。
- 静岡工区の掘削は未着手: 7月に静岡県と自然環境保全協定を結んだが、南アルプストンネル静岡工区の掘削工事はまだ始まっていない。中間期末の建設仮勘定は2兆5,212億円で、開業が後ろへ動くほど収益を生まない資産を抱える期間が延びる。
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年10月時点)。
5. 筆者メモ
稼ぐ力の高さを評価して保有しています。利益が前期を下回る見込みの年に配当を34円へ増やし、自社株買いも決めました。利回りは低いままでも、還元を少しずつ厚くする姿勢は続いていると受け止めています。
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2026年3月期実績 | 32円(中間16+期末16) |
| 2027年3月期 中間期実績 | 中間配当17円(4月公表の予想16円から+1円・前年同期16円・配当金総額16,156百万円・支払開始予定日2026年12月1日) |
| 2027年3月期予想 | 34円(中間17+期末17・+2円)。2026年10月28日に期末予想を16円→17円へ修正 |
| 配当性向(連結・通期予想・表面) | 6.6%(34円 ÷ 予想EPS512.38円・決算短信「3.2027年3月期の連結業績予想」より本ブログ算出。記念配当・特別配当の支給はなく実質普通配当ベースでも同値。前期実績は5.6%) |
| DOE(連結・純資産配当率) | 0.6%(決算短信記載値=2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」の2026年3月期実績。当中間期の決算短信に同欄はなく、当期の会社見込みDOEの数値の開示もない) |
| 配当利回り | 採点帯 1.5%未満(0/10)・予想DPS34円 |
| 配当方針 | 長期にわたる安定的な経営基盤の確保・強化と中央新幹線計画等の推進のため内部留保を確保しつつ、安定配当を継続することを基本方針とする(2026年3月期 決算短信「(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」)。2026年10月28日の「剰余金の配当および配当予想の修正に関するお知らせ」もこの方針を前提に、東海道新幹線の利用が底堅いことを増額の理由に挙げた。累進配当の宣言はなく、DOE目標の明示もなく、配当性向目標の明示もない |
| 連続増配年数 | 4期連続増配(2023年3月期〜2026年3月期・下表で確認できる)+ 2027年3月期予想34円で 5期目 継続見込み |
6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年以前の履歴を表示
| 年度 | DPS(円・分割後換算) | EPS(円・分割後換算) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2016/3 | 25 | 342.93 | 7.3% |
| 2017/3 | 27 | 399.30 | 6.8% |
| 2018/3 | 28 | 403.10 | 6.9% |
| 2019/3 | 29 | 447.79 | 6.5% |
| 2020/3 | 30 | 405.57 | 7.4% |
| 2021/3 | 26 | △205.09 | 赤字配当(減配) |
| 2022/3 | 26 | △52.77 | 赤字配当(維持) |
| 年度 | DPS(円・分割後換算) | EPS(円・分割後換算) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2023/3 | 27 | 222.99 | 12.1% |
| 2024/3 | 29 | 390.66 | 7.4% |
| 2025/3 | 31 | 465.88 | 6.7% |
| 2026/3(実績) | 32 | 570.84 | 5.6% |
| 2027/3(予想) | 34 | 512.38 | 6.6% |
(注)
- データ基準: 2023年10月1日に効力が発生した株式分割(1株→5株)を反映した現在の株式数ベース。直近期(2025/3・2026/3)は決算短信記載と一致確認済。2027/3は2026年10月28日に修正した会社予想で、予想EPSは同日決議の自己株式取得の影響を含まない
- 分割を跨ぐ年度の扱い: 当社の配当は基準日9月30日・3月31日の年2回で、分割の基準日2023年9月30日は中間配当の基準日と同じ日にあたる。このため2024年3月期は中間配当が分割前、期末配当が分割後の株式数で決まり、開示上の年間85円(中間70+期末15)は単純合計できない。有価証券報告書の注記が「期首に当該株式分割が行われたと仮定した場合、中間配当額は14円となり、期末配当額15円を加えた年間配当額は29円となります」と示しており、本表はこの29円を採用している。EPSは2024年3月期の開示値390.66円が既に分割後の株式数で計算されており、2023年3月期以前は開示値を5で割っている
- 異常値の説明: 2021年3月期・2022年3月期は最終赤字。それでも分割後換算で年間26円の配当を2期にわたって維持した。2021年3月期の減配は最終赤字を受けたもので、それ以前のDPSは2016年3月期25円から2020年3月期30円まで毎期積み上がっており、記念配当の上乗せとその剥落による段差は本表からは読み取れない
- 配当政策の傾向: 2020年3月期の30円から2021年3月期に26円へ減配した後、2023年3月期から4期連続で増配し2026年3月期32円まで戻した。2027年3月期は期初予想32円の据え置きから、10月28日に34円の増配予想へ変えた。直近2期(2025年3月期・2026年3月期)は決算短信「2.配当の状況」に記念配当・特別配当の注記がなく、普通配当のみ
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: 2022年3月期の26円から2026年3月期32円まで4期連続で増配し、当期予想34円で5期目に入る。増配幅は分割後換算で+1円→+2円→+2円→+1円→+2円(予想)と小刻みで、利益が前期比で減る見込みの年にも増配を選んだ
- 方針シグナル: 数値目標は掲げず、「安定配当を継続する」という定性的な基本方針のみ。期初は据え置きだった予想を、東海道新幹線の利用が底堅いことを理由に中間・期末とも1円ずつ増やしており、還元の上乗せは配当の増額と自己株式の取得・消却の両方で行っている
- 耐性実績: コロナ期(2021年3月期)に分割後換算30→26円の減配履歴があるが、直近5年(2022〜2026年3月期)では減配なし。最終赤字だった2021年3月期・2022年3月期も26円を維持し、2023年3月期から増配に戻している
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー(2027年3月期 中間期累計)
| 指標 | 当中間期 | 前年同中間期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 10,129.91億円 | 9,822.02億円 | +3.1% |
| 営業利益 | 4,471.84億円 | 4,540.51億円 | △1.5% |
| 経常利益 | 4,259.49億円 | 4,256.67億円 | +0.1% |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | 2,884.36億円 | 2,981.16億円 | △3.2% |
| EPS(中間期) | 303.12円 | 305.12円 | △0.7% |
| 営業利益率(中間期実績) | 44.1% | 46.2% | △2.1pt |
| 自己資本比率 | 48.6% | 46.6%(前期末) | +2.0pt |
(注)営業利益率は中間期累計の実績で、スコアの営業利益率(36.9%)・ROE(9.4%)は通期予想ベースで採点している。会社は2026年4月28日の時点で中間期の業績予想を開示していない。
セグメント別(対前年同期比)
| 区分 | 売上 | 前年同期比 | セグメント利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 運輸業 | 8,282.44億円 | +1.2% | 4,174.16億円 | △2.5% |
| 流通業 | 950.31億円 | +7.3% | 83.38億円 | +16.7% |
| 不動産業 | 464.06億円 | △0.8% | 137.30億円 | +0.6% |
| その他 | 1,326.45億円 | +8.7% | 86.38億円 | +38.1% |
- 売上はセグメント間取引を含む合計値。セグメント利益の調整額は△9.39億円
- 運輸業は、輸送人キロが東海道新幹線で前年並み、在来線で+0.9%、全体で+0.1%。単体の運輸収入は7,854億→7,945億円(+1.2%)で、うち新幹線が+78億円、在来線が+11億円。7〜9月だけでみると東海道新幹線の輸送人キロは前年同期の99.6%だった(運輸収入の内訳は補足説明資料の億円未満切り捨ての値で、合計と内訳の和は一致しない)
- 単体の営業費は3,908億→4,114億円(+5.3%)。修繕費+13.0%(労務単価の上昇)、動力費+11.6%(電力単価の上昇)、人件費+5.0%(ベースアップ)が増え、減価償却費は△1.6%だった
- 流通業は駅店舗・百貨店、不動産業は駅商業施設の賃料が伸びた。その他は鉄道車両等製造業の売上が増え、ホテル業・旅行業を含む全体で+38.1%の増益。連結子会社の日本車輌製造は10月27日に通期予想を引き上げたが、会社は連結業績への影響を軽微としている
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🟡 | 特別損失に関係会社株式評価損3,677百万円が新たに出て、特別損益は△48億円(前年同期△7億円)。対象会社や評価損の理由は短信に記載がない。営業減益は営業費の+7.1%によるもので、一過性の損益によるものではない |
| 営業外損益 | 🟢 | 受取利息が8,309→13,355百万円(+60.7%)と増え、営業外収益は12,864→20,052百万円。会社は資金運用の利息の増加と説明しており、営業利益が△1.5%でも経常利益は+0.1%と前年並みを保った |
| 純利益押し下げ/押し上げ要因 | 🟡 | 法人税等が123,322→128,812百万円(+4.5%)と増え、税負担率は29.0%→30.6%に上がった。会社は防衛特別法人税の適用開始を増加の理由に挙げている |
| 開示の誠実性 | 🟢 | 同日の補足説明資料で、単体の営業費を人件費・動力費・修繕費・業務費などに分け、増減の理由を示した。通期予想の修正額と前回予想、自己株式の取得・消却の決議も同日に開示している |
→ 業績の質: 費用の伸びが増収を上回って営業段階は微減益、最終段階は評価損と税負担の増加でさらに減益
7-2. 財務・CFサマリー
| 指標 | 前期末(2026/3)・前年同中間期 | 当中間期末(2026/9) |
|---|---|---|
| 営業CF(百万円) | 320,477 | 310,190 |
| 投資CF(百万円) | △278,724 | △456,856 |
| 財務CF(百万円) | △73,246 | △67,271 |
| 現金及び預金(BS・百万円) | 345,693 | 323,681 |
| 短期有価証券(BS流動・百万円) | 22,900 | 80,300 |
| 現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) | 370,554 | 156,617 |
| 自己資本比率(%) | 46.6 | 48.6(+2.0pt) |
(注)CFの3行は4〜9月の6ヶ月累計(左列は前年同期)、現金及び預金・短期有価証券・現金及び現金同等物 期末残高・自己資本比率は各期末時点(左列は前期末=2026年3月末、右列は中間期末=2026年9月末)。短期有価証券は中間連結貸借対照表の流動資産「有価証券」。
- 有利子負債: 短期借入金37,937 + 1年内償還予定の社債9,999 + 1年内返済予定の長期借入金128,200 + 1年内に支払う鉄道施設購入長期未払金8,592 + 社債689,600 + 長期借入金412,990 + 中央新幹線建設長期借入金3,000,000 + 鉄道施設購入長期未払金485,145 = 4,772,463百万円(前期末は4,805,923百万円)。鉄道施設購入長期未払金も、中間連結損益計算書の営業外費用に「鉄道施設購入長期未払金利息」16,229百万円が計上されている利子性の負債のため算入している。会社が開示する長期債務(短期借入金を除く)は4兆7,684億→4兆7,345億円
- ネットキャッシュ: 現金及び預金323,681百万円 + 短期有価証券80,300百万円 − 有利子負債4,772,463百万円 = △4,368,482百万円。時価総額比(期末発行済株式数995,385,200株・自己株式を含む)で、陸運業の業種補正により2/10点。前期末は345,693+22,900−4,805,923=△4,437,330百万円。流動資産の「中央新幹線建設資金管理信託」624,396百万円は借入金を分別管理するための信託で、投資その他の資産の「金銭の信託」2,133,349百万円・投資有価証券505,278百万円とともに分子に含めていない
- 現金の動き: 現金及び現金同等物は2,139億円減って1,566億円になった。会社は資金運用への支出(純額4,299億円)の増加を主な理由に挙げており、定期預金の預入371,400百万円・金銭の信託の設定231,500百万円が出た一方、中央新幹線建設資金管理信託の解約で225,185百万円が入った。有形固定資産の取得による支出は262,151百万円(前年同期223,269百万円)
- 営業CF安定性: 評価対象は前期までの通期5期(2022〜2026年3月期)の71,746→486,706→672,878→624,550→748,185百万円。5期とも黒字だが、需要回復途上の2022年3月期が5期平均520,813百万円から大きく下振れし、これを除いた4期でも2023年3月期が4期平均633,080百万円を約23%下回るため3/5点
- 自己株式: 期末発行済株式総数は1,001,177,100株→995,385,200株(△5,791,900株)で、4月28日決議の自己株式取得分を消却した(第1四半期決算短信で2026年8月31日の消却予定と開示されていた)。中間期の自己株式の取得による支出は19,999百万円。10月28日決議の取得(上限3,600,000株・100億円・11月2日〜30日)は、取得した全数を12月15日に消却する予定
- 自己資本比率の上昇: 総資産は10,876,154→10,979,050百万円(+102,896百万円)と小幅に増える一方、利益の積み上げで自己資本が5,068,159→5,331,293百万円(+263,134百万円)と増え、比率は+2.0pt上がった。負債は流動負債「その他」の減少などで163,876百万円減った
7-3. 通期業績予想(2027年3月期・2026年10月28日上方修正)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 2兆490億円 | +2.1% |
| 営業利益 | 7,570億円 | △8.8% |
| 経常利益 | 7,150億円 | △8.4% |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 4,870億円 | △11.9% |
| EPS | 512.38円 | △10.2% |
| 営業利益率(通期予想) | 36.9%(757,000百万円÷2,049,000百万円・本ブログ算出) | △4.4pt(前期実績41.4%) |
| ROE(通期予想) | 9.4%(487,000百万円÷平均自己資本5,199,726百万円・本ブログ算出) | △2.0pt(前期実績11.4%) |
| 1株当たり年間配当 | 34円 | +2円(予想配当性向6.6%) |
- 上方修正: 4月28日公表値から営業収益+560億円(+2.8%)、営業利益+550億円(+7.8%)、経常利益+620億円(+9.5%)、純利益+400億円(+8.9%)。営業費の見通しは1兆2,910億→1兆2,920億円でほぼ変えておらず、上方修正は収入側の見直しによる。予想EPSは第1四半期時点の470.05円→512.38円で、10月28日決議の自己株式取得の影響は含まない
- 進捗: 通期予想に対する上期の進捗は営業収益49.4%、営業利益59.1%、経常利益59.6%、純利益59.2%
- 下期に必要な額(本ブログ算出・通期予想−上期実績): 営業収益1兆360億円(前年下期比+1.2%)、営業利益3,098億円(同△17.6%)、純利益1,985億円(同△22.1%)。下期は収入がほぼ前年並みのなかで、費用の増加を大きく織り込む組み立てになっている
- 前期比の見方: 営業利益率の前期実績41.4%(売上高営業利益率)とROEの前期実績11.4%(自己資本当期純利益率)は、2026年3月期 決算短信の記載値。ROEの分母は期首自己資本5,068,159百万円と中間期末自己資本5,331,293百万円の平均
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 中間期の営業収益・営業利益・経常利益・中間純利益・EPS・自己資本比率・セグメント別・営業外損益・特別損益・輸送実績・中央新幹線の進捗(静岡県との自然環境保全協定の締結・静岡工区の掘削準備) | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-10-28開示) | 🟢 一次情報 |
| 通期業績予想(修正後)・前回予想・EPS予想512.38円・中間配当17円・期末配当予想17円 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「2.配当の状況」「3.2027年3月期の連結業績予想」「(3)連結業績予想等の将来予測情報に関する説明」 | 🟢 一次情報 |
| 中間配当の決定(配当金総額・効力発生日)・期末配当予想の修正と理由 | 「剰余金の配当および配当予想の修正に関するお知らせ」(2026-10-28開示) | 🟢 一次情報 |
| 自己株式の取得(上限3,600,000株・100億円)と消却(2026年12月15日予定) | 「自己株式取得に係る事項の決定および自己株式の消却に関するお知らせ」(2026-10-28開示)・中間期決算短信「重要な後発事象の注記」 | 🟢 一次情報 |
| 単体の運輸収入・営業費の内訳と増減理由・税負担増の理由・資金運用の収支・会社の長期債務・セグメント別の通期予想 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算補足説明資料(2026-10-28開示) | 🟢 一次情報 |
| 連結子会社(日本車輌製造)の業績予想の修正と連結業績への影響 | 「子会社における業績予想の修正に関するお知らせ」(2026-10-27開示) | 🟢 一次情報 |
| 配当方針・DOE(純資産配当率)・前期の営業利益率とROE・通期の営業CF(2026年3月期) | 2026年3月期 決算短信(2026-04-28開示)「1.(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」「2.配当の状況」「(1)連結経営成績」「(3)連結キャッシュ・フローの状況」 | 🟢 一次情報 |
| 自己資本・現金及び預金・有価証券・借入金・社債・鉄道施設購入長期未払金・信託・建設仮勘定・発行済株式数・自己株式数 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「中間連結貸借対照表」「(4)発行済株式数(普通株式)」 | 🟢 一次情報 |
| 中間期の営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 中間期末残高 | 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信「中間連結キャッシュ・フロー計算書」 | 🟢 一次情報 |
| 営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想)・配当性向(通期予想ベース)・ネットキャッシュ・時価総額比・進捗・下期に必要な額 | 本ブログ算出(会社予想値・決算短信の自己資本および株式数より計算。ROE分母は期首自己資本(前期末)と中間期末自己資本の平均) | 🟡 補助データ |
| 株式分割(2023年10月1日・1株→5株)・分割を跨ぐ2024年3月期の年間配当額29円・過去EPSの分割後換算値 | 有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」「発行済株式総数、資本金等の推移」・株式分割に関する基準日設定公告(2023年9月14日) | 🟢 一次情報 |
| 過去配当履歴・EPS推移・通期の営業CF(2022〜2025年3月期) | EDINET DB | 🟢 一次情報 |
| 株価・配当利回り | 筆者が確認した終値を採点にのみ使用(数値は非掲載) | 🟡 補助データ |
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本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。