結論: 15期連続増配は維持、利回り低下と財務の重さが課題
📊 スコア: C 62点
💰 配当: 5.30→5.40円予想(+0.10円)、16期目の連続増配へ
✅ 良い点: 15期連続増配、配当性向に余裕、営業収益+10.9%
⚠️ 注意点: 株主資本比率20.8%、予想利回り3.31%、数値目標のない配当方針
1. 業績ハイライト
- 営業収益3兆6,177億円(+10.9%)で二桁増収
- 営業利益4,251億円(+4.9%)・利益率11.8%
- 当社に帰属する四半期利益2,748億円(+5.8%)
- 通期予想は据え置き・営業利益の進捗率24.9%
- 株主資本比率20.8%で前期末から横ばい
サマリー
- 増収の主役はグローバル・ソリューション: 営業収益+10.9%の内訳はグローバル・ソリューション事業+15.8%、総合ICT事業+8.5%、その他(不動産・エネルギー等)+14.6%。地域通信事業は+0.8%とほぼ横ばいだった
- 増益率が増収率に追いつかない: 営業利益+4.9%は営業収益+10.9%に届かず、営業利益率は12.4%→11.8%へ△0.7pt。人件費+9.2%・経費+15.4%の増加が収益の伸びを削った
- 通期予想は据え置き: 営業収益15兆600億円・営業利益1兆7,100億円・当社に帰属する当期利益9,800億円(△5.5%)を修正なしで維持。進捗率は営業収益24.0%・営業利益24.9%で第1四半期の標準ペース
2. 配当判断サマリー
- 2027年3月期は年5.40円予想(+0.10円)で16期目の連続増配へ。第1四半期決算短信でも「配当予想からの修正の有無:無」とされ、中間2.70円+期末2.70円の内訳も据え置かれた
- 配当方針は第41期有価証券報告書「配当政策」に「継続的な増配を基本的な考え」と記載。配当性向・DOE・累進配当の数値目標はいずれも開示されておらず、方針の硬度は定性どまりにとどまる
- 株価が¥150(2026年5月時点)から¥163へ上昇した分、予想配当利回りは3.53%→3.31%へ低下し、利回りの得点帯が一段下がった。配当額そのものは増えている
- 同じ「通信・電力・ガス」の業種補正を受ける中部電力(9502)とは、大規模設備投資でネット有利子負債が構造的に大きい点も、配当方針に数値目標を置かず定性表現にとどめる点も共通する。増配実績の長さ(NTT15期・中部電力3年)で差が出ている
3. スコア内訳
配当持続性ランク: C(62/100点) ★★★☆☆
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 34 | 性向10・DOE7・利回り4・方針3・耐性10 |
| 財務 | 25 | 9 | 自己資本4・ネットキャッシュ2・営業CF安定性3 |
| 収益 | 25 | 19 | 営業利益率12・ROE7 |
| 合計 | 100 | 62 | — |
収益2項目は当期通期の会社予想を採点根拠とした。営業利益率は通期予想11.4%(営業利益1兆7,100億円÷営業収益15兆600億円)、ROEは通期予想10.0%(予想当期利益9,800億円÷株主資本の平均9兆7,929億円)である。第1四半期単独の営業利益率11.8%は参考値として §7-1 に記載している。
3-1. 主な加点(高得点項目)
- 配当性向 10/10: 当期予想44.6%(予想DPS5.40円÷予想EPS12.10円)。通信・電力・ガスの中央値60%を下回り、中央値以下の帯で満点。前期実績も42.0%で余裕がある
- 増配減配耐性 10/10: 15期連続増配(2012年3月期〜2026年3月期)+直近5年(2022〜2026年3月期)減配なし+当期も+0.10円増配予想で最上位帯。コロナ期(2021・2022年3月期)も増配を継続している
- 営業利益率 12/15: 通期予想11.4%(1兆7,100億円÷15兆600億円)で10〜15%帯。前期実績11.8%からは△0.5ptの低下見込み
- DOE 7/10: 4.4%(2026年3月期実績・通期決算短信「配当の状況」の株主資本配当率)で3〜5%帯。前期4.2%から+0.2pt改善している
- ROE 7/10: 通期予想10.0%(予想当期利益9,800億円÷株主資本9兆7,929億円=期首9兆7,276億円と第1四半期末9兆8,581億円の平均)で10〜15%帯の下端。分母を第1四半期末単独に置き換えると9.9%となる境界水準
3-2. 主な減点(低得点項目)
- ネットキャッシュ 2/10: 現金及び現金同等物2兆3,874億円+短期有価証券0円−有利子負債17兆4,257億円=△15兆383億円の大幅なネット有利子負債超過。時価総額比△101.89%。通信・電力・ガスの業種補正(マイナスでも2点)を適用した
- 配当方針 3/10: 第41期有価証券報告書「配当政策」は「継続的な増配を基本的な考え」とするのみで、配当性向目標・DOE目標・累進配当宣言のいずれも置いていない。定性方針の帯で3点
- 配当利回り 4/10: 3.31%(予想DPS5.40円÷株価¥163)で2.5〜3.5%帯。前カルテ時点(株価¥150)は3.53%で7点だったが、株価上昇により帯が一段下がった(同じ予想DPS5.40円でも株価¥150なら3.60%で7点相当)
- 自己資本比率 4/10: 第1四半期末の株主資本比率20.8%(株主資本9兆8,581億円÷総資産47兆4,597億円)。通信・電力・ガスの業種補正は25%以上で7点となるがそこに届かず、本則の20〜40%帯で4点
3-3. スコアの動き(定点観測)
- スコア変動: 前期68点 → 今期62点(△6点)
- 変動の内訳: 配当カテゴリが40→34へ△6点。内訳は配当利回り7→4(株価が¥150→¥163へ上昇し利回りが3.53%→3.31%へ低下)と、配当方針6→3(有価証券報告書「配当政策」を一次資料として読み直し、配当性向・DOEの数値目標が存在しないことを確認したため定性方針の帯へ修正)の2点。なお配当利回りの分子は、分子規則の明文化(2026-07-03)により前カルテの直近実績DPSから当期通期の会社予想DPSへ切り替えたが、株価¥163では5.30円でも5.40円でも同じ得点帯のため、今回の変動は株価上昇によるもの。財務9点・収益19点は前期から変わっていない
- 配当本体は満点維持: 配当性向10/10と増配減配耐性10/10は前期から不変。年間5.40円の予想も第1四半期時点で修正されていない
- 現在の位置づけ: C(55-69)の中位。配当そのものの評価は最上位帯を保つ一方、株主資本比率20.8%とネット有利子負債超過で財務カテゴリが9/25にとどまり、利回りの帯低下が加わって前期のC上位からC中位へ移った
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。
4. 事業の強み・構造リスク
4-1. ✅ 事業の強み
- 非支配持分の縮小で増える利益の取り分: NTTデータグループの完全子会社化により、非支配持分に帰属する四半期利益は129.82億→93.40億円へ縮小した。四半期利益全体+4.2%に対し当社に帰属する利益は+5.8%と上回り、同じ事業利益がより多く配当原資へ回る
- 通信料金と別系統の収益源の追加: 2025年10月に住信SBIネット銀行が連結子会社となり、第1四半期末の銀行業の貸出金は11兆1,032億円、預金は11兆4,638億円に達した。通信の従量・定額収入とは異なる資金利ざや収益が加わっている
4-2. ⚠️ 構造リスク
- 金融費用の増加が利益を削る構造: 金融費用は492.81億→711.06億円(+44.3%)と増え、金融収益の増加+202.06億円を一部相殺した。2026年7月には55億米ドル・38.5億ユーロ・4億英ポンドの無担保社債を追加発行しており、利払い負担は下期にさらに増える
- 設備投資が営業CFを上回る資金構造: 第1四半期の有形固定資産・無形資産及び投資不動産の取得支出6,302.94億円は、営業CF5,744.94億円を上回った。配当支払2,159.40億円を含む株主還元の原資は、当期の稼ぎだけでは賄えず借入等の外部資金に依存している
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有していません(観察対象として継続フォロー予定)。
5. 筆者メモ
配当方針の点数を6から3に下げた。有価証券報告書の配当政策に配当性向やDOEの数値目標がなく、書かれているのは「継続的な増配」という考え方だけだったため。
次回(2027年3月期 第2四半期・2026年11月頃)見るポイント:
- 株主資本比率の回復: 20.8%が25%へ戻る動きが出るか(25%以上なら自己資本比率の得点帯が変わる水準)
- 自己株式取得の消化: 2026年5月8日決議の14億株・2,000億円枠は、第1四半期時点でほぼ未執行のまま
- 金融費用の増加ペース: 2026年7月発行の外貨建社債が下期の利払いにどれだけ効くか
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2026年3月期実績(前期) | 5.30円(中間2.65+期末2.65) |
| 2027年3月期予想(当期) | 5.40円(中間2.70+期末2.70・+0.10円) |
| 配当性向(連結・表面・当期予想) | 44.6%(予想DPS5.40円 ÷ 予想EPS12.10円・決算短信記載値) |
| DOE(連結・株主資本配当率) | 4.4%(2026年3月期実績・通期決算短信記載値。第1四半期決算短信には同欄がないため前期実績値を採用) |
| 配当利回り | 3.31%(予想DPS5.40円 ÷ 株価¥163・2026-08-14終値・J-Quants API) |
| 配当方針 | 継続的な増配を基本的な考えとし、自己株式取得は機動的に実施(第41期有価証券報告書「配当政策」)。累進配当宣言なし。DOE目標なし。配当性向目標なし |
| 連続増配年数 | 15期連続増配(2012年3月期〜2026年3月期)+ 当期予想5.40円で 16期目 継続見込み |
| 自己株式取得 | 2026年5月8日決議で14億株・2,000億円の取得枠(2026年5月11日〜2027年3月31日)。第1四半期の取得による支出は3百万円 |
6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年3月期以前の履歴を表示
| 年度 | DPS(円・分割後換算) | EPS(円・分割後換算) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2010/3 | 1.20 | 3.72 | 32.3% |
| 2011/3 | 1.20 | 3.85 | 31.2% |
| 2012/3 | 1.40 | 3.67 | 38.1% |
| 2013/3 | 1.60 | 4.31 | 37.1% |
| 2014/3 | 1.70 | 5.09 | 33.4% |
| 2015/3 | 1.80 | 4.74 | 38.0% |
| 2016/3 | 2.20 | 7.01 | 31.4% |
| 2017/3 | 2.40 | 7.82 | 30.7% |
| 2018/3 | 3.00 | 9.12 | 32.9% |
| 2019/3 | 3.60 | 8.80 | 40.9% |
| 2020/3 | 3.80 | 9.25 | 41.1% |
| 2021/3 | 4.20 | 9.93 | 42.3% |
| 2022/3 | 4.60 | 13.17 | 34.9% |
| 年度 | DPS(円・分割後換算) | EPS(円・分割後換算) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2023/3 | 4.80 | 13.92 | 34.5% |
| 2024/3 | 5.10 | 15.09 | 33.8% |
| 2025/3 | 5.20 | 11.96 | 43.5% |
| 2026/3(実績) | 5.30 | 12.61 | 42.0% |
| 2027/3(予想) | 5.40 | 12.10 | 44.6% |
(注)
- データ基準: DPS・EPS はすべて2023年7月1日の1:25分割まで反映した分割後ベースに統一(2015年7月1日1:2・2020年1月1日1:2・2009年1月4日1:100の各分割も反映済み)。2010/3〜2011/3期は第28期有価証券報告書、2012/3〜2025/3期はEDINET DB、2026/3期実績と2027/3期予想は決算短信の記載値。EPSはいずれも会社開示値をそのまま用いており、配当性向から逆算していない。配当性向は配当÷EPS×100で再計算した
- 分割を跨ぐ期の扱い: 2020/3期は中間配当の基準日が分割前(2019年9月30日)、期末が分割後(2020年3月31日)にあたる。同期の年間配当は第35期有価証券報告書の「株式分割が期首に行われたものと仮定した年間配当額は1株当たり95円」に基づき95円として換算した(分割後1株当たり3.80円)。2016/3期と2024/3期は分割の効力発生日が中間配当の基準日より前のため、単一倍率で換算できる
- 会計基準の変遷: 2019/3期以降はIFRS、それ以前は米国会計基準による開示。2018/3期のEPS9.12円は当時開示の米国会計基準ベースを採用している(前後年度が米国基準のみのため表全体を当時の開示値で揃えた)。いずれの期も親会社株主(当社)に帰属する利益ベースで、非支配持分は含まない
- 連続増配の起点と数え方: 上表の2010/3期1.20円→2011/3期1.20円は据え置きで、増配が始まるのは2012/3期の1.40円。以降2026/3期の5.30円まで各期とも前期を上回るため、2012/3期〜2026/3期の15期連続増配となる。会社IRの株主還元ページも2026年度(2027年3月期)の年間5.40円を「16期連続での増配」と表記しており、起点は一致する
- 記念配当・特別配当: 第28期・第39期・第41期の各有価証券報告書、2026年3月期通期決算短信、2027年3月期第1四半期決算短信のいずれにも記念配当・特別配当の注記はなく、表面DPSと実質普通配当ベースは一致する
- 配当政策の傾向: 2012/3期1.40円から2026/3期5.30円まで約3.8倍。配当性向は実績ベースで30〜44%の範囲に収まっており、利益の増減を配当性向の上下で吸収しながら増配を積み上げる形が続いている
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: 5.30→5.40円(+0.10円)で16期目の連続増配へ。増配幅は2023/3期以降0.10〜0.30円と小刻みで、利益が△5.5%減る予想の期でも増配を組み込んでいる
- 方針シグナル: 有価証券報告書の「配当政策」は「継続的な増配を基本的な考え」とするのみで、配当性向・DOEの数値目標はない。実績としての増配継続は強いが、方針文言としての拘束力は定性の範囲にとどまる
- 耐性実績: 15期連続増配+直近5年で減配なし+当期も増配予想で、判定順の最上位に該当。コロナ期(2021・2022年3月期)にも増配を続けており、利益変動に対する配当の粘りは実績で確認できる
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー
| 指標 | 当期(Q1累計) | 前年同期(Q1累計) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 3兆6,177億円 | 3兆2,620億円 | +10.9% |
| 営業利益 | 4,251億円 | 4,052億円 | +4.9% |
| 営業利益率 | 11.8% | 12.4% | △0.7pt |
| 税引前四半期利益 | 4,214億円 | 3,918億円 | +7.6% |
| 当社に帰属する四半期利益 | 2,748億円 | 2,597億円 | +5.8% |
| 基本EPS | 3.38円 | 3.14円 | +7.6% |
セグメント別(対前年同期比)
| 区分 | 営業収益(前年同期比) | セグメント利益(前年同期比) |
|---|---|---|
| 総合ICT事業 | 1兆6,170億円(+8.5%) | 2,462億円(+2.7%) |
| グローバル・ソリューション事業 | 1兆2,789億円(+15.8%) | 635億円(+9.9%) |
| 地域通信事業 | 7,636億円(+0.8%) | 985億円(+0.6%) |
| その他(不動産・エネルギー等) | 4,424億円(+14.6%) | 234億円(+29.3%) |
営業収益はセグメント間取引を含む小計ベース。伸び率はグローバル・ソリューション事業が最も高く、セグメント利益率は5.2%→5.0%とほぼ横ばい。地域通信事業は営業収益+0.8%・セグメント利益+0.6%で成熟領域の位置づけが続いている。通期予想に対する進捗率は営業収益24.0%・営業利益24.9%・当社に帰属する当期利益28.0%。
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🟡 注意 | 当第1四半期の連結範囲の重要な変更は「無」だが、前年同期との比較では2025年10月に連結した住信SBIネット銀行の寄与が加わっている。営業収益+10.9%には連結範囲拡大分と既存事業の伸びが混在し、短信本体では切り分けが開示されていない |
| 営業外損益 | 🟡 注意 | 金融収益236.18億→438.24億円(+85.6%)、金融費用492.81億→711.06億円(+44.3%)、持分法による投資損益122.39億→235.44億円(+92.4%)。差引で税引前+7.6%が営業+4.9%を上回っており、伸びの一部は営業段階の外側で作られている |
| 純利益押し上げ要因 | 🟡 注意 | 四半期利益全体は2,726.96億→2,841.70億円(+4.2%)だが、当社に帰属する分は+5.8%。非支配持分に帰属する四半期利益が129.82億→93.40億円(△28.1%)へ減ったことによる取り分の増加で、事業そのものの伸びとは分けて見る必要がある |
| 開示の誠実性 | 🟡 注意 | 連結範囲の重要な変更「無」・会計方針の変更「無」・継続企業の前提に関する注記なしを明記し、後発事象として2026年7月1日の無担保社債発行(55億米ドル・38.5億ユーロ・4億英ポンド)も開示。一方で経営成績の概況は短信本体に記載せず決算説明会資料に委ねる構成で、短信単体では増減要因を追えない |
→ 業績の質: 中品質(二桁増収は連結範囲拡大を含み、税引前・当社帰属利益の伸びは金融収支と非支配持分の縮小に支えられている)
7-2. 財務・CFサマリー
| 指標 | 前期末(2026/3)・前年同期 | 当第1四半期末(2026/6) |
|---|---|---|
| 営業CF(百万円) | 526,255(前年同期) | 574,494 |
| 投資CF(百万円) | △608,185(前年同期) | △673,441 |
| 財務CF(百万円) | 1,114,054(前年同期) | 557,107 |
| 現金及び預金(BS・百万円) | 1,921,882(前期末) | 2,387,389 |
| 短期有価証券(BS流動・百万円) | 0(前期末) | 0 |
| 現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) | 2,025,143(前年同期) | 2,387,389 |
| 株主資本比率(%) | 20.8(前期末) | 20.8 |
- 有利子負債: 17,425,652百万円 = 短期借入債務5,165,229百万円+長期借入債務11,089,364百万円+リース負債1,171,059百万円(流動250,642+非流動920,417)。前期末16,919,540百万円から+506,112百万円増加した。会社が通期決算短信の財政状態で開示する有利子負債(15兆7,116億円)は借入債務のみの定義だが、本ブログはIFRS採用会社の運用としてリース負債を加算している。銀行業の預金(流動11,362,004+非流動101,798)は銀行事業の運用原資であり、会社の有利子負債定義にも含まれないため算入していない
- ネットキャッシュ: 現金及び預金2,387,389百万円 + 短期有価証券0百万円 − 有利子負債17,425,652百万円 = △15,038,263百万円のネット有利子負債超過(いずれも2026年6月末時点)。時価総額約14.76兆円(株価¥163×期末発行済株式数90,550,316,400株・自己株式を含む)に対して△101.89%。通信・電力・ガスは大規模設備投資で構造的にネット有利子負債が大きいため、業種補正により2/10点
- ※IFRS適用会社のため連結財政状態計算書の流動資産に計上される科目名は「現金及び現金同等物」で、上表の「現金及び預金(BS)」行はこれに対応する。流動資産に有価証券の独立掲記はないため短期有価証券は0。この構成上、BS行とCF行の当期値は一致する
- 営業CF 5,744.94億円(前年同期5,262.55億円から+9.2%)。税引前利益の増加に加え、銀行業の預金の増加4,578.23億円が貸出金の増加△2,327.72億円を上回ったことが寄与した
- 営業CF安定性の評価対象5期(2022年3月期〜2026年3月期・単位百万円): 3,010,257 → 2,261,013 → 2,374,159 → 2,364,031 → 1,485,190。5期とも黒字だが、5期平均2,298,930百万円に対して2022年3月期が約+30.9%、2026年3月期が約△35.4%と±20%の帯を外れる年が2期あり、単発の外れ値1件では説明できないため安定性は3/5
- 投資CF △6,734.41億円。有形固定資産・無形資産及び投資不動産の取得支出6,302.94億円が中心で、営業CF5,744.94億円を上回る
- 財務CF +5,571.07億円(前年同期+1兆1,140.54億円)。短期借入債務の収支1兆581.46億円の収入に対し、配当金の支払2,159.40億円・長期借入債務の返済4,960.20億円が差し引かれている
- 期末発行済株式数は90,550,316,400株で前期末から変化なし。期末自己株式数は9,126,691,363株→9,125,733,186株とわずかに減少しており、2026年5月8日決議の取得枠(14億株・2,000億円)は第1四半期時点でほぼ未執行
7-3. 通期業績予想(2027年3月期)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 15兆600億円 | +4.5% |
| 営業利益 | 1兆7,100億円 | +0.2% |
| 税引前当期利益 | 1兆5,000億円 | △5.2% |
| 当社に帰属する当期利益 | 9,800億円 | △5.5% |
| 基本EPS | 12.10円 | △4.0% |
| 営業利益率(通期予想) | 11.4%(1兆7,100億円÷15兆600億円・本ブログ算出) | △0.5pt |
| ROE(通期予想) | 10.0%(9,800億円÷株主資本9兆7,929億円=期首9兆7,276億円と第1四半期末9兆8,581億円の平均・本ブログ算出) | △0.4pt |
2026年5月8日公表の予想を第1四半期時点で据え置き。営業収益+4.5%に対し営業利益+0.2%・当社に帰属する当期利益△5.5%と伸び方が大きく分かれる形で、増収分の多くが費用増と金融費用の増加に吸収される想定になっている。第1四半期の進捗率は営業利益24.9%・当社に帰属する当期利益28.0%で、予想に対しては標準からやや先行している。
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 第1四半期の営業収益・営業利益・税引前四半期利益・当社に帰属する四半期利益・EPS・株主資本比率 | 2026年度 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(2026-08-06開示) | 🟢 一次情報 |
| 通期業績予想・配当予想(修正の有無を含む) | 2026年度 第1四半期決算短信「3.2026年度の連結業績予想」「2.配当の状況」 | 🟢 一次情報 |
| 営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) | 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首株主資本と第1四半期末株主資本の平均) | 🟡 補助データ |
| 配当実績・配当性向・DOE(株主資本配当率) | 2025年度 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026-05-08開示)「2.配当の状況」 | 🟢 一次情報 |
| 配当方針(継続的な増配・自己株式取得の機動的実施) | 第41期 有価証券報告書(2026-06-15提出)「第4 3 配当政策」 | 🟢 一次情報 |
| 現金及び現金同等物・短期借入債務・長期借入債務・リース負債・銀行業の預金・貸出金・発行済株式数・自己株式数 | 2026年度 第1四半期決算短信「要約四半期連結財政状態計算書」「注記事項(3)発行済株式数」 | 🟢 一次情報 |
| 営業CF・投資CF・財務CF・現金及び現金同等物 四半期末残高 | 2026年度 第1四半期決算短信「要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書」 | 🟢 一次情報 |
| 営業CF安定性の評価対象5期(2022年3月期〜2026年3月期) | 第39期 有価証券報告書(2024-06-20提出)「主要な経営指標等の推移」(2022〜2024年3月期)・2025年度 決算短信(2025・2026年3月期) | 🟢 一次情報 |
| セグメント別営業収益・セグメント利益 | 2026年度 第1四半期決算短信「(6)セグメント情報」 | 🟢 一次情報 |
| 無担保社債の発行(2026年7月1日) | 2026年度 第1四半期決算短信「(7)後発事象」 | 🟢 一次情報 |
| 自己株式取得枠(14億株・2,000億円)・住信SBIネット銀行の連結子会社化・NTTデータグループの完全子会社化 | 2025年度 決算短信「重要な後発事象」「企業結合」「非支配持分との取引」 | 🟢 一次情報 |
| 2010/3期〜2011/3期のDPS・EPS | 第28期 有価証券報告書(2013-06-28提出)「主要な経営指標等の推移」 | 🟢 一次情報 |
| 2012/3期〜2025/3期の過去配当推移・EPS推移 | EDINET DB | 🟢 一次情報 |
| 連続増配期数の会社表記(2026年度で16期連続) | NTT 株主還元(配当・自己株式取得) | 🟢 一次情報 |
| 株価¥163(2026-08-14終値) | J-Quants API(JPX 公式) | 🟢 一次情報 |
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