【旭情報サービス(9799)】配当B(78点)・3期連続増配 — 2027年3月期Q1

保有中(筆者が当該銘柄を保有)📁 情報・通信業

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結論: 実質無借金水準を保ち34円維持、2Qから連結決算へ移行。

📊 スコア: B 78点
💰 配当: 34→34円予想(±0円)、中間16円+期末18円から中間17円+期末17円へ配分変更
良い点: 自己資本比率81.4%、実質無借金水準、3期連続増配、配当性向40%以上の目標明示
⚠️ 注意点: 通期予想営業利益率10.0%、通期純利益△4.3%予想、累進配当の明示なし、Q1進捗は標準ペース未満


1. 業績ハイライト

  • 売上高: 4,163百万円(+5.8%)、自動車関連分野の受注拡大が牽引。
  • 営業利益: 323百万円(+20.7%)、売上総利益率20.1%→20.6%の改善が寄与。
  • 経常利益: 350百万円(+23.7%)、営業外収益が16→28百万円へ増加。
  • 四半期純利益: 237百万円(+19.1%)、税負担率29.6%→32.3%で伸びは経常以下。
  • 通期予想: 売上175億円・営業17.5億円で据置、進捗は売上23.8%・営業18.5%。

サマリー

  • 本業の改善: 売上総利益率が20.1%から20.6%へ、営業利益率が6.8%から7.8%へ(+1.0pt)。増収に加え、前年同期に発生したオフィス移転関連費用の剥落が効いた。
  • 進捗はやや後倒し: 通期予想に対する進捗は売上23.8%・営業18.5%で標準の25%を下回る。第2四半期累計予想に対しては売上48.7%・営業44.3%。
  • 財務は一段と厚く: 自己資本比率は79.9%から81.4%へ(+1.5pt)。現金及び預金5,996百万円+短期有価証券698百万円に対し有利子負債246百万円で、実質無借金が続く。

2. 配当判断サマリー

  • 2027年3月期の年間配当は34円予想で据置(±0円)。内訳は中間16円+期末18円から中間17円+期末17円へ均等化した。
  • 配当性向は通期予想EPS78.25円ベースで43.5%と、会社が掲げる「配当性向40%以上」の目標を上回る運用。
  • 3期連続増配(2024/3期〜2026/3期)で過去10年の分割後DPSに減配はなく、コロナ期(2020/3期→2021/3期)も19.50→19.75円で増配を維持。
  • 同じ受託・常駐型の情報サービスでも、システムリサーチ(3771)は配当性向50%目標+累進配当、DTS(9682)記念配当を挟む年の読み替えが必要と、還元設計の作りは分かれる。

3. スコア内訳

配当持続性ランク: B(78/100点) ★★★★☆

カテゴリ 配点 得点 主な内容
配当 50 35 性向7・DOE7・利回り7・方針6・耐性8
財務 25 24 自己資本10・ネットキャッシュ10・営業CF安定性4
収益 25 19 営業利益率12・ROE7
合計 100 78

3-1. 主な加点

  • 自己資本比率 10/10: 81.4%(前期末79.9%から +1.5pt)。60%以上で満点の帯を大きく上回る
  • ネットキャッシュ 10/10: 現金及び預金5,996百万円+短期有価証券698百万円−有利子負債246百万円=+6,448百万円時価総額の41.6%で「プラス・30%以上」帯
  • 営業利益率 12/15: 通期会社予想10.0%(営業利益1,750百万円÷売上17,500百万円)で10〜15%帯。四半期単独の7.8%ではなく通期予想を採点根拠とする
  • 増配・減配耐性 8/10: 3期連続増配(2024/3期〜2026/3期)+直近5年で減配なし+当期は34円維持予想。当期が増配予想でないため10点には届かない
  • 営業CF安定性 4/5: 直近5期はすべて黒字。2023年3月期の単発の落ち込みを除いた4期は平均から±20%以内に収まる
  • 配当性向 7/10: 通期予想の表面ベース43.5%(34円÷予想EPS78.25円)。情報・通信業(成長IT・SIer)の中央値25%からの乖離は +18.5pt で「+10〜+20pt」帯
  • DOE 7/10: 4.4%(2026年3月期 決算短信の純資産配当率)で3〜5%帯
  • 配当利回り 7/10: 3.55%(予想DPS34円÷株価¥959)で3.5〜4.5%帯
  • ROE 7/10: 通期会社予想10.0%(予想純利益1,221百万円÷平均自己資本12,161百万円)で10〜15%帯

3-2. 主な減点

  • 該当する明確な低得点項目なし(全項目で40%超の得点を確保)

配当方針 6/10(配点比60%)は中庸帯のため §3-1 / §3-2 のいずれにも該当しない。配当性向40%以上の目標は明示されているが、累進配当やDOE目標の明示までは至っていない。

3-3. スコアの動き(定点観測)

  • スコア変動: 前期78点 → 今期78点(±0点)
  • 変動の内訳: 10項目すべてで得点が動いていない。自己資本比率は79.9%→81.4%、ネットキャッシュの時価総額比は40.1%→41.6%へ改善したがいずれも満点帯の内側。配当性向は採点根拠が2026年3月期実績41.3%から当期通期予想43.5%へ切り替わったが「+10〜+20pt」帯のままで7点は不変
  • 満点項目の維持: 自己資本比率 10/10・ネットキャッシュ 10/10 の財務2本が前期から不変で、スコアの支柱は動いていない
  • 現在の位置づけ: B帯(70〜84点)の中位。財務24/25点が土台で、配当は利回り・DOE・配当性向の3項目がそろって7点の中位帯に並ぶ構図。配当方針が累進配当やDOE目標を掲げていないことが配当カテゴリの頭打ち要因になっている。なお会社は第2四半期決算から連結決算へ移行する予定で、本カルテは非連結ベースでの最後の定点観測となる

※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。


4. 事業の強み・構造リスク

4-1. ✅ 事業の強み

  • 上流工程の能力と東海地区の体制を買収で補う: 2026年9月1日付で取得予定のスィンク(名古屋市)は要件定義・基本設計など上流工程を強みとする受託開発会社で、会社は相互の顧客への提供価値向上と東海地区の体制強化を狙いに挙げる。ネットワークサービスを中核とする本体に上流工程のノウハウが加われば契約料金の改善余地が広がり、配当原資となる利益率の上限を押し上げる経路になりうる。

4-2. ⚠️ 構造リスク

  • 技術者の採用・賃金コストが利益率の上限を決める構造: 会社は技術者の採用強化・教育投資・賃金改善をコスト増要因として明記している。人材獲得競争が続くなかで契約料金の改善が止まれば、増収でもコスト増を吸収しきれず配当原資の伸びが鈍る。
  • 初の子会社化で統合とのれんの経路が加わる: 取得価額は非開示で、連結後はスィンクの収益とのれんの償却・減損を通じて利益が振れる経路が新たに生じる。非連結で積み上げてきた利益の見通しに、買収先の統合が計画どおり進むかという変数が加わる。

保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年8月時点)。


5. 筆者メモ

営業利益率が6.8%から7.8%へ戻ってきたのが今回いちばん安心した点。人件費を上げながら増益を出せているなら、配当性向40%以上という目標もしばらくは無理なく回ると思っている。


6. 配当の見方

6-1. 配当の中身

項目
2025年3月期実績 中間28円(分割前)+期末18円=32円(分割後換算)
2026年3月期実績 中間16円+期末18円=34円(+2円・+6.3%)
2027年3月期予想 中間17円+期末17円=34円(±0円・第1四半期時点で修正なし)
配当性向(非連結・表面・予想) 43.5%(34円 ÷ 通期予想EPS78.25円・記念配当/特別配当の支給がないため実質普通配当ベースと同値)
DOE(非連結・純資産配当率) 4.4%(2026年3月期 決算短信記載値)
配当利回り 3.55%(予想DPS34円 ÷ 株価¥959・2026-08-21終値・J-Quants API)
配当方針 「配当については安定的かつ継続的に行うことを基本方針とし、配当性向40%以上を目標」(2026年3月期 決算短信・累進配当およびDOE目標の明示はなし)
連続増配年数 3期連続増配(2024/3期〜2026/3期)。2027年3月期は34円据置予想のため、連続増配は3期で一旦止まる見込み

6-2. 過去年度 DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算・分割後ベース)

2022年以前の履歴を表示
年度 DPS(円・分割後) EPS(円・分割後) 配当性向
2016/3期 15 31.43 47.7%
2017/3期 15.50 38.79 40.0%
2018/3期 16 41.80 38.3%
2019/3期 18 48.98 36.7%
2020/3期 19.50 51.95 37.5%
2021/3期 19.75 54.25 36.4%
2022/3期 21.50 55.52 38.7%
年度 DPS(円・分割後) EPS(円・分割後) 配当性向
2023/3期 21.50 58.69 36.6%
2024/3期 28 68.91 40.6%
2025/3期 32 76.50 41.8%
2026/3期(実績) 34 82.37 41.3%
2027/3期(予想) 34 78.25 43.5%

(注)

  • データ基準: EDINET DB引用。直近期(2026/3期)はDPS34円・EPS82.37円・配当性向41.3%が決算短信記載値と一致することを確認済
  • 株式分割の扱い: 2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を実施。2025/3期は中間配当28円が分割前、期末配当18円が分割後の金額で開示されているため、分割後ベースへ揃えると28÷2+18=32円となる。上表はすべて分割後ベースに統一
  • 異常値の説明: 配当性向は36〜44%帯で推移し、2024/3期に40%台へ乗せて以降は40%強で運用。2027/3期予想の43.5%上昇は、年間配当34円・純利益予想1,221百万円が据え置かれる一方で通期予想EPSが79円73銭から78円25銭へ見直されたことによる
  • 配当政策の傾向: 2026年3月期 決算短信の「配当の状況」欄に記念配当・特別配当の記載はなく、普通配当のみで推移。過去10年の分割後DPSは15円から34円へ増加し、減配の年はない

6-3. 配当の評価ポイント(3点)

  • 増配構造: 2023/3期以降は21.50→28→32→34円と3期連続増配(過去10年で約2.27倍)。2027年3月期は34円据置(±0円)で、中間16円+期末18円から中間17円+期末17円へ配分が均等化した。
  • 方針シグナル: 「配当性向40%以上」を目標として明示し、2026年3月期実績41.3%・2027年3月期予想43.5%と目標を上回って運用。累進配当・DOE目標の明示はなく、方針スコアは6/10にとどまる。
  • 耐性実績: 過去10年の分割後DPSに減配はなく、コロナ期(2020/3期→2021/3期)も19.50→19.75円で増配を維持。当期は減益予想(純利益 △4.3%)のもとでも34円を据え置く計画。

7. 詳細データ

7-1. 業績サマリー(第1四半期累計・非連結)

指標 当第1四半期 前年同期 前年同期比
売上高 4,163百万円 3,936百万円 +5.8%
売上総利益 857百万円 792百万円 +8.2%
営業利益 323百万円 267百万円 +20.7%
営業利益率(四半期実績) 7.8% 6.8% +1.0pt
経常利益 350百万円 283百万円 +23.7%
四半期純利益 237百万円 199百万円 +19.1%
EPS 15.56円 12.82円 +21.4%

通期予想に対する進捗率は売上23.8%・営業利益18.5%・経常利益19.3%・四半期純利益19.4%で、標準ペース25%を下回る。第2四半期累計予想に対しては売上48.7%・営業利益44.3%・経常利益46.1%・四半期純利益45.7%。当社は情報サービス事業の単一事業のため報告セグメントの開示はなく、下表は決算短信「経営成績の概況」の部門別開示による。

部門別(対前年同期比)

区分 売上 前年同期比
ネットワークサービス 3,523百万円 +6.8%
システム開発 588百万円 +5.2%
システム運用 51百万円 △34.7%

業績増減要因の「業績の質」診断

観点 評価 解釈
一過性要因 🟢 軽微 増益の主因は増収と契約料金の改善。前年同期に発生したオフィス移転関連費用の剥落分を含むが、金額の開示はない
営業外損益 🟡 注意 経常 +23.7% が営業 +20.7% を上回るのは営業外収益16→28百万円(受取利息13百万円・受取配当金7百万円・保険解約返戻金5百万円等)の増加による
純利益押し下げ要因 🟢 軽微 特別損益の計上なし。税負担率が29.6%→32.3%へ上がり、四半期純利益 +19.1% は経常の伸びを下回る
開示の誠実性 🟢 高 部門別の売上・売上総利益、貸借対照表の主要増減、後発事象(子会社化の理由・時期・資金手当て)を具体的に開示

業績の質: 概ね高品質(増収と料金改善が主導する本業改善型・営業外の押し上げは小幅)

7-2. 財務・CFサマリー

指標 前期末(2026年3月末) 当第1四半期末(2026年6月末)
現金及び預金(BS・百万円) 5,843 5,996(+2.6%)
短期有価証券(BS流動・百万円) 697 698
現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) 5,343 N/A(CF未作成)
自己資本比率(%) 79.9 81.4(+1.5pt)
  • 有利子負債: 短期借入金210百万円+リース債務(固定)36百万円=246百万円(前期末248百万円)。長期借入金・社債の計上はなく、流動負債にリース債務の個別掲記もない
  • ネットキャッシュ: 現金及び預金5,996百万円 + 短期有価証券698百万円 − 有利子負債246百万円 = +6,448百万円(2026年6月末BS基準)。時価総額約155.2億円(株価¥959×期末発行済株式数16,179,700株・自己株式を含む)の41.6%で「プラス・時価総額比30%以上」帯=10/10点。投資有価証券3,123百万円・保険積立金662百万円・前払年金費用889百万円は長期資産のため分子に算入していない
  • 営業CF: 第1四半期の四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていない(決算短信の注記)。営業CF安定性は直近5期(2022年3月期〜2026年3月期)の通期実績 781 → 587 → 1,067 → 927 → 1,045百万円で採点した。5期連続黒字だが2023年3月期が単発で落ち込んでおり、同期を除いた4期の平均955百万円からの乖離はいずれも±20%以内に収まるため4/5点
  • 現金及び預金の増加(+153百万円): 売掛金の回収(△816百万円)が主な流入要因だが、賞与引当金の取り崩し(△603百万円)・配当金281百万円の支払い・契約資産の増加(+203百万円)などの流出も大きく、差し引きでは小幅な増加にとどまった
  • 自己株式: 2026年6月30日付で350,000株を消却し、期末発行済株式数(自己株式を含む)は16,529,700株→16,179,700株へ減少。期末自己株式数は1,217,416株→927,076株(いずれも従業員向け株式交付信託の保有分を含む)

7-3. 通期業績予想(2027年3月期)

項目 予想 前期比
売上高 175億円 +5.8%
営業利益 17.50億円 +6.3%
経常利益 18.14億円 +6.6%
当期純利益 12.21億円 △4.3%
EPS 78.25円 △5.0%
年間配当 34円 ±0円
営業利益率(通期予想) 10.0%(1,750百万円÷17,500百万円・本ブログ算出) +0.1pt(前期実績9.9%)
ROE(通期予想) 10.0%(予想純利益1,221百万円÷平均自己資本12,161百万円〔期首12,180百万円と当第1四半期末12,141百万円の平均〕・本ブログ算出) △0.7pt(前期実績10.7%)
  • 増減トーン: 2026年5月1日公表の予想から修正なし。売上 +5.8%・営業 +6.3% の増収増益計画に対し、当期純利益は △4.3% の微減益見通し
  • EPS予想の見直し: 当期純利益予想1,221百万円は据え置きのまま、1株当たり当期純利益の予想が79円73銭から78円25銭へ変わった。短信に変更理由の記載はなく(純利益予想が据置のため算定の前提となる株式数の見直しと読めるが明示はない)、次の四半期で会社実績と突合して確認する
  • 連結決算への移行: 2026年9月1日にスィンクの全株式を取得予定で、第2四半期決算から連結決算へ移行する。連結ベースの業績予想は改めて公表される予定で、上表は非連結ベースの数値

7-4. データ出典の透明性

項目 出典 信頼度
第1四半期の売上高・売上総利益・営業利益・経常利益・四半期純利益・EPS 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026年8月7日開示・非連結) 🟢 一次情報
通期業績予想・第2四半期累計予想・後発事象(子会社化・連結移行) 2027年3月期 第1四半期決算短信「業績予想などの将来予測情報に関する説明」「重要な後発事象」 🟢 一次情報
営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想) 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と当第1四半期末自己資本の平均) 🟡 補助データ
配当実績・当期配当予想 2027年3月期 第1四半期決算短信「2.配当の状況」 🟢 一次情報
配当方針・DOE(純資産配当率)・2026年3月期の配当性向 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」「1.(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」 🟢 一次情報
自己資本比率・現金及び預金・短期有価証券・有利子負債・発行済株式数・自己株式 2027年3月期 第1四半期決算短信「四半期貸借対照表」「発行済株式数」 🟢 一次情報
営業CF・現金及び現金同等物 期末残高(過年度) 2026年3月期 決算短信「キャッシュ・フロー計算書」+ EDINET DB 🟢 一次情報
部門別売上(ネットワークサービス・システム開発・システム運用) 2027年3月期 第1四半期決算短信「1.経営成績等の概況」 🟢 一次情報
過去配当履歴・EPS推移 EDINET DB 🟢 一次情報
株価¥959(2026-08-21終値) J-Quants API(JPX 公式) 🟢 一次情報

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本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。