結論: Q1は3割増益、配当100円据置・性向35〜40%目安。
📊 スコア: B 70点
💰 配当: 100→100円予想(±0円・期末一括据置)
✅ 良い点: 5期連続増配実績、性向35〜40%目安、ネットキャッシュ35%
⚠️ 注意点: 通期営業益△19.3%計画、受注残△17.1%、営業CF変動大
1. 業績ハイライト
- 売上高 12,822百万円(+10.0%)・大型工事の進捗が牽引
- 営業利益 1,095百万円(+34.8%)・売上総利益率19.2%へ改善
- 経常利益 1,125百万円(+34.4%)・純利益 744百万円(+33.2%)
- 受注高 14,990百万円(+13.6%)と2桁増
- 通期は営業利益3,850百万円(△19.3%)の減益計画を据置
サマリー
- 計画対比で余裕のある滑り出し: 通期予想への進捗率は売上25.6%・営業利益28.4%(百万円実額から算出)と単純按分の25%を上回る。通期予想は2026-05-13公表の減益計画のまま修正なし
- 採算改善が主導する増益: 売上総利益率は17.9%→19.2%へ改善。大型工事の順調な進捗に加え、施工効率の改善・原価管理の徹底が寄与したと短信に明記され、増益は本業由来
- 減益計画との落差: 通期の営業利益△19.3%計画に対しQ1は+34.8%。短信に減益要因の明示はないが、前期末時点の受注高△13.0%・受注残△19.9%(2026年3月期末)と整合的な水準設定で、焦点は受注残の補充ペース
2. 配当判断サマリー
- 2027/3期は期末一括100円の据置予想(±0円・2026-05-13公表から修正なし)。前期2026/3期は期中に92→100円へ増額修正して着地した経緯
- 配当方針は2024-11-06開示で「連結配当性向35〜40%を目安とし、安定的な配当と持続的な増配に努める」へ変更(2025/3期から適用)。当期予想ベースの配当性向38.9%は目安レンジ内
- 2022/3期以降5期連続増配(30→33→40→50→87→100円)・表示範囲(2020/3期〜)で減配なし。据置予想のとおりなら連続増配は5期でいったん足踏み
- 同じ建設業では累進配当方針を明示する日本電技(1723)に対し、当社は配当性向レンジ(35〜40%)を目安とする方針型。数値の目安を持つ点で定性的な安定配当より輪郭が明確
3. スコア内訳
配当持続性ランク: B(70/100点) ★★★★☆
| カテゴリ | 配点 | 得点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 50 | 37 | 性向9・DOE7・利回り7・方針6・耐性8 |
| 財務 | 25 | 21 | 自己資本10・ネットキャッシュ10・営業CF安定性1 |
| 収益 | 25 | 12 | 営業利益率8・ROE4 |
| 合計 | 100 | 70 | — |
3-1. 主な加点(高得点項目)
- 自己資本比率 10/10: 59.9%(前期末59.3%から+0.6pt)、建設業補正(40%以上で10点)を適用・本則でも60%帯目前の高水準
- ネットキャッシュ 10/10: +8,664百万円(現金及び預金10,128+短期有価証券0−有利子負債1,464・百万円)、時価総額約247.39億円対比約35.0%で「30%以上」の満点帯
- 配当性向 9/10: 通期予想ベース38.9%(予想DPS100円÷予想EPS257.05円)、メーカー基準の中央値35%比+3.9ptの「中央値〜+10pt」帯
- 増配減配耐性 8/10: 2022/3期以降5期連続増配+直近5年で減配なし(当期は100円据置予想)
- DOE 7/10: 4.0%(2026年3月期実績・通期決算短信「配当の状況」純資産配当率(連結)記載値)、3〜5%帯
- 配当利回り 7/10: 4.34%(予想DPS100円 ÷ 株価¥2,306・2026-08-20終値)、3.5〜4.5%帯
3-2. 主な減点(低得点項目)
- 営業CF安定性 1/5: 直近5期(2022/3期〜2026/3期)の営業CFは3,051→1,829→△4,740→12,925→1,938百万円と、2024/3期に赤字1回。未成工事受入金など運転資本の増減で年度間の振れが大きい
- ROE 4/10: 通期予想9.7%(予想純利益2,700百万円÷平均自己資本27,886百万円)、5〜10%帯。2026/3期実績13.0%から減益計画分の低下
3-3. スコアの動き(定点観測)
- スコア変動: 前期(2026年3月期 通期)68点 → 今期70点(+2点)・ランクはC→Bへ
- 変動の内訳: 方針3→6(2024年11月6日開示「配当方針の変更」の連結配当性向35〜40%目安を今回から採点に反映)・性向10→9(Q1カルテは通期予想ベース38.9%で採点し、前期実績30.4%の中央値以下帯から「中央値〜+10pt」帯へ移動)。DOE7・利回り7・耐性8・財務21・収益12は同じ帯を維持
- 満点項目維持: 自己資本比率10(59.3→59.9%)・ネットキャッシュ10(時価総額比約39.2%→約35.0%)
- 現在の位置づけ: B(70〜84点)の下限ちょうど。性向・耐性と財務2項目の満点が土台で、営業CF安定性1点と通期予想ベースの営業利益率8点・ROE4点が上値を抑える構図
※本スコアは決算短信の数値から機械的に算出した独自指標であり、将来の減配可能性を予測するものではありません。過去のデータ上の傾向を整理した参考情報としてご利用ください。
4. 事業の強み・構造リスク
4-1. ✅ 事業の強み
- 6工種ポートフォリオによる受注の分散: 当Q1は産業プラント受注△9.5%を電気計装+70.2%・設備保全+16.0%・管工事+86.1%が補い、設備工事全体で+14.0%。工種の分散が受注の振れを均す構造
- 保全・送電の反復需要: 工場設備の定期修繕中心の設備保全と電力会社の設備保守中心の送電は受注・売上とも前年同期超と短信に明記。完成後も繰り返し発生する保守需要が配当原資の下支えになる
4-2. ⚠️ 構造リスク
- 顧客の投資時期の慎重化: 短信は海外情勢等の影響で顧客に投資時期を慎重に計る動きがあると明記。主力の産業プラント設備工事は化学業界の設備投資判断に受注が左右される構造で、利益変動要因になる
保有状況: 筆者は本銘柄を 保有しています(株数は非開示・2026年8月時点)。
5. 筆者メモ
建設セクターの分散枠として保有を継続中。性向35〜40%の目安が明文化され、5期連続増配の実績と合わせて還元の読み筋が立てやすくなった。減益計画下で据置100円がレンジ内に収まるかを見ている。
6. 配当の見方
6-1. 配当の中身
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 2025/3期実績 | 期末87円(年1回・普通配当) |
| 2026/3期実績 | 期末100円(普通配当・期中に92→100円へ増額修正) |
| 2027/3期予想 | 期末一括100円据置(中間0円・2026-05-13公表から修正なし) |
| 配当性向(連結・表面・通期予想ベース) | 38.9%(予想DPS100円 ÷ 予想EPS257.05円・本ブログ算出。2026年3月期決算短信「配当の状況」の2027年3月期予想欄も38.9%) |
| DOE(連結・純資産配当率) | 4.0%(2026年3月期実績・通期決算短信「配当の状況」記載値。四半期短信ではDOE欄の開示なし) |
| 配当利回り | 4.34%(予想DPS100円 ÷ 株価¥2,306・2026-08-20終値・J-Quants API) |
| 配当方針 | 「連結配当性向35〜40%を目安とし、安定的な配当と持続的な増配に努める」(2024年11月6日「配当方針の変更及び配当予想の修正に関するお知らせ」・2025年3月期から適用)。DOE目標・累進配当の宣言はなし。四半期短信本文は中期経営計画「TRY2030」推進の定性記述のみ |
| 連続増配年数 | 5期連続増配(2022/3期〜2026/3期。30円(2021/3期)→33→40→50→87→100円)。2027/3期は100円据置予想で、予想どおりなら連続増配は5期でいったん足踏み |
6-2. 過去年度 連結DPS・EPS・配当性向(EDINET DB 引用、配当÷EPS再計算)
2022年以前の履歴を表示
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2020 | 30 | 175.74 | 17.1% |
| 2021 | 30 | 163.92 | 18.3% |
| 2022 | 33 | 175.02 | 18.9% |
| 年度 | DPS(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2023 | 40 | 154.78 | 25.8% |
| 2024 | 50 | 179.71 | 27.8% |
| 2025 | 87 | 247.47 | 35.2% |
| 2026 | 100 | 328.95 | 30.4% |
| 2027(予) | 100 | 257.05(予) | 38.9% |
(注)
- データ基準: EDINET DB引用、直近期(2026)は決算短信記載と一致確認済。2027(予)のEPS 257.05円は2027年3月期 第1四半期決算短信の通期予想値(譲渡制限付株式報酬としての自己株式処分の影響を考慮した会社公表値)
- 株式分割: 2017年4月1日付で1株→2株の株式分割(有価証券報告書「発行済株式総数、資本金等の推移」で確認)。配当は期末年1回のため分割を跨ぐ年度はなく、表示範囲(2020以降)のDPS・EPSはすべて分割後基準
- 記念配当・特別配当: 表示範囲外の2019/3期27円は普通配当22円+設立50周年記念配当5円(2019-03-20開示)。表示範囲(2020以降)のDPSに記念配当・特別配当は含まれない(会社の適時開示一覧で確認)
- 配当政策の傾向: 2022/3期以降5期連続増配(30→33→40→50→87→100円)・コロナ期(2021/3期)も30円を維持
6-3. 配当の評価ポイント(3点)
- 増配構造: 2022/3期以降5期連続増配(30→100円・約3.3倍)。2026/3期も期中に92→100円へ増額修正しての着地で、期初予想からの上振れが続いてきた
- 方針シグナル: 2024-11-06の配当方針変更で連結配当性向35〜40%の目安と「安定的な配当と持続的な増配」への取り組みを明示(2025/3期から適用)。当期予想の性向38.9%は目安レンジ内
- 耐性実績: 表示範囲(2020/3期〜)で減配なし・コロナ期(2021/3期)も30円を維持。当期は100円据置予想で、性向38.9%はレンジ上限に近い水準まで使う
7. 詳細データ
7-1. 業績サマリー(第1四半期累計)
| 指標 | 当第1四半期 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 128.22億円 | 116.54億円 | +10.0% |
| 営業利益 | 10.95億円 | 8.12億円 | +34.8% |
| 営業利益率(四半期実績) | 8.5% | 7.0% | +1.5pt |
| 経常利益 | 11.25億円 | 8.37億円 | +34.4% |
| 親会社株主帰属四半期純利益 | 7.44億円 | 5.59億円 | +33.2% |
| EPS | 70.93円 | 53.30円 | +33.1% |
通期予想に対する進捗率は売上25.6%・営業利益28.4%・経常利益28.9%・純利益27.6%(いずれも百万円実額から算出)。
セグメント別(対前年同期比)
| セグメント | 売上 | 前期比 | セグメント利益 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 設備工事事業 | 12,459百万円 | +10.5% | 1,531百万円 | +24.5% |
| 表面処理事業(タイ) | 363百万円 | +4.3% | 21百万円 | +11.3% |
前連結会計年度に「その他」に含まれていた鋳造用工業炉事業は事業廃止に伴い、当第1四半期から「その他」の区分を廃止(前年同期のその他売上は27百万円)。
業績増減要因の「業績の質」診断
| 観点 | 評価 | 解釈 |
|---|---|---|
| 一過性要因 | 🟢 | 増益は大型工事の順調な進捗と施工効率の改善・原価管理の徹底による売上総利益率の改善(17.9%→19.2%)が主因と短信に明記。一過性の押し上げ要因は見当たらない |
| 営業外損益 | 🟢 | 経常利益+34.4%と営業利益+34.8%がほぼ同水準。営業外収益は受取配当金・受取地代家賃等の計37百万円で特殊要因なし |
| 純利益押し下げ/押し上げ要因 | 🟢 | 特別利益0.1百万円・特別損失0.6百万円(表面処理事業の減損損失337千円を含む)と軽微。税金費用は見積実効税率で計算(四半期特有の会計処理) |
| 開示の誠実性 | 🟢 | 受注高・売上高・受注残高を6工種+セグメント別に増減率まで開示。減益計画に対するQ1進捗を検証できる粒度 |
→ 業績の質: 鮮明
7-2. 財務・CFサマリー
| 指標 | 前期末(2026年3月末) | 当第1四半期末(2026年6月末) |
|---|---|---|
| 現金及び預金(BS・百万円) | 10,601 | 10,128(△4.5%) |
| 短期有価証券(BS流動・百万円) | 0 | 0 |
| 現金及び現金同等物 期末残高(CF・百万円) | 10,601 | N/A(CF未作成) |
| 自己資本比率(%) | 59.3 | 59.9(+0.6pt) |
- 有利子負債: 短期借入金800百万円+リース債務(流動)25百万円+長期借入金600百万円+リース債務(固定)39百万円=1,464百万円(前期末1,047百万円。短期借入金300→800百万円の増加が主で、長期借入金は675→600百万円へ返済進行)
- ネットキャッシュ: 現金及び預金10,128百万円 + 短期有価証券0百万円(貸借対照表に計上なし) − 有利子負債1,464百万円 = +8,664百万円(2026年6月末BS基準)。時価総額約247.39億円(株価¥2,306×期末発行済株式数10,728,000株・自己株式を含む)の約35.0%で「プラス・時価総額の30%以上」帯(10/10点)
- 営業CF: 第1四半期の四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていない(短信注記)。営業CF安定性の採点は直近5期(2022年3月期〜2026年3月期)の通期実績 3,051 → 1,829 → △4,740 → 12,925 → 1,938百万円を対象とし、2024年3月期に赤字1回で1/5点。未成工事受入金など運転資本の増減で年度間の振れが大きい業態
- 現金の減少(△473百万円): 2026年3月期 期末配当(1株100円・総額1,049百万円・2026-06-25支払開始)と法人税等の納付(未払法人税等977→410百万円)が第1四半期に集中する一方、短期借入金を+500百万円調達した動きが重なった
7-3. 通期業績予想(2027年3月期)
| 項目 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 50,000百万円 | △4.5% |
| 営業利益 | 3,850百万円 | △19.3% |
| 経常利益 | 3,900百万円 | △18.9% |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 2,700百万円 | △21.8% |
| EPS | 257.05円 | △21.9% |
| 営業利益率(通期予想) | 7.7%(3,850百万円÷50,000百万円・本ブログ算出) | △1.4pt |
| ROE(通期予想) | 9.7%(予想純利益2,700百万円÷平均自己資本27,886百万円〔期首27,981百万円と当Q1末27,790百万円の平均〕・本ブログ算出) | △3.3pt |
(注)業績予想は2026年5月13日公表から変更なし。EPS 257.05円は2026年6月24日決議の譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分(7,900株・払込2026年7月23日)の影響を考慮した会社公表値。前期比欄の営業利益率・ROEは2026年3月期実績(9.1%・13.0%)との比較。
7-4. データ出典の透明性
| 項目 | 出典 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 第1四半期売上・営業利益・経常利益・純利益・EPS・自己資本比率・セグメント別・会計処理の注記 | 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-08-07開示) | 🟢 一次情報 |
| 通期業績予想・予想EPS(自己株式処分の影響考慮の注記) | 同短信「3.2027年3月期の連結業績予想」 | 🟢 一次情報 |
| 受注高・売上実績・受注残高(工種別) | 同短信「3.その他(参考)受注及び売上(販売)の状況」 | 🟢 一次情報 |
| 現金及び預金・短期有価証券・有利子負債・発行済株式数・自己株式数 | 同短信「四半期連結貸借対照表」「注記事項」 | 🟢 一次情報 |
| 配当実績・当期配当予想・DOE 4.0%(2026年3月期実績)・前期末の有利子負債・営業CF等 | 2026年3月期 決算短信「2.配当の状況」「連結貸借対照表」「連結キャッシュ・フロー計算書」 | 🟢 一次情報 |
| 配当方針(連結配当性向35〜40%目安) | 「配当方針の変更及び配当予想の修正に関するお知らせ」(2024-11-06開示・TDnet) | 🟢 一次情報 |
| 2019/3期の記念配当内訳(普通22円+記念5円) | 「配当予想の修正(記念配当)に関するお知らせ」(2019-03-20開示・TDnet) | 🟢 一次情報 |
| 譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分(7,900株・払込2026-07-23) | 「譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分の払込完了に関するお知らせ」(2026-07-23開示・TDnet) | 🟢 一次情報 |
| 営業利益率(通期予想)・ROE(通期予想)・配当性向38.9%(通期予想ベース) | 本ブログ算出(会社予想値より計算・ROE分母は期首自己資本(前期末)と直近開示時点自己資本の平均) | 🟡 補助データ |
| 過去配当履歴・EPS推移・営業CF過去系列(直近2期は2026年3月期 決算短信と一致確認) | EDINET DB | 🟢 一次情報 |
| 株価¥2,306(2026-08-20終値) | J-Quants API(JPX 公式) | 🟢 一次情報 |
【免責事項】 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
本記事は配当持続性スコアの枠組みに基づき、筆者が一次情報と内容を確認・編集して公開しています。下書き・集計・整形には補助ツールを使用しています。誤りにお気づきの方は X(@haitoukarte) へお知らせください。